Kanaheiのデンマーク生活

糖尿病の勉強をしたくてきたデンマークでの紆余曲折な生活を日記として残しています。

ベルリンにいってきます

2010年08月26日 | 旅の話
 明日からちょろりとベルリンへいってきます。飛行機だったら小一時間のところ、わざわざ電車で7時間もかけていってきますよ。週末旅行なのに、移動時間で14時間!

 なぜベルリンかっていうと、29日が結婚記念日で、デンマークのレストランで食事とか微妙だし、じゃあ旅行が生き甲斐の我々、どっか近場に遊びにいこうってことになり。
 そしてまたなんで電車かっていうと、ヨナスがDSB(デンマークの国鉄)のアンケートに答えたら、なんと2500kr分の旅行券が当たったからで、じゃあせっかくだし、それを使って電車でいってみるか、と。

 今日はこれから準夜勤なので、すでに明日の早朝出発に備えてパッキング完了。電車なので大量のビールを購入可能だし、折りたたみキャリーも準備し、気合いバッチリです。
 ランチにはチーズ、ハム、パテ、フルーツ、そしてシャンパンを(明日は朝一で冷凍バゲットも焼いて持っていきます)。7時間の電車旅。世界の車窓風に優雅にいきますよー。

 ちなみにわたくし、6年間デンマークに住んでいて、隣国ドイツに行くのはなんと初めて。いつも真ん中飛び越して南へ南へといっていたので…。

 みんなに「ベルリンのおすすめは?」と聞いた所、なぜか揃いも揃って「ぜひケバブを食べて!」とか「韓国食堂がおすすめ!」とか、まったくドイツらしからぬものをおすすめされ、ベルリンのイメージって…。ヨナスの友達にもなぜか「パンクの人々が多いエリア」をおすすめされるし、一体ベルリンとはどういう街なのか。
 ていうか、私達の周りにはアングラ&ナイスな友達が多く、誰一人「ブランデンブルグ門が」とか「プレッツェルが」とか言わないのがすばらしい!!(みんなベルリンでなにやってるんだ!?笑)

 そしてドイツといえばドイツ語。うちには誰かからかいただいた「旅の指差し会話帳ドイツ語」があるのですが、きっとドイツあたりは南欧と違って英語がよく通じるからいらないでしょう。いざとなれば「ダッフンだ!」と言っておけばいいはず(ドイツ語っぽいじゃん?)。
 
 帰りはこれまた電車で、夜11時ベルリン初、コペンハーゲンには月曜朝8時頃着だそうです。人生初の寝台車、どんなもんかためして来ます!

 ではでは、また戻って来たら「ベルリン、ケバブ情報」とかアップしますね~!God weekend!

ノアブロ探検隊

2010年08月25日 | Weblog
 週末のベルリン旅行に備えて、ヨナスが「たくさん歩く練習をしよう」と言い出し(超運動不足の彼の足は、たびキャットの肉球並みにふわふわで、すぐにマメができるので)、夕方からちょっとノアブロを散歩してきました。

 まずはノアブロゲードという大通りをセンターに向って歩き、Assistant Kirkegaardという、アンデルセンやキルケゴードも眠るきれいな墓地を通りぬけ、コペンハーゲンで最も危険と言われる移民ギャングがたむろすエリア、Stengadeのあたりを足早に抜け、ノアブロとコペンハーゲンのセンターの中間の湖へ。
 
 久々の太陽にそそのかされて、「じゃあ晩ごはんはケバブとビールを買って、湖ほとりで食べよう」ってことにうっかりなったのですが、しかしコペンハーゲン、太陽は出ていても気温はすっかり秋。今日は特に超!強風だったので、ケバブが、ビールが吹き飛ばされないよう押さえつつ、必死に寒さと闘いつつ食べ、マイナスヒュゲ。

 その後完全に身体が冷えてしまったので、ElmegadeへいってLaundromatcafeでカプチーノをがぶ飲みし、隣のBirkegadeというあたりのアパートが立地もよく素敵(屋上に緑のテラスを建設中!)だったので、「よし、ここに引っ越すことを目標にがんばって生きていこう」と二人で決意。

