Kanaheiのデンマーク生活

糖尿病の勉強をしたくてきたデンマークでの紆余曲折な生活を日記として残しています。

仮装アイデア募集中

2009年10月27日 | おもしろい人・おもしろいもの


 今週末、英会話教室のクラスメイトThiekoちゃんの彼氏宅(ストロイエのど真ん中!なぜMaeskの駐在で来る人はみんなストロイエとか無駄にど真ん中に住まわされるのか…)で開かれるハロウィーンパーティにお呼ばれされたわけですが、ドレスコードの「仮装」でかなり悩んでいます。

 コスプレっぽいことならしたことありますが(しかも自分の婚約パーティで)、コスプレと仮装はやはり違うような…いや、同じか?

 せっかくやるなら面白いものがいいなと思いつつ、アイデアがなかなか浮かびません。ハロウィン本場のアメリカ出身のカロラに聞いたところ、彼女が子供の頃はキテレツなお母さんのおかげで、チューバッカ、さらにすごいのは友達とのドュオで「物干竿」(友達二人と竿になり、その間に紐に通した洗濯物をぶら下げつつ各家を回ったらしい)。さすがです。

 しかし子供ならかわいらしいものでもいいけど、30過ぎた大人の仮装は、やはりやるからにはもっと本気で挑まねばいけないと思うわけです。
 気合いを入れてKISSのメイクとじゃらじゃらのアクセサリーで、というのもいいけど、皮パンがないのは致命的。同じ路線で(?)歌舞伎役者というのもガイジンウケしそうですが、しかし着物は?そしてどうやってストロイエまで行くか、というのが問題。
 先日ロンドンのPrimarkで血迷って購入した、ギラギラスパンコールのアオダイショウTシャツと裾の短いスリムパンツ&白ソックスで、永遠のKing of popのマイコーに変身もよし。いや、でもちりちりパーマじゃないとわかりにくいか…。
 オクトーバーフェストのドイツ人ハイジな衣装は、男子のみならず女子にとっても憧れのコスプレ。Isted gade(ポルノショップが並ぶ通り)に行けばみつかるか?いや、でもそういう”プロ”の人向けのじゃなくて、純粋なのが欲しい…。
 
 うーん、どうするか…日もないしお金もないので、ローコストで効果的な仮装をしたいものですが。どなたかいいアイデアお持ちの方、ヘルプミー!

豪邸生活も残りわずか

2009年10月26日 | わたくしごと
 豪邸生活早くも3週間目突入です。

 2週間住んでみての感想。…寒い!家が寒いっすよ!

 これだけ家が広いと、ラジエーターをマックスにしてもやはり寒い。特に人がいないともっと寒い。スペースがとにかく広いので、使用する照明も多くなるわけで(暗いともっと寒く感じるし)、つまり豪邸に住むと電気やヒーターにかかるお金もまたかかるという。
 家の掃除だってかなり大変だし、庭の手入れもあります(この家は庭師が入ってる気がする)。こんなところに住んでいながら、まさかIKEAの家具なんかは置けないわけだし、そこまで遠くはないけど買い物にいくのに車は欲しい。
 あと、この辺の商店街(と言っていいかわからないけど)を歩くにも変な格好はできず、カフェでブランチにいっても「なんでアジアンオペアがこんな所に来てるのよ」的視線を感じて居心地最悪。
 スーパーはIrmaかSuperbest。中級で色々揃って安売りもしているFøtexとかKvicklyがない!しかもSuperbestもうちのそばにあるのとは明らかに値段が違うし…。

 以上において、高級住宅街の豪邸に住むには、日々の豪邸生活を維持するための費用を差し引いても、なおかつ内側から滲み出るほどの裕福さがなければならぬ、という。
 正直、身分不相応なこの生活、やや疲れてきました…。私の給料2ヶ月分くらいの家具とかに囲まれてるとどうも落ち着いてられないし、スーパーやお店の店員さんは愛想がないし、道ですれ違う人も目が合っても微笑まないし…。
 あと食べるのか食べないのかわからない、もしくは「遠慮とかって…?」という男子達のおさんどんにも疲れた…。片付けても片付けても、食べた食器はかぴかぴになって放置されてるし!

