仔羊の回帰線

詩と散文のプロムナード :Promenade

*閨秀詩人 L.の異世界 より

2022年05月30日 09時04分40秒 | 文学・学問・詩・余滴: Ⅰ

・真昼の閃光に 幻惑されたか 

     蜥蜴(トカゲ)が 忽然 立ち去りゆく /  

・実の熟れた 花梨幹には 

        亀裂が走り 刀傷のように / 

・薔薇園の魔王 侏儒ラウリンの 

      裂け傷からは 血が滲む                               

・そして プシュケーの背中を  柳は  エロスの愛のごとく 

  やさしく 鞭打っている

・ 森から 響き渡る叫び声 !  おお それは 

     魔法使いメ ルリーンの叫び ! /

・ 庭師のパイプから 漂ひくる 芳香と まじわり 

   エーリアルが 風のように 舞っている / 

・ そして 樹木の精 ドリュアデスも 浮遊し

    おお 魔界に満てる 森よ !!...                        

  E. Langgasser:  Licht im Februar                                                        Aus; Der Laubmann und die Rose   

     ランゲッサーの「二月の光」 より

 

 

 

 

 

 

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