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Kanaheiのデンマーク生活

糖尿病の勉強をしたくてきたデンマークでの紆余曲折な生活を日記として残しています。

情けない男の哀歌

2009年07月28日 | デンマークっぽいもの


 またもや深夜勤な今週。夜勤後ちゃりちゃりといつものように音楽を聴きつつ家路を走っていたとき、もう何度も聴いたことある歌の歌詞がふと耳に入って来て、「のお~!そういう意味の歌だったのか!」と新たな発見。そしてわかる人にはわかる、このユーモア。


「Til provinsen(田舎へ)」by.ibens

オッケー、オッケー
たぶん行きたいと思うよ、”そこ”に
スヴェンボーのちょっと郊外

オッケー、オッケー
僕のためにもその静かなとこに腰を落ち着けた方がいいかもね
スヴェンボーのちょっと郊外

連れて行くがいいさ
でもできれば秋が来る前に
連れて行くがいいさ
家の値段が農家一個分とかじゃなければ

オッケー、オッケー
僕ら都会暮らしをしてきたよね
都会は確かに子供を持つにはひどいとこかもしれない
スヴェンボーのちょっと郊外

オッケー、オッケー
都会だってそこまで楽しいもんじゃないかもね
たぶん”そこ”は想像よりいいかもね
スヴェンボーのちょっと郊外

連れて行くがいいさ
できれば秋が来る前に
連れて行くがいいさ
もし家の値段が農家一個分とかじゃなければ
さあ連れて行けばいいさ、田舎へ
ほら今すぐ
ほら今すぐ

方言もちゃんと習うよ
そして土曜の昼は町で”dav”って村人に挨拶するよ
方言もちゃんと習うよ
このピンクのシャツも脱ぐよ

連れて行くがいいさ、田舎へ
今すぐ、ほら
連れて行くがいいさ、田舎へ
覚悟は決めたさ
連れて行くがいいさ、田舎へ
僕ら二人が来たとこに
連れて行くがいいさ、田舎へ
田舎(故郷)につれて行くがいいさ


 このibensというバンドのボーカルは、ヨナス姉マリアさんの親友のだんなさん。彼が作る曲はスピッツのようにさわやかなメロディー&歌声とは裏腹に、他の歌もなにかとアイロニーが効いてます。そしていつも強いデン女に言いくるめられてたり、ちょっと情けない感じがいい。彼の実際の奥さんはとてもきれいないい人だけど。あ、でもマリアさんの親友だし、やっぱ強い女か…。

デンマークのCM~annoying編~

2007年11月02日 | デンマークっぽいもの
 3年デンマークに住んでいながら、どうしても理解出来ないことがある。まあそんなのけっこういくつもあるけど、こればっかりは本当に理解出来ないのが、デンマークのTVコマーシャル。

 なんというのか、「本気でいらつく!!」とイントロクイズ並みに、そのCMが流れ始めたと同時にチャンネルを変えたくなるものや、「恥ずかしい!恥ずかし過ぎるぞ!?」と頭を抱え込みたくなるようなものとか、卑猥すぎるものとか。本当に、うざったいCMが多くて理解に苦しみます。CMって、そこでどれだけ購買意欲をかき立てる印象を与えられるかにかかってると思うのに、チャンネル変えさせて、苛立たせてどうする?!という感じです。

 そんなわけで、デンマークいらつくCMをいくつかあげて見ましょう。

「Kims ポテトチップスのCM」
 これはなぜかまったくわからないけど、デンマークで人気なのかけっこう長いシリーズで流されているポテトチップスのCM。大富豪と思われる?うるさい下品なデンおやじが、なぜかアメリカの西海岸あたりでうさいことを叫びつつ、下品に笑っているというもの。こちらで全シリーズのビデオが観れます(ただし観た後で後悔しないように)。

「激安家具屋BIVAのCM」
 BIVAの女社長が自ら出ていて、まったくあか抜けない、ひねりのない様子で今週オススメの家具を紹介。極めつけは最後の「Vi ses i BIVA, paa soendag!(日曜日にBIVAでお会いしましょう)」とカメラに向かってするポーズ。痛い!

