平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

ことだま大実験

2006年12月29日 | 江本勝と水からの伝言
『AERA』でもう一つ批判されていたのは、ご飯に「ありがとう」と「ばかやろう」という言葉をかける実験です。「ありがとう」という言葉をかけたご飯は腐りづらく、「ばかやろう」という言葉をかけたほうは腐りやすい、と江本氏は言います。これに対する批判――

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 奥田教諭は教員を対象にした模擬授業で、言葉に関係なく同じように腐ったご飯粒やイチゴを示して、道徳の授業で取り上げるべきではないと説明した。
 「『科学的ではないが、素晴らしい本だ』という先生もいた。しかし、結論がいいからといって、子どもに信じ込ませてはいけない」
 と、奥田教諭は強調する。
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実は、私はこの実験は、想念波動と物質との関係(または無関係)を検証するための、たいへんよい実験方法だと考えています。

ご飯の腐敗は、そこに含まれる細菌や菌類によって引き起こされます。したがって、「ありがとう」の言葉を投げかけたご飯でも、腐敗菌が多く含まれていれば、当然腐敗し、奥田教諭のような結果になるわけです。また逆に、江本さんの雑誌に報告されているように、「ありがとう」のご飯が腐敗せず、「ばかやろう」のご飯が腐敗しても、それはたまたま「ありがとう」のほうには細菌が少なく、「ばかやろう」のほうに細菌が多かったからだ、という説明が可能です。ですから、実験の数が少なければ、いくら「ありがとう」が腐らなかったとしても、それは言葉の力の科学的証明にはなりません。また、奥田教諭が「ありがとう」という言葉をかけたご飯が腐った例を示しても、数例だけでは言葉が腐敗作用に無関係という証明にはなりません。実験開始時の条件がたまたまそうだった、と考えられる余地があるからです。

しかし、これを数千、数万という規模で行なったらどうでしょうか。

すべての実験の開始時点で、「ありがとう」のほうにいつも腐敗菌が少なく、「ばかやろう」のほうにいつも腐敗菌が多かった、ということはありえません。実験の数を多くすればするほど、細菌の数の多い少ないという初期の条件は、「ありがとう」と「ばかやろう」では五分五分になるはずです。

現在の科学の立場では、言葉は腐敗作用に何ら影響を及ぼさないはずですから、全体の統計を数万の規模で取れば、両方とも腐り方は同じになるはずです。このことは逆に、全体の統計を調べて両者の間に有意な違いが出てきたら、それは言葉が腐敗過程に影響を及ぼしたことの証明になります。

【ことだま大実験】

この実験では、同じ種類の透明なビン2個をよく洗い、両方にほぼ同じ量――たとえばスプーン一杯――のご飯(自宅で炊いたもの、コンビニ弁当などには添加物が含まれている可能性がある)を入れ、蓋をし、一方には「ありがとう」、他方には「ばかやろう」のラベルを貼ります。そして、同じ部屋にほぼ同じ条件で(気温や明るさや床からの高さ)、数メートル離して置き、一方には毎日「ありがとう」の言葉をかけ、他方には「ばかやろう」の言葉をかけ、一定期間観察します。「ばかやろう」という言葉を言うのが嫌いな人は、何も言わないで無視します。

ご飯が腐る、腐らないは、まず第一にその検体にどのような細菌がどのくらい含まれているか、ということで決まるでしょう。実験室ではなく、一般の家庭で行なうのですから、ご飯を入れたビンの一方には雑菌(腐敗菌)が多く、他方には雑菌が少ない、という場合がありますし、両方ともほぼ同じということもあります。

(A) 両方とも腐敗菌の数がほぼ同じ場合
 両方とも同じ時期に腐り始めるはずです。

(B) 両方のビンの雑菌の数が大きく違う場合
 ビンの組み合わせは――
 b1 「ありがとう」+細菌少ない & 「ばかやろう」+細菌多い
 b2 「ありがとう」+細菌多い & 「ばかやろう」+細菌少ない

の2種類になります(「多い」「少ない」は絶対数ではなく、比較です)。

実験数が少ない場合、「ありがとう」のビンが腐らず、「ばかやろう」が腐ったとしても、それは、言葉のせいではなく、たまたまb1のビンが多かったから、という可能性は否定できません。

