Kanaheiのデンマーク生活

糖尿病の勉強をしたくてきたデンマークでの紆余曲折な生活を日記として残しています。

こどもと過ごす夏休み2011~ニコラのB&B~

2011年08月20日 | 旅の話
「8月3日~10日 Masseria Piccola」 http://www.masseriapiccola.it/ing/masseriapiccola.html



 ここはAgriturismoではなく、田舎のレンタルハウス。イタリアで最も美しい町(街ではなく、町)に認定された、Cisterninoから車で5分ほどです。
 まあご存知のように、イタリアはプーリア州ポリニャーノアマーレで結婚した私としては、いくらその後がどうなったとはいえ、一番大好きなエリアはやっぱりプーリアです。
 まだそこまで手垢がついてなく、ツーリストのほとんども他州からのイタリア人ばかりで、農産物も畜産も海産物も超豊富なプーリア。世界大戦後まで高速道路もなかったことから、イタリア内でも孤立し貧しかったため、犯罪者の流刑地だったなんていう歴史もあるほど。なのでイタリア北部の人の中には未だにプーリアに偏見を持っている人も多いのだそう。
 そんな他のエリアに比べると風土も変わってるプーリア、私の個人的な意見では、ちょっとなんていうか、沖縄っぽいなーと思うのです。かなり南だし。

 山の多い地中海側から高速でイタリアブーツの足首あたりを横断し、ブーツのヒール部分のプーリアに入ります。気温が途端に40度を超え、土地も空気もカラカラ。
 赤い土地と緑のオリーブの畑を車で走っていると、車の中までオリーブの香りがしてきます(プーリア産オリーブはイタリア全土のオリーブ国外出荷率の77%、国内消費の28%!今では過去と正反対でイタリア国内でもとても豊かなエリアになった)。
 プーリアの中でもイトリアの谷は大オリーブ産地で、プーリアでしか見られない独特のとんがり屋根の家、トゥルッロ(複数形でトゥルッリ)が続くオリーブの丘のあちこちに点在していたり、その中にまっ白な建物が連なる美しい町があったり、真っ青なアドリア海と雲一つない青空と…と、本当~~に魅力的なところです。

 私達はプーリアの家に1週間滞在しましたが、毎日のんびり、本を読んだり家のプールで泳いだり、近隣の町へ行ったり、ヨーロッパ最大の鍾乳洞Castelana Grotteへ行ったり。もちろん海にもいきましたよ。
 プーリアはさすが南も南なだけあって、真夏の日中は気温40度以上と暑くて何もできないなんてこともあるので、精力的にあちこち観光で出歩くよりも、日程にゆとりをもって適度に出歩くのをおすすめします。
 そして南イタリアの中でもさらに晩ごはんの時間が遅いのがプーリアとその周辺。12時~16時までシエスタ当たり前(その間、お店も完全に閉まるので本当に何も買えない!)。レストランとかにぎわうのは21~23時!私達もプーリアにいる間ずっと、昼ごはん14~15時、シエスタ、午後のコーヒーや軽食を17時頃、夕ごはん21時、就寝1時とかでした(夏休みから戻って翌週から学校だった息子達を引き取った元奥さんは、さぞかし大変だっただろうに…)。

 滞在した家は、B&Bを経営するニコラ(40代独身)がお姉さんと切り盛りしています。私達の家は築130年の平屋で、家具はもちろん、調理器具など生活に必要な最低限なものはだいたい揃っています。


同じ建物に3棟同じようなアパートがある。


キッチン。

寝室。

 H氏は友人達および家族から「尻に火のついた男」とインディアン名で呼ばれていますが(せっかち、じっとしてられないという意味)、このニコラもまさしく、尻に火のついた男。「足りないものはないか?大丈夫か?!」といつも気にかけてくれ、何か足りないものがあると即、車かスクーターをぶっ飛ばして調達してきてくれます。そんな彼のお陰で、私達はBBQセットや庭のパラソルまでゲットし、庭で豪華なBBQをエンジョイできました。


