Kanaheiのデンマーク生活

糖尿病の勉強をしたくてきたデンマークでの紆余曲折な生活を日記として残しています。

Pyt med det!!

2012年02月04日 | なるほどな話
 ステノに勤めていて色々いいことはありますが、何が一番すばらしいかって、同僚に恵まれていることです。

 外来にはまだ出ていないので、外来のナース達とはランチの時に会話する程度だけど、病棟のナース達とは職場外でも定期的に誰かの家で晩餐会をしたりと、けっこう仲良くやっています。
 みんな筋金入りのプロの糖尿病スペシャリストなだけではなく、本当に心の温かい良い人達で、仕事の上でも、人生についてでも、ちょっと年上の彼女達から学ぶことは本当にたくさんです。

 そんな同僚の中でも特に、MHは私の一番大好きなナース。年齢は50歳前後で、ほんわりしつつ、いつもかわいいジョークで場を和ませてくれる彼女は、まさに私の目標とする女性です。
 旦那さんと二人の息子(18歳と20歳)がいて、「あーもう、男3人の中に女が一人でいるって、いつもからかわれる宿命なのよー。彼らはいつもなにかちょっかい出す機会をうかがってるのよ…毎日!」と、愛する3人の男達に愛し抜かれてるしあわせさが、じゅわわーーっと滲み出ている感じです。

 彼女の話し方、話すことは、いつも愛情に溢れてて、悩みを相談するといつもいつも温かいヒントをくれます。そのすとんと素直な彼女のヒントで私はなんど救われたことか…。

 そんなMHと先日、うちの長男の問題を話していたときのこと。

 長男はもともと大人しい性格で、強気で前に出たり、不服なことに対して怒りなどの感情を表に出したりすることができないタイプです(ちなみに次男は正反対)。なにか不平等を感じることや、いじめまでいかずとも、誰かの無神経な言動で嫌な目にあっても、閉口してしまい、家に帰って来てしくしく泣いて落ち込んで、誰かがなぐさめに来てくれるのを、そして誰か(たいていは両親)が彼に代わって問題を解決してくれるのを待っていたりと、かなり消極的な子です。
 でも常に両親のどちらか(主に父)から「しっかり話を聞いてもらう」「なぐさめてもらう」「本人に代わって問題を解決」という感じだったので、だんだんとそういうのに慣れて、自分からは何も解決のために動かず、ただのメソメソ君にになりつつありました。

 私はH氏と息子達と暮らし始めてから、この長男のメソメソ&誰かに依存癖が気になって、H氏の意識改革(離婚親の子供への罪悪感から、必要以上に擁護、肩代わりしてしまう)のために、私カウンセラー?ってくらい話し合いをしてきました。
 「あなたは十二分にTのことを愛して正しく育ててきた。彼はこんなに優しい素晴らしい子に育って、学校でも優秀でしょ?全然”かわいそうな子”じゃない。ちゃんと自分がやってきたことに誇りをもって。かわいそうって言うたびに、Tはもっとみじめになって、本当にかわいそうな子になっちゃう。だから”かわいそう”はもう言わないこと」という説得の甲斐もあり、口癖かってくらい、二言目には”かわいそう”と発していたH氏も、今では長男のメンタルトレーナーのごとく、彼が自立して、きちんと自分の問題に向き合っていけるよう、なるべく自分で「どうするべきか」を考えさせるように働きかけていくよう変わってきました。
 とはいえ、長男も12年間、ずっとそういう風に育ってきたわけだし、しかも元奥さんは「メソメソ擁護派」なので(この前はメソメソ君が仮病とわかっていて学校休ませちゃったしね)、なかなかすぐには変われないわけです。

 で、そんなことをMHに話していたら、彼女は彼女の姑から教わったというあるヒントを教えてくれました。それは「Pyt med det」。デン語で「気にするな」とか「忘れちゃいな」とか、とにかく些細なことよ、というときに使う表現です。

「子供にはいつも、その悩みは些細なことなんだ、時として場合によって、どうしようもないことなんだ、って声をかけて、わからせていかなきゃいけないの。もちろん全てのことにたいして使うわけじゃないけど、つらかったり悩んでる真っ最中の中でも、心のどこかで”大したことじゃないんだ”ってこの言葉を置いておくことが大切なの」とMH。

 子供にとって、彼らの抱えている問題は、どんなものでも大問題で、それが彼らの小さな世界の中ではすべてなのです。大人になるにつれて「しょうがない」と諦めたり納得できることが増えてきますが、成長過程の子供にとっては、それがまだ理解できないこともあります。どうしようもないこと、がんばってもうまくいかないことに対して、いつまでも向き合って、立ち止まってしまう子供には「Pyt med det. Gå videre.(気にするな。先へ進みなさい)」 と、促してあげることが大切なんだと。