 帰り道は、今まで6年もノアブロに住んでいて一度も通ったことのない、ノアブロゲードの一本裏の道を通っていったのですが、色んなおもしろいコミューンの建物や、お風呂&サウナ屋さん(!)、そして「あら、ここも住むにはちょっと素敵!」というStevensgadeを練り歩き、アパートの中庭をのぞいてみたりして、ノアブロの秘境(って私が知らなかっただけだけど)を散策。


ノアブロ裏通りの学童保育所?の屋上にて。

 いつも自転車で大通りをさーっと通り過ぎてしまうだけだったけど、たまにはのんびり歩いてみるのもいいものです。色んな意外な発見があります。

 ちなみに、とある移民の八百屋の軒先でみつけて、お土産に買って来たのがこれ。



 お店の人に聞くと最初は「カボチャだよ!」と言ったのに、だんだん食べ方とか話していると「ズッキーニだよ」となってきて、一体どちらなのか。先っちょはズッキーニなんだけど、下の部分は確かにカボチャに似てるし…。

 とりあえず手提げのように持つのに最適で、腕に下げて帰って来ました。



 おもしろいのでしばらく飾って鑑賞し、ベルリンから戻って来たら食べてみようとおもいます。


自宅でフリマします

2010年08月24日 | ご報告
 去年、雨天のためにフリマ出店しそこね、家中、売りたいもので飽和状態なので、お友達&このブログを見ている方をご招待して、うちでフリマを開催したいと思います。

日時:9月5日(日)13時~
場所:Kanahei宅

 来られる方は私の携帯、5327-0884にSMSかお電話ください。あ、お友達は直接きてもらっても大丈夫ですよ~。
 ちなみに「一緒に私も売りたーい!」という方がいらしたら、大歓迎です。一緒にヒュゲリに売り買いしましょう。

 以下は私が売りたいものリストです。参考までに…。

*洋服
(Poul&Joe、バーバリー、アクアガール、X-girl、ナチュラルビューティーベーシック、ユニクロ、GAP、Designers Remix Collection、Free's shop、NoaNoa、他。男物も少々あり)
*靴
*小物
(マフラー、カバン)
*電化製品
(Fax、ミキサー、フライヤー)
*自転車用ヘルメット(新品)
*収納用カゴ
*キッチン用品
(鍋、お皿など)
*本&マンガ

 まだ屋根裏をチェックしてないのでわかりませんが、まだまだ色々あると思います。みなさんお誘い合わせの上、いらしてくださいね~。

謎の人事、そして新卒ナース現る

2010年08月24日 | デンナースのお仕事
 私を含めまだ2人の契約社員が正規雇用を待っている状況で、なぜだかさらにもう一人契約社員が増えることになった、うちの病棟。人が足りてないわけでもポストが増えたわけでもないんだけど、一体なんなんでしょう、この人事。

 しかもその新しく入った契約社員は、なんと新卒の看護師。通常Stenoは糖尿病専門病院ということもあって、新卒は雇わないし、上記のようにポストが余ってるわけでもないのに、みんなが、そして本人さえ「なぜ…?」と不思議がっております。
 一応部長からの建前としての説明では、「眼科の方でひとつ半年のプロジェクトが立ち上がって、眼科ナースがそこに一人参加するため、半年間の限定でナースを募集した。でもたった半年だし、この状況(巷ではナースがどんどんリストラされている)なので、勉強の機会を与えるという意味合いで、新卒の看護師にチャンスを与えたいと思う」とのこと。(そしてその募集にはなんと114人のナースの応募があったとか。たった半年の契約なのに!)

 でもなぜかその後彼女の半年の契約が1年に延び、「眼科プロジェクトは半年で終わるのに??」と、またしてもみんな首をかしげております。当の本人は私と二人のときに「なんで100人以上の応募者の中から私が選ばれたのかわからないし、私の前に2人も契約社員がいて、正社員になる希望も薄いみたいだし、なんか複雑」ともらしていました。
 契約社員として不確かな立場で働いていて、なおかつステノのナースの中では最年少&最も経験値の低い私としては、彼女の気持ちもまあよくわかります。でも病棟としても、1年後もいるのかどうかわからないのに、経験者と違って新卒をまったくのゼロから育てていく(もちろんその間にも通常業務と看護学生の実習の面倒もみなきゃいけない)のは、なかなかの骨折り作業です。