BBQ。ただの町の肉屋の肉なのに、うまいんだ、これが。

 そしてこのニコラの計らいで、私達は宿泊客とか近所に住んでいるニコラの友人達を招いての晩餐会に呼んでもらえたのですが(しかも2度も)、これがもう楽しかった。ほぼ私達以外みんなイタリア人、もしくはイタリア語ができる外国人だったのですが、それでもすごく楽しめました。
 ホストと宿泊客というより、友人の家に泊まっているような感覚で、みんなで歌ってしゃべってがっつり飲んで、ほとんどイタリア語わからない&むこうも英語わからないにも関わらず、ローカルピーポーと超楽しく過ごしてきました。お酒の、そしてラテンのパワーってすごい…。
 息子達もそんな陽気な大人達に囲まれて、すごく楽しそうだったし(次男なんてイタ語の歌わかんなくても歌ってたし)、どさくさにまぎれてレモンチェッロを飲んでたり(!)。


ニコラの手伝いをしつつ料理を教えてもらう。
手前の黄緑の野菜はメロンときゅうりのハーフみたいなもの。味もメロン?きゅうり?と初めて食べる味。魚介マリネに入れたりしておいしかった!

 とにかく、このニコラのお陰で、本当~に楽しいヒュゲリな滞在になりました。ニコラに聞いたところ、日本人のお客さんはまだ来たことがないそうで、ぜひ興味のある方は行ってみてください。こういうフレンドリーなふれあいが好きな人とか超おすすめです!


ニコラもハッスルよ。


お客さんも歌うよ。


プーリアのブルースおやじ。そこにいた女性の名前を一人一人歌い上げていくけど、私の名前は聞き取れなかったのか、微妙に曖昧に濁していた…。

<評価>
宿(設備&清潔度) ★★★★
=B&Bは掃除が行き届いてる&インテリアも素敵。建物はトゥルッリ!
アパートの方は基本、掃除は自分たちで。乾燥してて窓や玄関を開けていると埃がすごいので、掃き掃除は毎日してた。
設備で足りないものはニコラがほとんど調達してくれるので、問題なし。アパートはキッチンがあるので長期滞在にもってこい。
小さいけどプールあり。息子達は大喜びで、朝昼晩とプールで遊んでた。


小さいけど猛暑の中ではあるとないとでは大違い!

料理(味、自家製度) ★★★★★
=町の魚屋や肉屋で普通に激うま新鮮の食材があり得ない値段で買える(信じられないくらい甘くて香り高いメロンが1ユーロとか、ムール貝1kg1ユーロとか)。
外食にいい加減疲れていたので自炊が嬉しかった。
ニコラの料理も超シンプルだけど魚介盛りだくさん(ていうか全部シーフード)で、超美味。特にタコをトマトで半日煮込んだものが絶品。


ムール貝のパスタ。悶絶。


たこパーティ第2弾。偏食の次男もあまりの美味しさにたこ克服。

アクティビティ(近隣の町へのアクセスも含む) ★★★★★
=車さえあればプーリアの主要な街、観光地に1時間弱で行ける。時間があればニコラが車で案内してくれることも。
石ころビーチの多い南イタリアにおいて、白砂で設備も整った(ハンディキャッパーや小さな子供に優しい)ビーチまで40分くらい、マルティーナフランカやオストゥーニといった、大きめの街までも30分以内でいける。

ホスピタリティ(サービス、英語通じる度) ★★★★★
=なんといってもニコラの人柄とサービスの良さ。彼の事務所の前を通ると必ず「調子どう?!コーヒー飲んでく?!」と聞いてくる。英語も問題無く通じます。
観光スポットやおすすめレストラン、ショッピングなど周辺情報にもくわしい。
彼の家族も超優しく親切だし、近所の人達も信じられないくらいフレンドリー(ご近所さんが果物や野菜をお裾分けで届けてくれたり、通りかかるとみんな必ずチャオ!と挨拶してくれる)