 やはり私にはノアブロの安アパートが一番です。あったかいし(猫もいるのでもっとあったかい)、近くに安くていいものは何でもあるし、街まで出かけるのも楽だし、人がみんな気さくで目が合ったらだいたい微笑んでくれるし。住民のほとんどがガイジンなので差別的対応をされることも少ないし。自然でいられるってのがいい。ああでも自分の自然さがノアブロレベル、ってのもちょい情けないけど…。

 来週はスーパーハード勤務(月曜日勤夜勤、その後金曜まで深夜勤)+英会話の合間をぬって豪邸の大掃除です。家主が戻ってくるので。一日で終わらせるのは無理なので毎日ちょこちょこやっていく予定ですが、次男が友達を連れて来ないことを祈ります…(汚し方が激しいので)。

Kanaheiのワンポイント英国英語

2009年10月23日 | おもしろい人・おもしろいもの
 相変わらずヒーヒー言いつつ、仕事と週二回の英会話を両立させています(そしておさんどんも)。

 今週両日ともアイリッシュのGerald先生が担当しており、ただでさえ通うのがハードなのに、さらに彼の超ハイスピードアイリッシュの授業が二回、そして中一日しかないのに、こんなに?!という量の宿題が出され、ますます大変です。

 Gerald先生もJulian先生もとても発音に関してはとても厳格で、辞書に載っている発音記号に則って単語の発音をしっかり覚えるように、と指導しています。そんな中ちょっとおもしろかったのが、母音の発音について。
 ブリティッシュイングリッシュには母音が13音あるわけですが、いわゆるデンマーク語での「O(オウ)」という発音がないのです。なのでアメリカンイングリッシュでの「Oh(オウ)」みたいな発音もありません。じゃあアルファベットのOはなんと発音するかというと、「ェウ」に近い感じ。Mobileだと「モェウバァーイル」。かなり気持ち悪い。
 特に女性でこの「ェウ」が顕著で、ポフッポフッという空気を含んだ子音と「ェウ」発音で、なかなか英国調に聞こえたりします。先日はこの習った発音を生かし、遊びに来たカロラと「Charlottenlundの豪邸に住む英国マダムごっこ」をして遊びました。

 ちなみにそんな英国マダム発音の実にいいお手本になるのが、これ。
Little Britain - Fat Fighters DUST


 これもある意味でイギリス英語のいい勉強になる。
Little Britain - Vicky Pollard - Supermarket


 来週の週末は、クラスメイトの超プリティーギャル(ブラジル&日本人のハーフ)Thiekoちゃんの彼氏宅でのハロウィーンパーティーに呼ばれました。今からどんな変装をしようかと、楽しみ。

きっかけづくり

2009年10月20日 | デンナースのお仕事
 先日、ステノの親会社であるノボの本社にて、ワクチン接種にいったときのこと。

 そこのワクチン注射をしてくれたナースが、私が日本人ナースだと聞いて「ノボのとある部署が日本人のドクターとかナースの視察団を100人くらい受け入れて世話してるらしいわよ。あなただったら何か手伝えるんじゃない?」との情報をくれたので、さっそくその部署を調べてみることに。

 その部署というのは、ノボ本社内のグローバルイベントマーケティングというところ。世界中のノボのお客さん(主にドクター、ナース、行政関係、研究者など)がノボの本拠地(と関連施設)視察に来る際のツアーや、カンファレンスなどのアレンジなどもするそう。
 
 通常の本拠地視察の場合、ノボ傘下のステノにも一日寄るほか、王立病院の糖尿病科にも寄ったりするそうで、まあ、視察に来るドクターやナースとしては、この病院視察というところが一番興味津々なのではないかと。

 そんなわけで、医療現場のことなら色々話せるっすよってことで、大胆にもそのグローバルイベントマーケティング部の部長宛にさっくりメールを出してみました。
 ま、マーケティングの職歴があるわけでもないし、そもそも日本からの視察団も年に3、4回程度来るくらいで、年がら年中私が必要、ということもないかと思うのですが、でも日本とデンマークと両方から専門的に話しができる、ついでに通訳もほぼできるよ、ってことで。
 とりあえず「私ってこんなバックグラウンドがあって、だからあなたたちの仕事に興味もりもり、こんなこともできるし、お手伝いできることがあったらうれしいわん」というようなことを、印象づけて、いざというときに「ああ、そういえばあんな人がいたなあ、まだ興味あるかしら」と思い出してもらえれば万々歳。

 思い起こせば、ステノの仕事をもらったのも、まさにこの「インパクト付け作戦」の賜物。当時、あり得ないほど身分経験不相応なステノのハイポストに応募し、ステノと王立病院のトップ6人の前で大恥を承知の上で面接に挑み、まんまと「あいつバカ?!でもその情熱は認める!」と、彼らの脳裏に存在感焼き付け成功。そしてその1年後、今の病棟に求人が出た際、私の存在を思い出してくれた面接官の一人が、「ステノにまだ興味ある?」と誘ってくれたのでした。
 いやはや、まさに一期一会。とりあえず地道に機会をうかがいつつ、チャンス到来で発揮する瞬発力。そのときはだめでも、結果がどう転ぶか、いつどんな風に風向きが変わるか、そういうのってわからないものです。一度振られても、まだ終わりじゃないぜ!と、超ポジティブ思考が運を呼ぶに違いない!