 でもそう思わせるのは、部長の謎の人事だからだけでなく、実は彼女自身のキャラにも一因あり。

 ステノに114人の激戦をかいくぐって雇われたのですから、どんなスーパー看護学生かと思っていたら、どうもそこまで成績がよかったわけでもないようだし、じゃあものすごく看護センスとかあって人間的に優れているか、というと、ちょっとそのへんも微妙。
 まあ私が日本人で、日本の看護教育の中で育っているからそう思うだけかもしれませんが、でもつい色々気になってしまいます。だっていくらわからないことだらけだからって、ずっとナースステーションに座ってる必要はないわけで。
 看護の基本はまず患者さんの話を聞くことから始ると思うんだけど(だってみんなそれをしたいけど、他の雑務&業務に追われて話す時間が作れないわけで)、病室に行ってもすぐ帰って来ちゃうし、「注射手技チェックしてきた?あの指導はどうなった?」と聞いても、「やったわ」と返事はするものの、どう考えても帰って来るのが早過ぎる。
 で、「こういうところは大丈夫だった?どうだった?」と聞くと、二言目には「だってわからないし。教わってないし」って。じゃあなんで聞かないの?患者さんに指導した、チェックしたって、それで言えるの?わからないことだらけなのはわかる。専門病院ですもの。でも、たとえ謎の人事であっても、この「新卒看護学生、卒業後は80%無職」な時代に、一流の場所で勉強させてもらえるだけ有り難いと思うんだけどなー。
 ていうか暇なうちに患者さんとできるだけコミュニケーションとって、会話の中から看護問題だったり色々引き出すテクニックを磨いたり、信頼関係を築いたりすればいいのに。新人なんだから、とにかく話してそのへん修行すべきなんです。
 しかも彼女、なぜか電話を取らない。研修中とはいえスタッフの一人なんだし、電話くらい実習中の看護学生だって取りますよ。ステノナースの重要任務として緊急電話相談だってあるわけだし、来月には彼女も夜勤とか独り立ちではじめるだろうし。

 しかもしかも、デンマークのいいところかもしれないけど、あまりに目上の人(という区別がそもそも薄いのかもだけど)と対等に口をきき過ぎるのも、日本人スパルタ看護師としてはなんか腑に落ちず。別にビクビクしてろというわけでもないし、対等多いにけっこう。でもさー、「ここの白衣って、ださくってヤダ」と、周りがみんなちゃんと白衣を着ている中、彼女だけ外来ベテランナースやドクター達のように、私服(これまた派手な)の上に白衣を羽織るだけ。ファンキーに爆発しているパーマヘアもそのまま下ろしたままだったり、衛生的にもアウトです。

 不安定な立場で、「なに1年間の契約って。私捨て駒?」と、やや投げやりになるのもわかる。でもせっかく与えられた機会なんだから、ちゃんと学べ、ちゃんと働け、ちゃんと身なりをプロらしくしろ!もう学生じゃないんだから!と、心の中で吠えている今日この頃です。
 あー来月からはさらに”本当の”学生もやってきます。なんだか新卒の彼女もいるし、学生が2人な気分。
 前回の看護学生もとんでもない「ぶっ飛び看護学生」(「私おむつ替えとか傷口の消毒とか絶対やりたくないから。病棟のリーダーになるんだもの」とのたまった、衝撃の看護学生!)だったし、せめて今回はまともな子に来て欲しい、と心から願います…。

ヨナスの和食ヒットメニュー

2010年08月23日 | おいしいもの
 普段は比較的小食、でもピザとかバーガーのようなジャンクフードと、日本のファーストフードであるお寿司だけは別腹よ、なヨナスですが、そんなヨナスがお寿司の次に好物なのが、鶏の唐揚げ。
 揚げ物って片付けとか面倒なので、あまり作らないんだけど、今日は日曜だし、ヨナスサービスとして久々に作ってみました。そして唐揚げと一緒にこれまた彼の好物、赤米ごはん、そしてひじきとパプリカのサラダも作ってみたら、ヨナスにしては珍しく3杯もごはんおかわりしてくれました。