ニコラ。超いい人。「今度はコペンハーゲンに遊びにいくよ!」って、本当に来そうだ。

こどもと過ごす夏休み2011~動物パラダイスなB&B~

2011年08月20日 | 旅の話
「7月31日~8月3日 Aguriturismo Luna d'Agerola」 http://www.lunadagerola.it/english.htm


 ここを滞在先に選んだ理由は、ローマからプーリアまでの中継点として高速道路のアクセスに良かったから、ポンペイに行きたいけどナポリとかその辺は治安が悪くて子供連れには無理だと思ったから。
 で、ここも例のAguriturismoサイトでみつけたわけですが、なんとなく雰囲気は日本の民宿という感じで、めちゃくちゃアットホームです。
 
 場所はナポリから車で1時間弱のAgerolaという町ですが、ここがすごかった。その前の羊のB&Bもすごい山道を超えていかねばだったけど、ここAgerolaはオフロードの山道というより、断崖絶壁の山肌に沿う究極ヘアピンカーブの連続、そこを自殺行為としか言いようの無いスピードで無謀に追い越していく(しかも右側から)スクーターやバス(!)、ただでさえ狭い山道に連なる路駐と、まさしく「南イタリアへようこそ!」な交通事情。
 毎日、ビーチやどこかに行くため車で下山&登山するたびに、H氏はFワード連発、額に冷や汗を滲ませつつ必死に運転しておりました(そしてここでの経験で、今もH氏は生粋のイタリアンドライバーのごとく、デンマークでもぶいぶい恐いものなしの運転をしております)。かなり運転になれているH氏でもこうなので、ペーパードライバーは死ぬ覚悟&保険にしっかり入った上でお越し下さい…。



 Agerolaはアマルフィ海岸のあるあたりを登り切ったところにあり、青の洞窟で有名なカプリ島、ソレントなどにもまずまずのアクセスなわけですが、カプリもアマルフィも究極のツーリストスポット。外国人の観光客でごった返し、品のない土産物屋と外国人にたかるバカ高いレストランとリゾートホテルばかりです。
 私もH氏も息子達も幸いにして、そういうツーリストスポットが苦手なので、なるべく避けて通ってきましたが、一度だけ、道を間違えてアマルフィに行ってしまったときはひどかった。
 外人ツーリスト率100%(アメリカ人とか日本人多し)、ネコの額ほどのビーチに人がぎゅうぎゅう、停泊しているボートの間の汚い海で泳ぐ(というか浮かぶ)のが精一杯という感じ。


同じくツーリストジャングルでも、まだアマルフィとかほどひどくないしビーチもいい感じだったPositano。

 私達は幸いにして、宿の隣の部屋に宿泊していたイタリア人(ミラノから来た)家族と仲良しになり、色々穴場を教えてもらい、いいビーチも堪能できましたが、でも一番よかったのは宿のある町Agerolaでした。

 なーんにも無い、超ローカルな町でしたが、町の中心には3つほどカフェ&バーがあり、どこから溢れてくるのか、若者でいっぱい(でも悪そうなのはいない)。ナポリやアマルフィに近いにも関わらず、治安の悪さを感じることは一切なく、次男一人でも全然放っておいても大丈夫なくらい安全安心な町です。


男子達は床屋にもいった。超田舎の床屋なのに、実はすごい腕がよく、この時一緒に店にいた地元男子はすごい今時の髪型になっていた。

 私達はポンペイやビーチに行ったりして日中過ごし、Agerolaに戻ってからは近所を散歩したり、広場でジェラートを食べたり、カフェで何をすることもなくまったりして過ごし、夜ごはんを宿で食べた後、長い南イタリアの夏の夜を満喫するためにまた広場へ行き、夏祭り(この時期は常にどこかの町で何かのイベントをしている)コンサートや地元人を観察しつつカクテルを飲んだり、本当にリラックスして過ごしていました。