 と、そんなわけで今日、印象づけ作戦メールにさっそく返信をもらったのですが、残念ながら日本からの視察受け入れは今年もう終わっており、今年いっぱいはとりあえず仕事はないそう。でもかなり好感触&具体的な返答をもらうことができたので、2010年にはいくつか仕事がもらえそうです。超楽しみ~。
 ちなみに、日本のみならず世界中のお客さん相手のこの部署のお仕事、なかなか面白そうなので、来年3月ステノで正規雇用されなかったら、またまた無謀に就職申し込んでみようか?!とも思ってます。

 あ~でもそれならもっとがんばって英語を勉強しなきゃ~。
 

女子をその気にさせる方法1~手料理編~

2009年10月19日 | なるほどな話
 Kanahei的独断と偏見とまったくの推測によるものですが。

 たとえばあなたがお目当ての女の子や彼女に手料理を作ってもらいたい、という願望を持つ男子だったとする。どうしたら効果的にその女子に料理を振る舞ってもらえるか。というか、どういう状況だと女子は男に自発的に料理を作ってあげたいと思うか。以下にポイントを示します。

1、毎日朝から晩までコーンフレークとか食べ続けてるとか、同情を買うような貧相な食習慣をアピール。
2、忙しく働いている、たくさん運動をしている、など活動量が多く、おなかがいつも空いてることをアピール。もしくは一緒に食事をする際、もりもり食べる。
3、凝った料理よりも子供っぽい料理が実は好きなんて言ってみる。
4、最低限の食事のマナーは守る。
5、ギブ&テイクの精神を忘れるべからず。おいしい料理を作ってもらうかわりに、材料の買い物にいく、後片付けをきちんとする、おいしいデザートかワインなどを買ってくるなど、必ずお返しとなるようなことをする。
6、食前の「おいしそう!」に始まり、食事中の「おいしい~!」、そして食後の「ごちそうさま、ありがとう」をとりあえず連発。
このポイントさえつかめば、きっと女子はおいしいごはんをあなたに作りたくなるはず!(たぶん!)

 ちなみに、こういうことするともう作ってやんないよ、と思わせるのは…。

1、一日中グータラしてて、パジャマとかだらしない格好で食事を取ろうとする。
2、そもそも作り手へのリスペクトなしの態度(せっかくの手作り料理に醤油をどばどばかけるとか、偏食で残す、待たせたりとか温かい料理を温かいうちに食べないなどはNG)。
3、おまえはグルメ審査員か!という批評をする。
4、作ってもらって当然という、おまえはマザコンか?という態度。
5、フルコースとまではいかずとも、せっかくいい料理を作ったのに、いい年して牛乳やジュースを飲みながら食事をする(料理に合ったアルコールを選ばないなら水を飲め)。
6、「ごちそうさま」の一言なし。

 おさんどんをしていると色んなことが思い浮かぶわけですが、調理師の母を持ち、かつデンマーク女社会で働く私なので、ちょっと厳しすぎ?

 ああ、それにしても若者男子を食べさせるというのはお金がかかる…。

また英会話始めました。

2009年10月18日 | わたくしごと
 また英会話を始めました。今回はCambridge instituteという完全私立の学校で。

 レッスンは火曜日と木曜日の週2回、1回2時間のセミインテンシブコース。週37時間、変則的に仕事をしている身としては、たった週2回といえどもなかなかきついのですが、でも今まで通っていた英会話教室とは比べものにならない濃密なレッスンなので、とても楽しく通っています。

 これまで通っていた学校の二つは、どちらも成人向け教養講座みたいなもんで、講師もデンマーク人。一番目に通っていた市民講座の講師は、いわゆる「デングリッシュ」な発音だったし、二番目に行っていたStudie skolenの講師は、発音だけは臭くて蓋をしたくなるほど嫌味な「英国紳士」の発音(いくらイギリス人でもあんなにぶりぶりブリティッシュな発音の人はいないだろうってくらい)、しかし中身はバリバリスノッブなデン人という、いかんともしがたい講師でした。
 内容も教養講座の枠内なので、だらだらと世間話をしつつ、文法の説明よりもイディオムって感じで、あまり実りのある授業とは言いがたいものでした。

