Kanaheiのデンマーク生活

糖尿病の勉強をしたくてきたデンマークでの紆余曲折な生活を日記として残しています。

週32時間シフトへ

2008年05月31日 | デンナースのお仕事
 6月からいよいよ勤務時間が週37時間から32時間に減ります。つまり週休3日となり、生活にだいぶゆとりがみられるように。

 4月とか「あーもう本当にこの病棟やだ!…でも辞めても他がまだ見つかってないし、他に行ってもデン人と働く限り同じような問題はついて回るだろうし…」と、辞めたい、けど辞めてもな~という狭間で悩んでいて、そこで出した結論がこの、Bispebjergの勤務時間を減らす、です。

 特にここ最近、結婚式の準備、ペニーラのところの手伝い(子守りおよび翻訳関係)、月一で発行される糖尿病ケアへのデンナースエッセイ執筆、ステノ糖尿病センターへの取材と特集記事執筆、もう一つの雑誌ナーシングビジネスでの3~4ヶ月ごとにくる執筆依頼などで忙しく、まさに目の回る忙しさでした。

 さらに、病棟でフルで働いていると生活がごっそり持っていかれる感があり、日常生活の70%ほどを仕事が占める、しかもこんなにハードな病棟で、というのは20代前半とかはよかったけど、そろそろきつい。
 それになんというか、苦痛ではないにしろ、毎日顔を合わせ、自分の生活の70%を一緒に過ごすにはちょっと重いという人達といる、というのがめんどい。なので勤務時間を減らしたのはよかった。

 とはいえ、やはり収入も2000krほど違ってくるので、出費も多い今年、どこかでその補填をしなければなりません。
 今考えているのは、古巣のAmagerとか、昔少し働いたこともある老人ホームのようなところで週1~2回パートをするというもので、結局の週労働時間は変わらない、むしろ多くなる場合もありますが、ずっと同じところで同じメンバーと働くよりは精神的に楽。むしろ気分転換にもなります。
 なんといっても自分のフリーの日に「この日なら働いてもいいかな」と勤務を入れられるというのがいい。

 まあしばらくこの方法でやってみて、だめそうだったらまた週37時間に戻してもいいし、別の病棟を探してもいい。「あらねばならぬ」的なところが幸いにも少ないデンマーク、気楽に働いていこうと思ってます。

Grey's Anatomy

2008年05月29日 | おもしろい人・おもしろいもの


 今更というべきかもしれませんが、ハマってます「Grey's Anatomy」。

 日本から千夏さんに送ってもらったシーズン1のパート1DVDがようやく届き(EMSなのにデンマークに到着してからなんと1ヶ月も配達されずにに留まっていた!)、夜更けまで見続け、シーズン2終了。シーズン2はすでにTVの再放送で見ていたのですが、通して見るとやはり人間関係などよくわかっていいです。

 個人的にはIzzieのようにスタイル抜群容姿端麗しかも意外に純情まっすぐな彼女がお気に入りではありますが(でも彼女がメインキャラクターだったらこんなにこのドラマはヒットしないはず。ここが日本との違い)、まあ影もありつつじめじめうっとうしい、そこがまたセクシーかつ馬鹿な男を寄せ付けるMeredithもいい。でもせっかく女に生まれたからには(もうすでに29年遅いが)ホルモン牧場ことAddisonもいい(特にPrivate practiceでの彼女はいい)。
 と、夢想しつつ、「きっとデンマーク国内すべての大学病院を集結させてもここまで追いつかんだろう」と虚しいことを考えつつ、「へ~膿瘍ってそう言うんだ~」と辞書を引きつつちょっと勉強にもなりつつ、楽しんでみてます。

 そういえばもうすぐ日本でも公開になる「27wedding dresses」(邦題「幸せになるためのウェディングドレス」どっかで聞いたことあるようなタイトルだが…)に、このIzzie役のキャサリン=ハイグルがでており、前に友達と観に行ったのですが、彼女、この手の静かにぶち切れる(わなわなと)役どころがうまいです。ていうか美人なのにかわいそうな役回り上手?

 一昔流行ったERよりは、もちょっと恋愛だの登場人物の背景だの、ややこしいことが織り交ぜてあり、尚かつ医療現場の臨場感あふれ(って本場を知らないけど)てて、面白いです。「あー男ってほんとだめねー、んでもってそんなのに揺れまくってる女もしょうがないね~」そして時々、いや、けっこう毎回(特にシーズン3では)最後にうっ…と泣けてしまう医療現場のジレンマや悲しさに、『それでも、前に進んでいく』というサブタイトルがとっても響きます。

 なんとウィキペディアにまで載っているGrey's Anatomy(デンタイトル「Greys hvide verden」ださ!)、今さらですが、おもしろいですよ~!