ポンペイ。

 で、宿ですが、到着して宿を見たH氏と長男は即「超ヒュゲリ!チャーミング!」と大喜び。別に特別素敵な建物というわけではないけど、なんというか、沖縄の民宿のような雰囲気です。
 そしてここの宿の売り、それは…動物天国。犬、ネコ、馬、牛、ロバ、鶏、うさぎ、七面鳥、あひる…とそんなに広くはない敷地内に家畜がやたらいて、この田舎の家はいつもにぎやかです。特にロバ。私は生まれて初めてロバの鳴き声を聞いたのですが…ロバがバカな動物と言われる所以が理解出来た気がします…。
 そんな動物天国のB&B、動物だったらなんでも大好きな次男がそれはもう喜んで、毎日、朝昼晩とそれぞれの動物に挨拶しにいったりと、本当に嬉しそうでした。


茶色い馬を栗太、白い方をイタリア風にエンゾと命名。とても人懐っこい。

 宿は無口だけど気さくな兄弟と、その奥さん?姉妹?とで経営されているようで、宿の畑でとれた野菜と果物を使った料理が、まさしく家庭料理という感じの、気取らないシンプルなものだけど、素材の味最高のおいしいものばかりでした。
 そしてなんとここではワインも手作り。これは一体合法なのかなんなのかわかりませんが、まあとにかく赤も白も冷たく冷やされた発泡性の超さっぱり味。さっぱりの夏野菜の料理にばっちり合います。


宿の敷地内にある菜園。ばあちゃんが夕飯のトマトとか野菜を摘んでくる。畑のむこうは空と海。

 例のAguriturismoサイトの口コミによると、ほぼすべての人がここの料理を褒めていましたが、泊まってみてわかったことは、「イタリア人にとってすごくヒュゲリな宿」ということ。
 というのも、オーナー達があまり英語が上手でないため、ディナーのメニューは日替わりで1種類のみなのですが、イタリア語ができる人なら「ちょっとあれ作ってよ」とか「ああいうのある?」みたいなことができるのですが、私達にはそれができず、出されたものを食すのみ。まあそれでも十分においしかったし満足ですけどね。

<評価>
宿(設備&清潔度) ★★★★
=毎日マンマがしっかり掃除してくれて、超きれい。
レストラン外のテラス席が共有スペースみたいになっており、食事もお茶も、ただだらだらのんびりもネットもできる。

料理(味、自家製度) ★★★★
=チーズとか加工製品以外はすべて自家製。素朴な家庭料理。
しかし日本人の私にとっては、あんなに海の目の前なのに、滞在中シーフードが一度も提供されなかったのが残念無念…。
朝ごはんは毎日同じメニューだけど、生ハム&チーズがどかーんと大サービスされる。


これで前菜2人前。

アクティビティ(近隣の町へのアクセスも含む) ★★★
=山道ドライブは大変だけど、それはそれで思い出になる。ナポリやポンペイといった主要観光スポットにも近い。
ビーチや宿内のアクティビティは少ないけど、動物がいっぱいなので、小さな子供のいる家族や超素朴な田舎の普通のヒュゲが好きな人にはおすすめ。


うさぎ小屋にはベビー達が!!

ホスピタリティ(サービス、英語通じる度) ★★
=にこやかないい人達だけど、とにかく無口。英語がもっと話せれば(ていうかイタリア語がもっと話せたら)もっと便利&ヒュゲリ。レストラン内では無料でWiFiが使えるのはありがたい。
ちなみにAgerolaのツーリストインフォメーションでは英語が通じないのにびっくり(地元のおっちゃん達がカードでたむろってるだけだった…)。

こどもと過ごす夏休み2011~湖畔の羊B&B~

2011年08月20日 | 旅の話
 去年までは夏休みというと、子供がいるわけでもない私は、ハイシーズンになる手前の5~6月に1週間ほど、その後8月後半や9月にかけて2週間ほどと分けて取っていたのですが、今年はH氏と息子達との初夏休みということもあり、多くの子持ち家族同様、7~8月に3週間、どかんと休暇を取りました。

