平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

カラシニコフとドゥホボール

2006年01月08日 | Weblog
ロシアのニュース――

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カラシニコフが“至宝”に ロシアの博物館に収蔵

 【モスクワ4日共同】ロシアの歴史的価値のある美術品や宝物を集め、博物館にもなっているモスクワ中心部のクレムリンの武器庫に、このほど、ロシア製自動小銃カラシニコフが収められた。
 イラクやアフガニスタンなど世界中の紛争地で反政府勢力らが多用し、今や最も入手が簡単な武器ともいわれるカラシニコフが、「大国ロシア」を象徴する逸品として“至宝”の仲間入りを果たした格好だ。
 収蔵されたのはロシア人銃器設計者ミハイル・カラシニコフ氏の考案による自動小銃や銃剣など約30点。
 カラシニコフは1940年代末に旧ソ連軍の武器として採用された。今では全世界で出回るカラシニコフは改造品も含めて7000万-1億丁といわれるが、武器庫の担当者は「技術、設計分野における偉大な創造で、ロシア文化を代表するもの」と絶賛した。
(共同通信)
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060104-00000122-kyodo-int

銃がロシアの「逸品」「至宝」とはね。

もちろん、武器も人類の歴史の一部ですから、博物館で保存し展示する意義はあるでしょう。また、日本刀のように、美術品としての価値のある武器もたしかにあります。

しかし、カラシニコフは今でも使用され、人々の命を奪っています。そういう武器を「ロシア文化を代表するもの」と自慢する心理が理解できません。カラシニコフによってロシア文化が代表されたら、心あるロシア人とロシア文化が泣くのではないでしょうか?

ロシアには非暴力の文化的伝統もあります。

19世紀ロシアにはドゥホボールという宗教がありました。ドゥホボール教徒は兵役を拒否し、武器を焼いたことで知られています。文豪トルストイはドゥホボールの非暴力の生き方に深い感銘を受け、中断していた長編『復活』を書き上げ、その印税をドゥホボール教徒がカナダに移住する資金として寄付しました。

五井先生は、『神は沈黙していない』という本の中で、木村毅氏の『ドゥホボール教徒の話』を引用し、紹介しています。

ロシア人が、ドゥホボールやトルストイの非暴力の生き方こそ「ロシア文化の代表」だ、と一日も早く言ってくれるようになることを祈ります。

参考:ドゥホボール教について
http://deutsch.c.u-tokyo.ac.jp/~nakazawa/review/gottesmutter.htm


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