「TuborgのCM」
 TuborgのTVCM製作会社?で働くゲイの男(実際にゲイ)が、毎回考える案を上司(実は男装した女優)にダメだしされ、怒鳴られて終わるというもの。何が笑いのツボなのかさっぱりわからない。
こちらのHPで、まず「JA」をクリックし、トップページ右側の「Reklamefilm」で観れます。

「KinderのCM」
 デンマークの会社ではないのですが、あのキンダーチョコレートのCMがこれまた堪え難い。たぶんアメリカあたりと思われる、若者や子供が沢山出てきて代わる代わる歌っている(カラオケ)わけですが、恥ずかし過ぎる!あの歌も歌でひどい…。
 しかしこの前、患者さんの身体を看護学生と拭いていたとき、病室のTVからこのCMが流れ、学生が一緒にノリノリで歌い始めてしまい、愕然とした…。このCMがいいのか?!本当にいいのか!?
 同様にMerciというチョコレートのCMもこっ恥ずかしい。

「GajoleのCM」
 最高級にannoyingなこのCM。しかも最悪なのはこれを一度観てしまうとなかなかこの歌が頭から離れず、恐ろしいことに知らぬ間に口ずさんでしまったりするところ。そんな自分に嫌悪感を抱きつつ、そばでこれを口ずさむ人間に殺意をおぼえるほどいらつく…。
 あのパクリ系メロディーといい、衣装といい、ギャグなのかなんなのかさっぱりわからず。オヤジウケするCM。みなさんにもこのいらつきをおすそわけ!
GajolのCM

 まだまだ沢山あるのですが、今日はこのへんで。

プリンセスのお名前は

2007年04月25日 | デンマークっぽいもの
 先日の日曜日、第一王子フレデリックの王妃メアリーに第二子が生まれました。第一子が生まれてから1年ちょっとということで、ほぼ年子の女の子です。現女王マグレーテにとっては初の女の子の孫、嬉しさもひとしおでしょう。

 出産予定日よりも2週間早かったということですが、赤ちゃんの体重はゆうに3000を超え、しかもお産にかかった時間もたったの6時間。さすが経産婦です。お産をした翌日には退院し、メディアの前に赤ちゃんとともにお披露目したメアリーですが、臨月に入ってがっつり太りったこともあり、肝っ玉母さんの貫禄をすっかり身につけておりました。

 出産した日曜日の午後はブレイクニュースが流れ続けていたわけですが、印象的だったのが、出産についての記者会見でしゃべっていたのが助産師だったこと。日本では絶対に有名人や皇室のお産についての公式発表には、医師が会見に応じるものですが、このメアリーの時には立ち会った助産師(産科病棟の婦長)がすべて質問などに答え、医師はその後ろに立ってニコニコしているだけで一言も口を開きませんでした。
 よく、「平らな国デンマーク」とデンマークの平等意識について日本では賞賛されていますが、この会見を見て、たしかにこういうところについては平らでいいなあ、と思います。

 さて、今朝チャリ通しつつ携帯でラジオを聴いていた時、「新しいプリンセスの名前はどうなるか??」ということを話していました。
 デンマークでは王位継承権を持つ者への名前は代々決まっており、男の子だったら「クリスチャン」と「フレデリック」を交代に(なので現第一王子は「フレデリック」)、女の子だったら「マグレーテ」(現女王はマグレーテ2世。歴代で女王は2人のみ)ですが、今回生まれたプリンセスには王位継承権がないので、自由に名前をつけることができます。

 で、ラジオでは「どんな名前をつけられるか」のロトについて紹介しており、一番有力候補として「ロッテ」「ナナ」(メアリーがタスマニア出身の素朴な人なので、素朴で親しみやすい名前を付けるんじゃないかと)、次に「エリザベス」「グレーテ」(さすがに次期国王の娘だしこの辺の品のある名前を付けるんじゃないかと)、それともメアリーのお母さんの名前をとって「イングリッド」「ヘンリエッテ」か(長男の洗礼名はメアリーの父の名「ジョン」を入れたくらいだし)、やっぱデンマーク的に「マチルデ」「ユーリエ」もあり得るぜ、と色々候補が上がっていましたが、さてさてどうなることか。
 私的には「デン=マル子」とか、オーストラリアにちなんで「プリンセス・ワラビー」とかが嬉しいんですけどね(アンチメアリー派なので言いたい放題)。