 MHは「Pyt。それは小さ~なことだってわからせるのが大事なの。だから先へ進んでも、ちゃんと問題を最後まで解決できなくても大丈夫なんだって、教えてあげるのよ」と。もちろん、ちゃんと話を聞いてあげて、その上でのPyt med detなんでしょうが、なるほどな~と思いました。こういう一言できっと安心して子供は前に進めるし、大らかになっていくのかな。

 昔、オペアとして働いていた時にもオペア母ヘレさんが、学校の仲間とうまくいかない長男トビアスに対し「そんなものよ、人生。いつも望んだようにいくわけじゃないし、いつも自分が選ばれるわけでもない」と話していましたが、これもまたPyt med detのようなことなのでしょう。

 どんなに子供の悩みをしっかり聞いてあげて、助けてあげたい、力になってあげたい、と思って頑張っても、大人、親だって全部を解決出来るわけじゃない。みんな大人も「まあそれはそれでしょうがない」と、色んなことを諦めたり、自分なりに妥協点をみつけて先に進んでるだけです。だから子供にもそれでいいんだよ、って教えてあげるのは大切なんです。

 H氏も元奥さんも、きっと離婚して、息子達への罪悪感、不憫に思う気持ちからずっと、彼らに向き合っていこう、話を聞いてあげよう、なんとかしてあげようと、真面目にがんばってきたんだと思います。でもこれからは、自立を促すメンタルコーチとしてメソメソ改善を、そして「気~にすんなって!」と長男の背中もバシバシ叩いていこうかと思います。

 あ~それにしてもプレティーンエイジャーは大変だ~。

写真:
衛生面での配慮で布生地の家具を置いてはいけないとのことで、最近ステノの患者さん用の椅子がすべてイームズチェアに変わりました。

ココ嬢、しつけトレーニングへ

2011年09月26日 | なるほどな話
 3月にココ嬢がやってきてから早半年が経過しました。

 彼女の行いの数々からあだ名ばかり増え、「Snappe(パクッと盗み食いする様子から)」を筆頭に、「Snappesen(デンマーク人に多い~senという名字から)」、「Stinkedyr(激臭動物。雨の日に臭かったので私が命名)」、「Bandit hund(Banditはろくでなしとか不良とかそういう意味)」、「Flæske(豚肉の皮下脂肪。カリッとオーブンで焼いたflæskestegはデン人の好物)」と、みんな愛情を込めて呼ぶので、彼女も自分の本名がなんなのか、きっと忘れかけていることでしょう。

 そんなココ嬢ですが、来た当初のおどおどさがすっかり失せたのはいいものの、呼んだら来るなどの基本コマンドーを守れないどころか、住人の帰宅時も吠える、小さな子供に威嚇する、飼い主の制止を振り切って逃亡するなど、暴れん坊ぶりがエスカレートし、H氏も1ヶ月に1度は「もうこんなアホ犬にはほとほと疲れた!」と、ブチ切れしながら散歩から帰ってきたりしていたため、「よし、いっちょガツンとやるか!」と、ココ嬢を犬トレーニングに連れて行くことにしました。

 連れて行った先は、Rolf Andersenという犬の個人トレーナーの元。デンマーク軍隊に所属するRolf氏、いつもその恰好なのか、アーミーな出で立ちで登場し(しかもこれまたアーミーなジープで)、かなりいかつい感じです。
 そこでまず、基本コマンドを理解し、逃亡せず、無駄吠えもせず、ついでにごはんもあちこち持ち出して食べるのではなくその場で行儀よく食べれるようにしたい、という私達の希望を話し、その後、犬トレーナーとして彼の理論と経験談を聞いた後、彼の犬でまず「正しい犬」の模範を見せてもらいました。

 Rolf氏はラブラドールと雑種犬(ココ嬢と同じくDansk-Svensk gårdhundと何かのミックス)を所有しており、「このミックスはお宅の犬とほぼ同じ犬種だし、似てるだろう」ということで連れて来たそうですが、「いつまでも待ち続けます!指令が降りるまで!」な、すばらしい従順ラブラドールと違い、ミックスの方は模範演習の途中でおもちゃを持ち逃げ!!説得力全然なしです!しかもうちの犬と似てるとか言った手前、Rolf氏言い訳もできません。