 赤米はただ白米に混ぜて炊くだけで、お赤飯のように色が付いて、栄養もあってなおかつおいしいので気に入ってます。
 いつも日本帰省の際に買って来ていたのですが、最近こちらのスーパーマーケットIrmaでイタリア産の赤米を発見!日本のものに比べて、ただ混ぜて炊いてしまうと赤米だけ芯が残ってしまうのですが、白米と炊く前に赤米だけ別に軽く洗って、小鉢に水を入れて電子レンジで2~3分温め、その後白米と混ぜて炊くとバッチリ(赤米の煮汁はお好みで白米に混ぜて)。
 ヨナスはなぜかこの赤米ごはんが大好きで、赤米ごはんの日はいそいそと自らごま塩を持ってきます。前に患者さんで、「日本食で一番おいしいのは寿司よりも神戸牛よりも”ごま塩”だ!!」と断言している人がいましたが、ごま塩、何気に外国人にヒット??
 ちなみに分量はお好みですが、白米3合に対し、赤米大さじ2~3杯くらいが適量です。

 そしてひじきとパプリカのサラダ。これは日本人には「デパ地下サラダデリコーナー」を思い出させる懐かしい味、かつ海苔とかひじきが苦手な外国人にも意外と受け入れやすい味だと思うので、おすすめ!

<ひじきとパプリカのサラダ>
作り方は以下の材料を切って混ぜて、ドレッシングと和えるだけ。

材料:
ひじき(水に戻しておく)
パプリカ赤&黄(千切り)
ツナ
セロリ(千切り)

ドレッシング:
すりおろし玉ねぎ(大さじ2杯くらい)
オリーブオイル(大さじ1.5杯くらい)
酢(大さじ1杯くらい)
しょうゆ(大さじ1杯くらい)
砂糖(少々)
*私はただのお酢と砂糖の代わりに寿司酢を使ってます。

 

欧州移民事情の徒然

2010年08月20日 | デンマーク人って


 まったく不景気に乗じてとか、なんかかんかと難癖をつけては移民排疎に余念のないDF(デンマーク国民党。極右)ですが、最近も永住権取得に関し、積極的に住民活動に参加しているか(アパートの管理組合や、仕事以外で何かしらの組織に1年以上所属しているか)とかいう、「一体どれくらいのデン人がそんなこと真面目にやってるんだよ」的な条件を盛り込んで来たりとか、まったくもってデンマークに住むガイジンにとっては厳しい状況が続いております。

 景気が低迷するとナショナリズム支持者が増える、という話ですが、まったくデンマークのみならず最近の欧州はすごいっすね。
 特によく耳にするのがおフランス。最近、目以外の全てを覆うイスラム教のブルカを公共の場で装着するのを違法とする法律を作ったり、ロマ人(ジプシー)一掃計画とか、さらに恐ろしいのは重犯罪を犯した移民のフランス国籍剥奪法案。そんな生粋のフランス人の重犯罪には?という、明らかに差別的な法案にもサルコジ氏ノリノリだそうで(ってあんたも移民系じゃん!)。
 最近とあるパーティで会った、デン女性と結婚したフランス人に、どうよこの状況?と話しても、「ああ大変そうだよね」くらいの薄いリアクション。元祖EU人(EU新参者ではない)な彼らは結婚にしたって、ビザとか別になんも問題ないわけで、自らが結婚してデンマークに移り住んで来ても移民という意識は薄いようです。
 なんか私が今まで接して来たフランス人は、リベラル風であってもそこはかとなく差別的というか…(ただ高飛車なだけ?)。もしかしたら無意識なのかもだけど…。そんなおフランス人のことを、私は世界のスネちゃまと心の中で呼んでいるところです(世界のジャイアンはやっぱ大英帝国でしょう)。
 でも私がフランス大統領だったら(すごい飛躍だ)、国連の人権保護団体とか一切無視して、「重罪人(移民も自国民も)更生&世直し法」を制定して、重犯罪を犯した輩はソマリアとかアフガニスタンに強制送還、治安維持&地域復興のためにフランス国民を代表して強制労働させるとか。もちろん命がけで。なかなかの犯罪抑止力を持つんじゃないですかね?これ。どうせやるならこれくらい…。