 本当はデンマークから途中オーストリアなどに寄りつつイタリアまで車で下り、キャンプをする予定だったのですが、例のゲリラ豪雨のせいで車が廃車となり、すべての予定をキャンセル。
 直前予約の安いパッケージツアーでどっか行こうか、なんて話していたのですが、結局ローマまでの飛行機チケットが安かったこともあり、南イタリアをレンタカーで周遊することになりました。

 宿泊先も目的地ごとに3カ所と決め、ローマから車で1時間ほど北の湖畔Martignano、ナポリから1時間ほど、アマルフィ海岸そばの小さな町Agerola、プーリア州の本当にヒュゲリでかわいい町が集まるイトリアの谷にあるCisterninoのB&Bにそれぞれ滞在しました。
 それも、ただのB&Bではつまらないし、せっかく息子達も一緒だし、と、前から気になっていたAgriturismoです。

 Agriturismoとは、農家などが運営する宿泊施設で、乗馬とか動物と触れ合ったり、食事もそこの農家で生産しているものだったり、場所によっては自然教室、料理教室とか、色々体験できるのが特徴です。
(ちなみに私はこのサイトで探しましたが、色々選べてすごくいいです。http://www.agriturismo.it/en/)

 そんなわけで、3カ所の宿泊先ごとに、そこの特徴とか色々ご紹介します。ちなみに評価は私の独断と偏見で、満点で5つ星です。


「7月25日~31日 Casale di Martignano」http://www.casaledimartignano.it/index.php?lingua=inglese

 この日は夕方にローマの空港着ということで、移動距離も少なく行けるところ、ということでここをチョイス。ローマ北部のナショナルパークすぐ隣にある小さな湖、Largo di Martigananoの湖畔にあるB&Bです。



 メイン稼業は羊酪農のようで、約7000頭の羊を放牧しつつ、羊ミルクのチーズ、ラム肉などを生産しており、他にオーガニックの野菜や小麦粉の生産もしています。
 売りはなんと言っても目の前に広がる超クリーンな湖。宿泊客は無料で入ることができ、カヌーやカヤック、水上自転車などのレンタルもできます(ちなみに間違いだったのか、私達はレンタル料の請求がなかった…宿泊客は無料なのか謎)。



 湖は超きれいで、ビーチもしっかり整備されています。ちなみに常に監視員みたいな兄ちゃん達もいるので、いざというときにも安心です。
 そして結婚式など大型のパーティも請け負っている施設なので(眺めも雰囲気もいいし、私達が滞在している間も3日続けて結婚式があった)、お料理もすばらしいです。
 おすすめはやはり、羊ミルクのチーズ!めずらしい羊ミルクのモッツァレラやリコッタチーズが、前菜からデザートまでふんだんに使われています。また、お肉も本当においしくて、特に息子達にも大絶賛だったのがラムのミートソースパスタ。自家製のフレッシュフェトチーノといい、感動もののお味でした…。


次男は本当にこのパスタにはまってこれ以外食べなかったほど。

 宿はレストラン横の穀物倉庫?を改造したヒュゲリなロフト付きアパートで、ごく寝るスペースだけと極シンプルなのが残念でしたが、まあまずまずきれいだし、オッケーです。

 ちなみに宿の周りはナショナルパークなので、よく野生動物にも遭遇しました。特に、夜車で帰って来たときに、突然目の前の道に巨大な山嵐が出現したり、キツネがいたりと、子供達は大喜び。
 宿の裏山からは、夜になると移動する羊達のカランコロンという鈴の音や牧羊犬の鳴き声などが聞こえて来て、東京育ちの私にとってはこれまた超ヒュゲリでしたよ。





 宿から一番近い町まではすごい山道(舗装されていない)を超えて、車で15分ほどのCampagnano di Roma。実に何もないローカルな町ですが、古い町並みや、ミシェランガイド(星は無い)に載ったオステリアがあったりと、さくっと楽しめます。