Rolf軍曹の家の前にて訓練を受けるココ。湖の目の前のすてきなところです。


 まあそんな気まずい場面もありましたが、Rolf軍曹に教わったことは以下のような事柄。

1、飼い主は指揮官長
 犬にとってヒエラルキーは絶対なので、そのヒエラルキーのどこに位置しているのか(もちろん最下位)理解させることが大事。それを理解していないから、「止まれ」の指示も守らず、好き勝手をする。
 そして犬は常になにかの指示を与えられ、その行動が正しいと認めてもらえる(褒められる)ことで、安心し、より従順になろうとするので、指令、褒める、指令、褒める、を繰り返しつつ、上下関係を理解させていく。
 ちなみに叱るときや「だめ」の指令の時には、犬の名前を呼ばないこと。「ココ!」などと名前で叱られると、名前=怒られると認識してしまい、呼び寄せたい時に萎縮してしまったり逆効果なのだそう。

2、見張るのは飼い主でなく犬の方
 アホ犬こそ「何か悪さをしないか、逃亡しないか」と目が離せないものですが、そうやって飼い主が常に犬の行動に目を配っていることで犬は安心し、もっと大胆な行動をとるようになるのだとか。なので逆に、犬が飼い主を見失わないよう、常に目を配っていなければならない状況でトレーニングをすることがいいのだそうです。
 私達はココ嬢を犬を放してもいい森に連れて行き、ココが何かに注意を取られて飼い主から離れていったら木陰に隠れ、様子をうかがってみました。初めての場所で、自分が何かに夢中になっている間に飼い主を見失ったココはかなり焦ったようで、来た道を行ったり来たり、まさしく右往左往。そして名前を呼び、嬉しそうに駆け寄ってきたところで「よしよしよーーし!」とムツゴロウ褒め(ここが重要)。
 この恐怖の「迷子パニック」の後に飼い主に呼ばれてみつけた時の感激は犬にとっては強烈にインプットされるようで、それを何度か森の中で繰り返したことで、すっかりココ嬢も飼い主の行動に常に注意を払うようになり、どっかに逃げ出したりとかすることもなくなりました。


主人の帰りを待つドッグ。

3、恥をかかせる
 もしも犬が指令に従わず呼んでも来ない場合、最終手段として犬の首根っこをつかみ上げて、飼い主がいた場所(始めに呼んだ場所)まで連れて来ます(猫同様、犬も首根っこは痛い部分ではないので、よっぽどでかい犬でない限り、持ち上げても大丈夫)。
 これは子犬がはぐれたりした時に母犬が自分のところに連れ戻すためにする行動で、犬にとっては他の兄弟子犬達の目の前で母犬にこうされることで「恥ずかしい、情けない」思いを味わうのだとか。(犬にそこまでの感情があるのかは謎ですが…)
 こうしてつかみ上げて連れ戻し、犬をじいいいいいっと睨みつけ「怒ってるんだぞ、なんでちゃんと言うこと聞かないんだ」オーラで無言の圧力をしばらくかけた後に解放すると、うちのココ嬢にもさすがに反省の色が見られるようになります。

4、声のトーンを使い分ける
 犬は人間の色んな指令を聞き分けますが、実際は言葉を理解しているのではなく、声のトーンで判断しているのだそうです。なので、指令を下すときは低めの声で、名前を呼ぶ時やおやつ、遊びのときは明るい声のトーンにすることで、犬は自然とそのトーンを聞いただけでそれが楽しいことなのか、いけないことなのかを聞き分け、すぐに反応するようになります。

5、とにかく褒めるときは褒める!
 犬にとっても人間と同じようにメリハリは大事なようで、指令ばかりでは疲れてやる気をなくしてしまいます。なので、褒めるときは徹底的に褒めること。ご褒美のおやつがなくても、実はこの褒めることとその褒め方だけでも十分な効果がある。


 と、そんなわけで、Rolf軍曹の犬トレーニング、たったの1時間(300kr)ではありましたが、効果てきめん。インポシブルなココ嬢も人(犬)並の犬になりました。以下は彼のHP。本も出版していますよ。
http://bricksite.com/rolfandersen/velkommen


階下に住む義姉の双子の誕生日会にて。大家族なので家族が勢揃いすると子供も犬もすごい数になる。


双子のおじにあたる赤い服の彼は、犬のしつけがとても上手い。

眼科の話~コンタクト使用者要注意!~

2009年11月11日 | なるほどな話
 私は「ど」が付くほどの近眼なので、かれこれ高校生の頃からソフトコンタクトレンズを使用しています。

 デンマークに来てからは、こっちで買うのが高いこともあって、日本に帰省した際大量購入、もしくは通販で入手していたので、眼科医の診察というのをほとんど受けていませんでした。
 が、日本の通販から実家に送って、母にそれをデンマークに転送してもらって、とかだんだん面倒くさくなり、もういいや、デンマークの眼鏡屋で買おう、となったのが10月。