 でも今回のCambridgeはやや授業料も高く付くかわりに、講師もしっかり大学で語学系の学歴を有している完全ネイティブ(英国)なので、教え方が全然違います。
 まず、他の英会話教室でやっていたような、生徒同士ペアを組んで練習する、ということはあまりしません。生徒同士だと間違った表現や文法を使ったとしても気づかない場合もあるし、発音の悪いもの同士が練習したってあまり意味がないので、私は前の教室では常々、「これって先生が楽したいだけじゃないの~?」と思っていました。
 でもCambridgeではみんなで話し合うというより、いつも「対先生」という感じで話すので、他のクラスメイトが先生と話している間も、先生がその生徒の文法や発音の間違いを正しているのを聞きつつなので、勉強になります。

 あとなんと言っても、正確に使い分けるのが難しい微妙な表現や単語を、フォーマルとインフォーマル、そしてビジネスレターの表現の違いなど、なんとなくわかっていたつもりだったものを正確にシステマティックに語学のプロに、しかもネイティブに教えてもらうというのは、伝わりかたが全然違います。ほっほ~なるほど~と、膝をポンとたたきたくなる感じ。

 ちなみに今の講師は、火曜日が北アイルランド出身のロンドンで社会学(英語と異文化背景について)マスターを取った男性、木曜日がラテン語(とフランス語)を大学で学び、Cambridgeで長年講師をしている北イングランドの女性です。
 火曜日の北アイルランドの講師は、しゃべるのが早い上アイルランド訛りが多少あるので、2時間の授業中聞き取りにか~~なり神経を集中させなければなりませんが、でも彼のパワフルな授業の後は、2時間みっちりジムでトレーニングした後のような爽快感、充実感があります。木曜日の先生は、聞き上手、相づちとか気持ちいいコメントを会話の合間に挟むのが上手な人なので、特に女性らしいそういった表現を学ぶのにとてもいいです。
 あ、でもこの女性講師、とても優しい人なんだけど「犬」がテーマで何か話し合ったいた時、「イギリスでは犬は家族とかパートナーとしてとても大切な存在だけど、中国では犬を食べるのよね?どうなの?」と中国人のクラスメイトに真顔で聞いており、かなりスリリング。まだ20歳くらいでいかにもいいとこの、都会のおぼっちゃん風なそのクラスメイトは、苦笑いをしつつかなり返答に困っていましたが。

 クラスメイトも私を入れて6人(トルコ、イラク、ブラジル、モロッコ、中国から)と、多すぎず少なすぎずなのでちょうどいい感じ。宿題もしっかりでるので、週2回、なかなか大変ですが、楽しみつつがんばっていこうと思いまーす。

豪邸に引っ越しました

2009年10月11日 | わたくしごと
 ロンドンの安ホテルから持ち帰ったのか、なぜかノミ?ダニ?が発生中の我が家と(打てる手は尽くして駆除をしたけど…)、素行の悪いたびキャットを癒し系なワーホリ男子K君に預け、私とヨナスはCharlottenlundにあるペニーラ宅に昨日引っ越してきました。これから3週間、彼らがアフリカへ旅行に行っている間housesittingです。

 家に到着してさっそく迎えてくれたのは、彼らの家の新しい居候人、韓国人のI君です。はじめ英語で挨拶をしていたのですが、「あのー、日本語しゃべれるんで…」と流暢な日本語を話すではありませんか。
 日本語学習歴11年というI君22歳。ぺ・ヨンジュンを「あいつ」呼ばわりし、スパゲティの茹で方もわかんないけど、なぜかクッキーは作れる、韓国人なのに「お風呂とかサウナ好きだけど、からすの行水なんですよ」とか、辛い物がそんなに得意でないとか、デンマークで初めてアボカドを食べたとか、話しててびっくり連続でかなりおもしろいです。

 ちなみにペニーラ達の次男Jも家に残っていて、今日は彼の友達が遊びに来ており、若い男子ばかりでドカドカにぎやかです(Jはバンドをやっているので)。
 今はまだ彼らも大人しく家の中も平和ですが、Housesitterとして、週末など嵐のように家を散らかすティーンエイジャー達から家を守るべく、姉のように、寮母さんのように、そして時には軍曹のように厳しく当たっていこうと思います。

 と、覚悟を決めた途端、階下のJから「トマトパスタ作るけど、食べる~?」と聞かれ、見に行くと男子二人がせっせと料理を作っています。おや?!いい子達じゃないか。寮母さんの出番なし?

