おおさか佳巨 街頭演説のブログ

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なぜミニ政党は惨敗したか

2007年07月30日 15時45分42秒 | Weblog

参院選のたびに、「かつてはスポーツ平和党というのがあり、サラリーマン新党があり、税金党があり、二院クラブがあり、議席をとった」ということが今でも語られている。

それが今ではどこもとれなくなったと。
最後にとったのは、12年前に二院クラブで1議席とったのみである。その最後の当選者である佐藤道夫氏も、二院クラブの理念を捨てて、自らの議席維持のために民主党に逃げいった。このことで6年前の選挙運動期間中に、たしか横浜駅であったと思うが、佐藤氏本人に難癖をつけた記憶がある。(もともとの理由は演説の場所とりなんだけど・・・)

スポーツ平和党の最後の議席獲得者・江本孟紀氏も自由連合、自由の会、フロム・ファイブ、民政党を経て民主党へ行き、大阪府知事選挙で落選している。

これらミニ政党が奮わない理由として、二大政党体制や供託額の引き上げがよく出される。

しかし、そういう制度上での問題ではないと思う。

これまで議席を獲得したミニ政党には、それぞれの存在意義があった。
それは各々が政策の一部分を特化させるか、一部の立場の利益代弁者として、その専門性について選挙で売り、それに応じた有権者がいたからである。

国民はこれらにある程度の期待を寄せたものの、結局のところ、消滅するかどこかに吸収されてしまうために、投票することに意義を失っていることに気づいている。

なぜ消滅したり吸収されたりするかといえば、話は簡単で、彼らミニ政党のイデオロギー、理念、政策など、そのよって立つところが、すべて既成政党の提案している政策内容の一部を拡大しただけに過ぎず、それであるならば大政党に投票したほうが死票は少ないと考えるからである。

たとえば昨日、開票した参議院選挙で立候補したミニ政党では、女性党、維新政党・新風、共生新党、9条ネットがあるが、これら四党の中から当選者が今回も出てこなかった。

国民新党、新党日本は議席を獲得しており、これらの既成政党のミニ政党化が進んで影響を受けている。


今、民主党の躍進したが、これとて国民の本意ではなく、自民党には確かに不信任をつきつけるべきだが、その投票先が民主党ということに納得していない国民は多いはずだ。そうなると第三党以下に期待されるのだが、公明党は与党であるし、共産・社民は旧来型左派政党ときている。国民新党と新党日本は、旧来の自民党をひきずる守旧派政党であるから、当然にその下につけている彼らミニ政党が躍進してもいいはずである。

三年前も六年前も、九年前も十二年前もこのような状況でミニ政党が議席をとれないでいる。十二年前に二院クラブがかろうじて議席を得たのは、その年の四月に青島幸男東京都知事が誕生し、それを引きずっていたからでもあり、ミニ政党の議席獲得をなんとか生き伸ばせることができた程度のものであった。それが証拠に、この年の参院選は、あれほど熱狂的な支持を受けて当選したはずのアントニオ猪木氏が改選により落選した年でもあり、ミニ政党活躍最後の年といってよいだろう。

現在立候補している四党が、なぜ伸びないのか。

まず女性党であるが、ここは新時代党の系譜であるそうだが、彼女らはフェミニズム政党でもなく、掲げる政策内容もごく一般的なものである。とくに特徴はない。ただ、そのネーミングによって投票数をかせぐというぐらいであり、単に民主党や社民党に入るだろうという女性票を奪っているだけである。三年に一度の参院選のとき以外は、ただ化粧品を販売しているだけであり、ポリシーもなければ、国家に対する政策もない。その政策は、単に役所が白書に書くようなごくありふれたものであり、スローガンもこれまで言い尽くされたものだけに終始している。私がこの政党を任された場合、手のほどこしようがないので、選挙での当選は諦めるしかないと考える。

次に新風について、平和党は瀬戸弘幸氏と共闘を約束したために非常に言いにくいが、ここにも既成政党の主張の部分拡大の傾向がある。憲法改正・教育基本法改正は、安倍政権のスローガンであり、新風は外交を単純な方程式にすれば、「自民党マイナス(宏池会+平成研)」というものである。核武装については、自民党の中にも民主党の中にも賛同する人間はいるだろう。しかし、現在立候補している四党の中では新風のみが活路があって、切り開くことは可能である。なぜならば、単なる自民党の部分拡大ではあるが、自民党の内部ではごく少数意見であり、これを堂々と言えない要素が存在しているからである。それは自民党に内在しているハト派・リベラル・護憲・無抵抗主義など、理想すぎて現実に対応できなくなる政治思想である。新風が議席を獲得し、今後衆議院でも議席を得ていった場合、自民党と連立政権を組む事で彼らの政策内容の実現は可能である。そして消滅するというのが今日までのミニ政党の歴史である。したがって、自民党とは明らかに一線を引くと、国民が認識する何かがなければならない。それは神道が重要視してきた自然の大切さであり、自然生命の力を経済や外交よりも優先させることである。

共生新党は女性党と同じく、あまりはっきりしていない。競争を大事にする共生を唱えているようだが、黒川紀章代表の石原慎太郎知事に対しての礼儀を欠く選挙運動は見ていてモラルを感じられない。単に自己満足でしかなく、また渋谷区長選挙でも宅八郎氏を推薦するなど、単にお祭り騒ぎをしたいだけであるので批評するに値しない。政治について深く考えたり、責任をもっていこうという立場の人間は、こことは関わらないだろう。共生新党の立候補者をみてみると、どうしても選挙に出たいという人間ばかりである。しかし、政治を面白くするにはあってもいい一つではある。

9条ネットは、典型的な部分拡大政党である。彼らは共産党と社民党の足を引張るだけに終わる。左派はつねに自己主張が激しすぎて調和することをしらないためにこのようにいつも分散する傾向がある。ちょっとした政策の違いですぐに仲間割れし、平和とは縁遠い人間ばかりである。彼らの気持ちは、政権に限らずつねに他人を否定したがることで、物事を産み出さない傾向にある。9条ネットの掲げる内容は、共産・社民と大して変わらず、単に共産・社民が旧態というイメージをもたれているためにネットワークを作っただけである。内容が古いことについて彼ら自身は気づいていない。いずれにしても有力候補である天木直人氏、及び栗原君子新社会党委員長であるが、誰が当選しても、天木新党になったり新社会党になったりするわけで、みな自分のことしか考えていないだろう。このような議員が誕生しても、わが身勝手さから国民の信頼を失うというのがこれまでのパターンであるからだ。9条ネットは選挙のために作られたネットワークであり、まさに彼らの身勝手さはここに現れている。そして彼らが議席獲得をなして、その議席を六年後に維持するためには、社民に入るぐらいしか手はないだろう。憲法9条を守りたいのであれば、私は共産党に投票すべきと考える。


このように政党は混迷しているわけだが、その根本は、現状の常識土台での限界があると思う。つまりは内政でも外交でも、全ては、現在のお金の常識が当然であるというところから政策が発案されている。

この大本を正そうと提案しているのが平和党である。だから、全ての問題はお金に起因しているのであって、その枝葉の政策内容を議論すればするほど既成政党に近くなってしまい、ミニ政党の存在意義は失われるのである。

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