 飛躍しまくりましたが、フランスがこうも移民政策にノリノリだと、心配なのがおフランスびいきなデンマーク。ていうか隙あらば、なDF。真似しだしちゃうんじゃないですかね、これ。デンマークでも散々、公共の場でのブルカ着用は議論されてきたし、やっとやっとのところを生き残りヒッピー達(と移民2~3世)が支えてるような気がします。
 ロマ人対策が厳しくなってるイタリアとかフランスから閉め出されて来たロマ人(一応出身はルーマニアとかEU新参者だったりするので)が、今デンマークにも続々入国中で、最近もAmagerにある彼らのキャンプ(廃屋を勝手に占拠していた)を一掃したり、でも一応EU人だし、対応をどうする?とか議論になってきているもよう。

 EU内移民の厄介ごとと、今までに入れ過ぎちゃったトルコとか中東およびアフリカ系移民の対応でいっぱいいっぱいなのに、もうこれから新しく来ようとする移民なんて無理よ!無理!もういっそのことEUから東側は入れないってのはどう?とかまた無茶なことを言い出すDF。(アメリカは欧州より西という括りになるのか?ちなみにオーストラリアは…?)
 
 で、今が盛りのウハウハDFを先導として、このたびデンマークで可決されそうなのが、既存の24歳ルールを28歳にまで引き上げるというもの。
 24歳ルールとは、デン人(デンのパスポート所持者)と外国人のカップルが結婚する際にデン人側が24歳以上でなければ、外国人配偶者にデンマークでの滞在ビザが与えられないというもの。
 で、その24歳以上でないとという狙いは何かっていうと、親から強制的に結婚させられることのある、主に家父長制の根強く残る国(パキスタンとか中東とか)からの移民を制限するため。
 こういう強制的に結婚させられるっていうのは、主に若い女子が多いのですが、まだ若くて親に抵抗できない頃に婿を取ってしまう(時には暴力にものを言わせて)そうです。なので24歳以上である程度自立して親に抵抗できる年になるまで待たせましょう、と。

 ちなみにデンマークでの結婚ビザ(Familiesamføring)発行数ナンバーワンというのは実は微笑みの国、タイ。確かに移民局なんかへ行くと、けっこうな年の差カップル(おじいちゃんに近い年齢のデン人とまだ20代前半みたいな東南アジア女性)をよく見かけます。きっと、結婚&離婚を経てリタイアした今、余暇と老後のために?南の国から若くて働き者のお嫁さんをもらってくるのでしょう。
 前にDR(国民放送)のドキュメンタリーでも放送されていましたが、Thyという北ユランの田舎町では、とあるやり手タイおばさんを通じて、嫁の貰い手の無いデン人農夫とかの元にどんどんデン&タイのカップリングが成立しており、Thyとその近郊ではタイ女性人口が爆発的に増えたそうで、その結果が、タイ人への結婚ビザ発行数がナンバーワン。
 なので24歳ルールの目論みには、やり手おばさんによる東南アジア女性との「アレンジ婚」もズバリ含まれているそうです。確かに、発展途上地域では若ければ若いほど結婚も早いしね。
 でもこの場合別にお互い合意の上というか、双方のメリットの上に成り立っての結婚なわけだし、お互いが、特に万年独身だった悲しきデン人がしあわせになれて良いじゃないか、とか思うんですけどねえ。なにが気に食わないのか、DF。純血主義とか?

 移民の街ノアブロ在住7年目の私としてはこの24歳ルール、「ちょっと移民みんな一括りにされて迷惑千万、強制結婚でもない該当者には気の毒だけど、でもある程度仕方ないのかも」とは思っていましたが、今回28歳に引き上げられることについては、ちょっとどうかなと思います。
 だって、年齢制限を上げてデンマークの住民になるのが遅れるってことは、語学学校に行くのも遅れて、仕事に就くのも遅れて、つまりは社会参画自体に遅れるってことでしょう?
 28歳でデンマークに移り住んで、ようやく医療が受けられるとか、生活が安定してくると、女性だったら出産とかも視野に入れる頃です。これで妊娠、産休とか重なって来る場合、就職してしっかり税金を納められるようになる頃って、いつよ?だいたい母国でのキャリアや何か技能がない場合、デンマークで仕事を得るってかなり難しいことです。こんなの、今せっせと政府が進めている(と思われる)Integration政策(統合)に逆行するんじゃないかと。