 ちなみに豪邸ですが、広すぎて、しかも閑静な高級住宅街の中で、ちょっと落ち着きません。寒いし。クウィーンサイズ?のベッドも妙に広すぎて夜中何度も目が覚めたし…。
 5年間住み慣れたノアブロ、あのいつも変な臭いがするノアブロ、道を歩く時は割れたビール瓶や犬の糞に気をつけなきゃいけないノアブロ、どっちかっていうとデンマーク人の割合が少ない、いても労働者階級バリバリのノアブロ、犬も歩けばケバブ屋にぶつかるノアブロ、夜遅くまで必要な物はだいたい手に入るノアブロ。そんなノアブロを心から愛し始めていたのね…と、赤ワインを飲みつつ、イタリア製の巨大なソファーに座って、巨大なフラットTVでサッカーを観つつ思ったのでした(けっこう楽しんでんじゃん!)。

 この生活に慣れてしまうわけにはいきませんが、まあサマーハウスに来たとでも思ってのんびりしたいと思います。みんな遊びに来てね~。

写真:豪邸の主がネコアレルギーなので置いていかざるを得なかった、たび。でも優しいK君と一緒でよかったね…。

ちょっくらロンドン旅行後編~ショッピング三昧~

2009年10月11日 | 旅の話
 9月26日土曜日。

 この日はヨナスと完全なる別行動。なぜなら私にはパワーショッピングの目的があったから。
 ヨナスが大英博物館へ行っている間、私がまず向かった先はもちろん、primark。オープン当初は警察が出動するほどの大混乱&大行列となった、かのOxford street店です。
 前日にマキちゃんから「朝早くに行った方がいいよ、ほんとに」と言われていたので、午前中にいってみたのですが、土曜日ということもあり、すでにものすごい人。しかも移民系、またツーリストが多し(Fisketorvet?)。
 とにかく広い店で、1階が婦人服、2階が紳士服、子供服、生活雑貨、靴売り場となっているのですが、もーとにかく安い。ちょうどポンドが下がっていたこともありますが(1ポンド=8.6dkr)、それにしたって安過ぎる。長袖Tシャツ1.6ポンドって…ジーンズ13ポンドって…キャミソールブラ3ポンドって…。ダイソーレベル?
 しかもうれしいのが、そんなにひどい質のものではないこと。primarkはなかなか値段の割にしっかりしたものも売っています。そしてデザインも決して悪くはない。たまに「これは…」というものもありますが、ベーシックなものや下着類は全然オッケー。
 今年流行のスパンコールのスパッツとか80年代風のものはだいたい揃うし、でも値段は1/3程度(たまにそれ以下)。流行りものこそ上手に買って使いこなしたい私は、しかし自分自身「どこで着るんだよ!」と突っ込みたい80年代マイコーなスパンコールTシャツなどゲット。他にもパンツ、下着、タイツ、ニット、ブランケットなど大きな紙袋いっぱい分買って、総額500kr程度。ああ…ほしい!Primark!ぜひデンマークにも進出してほしい!
 婦人服に比べたら紳士服の品揃えは少ないしユニクロ程度の感じですが、それでもさすが英系だけあってスーツのYシャツなど品揃え豊か。イギリス(本社はアイルランド)へ行かれる方、B級ファッションがお好きな方、ぜひぜひPrimarkいってみてください。掘り出し物いっぱいですよ。

 さて、Primarkでなんと2時間ほど使った後、一休みでカフェに寄る時間も惜しくスタバでフラペチーノを買い、飲みつつ歩きつつ、途中でMarks&Spencerでも寄り道。
 ここのデリはしっかりおいしいし、クッキーとかお菓子はおいしいし(素敵な缶のクッキーを購入。激うま!)、そして何より「トイレの汚物入れ用ゴミ袋(素敵な柄&ラベンダーの香り付き)とか、そういう無駄にこそ価値とお金をつぎ込む人向け(そして女子はそういうものに弱い)のモノがたくさんあり、わくわくします。
 ちなみにこのM&Sのショッピングエコバッグは底板が入ってて正方形に近い形、かつ丈夫な作りで使いやすいのでおすすめ。普段のお買い物にも、ポットラックパーティなどでちょっとケーキやおかずを持っていくときにも便利です。

 さて、その後向かった先は、憧れのLiberty!ていうかPrimarkの袋を持って入るのはかなり恥ずかしい…。
 このLibertyで、デンマークではすでにその存在すら忘れつつあるChloeやMarc Jacobsなどの新作をチェックし、エンドルフィン放出。どうしても「これPrimarkでジーンズ20本分の値段ね…」とか値段の基準がPrimarkになっているのがあれですが、でも久しぶりにみる素敵で魅惑的なモノたち、あと一歩でChloeのカバンに手が出かけたところで、タイムアウト。ヨナスからの呼び出しです。ああ…。
 ちなみにLibertyでは素敵なメッセージカードを購入。デザインがとても凝ってるし、額などに入れてちょっと飾るのにちょうどいいので。