 とりあえず、メアリーがやって来てからというものプリンセスブームが続いておりますが、さらに今後も続きそうです。

無念

2006年11月15日 | デンマークっぽいもの
 私の後にオペアとしてヘレさん家で働く予定だったSちゃん、はじめに申請したビザが「あなたはホイスコーレで十分デン語とデンマークの文化を学んだので、もうオペアをする必要もありません」と拒否され、その異議申し立てをしていたのですが、それも今日却下されたという知らせを受けました。こんなことってない。

 私にとって家族であり、親友であり、なヘレさん達。そんな彼らだから信用できる人をと思って、私の中で「この人なら大丈夫」と太鼓判でヘレさん達にも紹介し、ヘレさんはもとより子供たちも彼女の明るさ、どこまでも優しくて温かい人柄にすぐになついて、彼女が家に来てくれるのをずっとずっと待っていたのに。ヘレさんも「私はもう、いくら言葉が通じて同じ文化を持っていても、デンマーク人のベビーシッターはいらないわ」というくらい、彼女のことを気に入っていて、トーマスが事故に遭って大変だった時にも、Sちゃんの異議申し立てのために手紙を何通も書いたり、色んな人にどうしたらいいのか聞いて回っていたほどだったのに。

 Sちゃんなら、この先オペアをしつつ超スパルタな語学学校での勉強もやりこなし、きっと、デンマークの教育機関で、今後の日本にとっても価値あることを学び、それを机上だけでなく現場で実践していってくれる、と思ってました。なのに、なんでそんな志ある人の未来まで奪ってしまうのか、デンマーク政府。こんなバカなことってない。

 だいたいホイスコーレは私立の学校なわけで、全て自費でそこで勉強してるのに、なにをデンマーク政府に迷惑かけるようなことをしたか?しかもホイスコーレで「デンマークの言語と文化を十分学んだので」って、最長1年しかいられず、ホイスコーレ自らも「ここは思想などを培う場で、何かを特別に習うための場ではない」と言っててまともな語学の授業もないのに、合格するまでにだいたい1年半~2年はかかるPD3(最低限のデン語検定)にどうやって到達するというのか。
 オペアはその国での教育機関に入りたいような人が、住み込みで現地家族と生活しその国の言語(と文化)を学ぶというもの。なのでインテグレーションミニスターが言うところの、「ホイスコーレでデンマークの言語と文化を十分学んだのでビザを却下」というのはまったく理に適ってない。

 今日の新聞で、40才の身体障害者であるトルコ人女性とその4人の子供たちがビザ申請を却下され、母国へ強制送還されたという記事を見ました。その女性は脳内出血で大きな手術を受けたばかりで、まだドレーン(術後の体内排液や老廃物を体外へ出すための管)や尿道カテーテルを付けたままの状態で、ご丁寧に患者搬送用ジェット機で母国へ送還されたそうです。
 こんなのって、見せしめでしょ。その強制送還された女性、一体トルコでどうなるのでしょう?4人の子供たちは?捕まえた亡命者を北朝鮮に送り返す中国政府と、同じくらい人道的にひどい措置なんじゃないの?なんでせめて、その女性の回復を待ってから返すということができないのでしょう?
 前にもやはりデン人と結婚した外国人女性が、そのダンナに暴力を振るわれ続け、それが理由で離婚し、彼女はデン語もしっかり学び、フルタイムでの仕事も得て、デンマーク政府が要求する条件を全てクリアしたにも関わらず理由無く強制送還された、という記事がありました。こういった容赦無し問答無用なニュースが最近後を絶ちません。

 そんな中ちょっと前のニュースでは、インテグレーションミニスターが「家族ビザ(結婚および家族の呼び寄せにより、デンマークへ来た配偶者や家族が受けるビザ)の発給率が、昨年の60%代から30%代に食い止めることができました(jeg synes det er flot!って)」となんとも誇らしげに言っていましたが、アホかって。純粋に数だけ減ればいいの?その数の中にはSちゃんみたいな人だって紛れているかもしれないというのに。

 もちろん、デンマークが抱える移民の問題も、移民系のうまく国に馴染めず色々事件を起こしていく人達のことは知ってるし(最も移民の多いノアブロ在住だしね)、これだけ高い税金を払ってるのに、チートすることが「仕事」みたいな人や、ちゃんと育てないのに子供たくさん作って(児童福祉手当目的か)その子供もストリートチルドレンみたいにしちゃう人達、偽装留学の人達とか、そういう人達がいるのもわかる、わかるけど…。