しかし、検体が数千、数万、数十万と増えていけば、b1とb2はほぼ同じになるはずです。偶然によって、b1またはb2の組み合わせが一方的に多くなる確率はゼロに近づきます。

また、温度やその他の周囲の条件も、2個のビンでは同じではありませんが、これも数万の実験では、どちらが腐りやすいか条件か、ということも平均的にならされて、五分五分になると考えられます。両者の顕著な違いは、そこに加えられる言葉のエネルギーだけです。

現代の科学では、腐る・腐らないを決めるファクターは、細菌の種類と数と外界の条件であって、言葉は無関係ということになっています。数を大きく取れば、b1とb2は同じになります。したがって、「ありがとう」のご飯が先に腐るケースと、「ばかやろう」のご飯が先に腐るケースは、同じになるはずです。これは(A)のケースを加えても同じです。

逆に言えば、もし先に腐るのが、「ありがとう」と「ばかやろう」で有意な違いが出て、たとえば4:6のようになったら、それは言葉が腐敗作用に、つまり細菌の活動に影響を及ぼした証拠になります。

これを大規模に行なえば、言葉が細菌の活動に影響を与えるか与えないかが検証できるのです。江本氏と、江本氏に批判的な科学者や学校の先生は、共同で全国の小学生、中学生に呼びかけて、大規模な実験を行なったらどうでしょう。有意な差が出なかったら、江本氏の仮説は間違っていたことになりますし、有意な差が出たら、江本氏の仮説が正しいことになります。

しかも、この実験の利点は、実際に実験をし観察をするのは、論争の当事者の江本氏でも体制科学者でもなく、中立的な大勢の子供たちであることです。実験の結果は、各人が江本氏側と体制科学者側ならびにそれ以外の第三者に報告するようにすれば、インチキやデータの操作の入り込む余地はありません。

江本氏は自分の仮説が正しいと信じているわけですし、体制科学者は言葉が細菌に影響するはずはない、と信じて、両方とも自分が正しいと信じているのですから、この実験に賛成してくれると思います。

言葉と物質が無関係という結果が出れば、江本氏の「ニセ科学」が消滅し、日本の子供たちの科学的態度が養われます。もし言葉が物質に影響を与えるという結果になれば、科学界の革命的発見になるばかりではなく、道徳の時間で、「悪い言葉を使うのはやめよう。よい言葉を使おう」と子供たちに強い説得力をもって教えることができます。どちらにしても、よい結果が待ちうけています。これは名案だと思いませんか?

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4 コメント

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自分でもやってみよう!! (あけぼの)
2006-12-29 23:44:40
ほんの少しのご飯で良いから、早速やってみようかな?
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もう一つの実験提案 (笛吹働爺)
2006-12-30 17:51:43
これは過去に誰かがすでにやっているかもしれませんが・・・。
御霊紙の実験です。滅菌した御霊紙と普通の懐紙を適当な大きさに切り、細菌の入ったシャーレの中央にそれぞれ置いて培養し、その結果の違いを調べる、というものです。
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Unknown (heywa)
2007-02-02 22:54:20
この実験は誰でも簡単にでき、参加できるところに意義があるわけで、御霊紙では参加者が限定されてしまいます。御霊紙といっても、普通の人にはわかりませんね。
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参考サイトです。 (No.4560)
2007-02-28 04:57:19
はじめまして、No.4560という者です。

「ありがとう広場」のありがたや権兵衛さんが小規模ではありますが、同種の実験をやっておられるので、実験手法の参考になさってはいかがでしょうか。
http://tekipaki.jp/~gon/park/fram/f.guzen.htm

後は岡山大のサークルも実験をしていますね。
http://www.chem.ous.ac.jp/~takahara/circle/pic050805.html
http://www.chem.ous.ac.jp/~takahara/circle/050805an.html


ちなみに僕も一年前、10個のご飯詰め瓶を用いてやってみましたが(写真がきれいに撮れなかったのが残念)、結果はどれも「ほとんど同じ」状態になりましたね。
ただ、最初のうちの腐敗の度合いの大きかったのは、
1.「無視」した瓶
2.「ばかやろう」と毎日声をかけた瓶
3.「ありがとう」と毎日声をかけた瓶
でした。全方面から写真を撮ることができなかったので、あくまで僕の主観ですが。(こういう教訓も参考にしていただければ幸いです。)
http://7635log.mizo4560.zombie.jp/?eid=117060
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