<評価>
宿(設備&清潔度) ★★★
=洗濯機が無い、共有のリラックススペースが無いなど、長期滞在にはやや不便。

料理(味、自家製度) ★★★★★
=羊乳製品とラム肉が嫌いだとちょっと厳しいかもだけど、好きな人には最高。
ローカルのワインセレクトも豊富。オーガニック食品へのこだわり強し。
自家生産のオイルやサラミなどの販売もしている。


チーズファクトリー見学。今は職人の経験と感でチーズを作っているけど、来年から職人をイタリア政府の正式な講習会に参加させ、ライセンスを取らせるのだとか。

アクティビティ(近隣の町へのアクセスも含む) ★★★★
=湖でのウォーターアクティビティ、乗馬教室(子供にはポニーあり)、自家製チーズの工場見学などあり。
ただ山の中なので、夜ごはんを外に食べに行くとワインが飲めない(山道が激しい)。


乗馬場。


ポニー乗馬体験。いないと思ったら、勝手に混ざって遊んでいた次男。


シーカヤック。


こんな車が斜めになっちゃうようなぼっこぼこの道を行く(もちろんギアは1で)。

ホスピタリティ(サービス、英語通じる度) ★★★
=充実した英語でのHP、英語がほぼ通じるスタッフ。オーナー(兄弟でやっている)のうち兄はシャイなのかいつも真顔&真面目だけど、普通に親切(奥さんは美人)。

息子達とバカンス

2011年08月05日 | 家族のこと
 生理前でネガティブ思考マックスだもんで、ちょっと考えの整理整頓を。文章にしてすっきりしたいと思いまして。

 ただ今、夏休みでH氏と息子達と一緒にイタリアへ来ております。南イタリアを南下しつつ3カ所(北ローマの湖畔、アマルフィ郊外、オストゥーニ)を拠点にして、16日間の滞在です。
 
 息子達とこんなに長期間、しかも24時間ずっと一緒に過ごすことが初めてなので、H氏も「君が息子達に耐えられるか」とずっと心配しておりました。
 私もまあ、彼らの性格なり癖のあるところなどは、この半年くらいの間でだいぶ学んでもいたので、多少の衝突はあるだろうとある程度の覚悟はできていたので、かなり順調にやってきていると思います。

 それでも夏休み1週間が経過したときに、長男があまりにもH氏にべったりで(彼とH氏の関係はかなり密で、時として若干不安になるほど…)、四六時中そんなだし、移動中の車内での会話も親子3人だけで盛り上がっていたりと、かなり孤独だったこともあり、私、大人げなくもかなり不機嫌に。
 そしてそれが元でH氏と喧嘩をしたりもしましたが、H氏曰く、「T(長男)は僕や君を失うことをすごく恐れてるんだ。すごく感受性の強い子で、いつも僕らの顔色をうかがってる。でも何か察してもまだ子供だから、どうしていいかわからないんだ。それで不安ばかりが大きくなって、ますます僕に甘えてしがみつく。でもこれは全部、君を失うかもしれないっていう彼の恐怖心なんだよ。わかってあげてくれ。君がどう思ってどうして悲しんでいるのか、ちゃんと説明してあげてくれ。そしたらちゃんと彼はわかるから」と。
 その後長男にも正直に「あなた達はこれまでお父さんとだけ話すことに慣れているし、それは仕方ないことだとわかっているけど、それでも時々、全ての会話が私抜きでされたり、私には全然話しかけてくれなかったりすると、淋しいし、不安になる。あなたのことが大好きで、愛してるから」と話すと、本当に敏感に人の心情を嗅ぎ分ける鋭い子なので、しっかり察してくれて、二人で泣きながら仲直りしたりもしました。