 「じゃあこうすればいい」という解決案も意見も実はないんだけど、でも何かが間違ってる、という気持ちがおさまらないです。

  

身軽な国

2006年11月10日 | デンマークっぽいもの
 今日の授業もITと医療の質に関して。
 
 今デンマークは2007年?に向かって、公立の病院すべてを電子カルテにしようとしているようで、あれこれ整備をすすめているとのこと。
 しかし思ったのが、デンマーク内ほとんどの病院が公立で、しかも住人はみんなCPRナンバーという個人IDナンバーで登録され、あらゆる手続きもその番号一つで済んでしまうという国、国民の数も少ないわけで、日本や他の国に比べてこういった新システム導入ということにも腰をあげるのが早いです。さらに先生は「こういったハイテクを入れるというのはメリットもあればデメリットもあるわけで、反対派やデメリットが多ければもちろん元のシステムに戻すことだってできます」と言っており、保守的なところもある国だけれど、こういう「やってみよう!」という新しいことに挑戦する姿勢など、改めてフットワークの軽い国だな~と思いました。
 日本だと病院側がたとえ公立であっても経営者、もとい、もっと悪ければ「贈賄上等」な政治家のようなものなので、企業との癒着だなんだでねっとりずっしり、フットワーク軽くなんて動けません。
 
 デンマーク医療現場でのEPJ戦略ビデオ

*もう一つ、「進んでる~!」なビデオを見たのですが、見つけられず。

 アメリカではこの手の医療情報、電子カルテなどに関しては看護学の中でも看護大学でマスターコースまであるほど、確立している分野だそうです。でもやはり国や医療の規模や範囲が広いと、スタンダードを作るのも難しいわけで、でもデンマークはその点、まとまりの良さが長所という感じで横にも縦にもうまい具合にまとまってシステムを動かせて来ているようです(デンマークは国としてのスタンダードを作るべく、法整備をしていってるし。法律を作りやすいのもこの国らしい)。
 そんな風に効率よく国を動かせるデンマーク、ちょっとうらやましいです。首都圏だけでデンマーク全土の病院数を遥かに上回る日本じゃー無理なのかなあ。

ゲットー在住

2006年11月06日 | デンマークっぽいもの
 今まさに外でバンバンババババ!!という音が響いています。警察や救急車のサイレンも聞こえないので花火と思いたいところですが…。そういえば今日は昼から時々、このような発砲音がよく聞こえます。花火だとしたら、年末花火の試し打ちか、それともフセインの死刑判決に関するなにかなのでしょうか…。こえーよノアブロ。
 今朝もコペンハーゲン3大危険エリア(ヴェスタブロ、クリスチャニア、ノアブロおよびノアヴェスト)のうち、ヴェスタブロとノアブロで発砲事件があったようで、しかもまだ犯人は逃走中。犯行現場と時間を追っていくと、ヴェスタブロ方面からノアブロ方面へ移動していたようなので、この辺にいるんじゃね~の~?!と。今日は家に一人なのでちょっとした(どころじゃないけど)発砲音でもビクっとします。
 
 そろそろヨナスが仕事から帰ってきますが、無事帰って来てほしいです。

食うか食われるかでなく

2006年11月05日 | デンマークっぽいもの
 デンマークには沢山の中東系移民がおり、宗教も文化も違うそれらの人々が、どうやったらデンマーク社会に馴染んでいけるのかと、毎日のようにTVや新聞で取り上げられていますが、看護業界でもどうやってムスリム患者を受け入れていくか(看護の質)、また人手不足な医療福祉業界で、移民および移民2世(デンマーク育ちだが、母国の文化および両親の影響を濃く受け継いでいるため、デンマーク社会に馴染みきれてない人も多い)などの雇用を増やすために、どう現場を整備していくか議論されています。

 その中でもユニフォームについてですが、イスラム系移民の中でも、けっこう柔軟にデン社会や習慣に対応している人なら問題もないのですが、敬虔な信者の場合、特にムスリムの女性では頭にかぶるスカーフや、肌を隠す洋服(身体の線が見えてもいけないので、タイトなズボンもダメ)が絶対であり、雇用する側と職を求めるムスリム女性との間でユニフォームについて議論が起こっています。