 呼び出しを受け、一人博物館を満喫した男ヨナスとPiccadilly circusで待ち合わせ。ランチはラーメンと決めていたので、ジャパセンことジャパンセンターへ。2年ぶりに行ったジャパセンは2店舗に増えており、デリなんかまで売り出していました。
 ここで「ぬるいけどまあWAGAMAMAよりは食べれる」味噌ラーメンを食べ、ヱビスビール(ちゃんと日本産!)を飲み、まあ満足。しかし店員さん多し。みんなワーホリとかなんだろうなあ。
 その後ジャパセンでは買い物をせず、近くの「ありがとう」という韓国系の食材屋で和食材を購入(こっちの方が安いので)。

 さらにSohoや中華街なんかを歩きつつ、午後ティーならぬ午後ビールのため、いかにもSohoなカフェへ(太陽が照ってていい感じだったので)。トイレへ行ったらドアに鍵がないのでややドキドキしましたが、実はその奥に普通のトイレがあり、わざわざ「そういう目的用(?)」のトイレに入っていた私。週末の夜とかでなくてよかった…。

 そんなこんなで買い物をし、街歩きをし、ロンドン堪能。この日の夜はヨナスの伯父さん(Richmondに住み、南フランスにある古いお城を別荘に持つ大金持ち…)を訪ね、夕ご飯をごちそうになり、4人で白ワインを5本空け、ホテルに戻りました。

 翌日最終日はフリーマーケットに行きたかったけど、「ロンドン11年ぶり」なヨナスによって、ロンドン北の妙なマーケット(超ツーリストいっぱい)に連れて行かれ、がっかり、Ping Pongという飲茶のレストランに入って、あまりに態度の悪いバカ店員にさらにがっくり、とトホホではありましたが、まあ全体を通してとても楽しいロンドン旅行でした。
 今度はロンドン大好き、ショッピング大好きなヨナス姉でも誘って、一緒に「ますます女子パワーショッピング&おいしいものの旅」をしたいなー。


障害者とその家族

2009年10月01日 | デンナースのお仕事
 今週の患者さんと私の家族、そして看護の話。長文です。

 患者さんのCさんは自閉症です。26歳ですが精神年齢は赤ちゃんくらいなので、デイケアに行っている日中以外、彼女のお母さんとお兄さんがず~っと付きっきりで面倒をみています。
 今回入院した目的はノボから新しくでたGLP-1製剤のVictozaを導入するためだったんですが、Cさんが全然目を離せないほど重度の自閉症であること、あとうちの病棟が家族の付き添いを禁止していること、などから、毎日病棟に通院しています。

 自閉症といっても色んなタイプと重度があるんですが、Cさんの場合前述のように知能が2~3歳くらい、簡単な指示だったりは理解できますが、基本的にコミュニケーションはとれません。自閉症ならではの「こだわり(自分の中で決められたルール、例えば物がきちんと向きを揃えて置かれてないとダメとか)」もあるし、何か気に入らない、恐い、不安なことがあるとパニックを起こしたり。あと、よく独り言を言ってたり(だから”自閉”症という名前が付けられたという説あり)、変な声を出したり突然叫んだり。

 私は専門的医学的な自閉症の分類だとかよく知らないのですが、Cさんを一目見て「ああ自閉症だなあ」とわかりました。というのも、私の兄がそうなので。Cさんは女性だから少し雰囲気が違うけど、症状というかタイプがすっごく似てます。
 
 5歳違いのキヨちゃん(兄)の小さいときと言ったら、もうまさしく「人まね子ざるジョージ」そのもの。とにかく何ででも遊んじゃう。
 例えば、ガソリンスタンドの店員の真似をして車にホースで水を入れたり(なんでエンジンかかんないの?!と母びっくり)、坊さんの真似をしてお寺の鐘を鳴らしまくりで苦情殺到、東京電力の電気技師さんの真似して電柱に登って感電寸前、夕方になっても帰ってこないと思ったら京都警察で保護されており迎えにいく羽目になったり(この後懲りずに名古屋などでも保護された。新幹線に乗りたかったらしい)。
 あと大人になってからのこだわりは、缶コーヒーなどについてるポイントシールを集めるために、立川のみならず国立や昭島まで行ってすべての空き缶用ゴミ箱を毎日チェックしてたり、なぜか乾電池にはまった時は総額10万円くらいを母の財布から抜き取って、乾電池10年分くらいを買って押し入れに隠し持っていたり。