 長男とのことが片付くと、今度は次男で、ずっと今まで「いつかしっかり言おう」と思っていた彼の偏食に関して、初めて「あなたはサッカーも絵を描くことも、勉強もなんでも上手にできるし、歌ってみんなを楽しませたり、いつも私を笑わせてくれて本当に大好きだし、そんなA(次男)をいつも誇りに思ってる。でも一つだけお願い。夏休みが終ったら、もう少し野菜を食べれるようにがんばろう。私は小児科で働いて来たし、病気の子供もたくさんみて来たの。Aにはそういう風に病気になって欲しくないし、心配してるの」と伝えてみました。
 すると、究極の負けず嫌い&感情の起伏とその表現の激しい子なので、自分の足りない所を指摘されたと解釈したようで、ボロボロと泣き出してしまいました。その後しばらく私とは口もきいてくれなくなり、H氏が間に入ってタイムアウトを取り、なんとか機嫌を直してくれましたが。
 その後も次男はやっぱり野菜をあまり食べないし、この話題にはそれ以来触れていないので、それが彼にどう響き、どう解釈されたのか謎ではありますが、でも明らかにこの日、私が初めて次男を泣かせてしまった日を境に、次男がものすごく私になついてくれるようになりました。
 H氏もこれには驚いており、プールなどで遊んでいる時にはH氏や長男よりも私を呼んで遊んでくれとせがむし、みんなでまったりしている時も私の髪や手に触れて、ぺっとりくっついてきたり、夜寝る前もH氏と私のベッドで一緒に寝るとダダをこねたり。

 そしてあるとき、H氏が2年前まで喫煙者だったことついて話していたときに、私が「お父さんがもしまだ今もタバコ吸ってたら、私きっと彼と付き合ってなかったと思う。アレルギーもあるし、タバコの煙も臭いも大嫌いだから」と、次男に軽く冗談っぽく話すと、次男はH氏のところに行って腕を引っぱり、「お父さん、タバコをやめてくれて本当によかったよ。じゃないと今僕は僕の人生の中でとても大事な人に出会えてなかったんだから」と、しんみり言ったのです。
 次男は家族の中で「ドラマ野郎」と呼ばれるほど、感情表現も言うことも大げさ(ついでに声もでかい)なんですが、それにしてもこの時の次男の言葉は、私の中で一生忘れられないものになりました。

 ずっと一緒にいると、見たくないところや見せたくないところまで目にする、させることになってしまいますが、そして対話がなく一人で悶々と考え込んでしまうと「あーもうこれも嫌、あれも嫌」とネガティブスパイラルに完全にはまることになってしまい、いいことなしです。
 でもって、子供って素直なだけに、自分たちは時々平気で親や大人を傷つけるのに、こちらのちょっとした態度や言葉でむっちゃくちゃ傷ついてしまったりするので、本当に難しい(そしてちょっとずるい)。だからこちらは大人として、本当にたくさんのことを我慢していくわけで、特に私のように”家族”途上人物の場合、時々どうしても「私なんのために、どうしてこの子達のためにこんなに無理してるの?」と悲しくなったりもする。

 でも、そんなに悲しくても色々飲み込んで来ても、こういったことがあると、それが土台になって、次につなげていけるんですね。で、また喧嘩や仲直りを繰り返して、確かめ合って、しっかりした土台をどんどん築いていく。
 生理前で体調悪いし不機嫌&ネガティブ思考絶頂なときに、ワガママ炸裂で予定を狂わされたり(まさしく今日!)、あれこれと気遣ったり手伝ったり遊んであげても、結局お父さんじゃなきゃだめで悲しくなっても、それでもふとした時に私の名前を呼んでくれたり、「Kanaheiはどこ?なにしてるの?」と私のことを探してくれたり(で、呼ばれて行っても「いや、別に。なんでもない。ただ呼んだだけ」とかだけだったとしても…)、ただそれだけで、一瞬でしあわせと愛しさでいっぱいになるくらいの存在感の彼ら。すごいやつらだ。

 あら。生理前不機嫌でもっと彼らの文句を書いてやろうと思ってたのに。なんか書いてて恋しくなってきたので、隣の部屋でうだうだしてるトカゲ達(私とH氏で息子達をこう呼んでいる)をからかいに行こうと思います。


アマルフィそばにて。