 DFはこの24歳ルールの28歳への引き上げについて、この手の反発を予想してか「強制、アレンジ結婚の文化の無い国からの配偶者に関しては、移民局が個別に判断することとする」なんてことにしてますが、暗にイスラム圏と東南アジアを指摘しまくりですね。ていうかアレンジ婚の判断基準って…?
 デンマーク移民政策のお手本の国、オランダやベルギーにいたっては、すでにブラックリストを作って、その国からのビザ申請には特別対処をしているという噂ですが(デンマークも表向きにはそういうことしてないけど、きっと裏ではしてるに違いない)、なんだか欧州はどんどん差別的になっていく気がします。どうしたもんですかね。

The Tudors~背徳の王冠~

2010年08月08日 | おもしろい人・おもしろいもの
 最近ちょっとはまっているのがこのドラマ。日本でも観れるらしいっすね。

The Tudors~背徳の王冠~

 宣伝文句がすごい。「彼は世界のすべてが欲しかった―。政治、宗教、女を支配した、ヘンリー8世。その波乱に満ちた人生を描く衝撃作!」ですって。



 衣装がきれいで豪華で。女性も男性も美しい(かつセクシー)ので、見とれちゃいます。
 ちなみに個人的には、先週斬首で処刑されちゃったアン=ブーリン王妃が好きだったんだけどなー。


写真真ん中のヘンリーの前に横たわってるのが、アン。

 歴史ものって、なかなか英語もデン語も難しいし、特にこのドラマは登場人物がやたら多いので、ストーリーを追うのが大変。なので今、DVDを買うか検討中…。できれば日本語字幕のが欲しい…。


めざせ!日本人ナースの存在価値獲得

2010年08月08日 | デンナースのお仕事
 ステノで働き始めて1年半弱になろうとしています。

 最近は、他のスタッフと同じように週末の緊急電話待機をしたり、なんとか一スタッフとして病棟、病院にも馴染んできたのですが、でもやっぱり契約社員としての不安定さは変わらずです。
 というのも、ブラジルに3年間、旦那さんの海外赴任について行くために休職していたナースが来年3月には戻って来るということで、ますます正規雇用への状況は厳しくなって来ちゃいました。
 巷の公立病院ではナースのリストラ、新規採用のストップをしまくっているので、ここでクビになったら時期的に再就職の口を見つけるのは非常に困難なわけで。クビにならないようには、どうすっかなーともんもんと悩んでいたのですが…。

 そんな折り、9月の終わりに日本から医療従事者の視察団と、東海大学医療短大看護学生のグループがステノに見学にやってくることになり、看護部長とドクター数名から直々に「ステノナースとしてガイドをお願いしたい」と依頼が来ました。
 普段、この手の役割は外来のベテランナースBがやっているのですが、彼女がこの視察団が来る時期にちょうどホリデーでいないということ、また、せっかく日本語でデン日両方の糖尿病事情をわかるスタッフがいるんだから、ということで、私に話が回って来たのでした。
 
 いやーん、嬉しい!これまでも毎年か2年ごとにやって来る日本の医療視察団(医師、看護師、栄養士、薬剤師など)の話は聞いていたのですが、なかなかお手伝いの話は私まで回って来なかったのです。
 色々情報交換のためにも、日本のドクターやナースとのコネクションも欲しかったし、日本とデンマークの両方の交流のために何か役に立てたら、というのは、こちらに住んでいる日本人として、大きな願望でもあります。
 いくら通訳が付くとはいえ、やっぱり医療のことをわかってる人がガイドをするかどうかって大きいと思うんですよねー。どこまでお役に立てるかわからないけど、でも今からとっても楽しみです。

 ちなみに東海大学医療短大の先生(私のエッセイを読んで依頼をくださった)に、日本帰省中、打ち合わせも兼ねてご挨拶にいったのですが、とてもステノ訪問について期待してくださっているようなので、こちらもわくわくです。
 実は将来日本に帰ることがあったら、看護学校の講師をやりたいと思っている私なので、フレッシュな学生さん達と交流できるのもドキドキ(ご挨拶の時に数人の学生さんにも会ったけど、みんな礼儀正しくてかわいかったー)。

 そして横しまな私は、「この視察ガイドで大成功をおさめれば、部長も見直して正規雇用を考えてくれるかもしれん…」と腹黒く?考えております。ふふふ。
 
 ガイジン(日本人)ナースとして、私を雇うメリットって何だろう、私の強みって何だろう、と悩みつつ、どんどんデンナースになって私のオリジナリティーとかが薄まりつつあったような気がしていたので、今回のガイドお手伝いは本当に私自身にとっていいチャンスです。
 小さな縁でも、しっかり大事につるをたどっていけば、きっとぼっこり大収穫な芋づるかもしれないし!がんばりますよー!