 デンマークでコンタクトレンズを購入する場合は、その辺の眼鏡屋(主にチェーン店)で予約を入れ、オプティカ(眼科医ではない)に検眼してもらってから買うのが一般的。その際オプティカの検眼料は250kr程度。

 私も近所の眼鏡屋で検眼してもらったのですが、そこで「あなたすごくドライアイ?コンタクトレンズを毎日長く装着してる?角膜(黒目)の周りに少し血管新生が見えるわね」と。何のことだかよくわからないけど、とりあえず目がとても酸欠なことだけはわかります。
 で、たまたま職場の同僚に元眼科ナースがいたので聞いてみると、「すぐに専門家で見てもらった方がいい」と言われたのですが、忙しいし予約とかめんどくさいしと後回しにしており、でもやっぱり心配だしと今日ついに同僚に紹介されたØjenlægernes husという眼科専門病院に行ってみました。

 標準的な検眼を終えた後、眼科医に診察してもらったのですが、なんと「確かに血管新生があるわね。特に左目。またコンタクトを使用できるって保証できないし、とりあえず今後はメガネで生活ね」とばっさり。ショーーーック!!そんなにひどいの?!
 なんかこの眼科医(若い女医)、患者の気持ちわかってる?と言いたくなるようなきっつい人だったのですが、「効くかわかんないけど、とりあえず3週間点眼で様子をみてみる?興味があるんだったら」って、良くなる可能性あるんだったらそりゃー試すよ、ってことで、とりあえず目薬の処方箋をもらい、メガネ生活を宣告されました。(「1週間に1、2度、短時間でもコンタクトだめですか?パーティの時とか、スポーツするときとか…」と聞いても、「だめ。治りたかったらね」とあっさり)

 しかしこの「血管新生」って何?何が原因?どうなっちゃうの?ってことで調べてみました。

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~~以下とある眼科のホームページより参照~~

 少し難しい話かもしれませんが、ソフトコンタクトレンズ(SCL)を使っている人にとって、とても大切なことなので聞いて下さい。

 黒目(角膜)は大量のエネルギーを必要とする組織ですが、栄養を直接送る血管がありません。栄養を涙から、酸素を空気からもらっています。SCLは、角膜を広く覆ってしまいます。そのレンズが、涙や酸素を充分に通さないとしたら、角膜はすぐに傷ついてしまいます。ソフィーナというレンズは、水分(涙)を全く通さないため、角膜にはりついてしまうとわずかな酸素しか得られず(角膜は酸素だけでは生きていけません。涙に含まれる栄養分が必要です)角膜は、急性の栄養障害を生じ、1日で失明に至る程の大事故となることもあります。ソフィーナを使っている方で、夜はりついてとりにくい人がいたら、すぐに装用を中止し、専門医に相談して下さい。

 ソフィーナ以外のSCLの場合、水分を含む性質(含水率といって多いほど涙をよく通るレンズといえます)があり、はりついてもレンズ自体を通して涙の交換が行えるので、ソフィーナ程急激な障害はでません。でも、その量はレンズが角膜の上を動いて、レンズと角膜の間に入る涙液交換の量から見るとごくわずかです。こういった状態が長く続くとどうなるのでしょうか?自覚的には、充血しやすい、圧迫感がある等々。

 定期検査で大切なものの1つに上瞼を上げて、角膜の上方から中央に向かって血管が入っていないかチェックすることがあります。この「血管新生」は、角膜が栄養障害・酸欠になっていることを示す大切な症状です。最近、SCLの使用者にこの「血管新生」が目立つのです。最初から動きの悪いSCL、アレルギーで汚れている、ドライアイでレンズが乾いてきつくなっている・ディスポレンズを約束以上に長く使用している、等原因は多いのです。早いうちに新しいSCLにしないと、血管新生は止まりませんし、一度入った血管は消えることはありません。角膜の中央近くまで入るようになると、SCL全部が使えなくなります。(酸素透過性の良いハードコンタクトは使えます)

 この「血管新生」は、上瞼に覆われたところに生じ、肉眼ではまず見えません。定期検査で顕微鏡で見ないとわからないのです。瞼を上げて見ないような定期検査は要注意です。正しい定期検査と手入れと専門医からのアドバイスを聞いて長くコンタクトレンズとお付き合いしましょう。