 写真はデンマークの看護雑誌でこのテーマについて取り上げられた時のものですが、右はデンナース白衣、で、左がムスリムナースが求める白衣です。頭のスカーフと身体のラインが見えないダボッとしたワンピース、腕までしっかり隠れるようなデザイン(まるで修道女のよう)ですが、これでは衛生第一な病院では不衛生、かつ動きにくいという問題が。
 デンマーク側としては移民の人にも仕事を得てどんどん社会参加していって欲しいし、ましてや医療福祉現場では人材が足りなくて仕方ないので(景気のいいデンマーク、最近のデン若者にはビジネスの方が人気)なんとかこの辺、折り合いをつけていきたいところなのですが…なかなか話し合いが進みません。
 

 数ヶ月前、イスラムとの問題をとりあげる番組の中で、ムスリム側のコメンテーターとしてある若いムスリム女性がよくTVに出演していました。彼女はムスリムのスカーフを巻いて堂々とハキハキとコメントし、その当時は何をくわしく話しているのか聞き取れませんでしたが、でもその話しっぷりはとても知的な感じでした。きれいな人だったし、ハキハキ答えるし、その当時のTVやニュースでは本当によく見かけたのですが、その後「ムスリムのTVキャスターがスカーフを巻いてTVに出演するのはどうか」というテーマ(だったと思う)が囃されだしたあたりから姿を見なくなってきました。
 この議論に関しても賛成派は「メディアに携わる人であっても、その人個人の宗教などには敬意が払われるべきだ」と、そして反対派は「メディアから得る情報、イメージというのは大きなものなので、ある宗教のシンボル的なものを流すのはよくない」として議論されましたが、結局そのムスリムな彼女の姿がメディアから遠のいていったことから、反対派の意見が勝ったように見受けます(詳しい事情はわかりませんが)。

 しかしこの手の「他文化をどこまで受け入れていくか」という問題でのデン人達の反応を見るたび(白衣の問題はまた別として)、ああ本当にこの小さな国の人達は、他文化に飲み込まれてしまうんじゃないかということに神経質になっているなあと感じます。


 デンマーク人が愛する言葉で「Hygge(心地いい、気持ちいい、温かい、和やか)」というものがあり、大切な家族や友達、恋人などとまったり楽しく過ごす時などによく使う言葉なのですが、デン人はこのHyggeのために生活しているといってもいいほど、Hyggeは彼らにとっては大切な状況、空間です。
 しかしこのHygge、取りようによっては「慣れ合っているもの同士が作り上げられる空間」でもあり、デンマークで同じような文化習慣伝統の中で育ち、それを分かち合える人が使える、というニュアンスもある気がします。
 もちろん、最近の人ではそんなことは関係なく「へ~いい感じだね」みたいに軽く言う時にでもHyggeを使いますが、高齢の方やちょっと保守的な感覚のデン人と話すとき、「これが本当のデンマークのHyggeというものよ、わかる?(って言ってもあなたにはわからないだろうけどね)」と”教えられる”ことや、私がHyggeという言葉を使うと「へ~Hyggeがわかるの?」と若干驚いたようにリアクションをとる人もいます(なので私自身がデン人の前でHyggeという言葉を使うとき、自分で若干空々しさを感じます)。
 外国人にとってこのデンマーク人のHyggeがわかり、自然に使えるようになるまで、そしてそれをデンマーク人も自然に受け取るようになるまでは、思った以上に長いのかな、なんて思ったり。きっとその時というのはデンマーク社会と文化に溶け込んだ時なのでしょう。

 そんなこんなで話は戻りますが、みんなそんなこと言わないけど、きっとデンマーク人、ムスリムの女性がTVでニュースを読んだり、そういうことはHyggelig(Heggeの形容詞)じゃないんだろうな、なんて。若い世代の中でそういうことも今後変わっていくんだろうけど。

 ナースの白衣もお互い歩み寄りつつ、擦り合わせて、いいものが出来るといいなあ、と思います。

王室速報。

2006年10月27日 | デンマークっぽいもの



 昨日の報道で、王女メアリー(次期国王フレデリックの奥さん。タスマニア出身)が第2子を妊娠したそうです。

って去年第一子が生まれ、先日その子の誕生日が行われたばかり。すごいなあ。1歳児を抱えつつつわりでオエオエなんて…(メアリーにつわりがあるか知らないが)。まあ、召使いも乳母もいる(だろう)から平気なのか?
でも年子って小さい頃は大変だろうけど、大きくなったら一緒に遊んでてくれそうだし、いいかも。