写真:
デンマークで私が唯一ファンと言える、Mikael Bertelsenと。成り行きでこの人の番組(W杯についての特番)に出ることになったけど、これもまた元は小さな縁がはじまりでした。

サンチャゴへの旅8~食の巡礼!サンチャゴバル巡り~

2010年08月08日 | 旅の話
 旅から早いもので1ヶ月半も経ってしまいましたが、いい加減にさっさと終結させましょう、旅記録。最終回はサンチャゴの食です!


聖ヤコブ年のマーク。

 さて、スペインといえばバルでタパス。日本の居酒屋のように、ちょっと食べてちょっと飲むというスタイルですが、あれもこれも試してみたい私達はバルクロール(要ははしご酒ですね)が大好きです。
 今回たまたまサンチャゴは聖ヤコブ年だったということもあり、サンチャゴの観光局はツーリストのために、実におもしろい企画をしていました。

 それは巡礼で有名なサンチャゴにちなんだ、サンチャゴ市内のバルをめぐるスタンプラリー「サンチャゴ、食の巡礼」。
 ツーリストインフォメーションや街中で配られている冊子にはサンチャゴの街をいくつかのエリアに分けた地図と、その各地に散らばるバルの情報、さらにそのバル各店がこの企画のために独自に創作したスペシャルタパスメニューが載っており、お客さんはこの冊子の情報を元に、バル巡りができます。そして、そのバルのスペシャルメニューを注文すると、お店から冊子に「巡礼証」としてスタンプを押してもらえます。(ちなみにタパスメニューは全店共通で一品確か3ユーロくらい)
 全店のスペシャルメニューを制覇した人には、パラドール(お城など歴史的建築物を改修してホテルやレストランにしたもの)でのお食事券などがもらえるなど、なかなか景品も豪華。
 また、このバルのスペシャルメニューは人気投票できるようにもなっており、メニューを頼んだお客さんはお店から投票カードを渡され、味や見た目の審査をし、各店にある投票ボックスに入れます。開票後人気ナンバーワンになったタパスを選んだ人から抽選で、何か懸賞があるようです。
 さらに、冊子内に挟まっているこの企画のスポンサー企業の飲み物リストから(例、ガリシアの地元ビール会社)飲み物を頼むと、スクラッチシールビンゴもできる仕組みとなっており、なんだか盛りだくさんな企画。
 
 私達も夜な夜な、この冊子を手にあちらこちらへとバル巡礼をしたのですが、これがとてもおもしろかった!
 まずこの冊子ではサンチャゴ市内のバルをほぼくまなく網羅していて、新市街エリアのおしゃれなバルや、地元大学生や超ローカルが溜まるようなバルなど、観光客があまり足を運ばないようなところも紹介されているので、地元人に混じって、サンチャゴの街のリアルな雰囲気が味わえます(きっとこの冊子無しでは、カテドラル周囲、旧市街の観光客向けのバルだけ見て終わってたかも)。

 ガリシアも、世界一美食の地域バスクと同じ北スペイン(無理矢理のくくりですが)。新市街のバルでは伝統的なガリシア料理をモダンにアレンジしたユニークなメニューが多く、がんばってるね!という感じです。
 毎晩4~5件は歩いて巡り、最終的に新市街のバル全制覇を目指したり、かなり夢中になっていい運動にもなりました。

 というわけで、私達が行った中で良かったお店をご紹介~。

1、EL MALANDRO(新市街地区)
 ここは学生っぽい若いお客さんが多く、タパスというよりパブなにぎわい。座って食べるスペースも、ちょっと立ち飲みのスペースもしっかりあるので、さっくり立ち寄るも良し、ゆっくり飲むも良し。


サンチャゴ大学には医療系学部があり、そういうテキストを持った学生がたくさん集まってました。

 ビールの種類が豊富で、特にガリシア産のケルトっぽいビールがヨナスはとっても気に入ったようで、滞在中数回通ってしまいました。
 タパスは見た目微妙だけど、味はまずまず。若者にウケそうなちょいカロリー高めな感じ。


