平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

1941年12月8日

2006年12月08日 | Weblog
65年前の今日は、真珠湾攻撃によって日米戦争が勃発した日です(アメリカの日付では12月7日)。アメリカはこの戦争を、民主主義対全体主義の戦い、自分たちを世界を隷属から解放する正義の軍隊と位置づけました。しかし、戦争の真の原因は、中国支配・アジアの覇権をめぐっての日米の利害の対立でした。日独伊3国同盟を結んでいた日本を戦争に引きずり込んで、ヨーロッパでナチス・ドイツとの戦争に参加するという目的もアメリカにはありました。

日米戦争はポツダム宣言の受諾により、1945年8月15日に終結しました。その後、アメリカは日本に乗り込み、日本の社会を根底から変革しようとしました。アメリカは日本に新憲法を押しつけ、日本を、ほぼアメリカの望むような民主主義の国に変えることができました。アメリカはまたドイツ(西ドイツ)やイタリアも民主化することに成功しました。

日本は敗れることによって、神がかり的な軍国主義から解放され、戦争放棄の憲法を手に入れました。その憲法のおかげで、戦後60年間、戦争に直接巻き込まれることを避け、その間、経済復興に集中することができました。いわば「負けるが勝ち」を獲得したのです。

しかし、アメリカにとっては、軍事的勝利と民主化という政治的勝利の成功体験が、その後の外交・軍事にマイナスの影響を与えたことは否定できません。つまり、自分たちの軍隊は正義の軍隊であり、自分たちの戦争は正義の戦争であるという思い込みが生まれました。アメリカは次々と正義のための戦争を起こしました。朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク戦争。

イラク戦争は、露骨に欲望(石油)と謀略(大量破壊兵器の嘘)から始まった戦争でしたが、そこにもイラクを独裁者サダム・フセインから解放し、民主化するための戦争という美しい大義名分が掲げられました。しかし、イラクは日本ではなかったし、フセインは昭和天皇ではなかったのです。イラク戦争がもたらしたのは、いつ終わるとも知れない破壊と混乱です。アメリカの犯した罪は大きい。そのカルマは深い。その報いは必ず受けることになります。

イラクはアメリカの好戦主義の終点となるでしょう。そしてイスラエル偏重の中東政策の転換点になるでしょう。いずれ中東の激変は避けられません。敗戦後の傷心のアメリカをどう支えていくかが、アメリカの友好国である日本の課題ですが、アメリカの言いなり、アメリカのポチであるだけでは、もはやすみません。日米関係も大きな転機を迎えることになるでしょう。

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