 こうやってキヨちゃんの伝説の数々を、今でこそ笑ってかわいいよなあと振り返れるけど、昔は本当に大変でした。

 とにかくキヨちゃんは”こだわり”が強いタイプだったし、気に食わないことがあるとすぐにヒステリー&パニック。物は壊すは自傷行為はするは、身体も大きくて力も強いので、止めようとして怪我をしたことあるし(母なんて何度も)、街中でもどこでも独り言(しかも声でかい)、奇声&わめく、パニックになってなぜか全裸で家の外に飛び出していくこともあれば、4階の窓の外にぶら下がったことも。
 私が赤ちゃんのころは、夜中目を覚まし母がいないのを知った(母は夜勤中だった)キヨちゃんがパニックになり、赤ん坊の私を踏んずけたことがあるのだとか(ばっちり足の形の痣があったらしい)。なので以降私はバスタブの中で寝かされていたのだそうです。
 まあ家の中の物や家族に対して暴れるのも大変だけど、一番困ったのが他人の家のガラスを割ってしまうこと。あと障害者といえど性欲はあるので、洋服売り場の女性用試着室を覗いて逮捕されたり。
 「野放しにしないできちんと躾けてください」とか、「きちんと面倒みれないんだったらなんで施設とかに入れないんだ」とか、「きちんと鎖にでもつないでおけ」とか、外食しててキヨちゃんが騒いでたら「黙れ死ね!」とか、言われたことは数限り無し。
 小学校1年生の頃は、通学路で私の前をただ歩いてたキヨちゃんが、地元の中学生になんの理由もなく飛び蹴りをされてゴミ捨て場に飛ばされてた。その日家に帰って母に言うと、翌朝また同じ中学生がキヨちゃんをからかい出したとき、母がスクーターに乗って猛スピードで現れ、「うちの子になにすんのよー!!」と中学生を怒鳴り蹴散らしていた。そして母はその学区内で有名な「”身ちゃん”(身体障害者の差別的呼び名)の雷ばばあ」と有名になり、私やキヨちゃんの双子の兄までからかわれる羽目に。
 もう一人の兄の方は、なにげにクールでシャイな人なので、この屈辱にかなりショックを受け、しかも一卵性双生児として一緒に育ってきているのに障害者のキヨちゃんを、他人が理解できない双子のメンタリティで「なんで?なんで成長しないの?」と受け入れることができず、この少年時代のトラウマで後年かなりグレることに(ツッパリになったという意味ではないけど)。

 そんなキヨちゃんとの日常は、家族にとってはかなりdisasterで、「障害者なんだから、赤ちゃんみたいなものだから、それでも家族だから」とわかってはいても、時々「うるさい!黙れ!」と怒鳴りつけてしまったり、一番這いずりまわって振り回されて、理解のない周囲にいつもケンカ腰で挑んでキヨちゃんを守っている母でさえ、キヨちゃんに対して「バカは死ななきゃ治らない!一回死んでこい!」なんて言葉が飛び出したり、感情的になって手を挙げたこともあります。
 かわいそう、ひどい、わかってるけど、日常がdisasterな場合、しかもそれが家族というとても近い存在であればあるほど、一番嫌な、ひどい人間になれて、きれいごとじゃ済まなくなるものです。で、キヨちゃんにひどいことを言ったりしたりした後、ものすごく悲しくなって、情けなくなって、そういう自分に蓋ををして見なかったことにしたくなるのです。

 そしてその時の悲しい気持ちっていうのは、「アンフェアだ」。

 障害者として生まれて、そのせいでいじめやひどい扱いを受けてしまうキヨちゃんに対してではなく(もちろんそうだとも思うが)、理解のない健常者の周囲に対して、自分のせいでもないのに、キヨちゃんの後始末をしなければいけなかったり、いじめや「ちゃんと躾けろ」といったことを言われることへの不満。
 でも「家族なのに」そういう風に思ってキヨちゃんに当たってしまうことへの、キヨちゃんへの申し訳なさとか(抵抗できない子供に虐待をする気分)、色々含めてアンフェアだ、と悲しくなるのです。