ヨナスおすすめビールと一緒に。


茎わかめ(!)入り炒り卵。見た目悪いけど味はおいしかった!日本的。


蟹グラタンと神妙な面持ちのヨナス。

2、A COLLEITA
 新市街の外れ。外のテラス(というか目の前の広場にテーブルを出している)あり。
 ここのスペシャルは、なんかシャーベット?の上に焼いたししとうとハモンセラーノが載っているという謎のメニュー。本当はさらにガスバーナーで炙ってなんかの香りを付けていただくそうですが、外の席で風のためガスバーナーが点かず。結局「???」な料理でした。


見た目は夏っぽくていいけど…。


この店で見つけた、聖ヤコブ年スペシャルエディションのグラス。こういう矢印は道しるべとして巡礼路のあちこちに書かれています。


裏側には聖ヤコブが。

3、A VINA DE XAVI
 おしゃれなワインバー。地元ガリシアのワインとお隣Riojaのワインがメインセレクト。カウンター前のガラスにその日のおすすめワインがたくさん書かれていて、グラスからチョイスできます。


「本日のグラスワイン」

 ここはお料理もとてもおいしかった!特にイカスミ?のコロッケとサーモンソースとか、イベリコ豚のロースト(とろける!)とフルーツソース、マリネしたムール貝とか。


とろとろよ~。


ボリュームもたっぷり。

 ワインも親切に説明してくれるし、お料理もお店の雰囲気もいいのですが…とーても残念なのは、空調が悪すぎること!スペインはレストランでも喫煙オッケーなので(ミシュラン星付きレストランであってもそう)、せっっかくのワインとお料理も煙モクモクで台無しです。
 途中であまりにも煙いのでドアを開けてもらったりしたのですが、そうすると寒くて今度は居心地が悪くなるし…。おいしいのに非常に残念なお店でした…。

3、LA CAVITA
 ここもレストランとワインバーの真ん中くらいのお店。おしゃれで客層も良く、活気のある人気店の様子。
 お料理は盛りつけもセンスが良くてきれいだし、おいしかった!特に数種類のミニコロッケとか。またサンチャゴに来ることがあったら、ぜひまた訪れたいお店です。




サンチャゴのお店ではほとんどいつもお通しにナッツやオリーブがたくさん付いてきます。こんなサービス、デンマークでは皆無…。
手前はここのスペシャルメニュー、左が鱸?か何かのローストピンチョス。右は謎の温泉卵と何かのソース(上に揚げたポテトが載ってる)。

4、CALDERÒN
 新市街と旧市街の真ん中あたりにある、ミシュラン推奨店。建物の2階がレストラン、1階にカウンターのバルと奥にもちょっとカジュアルなカフェあり。
 ここのはなんか独創性に富んだタパスで、素材も盛り方も北スペインモダン料理的。特におもしろかったのは、ジントニックシャーベットの上に牡蠣とレモンピールが載っているもの。さわやかで意外にもおいしかったです。


緑の泡はなんだったか…。確かししとう風味だったような…。


鰯?のマリネ?何やら味のするオレンジの粉?パン粉?と一緒に。素揚げした骨もぽりぽり食べます。

 ちなみにここはお通しとして?トルティージャが出て来るのですが、これが絶品。一番おいしかったのはこれかも…。

5、店名はわからないけど、Plaza do Touralのそばのハムとサラミとワインのバル。
 ここはホテルから近く、遅くまでやっていて、閉店ギリギリでもにこやかに対応してくれ、かつ数少ない英語ができるさわやか店員さんがいるので、度々通っていました。
 さすがハム専門店なので、ちょっと変わったものからスタンダードなものまで様々あり、その盛り合わせが絶品(しかも安い!)。ガリシア名産のタコの足ぶつ切りタパスも、ここのは臭みがなく、おいしかったです。


Pulpo(タコ)。ご当地ワインと一緒に。

 というわけで、食べて飲んで歩いて、とってもおいしく楽しかったサンチャゴ=デ=コンポステーラのバル巡り。やっぱいいね~スペインは!特に美食の北スペイン、またまた大好きになっちゃいました。食いしん坊ばんざーい!