自業自得

2008年05月29日 | わたくしごと
 最近夏のようなさわやかな陽気だったため、うかつにもこのデンマークで薄着したこと。嫁入り前の自分のあまりのフェロモン低さに「こげんばいかんって!」と、スニーカーではなく素足にヒールを履いたため。2日連続週末にどか飲みしたため。

 今度は喘息性気管支炎にかかってしまいました…。

 もう、今年は(たびキャットを含め)健康運低迷気味です。今まで1年のうちに一回風邪でもひくかどうか程度だった健康体の私が、半年のうちに病欠3回目とは…!しかも滅多なことでは発熱もしないのに、今回も見事、38度超えです。熱発って苦しいのね…。

 前からちょっと季節の変わり目とか喘息っぽくひゅーひゅーなることはあったものの、昼夜問わずフラットになって横になれない。ベッドに座って寝る、というのを初体験。
 日本から持って来た聴診器(小児科用、しかも色はエロくピンク)で、しっかり狭窄音も聴取。おー、これが例の…と我ながら感心(?)。小児がよくやる、咳き込み嘔吐(咳がひどくて吐く)というのも体験しました。咳き込み過ぎて2日でお腹が少しへこみましたよ(これはうれしい)。

 しかし、しかし、さすがデンマーク!そんな状態の私にもかかりつけ医では薬ひとつくれませんでした!!いや、デンナースですから、風邪薬なんてもんがこの国にないこと、ちょっとやそっとじゃ抗生剤もなにも出さないことくらいわかっていましたが、にしたって、ひゅーひゅーしてんじゃん、私!夜眠れないっつってんじゃん!さらっと弱めの気管支拡張剤のスプレーかなんか頓服としておくれよ!
 結局、「来週水曜に新しい肺機能検査の機械がくるんだけど、その頃また来たら?そしたらちゃんと喘息って診断できるし、薬も出すわよ」って帰されちゃいました。わざわざかかりつけ医のとこまで症状を話に来れるんだから、大丈夫ってことっすかね、デン式診断によると。

 あー、さすがデンマーク。カモミールティーでも飲んで寝てろって?いやいや、こっちはこの週末12時間夜勤なんだよ。え?そんなの休んじまえって?みんなそうしてるって?そうは言ってもだねえ、君~、日本人としてはそういうの難しいんだよ~わかってるかな~。(って私誰と会話してんの?)

 いや、もう、これは「こんな国で病気になった自分が悪い」ってことで、しばらくさぼっていた”ちゃんとした食事”も再開させねばと思います。

サウナ

2008年05月24日 | デンマーク暮らしの知識
 先日、友達のよしこちゃんと、彼女行きつけというウスタブロのサウナへ行ってきました。

 デンマークでサウナとか初めてだったのですが、これがとってもよかった。

 まず、ウスタブロのは施設がきれい。更衣室が個室になっており、そこに鍵をかけて荷物も置いておけます。水やジュース、果物も食べ放題、サウナはドライとミストの2種類、ほかにジャグジーも小さなプールもあります。
 ミストサウナは水着着用不可(もちろん男女別。でもこの日はすごく空いてたので水着で入りましたが)。なんかアロマ?なもみ塩も買うことができ、ミストサウナでアロママッサージ(自分で)もできます。
 他にバスタブのある個室も貸し切りで使うことができ(予約制)、アロマ風呂も楽しめる模様。
 
 予約をし別料金を払うとマッサージやちょっとしたエステのようなものも受けられるようで、ちょっといつか試してみたいです。

 料金はジャグジーなど使えるクアバスで100kr(私が体験したのはこれ)。普通のプールとサウナでは29krだそうです。ちょっとリラックスしたい時、お風呂が恋しい時におすすめです。

 この日はよしこちゃんと、なぜかぬるいサウナ(閉館間際だったのでスイッチ切られた?)でだらだらしゃべり、ジャグジーで漂いつつ、ちょうど気持ちいいぬるさのプールで浮かぶための棒?でぷかぷか浮きつつ、超リラックス。くせになりそうです。
 そしてよしこちゃん(彼女も酒豪)家でビールを飲みつつ、「パラダイスホテル」の総集編を観ながらまただらだらし(よしこちゃんは異様にパラダイスホテルに詳しい。デン語わからないのになぜそこまで理解できるのか、謎)、最高にゆるい日曜日を過ごしたのでした。ありがとう、よしこちゃん。また行こう。