 さて、話は戻って患者のCさんとその家族。

 Cさんのお母さんはフィリピン人で、離婚後、息子(Cさんのお兄さん)と一緒にずっとCさんの面倒をみています(母子家庭というのもうちと同じ)。
 離婚直後、Cさんはお父さん側に引き取られていたそうですが、不安定な状況にCさんかなり情緒不安定になり、お母さんが再び引き取ったときには手がつけられないほどのデストロイヤーになっていたのだとか(新しいTVを買っても翌日には壊されたり)。
 そんな状況を見かねて、周囲はCさんを施設に入れることをすすめていたそうですが、「この子には私が必要。私が守る」と手放さず、仕事を捨て、家も車も売って、それでも自分の手でCさんの面倒をみてきたんだそうです。
 Cさんのお兄さんも、小さな赤ちゃんを愛しむようにCさんをかわいがり、きめ細やかに面倒を見、年をとったお母さんのフォローをしています。
 でも入院に際し、「騒いだり叫んだりして他人に迷惑がかかるから、通院させて欲しい」と希望したり、周囲を気にするあまり、Cさんが少し声をあげるたび「静かに!」と叱りつけているのをみると、まさしく私自身の経験とかぶって苦しくなります。
 そんなお母さんとお兄さんのCさんを自分たちの力だけでがっちり守る愛情のかけ方は、どうやらデンマーク人にはちょっと奇妙にすら映るようで、同僚はけっこう冷めた目で彼らをみています。まあ、親の老後なんてあまり面倒みないクールなデン人ならではって感じですが(でも家族の面倒をみるためには、適度な距離が必要だというのは確かに正解)。
 そんな風にデン人からクールな視線でみられていることをわかっているCさんのお母さんは、私には「でもこれはアジア人のメンタリティだから。あなたにもわかるでしょ?」って。
 
 40週間大事におなかの中で守ってきて、生まれて来てくれて、大事な愛しい自分の子供。身体が大きくなっても、中身はまだ赤ちゃんのままの我が子を、毎日がdisasterであろうとも、アンフェアの中で悲しくやりきれなくなっても、それでも守りたいって。本当に大きなCさんのお母さんの母性愛です。そして私見ですが、まさしく愛情深いフィリピン人ならではです。

 そんなわけで、Cさんと家族をみていると色んな思い出と感情がどんどんと甦って来て、時々涙がでる寸前になります。理由の一つには、小さなCさんのお母さんをみていると、同じく小さな身体で大きな赤ちゃんのキヨちゃんを一生懸命面倒見ているうちの母を思い出すから。あと無邪気でかわいいCさんを見ているとキヨちゃんを思い出すから。
 そしてたぶん自分自身のことよりも、ずっと妹のことに時間も手間も愛情もかけているCさんのお兄さんをみていると、尊敬とともに、彼のようにできない、しない私自身に対して悲しくなるから。自分の一番大切な家族をまず幸せにできない人間が、果たして他人を助けようなんて間違ってるんじゃないのか、とか。

 でもひどいと言われても、自分自身悩むし悲しいことだけど、でも家族だからできるっていう人と、家族だからできないっていう人がいて、私はその後者なんだと思う。情けないけど。少なくとも今はまだ。
 それでも将来、絶対私もCさんの家族みたいにキヨちゃんの面倒をみたい。いや、もしかしたら将来と言わず、もし母に今なにかあったら、その場合はすぐにでもそういう状況になるんだろうけど。(というか母自身に何かあっても)
 今私ががんばる目的はたぶんこれ。家族を守れるくらい(もちろんヨナスも含めて)、経済的にも精神的にも自立すること。

 で、また戻ってCさん。私が糖尿病病棟のナースとしてした看護は、普段している糖尿病指導のほかに、Cさんの糖尿病ケアに対し、訪問看護をすすめたこと。

 Cさんのお母さんもお兄さんも、「自分たちの手で守る」とがんばっているし、それを支えてあげたい。けど、だんだん年老いていくお母さん、昔のようにがんばりたくても、身体も、複雑になっていく治療とかもついていけなくなって、だんだん無理が出てくることも、キヨちゃんの介護に限界が出てきた時の私の母をみてわかったこと。
 家族だけでがんばっていて煮詰まってしまったり、自分自身とその人生が後回しになってしまうのを避けるためにも、ある距離というか、スペースが必要だから。介護をしていて陥りやすいところ。とても似た境遇でその大変さがわかる人(私)だからこそ、提案できることでもあると思う。
 現にCさんは血糖コントロール不全、お母さんは介護の無理が出て、自身の健康にも影響がでてるし、お兄さんもまだ若いから、もう少しCさんの心配から少し解放されて、自分の人生にももっと目を向けられたらいいなと思うし。ここで少し新しい空気を入れて仕切り直しが必要だと思ったから。
 婦長は私のこの判断に対して「あなた自身にとって、Cさん家族をみつめるっていうことはとてもつらいことだったはずだけど、よく判断できたわね。正しい、いい判断だと思うわ」と言って、少しの私の言葉でもしっかり気持ちを理解してくれて、受け止めてくれました。うれしい。ここで働けてよかったなあと思う瞬間です。

 自分が家族に直接できないから、その代替というか昇華というか、間接的ではありますが、自分の大切な人にするように、私の母もキヨちゃんも納得してくれるような、最高の看護をしたいと思います。