RIGETその後

2006年10月17日 | デンマークっぽいもの
 以前ご紹介したデンマークTVドラマ「RIGET」のDVDを見終えました。

すべて見終わった感想として……、なにそれ???です。

 初めの1巻は幽霊、病院人間模様のドラマで面白かったのに、2巻からは支離滅裂、SF?というほどの超非現実展開。そしてすべてが最高潮を迎え、「さあ、どうなる?!」というシーンでThe end…。全シリーズ終了です。ぐああああああ!!!!エヴァンゲリオンよりも、ドラゴンヘッド(原作)よりも断然質が悪い!!!途中で監督が製作放棄(もしくは不慮の事故にあった)したとしか思えない仕上がりです。
 ヨナス曰く「Lars Von Trier(鬼才映画監督)だから…」とのことですが、だからってこんなドラマだかアートフィルムだかわけわかんない作り方あり?!TVドラマですよ?視聴者にこんなフラストレーション与えていいものか?!

 ああ、消化不良です…。とりあえず1巻でのメイン?だった「幽霊少女救済」はうまくいったようなのでよかったですが…。

RIGET

2006年10月07日 | デンマークっぽいもの
 以前、看護学校デンマーク語の授業で「RIGET」という、12年前にデンマークで大流行したTVドラマのDVDをみせられたのですが、これが12年前のものにも関わらずけっこう面白かったので、今回CD屋で安くそのDVDを見つけたので買ってみてみました。

 舞台は実在のデンマーク王立病院、Riges Hospitalet(女王がこの前ヘルニアの手術をそこでした。私の看護学校はその病院の裏の方)の脳神経外科。そこでの医者の上下関係、職場恋愛という、日本でありがちな内容はなかばおまけのようなもので、メインはそこの病院にまつわる過去の事件と助けを求める少女の幽霊の話です。

 <登場人物>
・霊とコンタクトをとれる風変わりなおばさん=入院中、幽霊の少女を追いかけ事件の謎解きに迫る。
・レントゲン技師=おばさんの息子。母に振り回されつつも謎に引き込まれ、あれこれ手伝うはめに。
・若手医師=新任のオーバードクターにいじめられているが、彼が犯した医療ミスを追求していく過程で、幽霊事件にも巻き込まれる。
・オーバードクター=母国スウェーデンで追い出されて仕方なくデンマークに来たが、文化の違い(というか彼の傲慢なキャラによって)などで職場ではいつも不満だらけ。バカな教授ドクターと弱味を握る若手ドクターが悩みの種。非科学的なものは信じないのに、だんだん幽霊事件で精神的に追いつめられていく。
・教授=自分で打ち立てた「手術は朝のすがすがしい香り」という病棟キャンペーンで一人盛り上がっている。天然系。
・医学生=教授の息子。ワガママ放題のサイコ野郎。セクシーナースに迫るもことごとく振られる。
・病理学?教授=自分の研究のためならまさに身を捧げる男。
・幽霊の少女=1919年にRiges病院で謎の死を遂げた不幸な少女。病院内で姿を現しメッセージを残していく。

などなど。登場人物が多いのですが、個性的なキャラが多く覚えるのも苦ではありません。

 実在の病院の実際の施設で撮影され、しかもそれがホラーもの、さらにさらに監督はあのLars Von Trier(ビョークの「Dancer in the dark」とかの)。怖いだけでなくデンマークらしい皮肉なジョークがたっぷりだし、あり得なさ過ぎるぶっ飛びシチュエーションの加減もデンマークっぽいので、「ドラマだから」と安心して観られてこれまたいいです。
 ちなみにタイトルの「RIGET」はRiges Hospitaletのニックネームで、「王室の」とか「王国」という意味ですが、そこにはデンマーク語の「Doedlig(死を免れない)」という意味も含まれるのだとか。

 今回は全8話中4話まで観たのですが、「Riges Hospitaletで働くの怖いかも…(特にエレベーター)」と思い、ヨナスはヨナスで医学生に口説かれるナースのシーンを観て「ドクターには気をつけてね!!」と。いやいや、あんなかっこいいドクターもセクシーなナースも現実いないから!
 
 明日の晩は後半の4話を観る予定です。たのしみ~。しかもデンマーク語の映画をデンマーク語字幕で読んでるとなかなか勉強になるので一石二鳥!