 最近、コペン中央の湖そばにあるホテルにAvalon spaというのができたそうで、そこは高級ホテル、いいねー、ラグジュアリ~という感じなのですが、お値段をみてびっくり。ただ入るだけで300krって…。エステとか1000kr単位なので無理そうですが、お金があったら行ってみたいですな。

酔っぱらい伝説

2008年05月24日 | お酒の話
 また自転車から転落しました。酔っぱらって。

 最近なんだか飲むと酔っぱらい度が前よりも大きく、記憶をなくすことがしょっちゅうです。

 昨日は日本人ナースinコペンハーゲンのメンバーで飲みに行き、おいしい韓国料理をたらふく食べた後、メンバーの一人RURIKAさん(酒豪)とさらに飲みに行き、耐久レースのようにバーの閉店までさし飲み。何杯飲んだんだ?結局…。

 で、家に帰る途中、ハイヒールでまず転倒(最近ぺたんこ靴禁止令を自分の中で制定したため、こんな事故に)、ぶつぶつ一人で怒りつつハイヒールを脱いで自転車の荷台に載せ、裸足で再びこぎ始めたのですが、酔ってバランス感覚消失、歩道との段差で激しく転倒。周りにいた人達が駆けつけてくるほど。酔っぱらってなぜかデン語が出なくなり、「I'm all right! Thank you thank you!!」と激しく明るく降るまい、またよろよろと自転車こいで帰宅。

 しかしそこから記憶がなく、気がついたら朝ソファーでコの字になって寝ており、ベッドに戻って寝直し。
 起きたら肘は痛いは(思いっきり腫れてる)、あちこち傷はあるわ、足にも派手なあざ。コートは激しく汚れ、ちょっと血までついており「ケンカしたの…?」とヨナス。服とか時計は床に散らばり、歯ブラシはソファーの下、口の周りは歯磨き粉で真っ白!しかもコンタクトレンズはケースに一個しか入ってないし。なんかもう、ひどいとしか言いようが…。

 嫁入り前なんだし、ちょっとは自制せねば、と思いつつ、今日もまたRURIKAさんと飲む予定。
 
 とりあえずお給料でたらヘルメット買おうと思います。

たびキャット病気になる

2008年05月21日 | 猫の話
 たびキャットが病気になりました。

 ここ1~2週間、トイレを掃除していても妙に砂のおしっこの塊が少ない、もしくは小さいなあとは感じていたのですが、よく、食べるエサの銘柄で尿量が変わっていたのでさして気にしていなかったのですが。

 2~3日前頃から、妙にトイレの中でごそごそしており、さっきトイレにいたと思ったら10分後くらいにはまたトイレ。なんか興奮しているというか、落ち着きもないので「最近お散歩トレーニングでよく外に出してるから、家の中でフラストレーション溜ってるのかな?」と思っていました。
 
 が、昨日トイレ掃除をしてみて、ほとんど砂のおしっこの塊がないことに気付き、「え?!尿閉?」と急に不安に。トイレで頻回にごそごそやってるのは、出したくても出ないから??
 これはいかんと思い、動物ナースのruruちゃんに夜中電話して聞いてみると、やっぱりその可能性が大きいということで「すぐに病院連れて行った方がいいよ!」とのこと。

 で、今日ヨナスが連れて行って検査などさせてみたところ、酸性尿かつ尿中に結晶が浮遊しており、それが尿管を刺激して若干血尿も見られる、とのこと。幸いにも完全に尿管が閉塞しているわけではなく、膀胱炎の症状のように頻尿なのでちょぼちょぼとしか出ないが、一応は出ているのでオッケーだそうです。
 治療として、酸性尿用キャットフード(なんてものがあるなんてびっくり)をしばらく続けること、そして錠剤を6日分ほどもらってきました。しめて750krほど。たけー!まあこれでたびキャットが元気になるのなら…(涙)。病気中も普通に元気は元気だけど…。

 しかしなんでまたこんな病気になったのか、その原因を獣医さんに(ヨナスが)聞いたところ、「家のリフォームとかで大工さんとか来てる?え、いない?うーん、考えられる原因としてまずストレスがあげられるんだけど…あとはエサとかね」って、リフォームもしてなければ、最近そんなにゲストの出入りもないうちでストレスって?!散歩にもけっこう連れて行っているけど…むしろ散歩がストレス?!そこここでびよーーーんと寝っころがって伸びているたびを見るたびヨナスは「超ストレスフリーだよ!」と言っていますが、きっとたびにはたびの事情があるのでしょう…。

 あと3週間ほどで満1才を迎えるたびキャットですが、1才未満で早くも酸性尿だなんて、人間だったらなんともおっさんくさい病気になっちゃって…不憫ですわ。
 早く元気になって、前見たいに野球ボールか?!ってくらいの砂の塊おしっこじょんじょんとしてほしいものです。

*ruruちゃん、その節は本当にお世話になりました!
たびは元気はつらつ、いつもとなんら変わりないけど、獣医さんが「早く病院に連れて来たのは大正解だったよ」と言ってくれました。あれでruruちゃんに聞いてなかったら、きっとたびキャットは今頃ぐったりだったでしょう…。本当にありがとうね!そしてこれからもよろしく…。

ガイジンナースの切な思案

2008年05月19日 | デンナースのお仕事
 コペンハーゲンの外国人向け看護学校で一緒だった、ボスニア人の超アマゾネス系強烈キャラTと最近よく病棟で出会います。というのも、彼女がうちの病院内の派遣ナースとして働いているため、病棟でスタッフが足りないときなどにやってくるのです。

 看護学校の頃から彼女の強烈ぶりはそれはそれは”ひどかった”のですが、しかし今はそんな彼女と一緒に働かねばならず、あーもうかんべんしてよーです。

 ラテン語が読めて、ラテン語で病名が言えて、ボスニア戦争時代に軍隊病院(のなぜか眼科)で働いてたから色んな経験があるのかもしれないけど、完全に情報のアップデートがされておらず、彼女の知識は難民としてやってきた10年前のまま…。
 しかも、よくもそこまで…というほど自分に自信99%(残り1%はドクターなど権力者には弱いという共産圏出身者の悲しい性)で、人の話をまるで聞かずに何に対してもごり押しなので、私がせっかく築き上げた患者さんとの関係もぶち壊し。
 他のデン人スタッフに対して面と向かって「これだからデンマーク人は」的に思いっきりデン人が嫌がることを言う&会話に無理矢理入って言いたいこと言っては会話をかき壊し。KYも極み。

 そんな彼女なもので、やはり一つの病棟で他のデン人スタッフとヒュゲリにやっていくなんてことは不可能なわけで、デンナース免許は取ったものの、派遣でしかもアシスタントとしてしか働いていないのが現状。ちょっとかわいそうではあるけれど、「ねえ、T、そうは言ってもあなたは今デンマークに住んで、デンマークのナースとして、デンマーク人の面倒をみているんだから。彼らのやり方考え方を受け入れてある程度したがっていかなきゃ…」と何度も説得を試みたけど、まるでその甲斐なしなので、しょうがないというかなんというか…。

 Tの他に、もう一人病棟にはイラン人の新人ナース(っていっても私より年上)がいたのですが、彼女もまさにT同様の空気読めない系。空気読めなさ過ぎて浮き過ぎて、先週辞めてしまったのですが。

 もちろん彼女達には嫌われたり避けられたりする理由がてんこもりであるのですが、でも同じガイジンとしてみてて、デン人達の方にもしっかりくっきり壁があるのも感じます。
 なんてったってヒュゲを最大に重んじる国民、彼らと同じ比重で共感ができないと、それはヒュゲリじゃないのです。ヒュゲリじゃない=その輪にも入れない。で、なにがヒュゲリかヒュゲリじゃないか、それも簡単なようで実はちょっとわかりづらい。中には受け入れがたいものもある。

 例えばうちの病棟ではスタッフの半数が喫煙者です。法律で病院は全面禁煙となったにもかかわらず、患者さんには「禁煙だから」とニコチンパッチを貼ってるくせに、自分たちは汚物室で1日何度もタバコ休憩。なんてったって婦長および他の管理職系も一緒に吸ってるので手に負えない。
 汚物室の外まで漂って来る煙に、患者さんの家族から「喫煙室どこ?」と聞かれ、「すいません、病院は禁煙なもので…」と言うときの気分といったら…。いっそのこと汚物室のドアを開けて「あそこの婦長達に聞いてください」と言いたい。
 それに気が向いた時に何度もタバコ休憩へ行き、そこで色々裏の話をしてるようで、そこに入っていけない非喫煙者には気分が悪い(病棟に戻って来るとそういう内輪話は全くしないし)。ナースコールなっててもタバコ休憩中は取らない。勤務交代で他のスタッフが来ると、引き継ぎも兼ねて、まずは一服しつつおしゃべりで、申し送りが必ず10分は遅れる(なので私は「タバコの前に申し送りだけしていい?!」と引き止めている)。
 これらはうちの病棟だけのヒュゲかもしれないけど、「ルールはルールだろ?!仕事中だろ?!」とそういうところ頑な人にとっては、まったくヒュゲリどころじゃない。

 スコットランドのあやちゃんが「デン人はルールをねじ曲げるのが好き。色々理屈をこねて、言い訳をして、ちょっとだけルールを曲げるのよ。そういうネゴシエーションをディスカッションだと勘違いしてるし、ちょっと曲げたものを受け入れられたり受け入れたりして、自分たちの寛容さを味わう。それがヒュゲリだったりもするのよ。ガイジンにとって、そういうのって理解出来ないところが多いと思う」と言ってたのですが、まさにそう。
 この病棟喫煙なんてまさにそのいい例で、非喫煙者もそれを違反とわかっていつつ、「ちょっとだけ、ね?」と喫煙しているスタッフをなんとなく認めてあげている。ちょっとした悪時の共犯者というか、「みんなでやれば怖くない」におのずと参加。そこに「ルール違反でしょ?」と割って入っていくことは、正論であれ「反ヒュゲ」なのです。(私は一時、この共犯ヒュゲに耐えられず、ヨナスに相談したのですが「Kanaheiちゃん、デンマークではそういう負けが見えている試合には挑まない方がいいよ」と言われ、毎日ネットで職探しの悶々と日々を過ごし、最近ようやく勤務時間を減らすことで落ち着いた)

 そんなデン人スタッフの病棟なので、「これだからデン人は」と嫌味を言うボスニア人ナースTや、ヒュゲを分かち合えなかったイラン人新人ナースも(どちらもとっても「ルールはルール!」と頑なタイプ)病棟に馴染めなかったのもとってもわかる。和を重んじ忍耐力の強い日本人の私(日本ではそうでもないが…)ですら馴染めないもの。

 言葉を完全に理解することが要求されて(あの独特のブラックユーモアも含む)、保守的田舎者の偏見にも打ち勝ち、なおかつこのデン人のヒュゲを理解して受け入れていかなければならず、なんか、Integrationってこういうことなの?なんだかよくわかんないけど、大変なことだけは確かです…。

 完全に我が道をいってTのようになるか、ルーザーとして病棟を去った(デン人の見方では)イラン人新人ナースのようになるか。さあ、Kanaheiどうなるか。希望としては移民2世のように、デン人のヒュゲをある程度理解しつつ、自分のオリジナリティーも保持しつついきたいのですがねー。

写真:今働いているBispebjerg Hospital(道路に囲まれた真ん中のエリアすべて)。コペンで一番古く、全長4kmの地下道ですべての建物がつながっているらしい。

愛のメモリー

2008年05月13日 | Weblog


 たまには冷蔵庫の裏でも掃除しますかね、と始めた休日の今日。明日が課題提出というヨナスに冷蔵庫を動かすのを手伝ってもらっていたのですが、10分と経たぬうちに「…何十時間も手伝ってられないんだけど?!明日課題なんだから!」と文句を。
 かちーんときて「別に何十時間も手伝ってもらうつもりもないわよ。休みの日も何も手伝わないんだから、たまに必要な時にちょっと手伝ってくれたっていいじゃん」と言い返すと、「香苗ちゃんにとっては休みだろうけど、僕にとっては違うんだ(労働日であると主張)」と言うじゃないですか。たった10分、冷蔵庫を動かしたりするだけなのに。
 で、「私は家でも外でも働いてるんですけど?」「でも今日は休みでしょ?」「でもこうやって掃除したり働いてるでしょ?!」と、まったくもってこのアンフェアさをわかってない物言い。

 前に日本で温泉につかりながらヨナス姉マリアさんと、どうやって同棲生活をフェアに続けるか、という話をし、彼女から「家事を完全分担する」という提案を受けました。気付いた方がいつもやるというのはフェアじゃない(だって気付かないフリして気付いちゃう人がやってくれるのを待ってればいいんだから)。でも気付かない方に合わせてそのままにしているのは、気付く方の精神衛生上よろしくない。
 なので日本から帰って、食事、掃除、洗濯、食器洗いなどをヨナスと分担を決めたのですが、私の中で彼の達成率は80%。大抵最後にはやってくれるけど、取りかかるまでに時間がかかる(食器は溜ったら洗う、洗濯物は乾いても3日くらい干しているなど)、いつもどこかやり忘れがある(食後の片付けをしてもガス台を拭いていない、ランチョンマットをしまってないないなど)。しかも気に食わないのが、取りかかるときのだるそうな様子。喜んでやれ!とは言わないが、その態度はなんだー!歯を食いしばれ!と軍曹の気分になります。

 仕事を得るために勉強しているので、それも仕事の一部とみなすという理解はあるつもりです。課題が大変なのは彼が読んでいる本の量でわかるような気もする。
 でも机に向かっている彼の横を通り過ぎるたび、PC画面にはFACE BOOK、ほほー、よーチェックしとりますなー、5時間ぐらいの学校の後ソファーに寝転がって昼寝&TV、ところでトイレットペーパーがあと一個だけど?アイロンかけるシャツ(彼の)がもう1ヶ月くらいそのままですが?ネットショッピングでCDとかチェックして買ってる暇あったら、ちょっとゴミ出して来てよ。ちなみにその際のため息は御法度です。
 私の要求が高いのもわかっています。だから80%の達成度なら許してしかるべきなのでしょう。
 でもこの拭いきれないアンフェア感はきっと、家の中でけじめなく勉強という「仕事」をされるからかもしれません。大黒柱として経済的な負担も少し彼より多く負っているんだし、私もハード勤務をこなしてるし、結婚式でサマーハウスを貸してくれるペニーラへのお礼として、彼らの家に休みの日は手伝いにも行っている。こっちだって週休1日あるかないかなんだから、もうちょっとあなたもがんばってくれないものかしら?とそのアンフェア感。

 マリアさんは「香苗、調子はどう?絶対諦めちゃだめよ!がんばって躾けていかないと、フェアじゃないからね!」と分担表を見るたび励ましてくれますが、なかなかどこまで受け入れるか、悩むところです。今日なんて例の冷蔵庫をめぐるやりとりで「そんな非協力的なやつとは結婚できないね」と口から出かかりましたが、飲み込んだ結果、消化不良でここに吐いています。ああ、情熱的なラティーノだったらカーーーっとわめいてすっきりだろうなあ、こんな時。

 とりあえずそんな愛のメモリー同棲生活に疲れたら、私には幸いにもたくさんいいお友達がいるので、今日はそこで楽しい時間を過ごしてすっきりしてきまーす!

写真:まつざきしげるを描くための「まつざきしげる色」。

母がコペンにやってくる Yeah, Yeah, Yeah!

2008年05月12日 | 結婚関係
 結婚式準備、ただいま母の飛行機チケット入手に奔走しています。

 はじめは「お母さん1週間しか休み取れないし、結婚式がないんだったらデンマークに行く意味ないし」と言っていたので、でかいローマの空港で、英語もできない、海外旅行はツアーでハワイしか行ったことない母と待ち合わせ…?とかなり不安でした。
 しかしなんと、母が全部で10日ほど休みが取れたということで、イタリアへ発つ3日前にデンマークへ来て、その後一緒にイタリアへ行くことになりました。おー、ついに母がデンマークにやって来る!

 幸い、SASでストップオーバーできる飛行機チケットがあり、同じチケットでイタリアも行けるし、私達もSASなので同じ便で行けます。よかったよかった。問題はハイシーズンだしオープンジョーのヨーロッパ3ゾーンなのでちょっと高いんですが。
 自閉症の兄も一緒なのですが、通常日本の航空会社などでは、障害者割引および介護者割引があり、国内線だと半額ほどで乗り物に乗れます。でもSASはそれがないとのこと…ちっ。しかしここはデンマークで培った交渉力の見せ所。割引がだめならビジネスにでも乗せろとねばってみます。(ちなみに同僚が言っていたのですが、チェックインの時に”これから結婚式なの!”と伝えると、たまに席が空いていればファーストクラスにアップグレードしてくれたりするのだそうです。この手は使うしかない(負け犬的女性とゲイのスタッフは避けねば)。ていうかそれが通用するなら障害者のアップグレードなんてもっと可能性ありな気がするし。

 そんなわけで、行くとなったら急にウキウキしだした母。結婚式の洋服はデンマークに来てから一緒に買いに行こうと約束し、和食運びにも意欲的です。今からどこに連れて行こう、何を見せようと私もわくわく楽しみです。
(めぐちゃん、その節はsuper soed tilbudをありがとうね!)