~~また他の眼科医のホームページでは~~

治療としては、酸素不足が原因ですから、軽い場合はソフトコンタクトを、酸素透過性のハードレンズに変えるだけで解消されます。
酸素が表面から補給できるようになるため、血管は自然に枯れていくのです。


症状が重い場合でも、レンズの装用を中止さえすれば、約数週間~数ヶ月で血管は枯れるのです。
しかし、症状が重い場合にコンタクトレンズを酸素透過性のハードに交換したとすれば、治癒には長い期間がかかります。

角膜血管新生にかかってしまった場合、できるだけメガネで過ごしたほうがいいですね。

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 とのこと。自覚症状が無いだけに、血管新生が進んでしまった場合、手遅れ、なんてこともあるわけで、いやー恐ろしい。今の職場になってから、電子カルテのためPCに向かっている時間が今までの倍以上になり、それもこの血管新生の原因だそうです。
 しかし今回そこまで重症になる前に眼科で見てもらえたので、本当によかったです。ソフトコンタクトレンズを使用しているみなさんも、どうか気をつけてくださいねー!ちなみにØjenlægernes husは他の病院同様、診察は無料です。しっかり診てくれるのでおすすめですよ。(あの若い女医は恐かったけど)

 あと以下のもとても大切なので、ついでにご紹介。私もケースの底の溝によ~くみたらピンクのカビのようなものがうっすら生えていた経験があったので…。


~~「ケースを消毒してますか?」~~


 コンタクトレンズの大きなトラブルの1つに角膜潰瘍があげられます。これは、角膜(黒目)に細菌が入り、白い濁りを残してしまう怖い病気です。ソフトコンタクトレンズ(SCL)が主流になってから特に増えてきたように思えます。もともとSCLは水分を含む素材のため、菌がつきやすいのですが、連続装用に代表される長時間使用・アレルギー・ドライアイ・体調不良などの原因が重なって生じることが多いのです。

 ここで忘れられている原因の1つに容器の汚染があります。レンズには気を使っている人でも容器は古いままで、ざっと水洗いくらいしか、手入れをしていない人が多いのではないでしょうか?薬液で死なない菌もいることや、菌の中には皮膜という膜を作り、薬液消毒から逃れている菌もいます。あなたの容器のねじの部分が黒く汚れていませんか?容器の底を触るとヌルヌルしていませんか?容器はもう1年も使いつづけではありませんか?

 では対策はどうしたら良いのでしょうか?

1. ケースは3ヶ月くらいを目安に新品と交換しましょう。
2. 熱湯に耐えられる容器かよく聞いた上で、大丈夫なら週1回くらいは熱湯で消毒しましょう。
3. 熱湯を使えない場合は、充分にこすり洗いを行い、手の届かない所は綿棒などを用いてよく洗い、乾燥させてください。
4. ねじ山の汚れは、歯ブラシで洗うとよく落ちます。

 メーカーに問い合わせたのですがどのメーカーからも、はっきりした容器の消毒法の解答は得られていません。良い方法がわかりましたら、お知らせします。それまではよくこすり洗いして乾かすくらいしかないでしょう。

女子をその気にさせる方法1~手料理編~

2009年10月19日 | なるほどな話
 Kanahei的独断と偏見とまったくの推測によるものですが。

 たとえばあなたがお目当ての女の子や彼女に手料理を作ってもらいたい、という願望を持つ男子だったとする。どうしたら効果的にその女子に料理を振る舞ってもらえるか。というか、どういう状況だと女子は男に自発的に料理を作ってあげたいと思うか。以下にポイントを示します。

1、毎日朝から晩までコーンフレークとか食べ続けてるとか、同情を買うような貧相な食習慣をアピール。
2、忙しく働いている、たくさん運動をしている、など活動量が多く、おなかがいつも空いてることをアピール。もしくは一緒に食事をする際、もりもり食べる。
3、凝った料理よりも子供っぽい料理が実は好きなんて言ってみる。
4、最低限の食事のマナーは守る。
5、ギブ&テイクの精神を忘れるべからず。おいしい料理を作ってもらうかわりに、材料の買い物にいく、後片付けをきちんとする、おいしいデザートかワインなどを買ってくるなど、必ずお返しとなるようなことをする。
6、食前の「おいしそう!」に始まり、食事中の「おいしい~!」、そして食後の「ごちそうさま、ありがとう」をとりあえず連発。
このポイントさえつかめば、きっと女子はおいしいごはんをあなたに作りたくなるはず!(たぶん!)

 ちなみに、こういうことするともう作ってやんないよ、と思わせるのは…。

1、一日中グータラしてて、パジャマとかだらしない格好で食事を取ろうとする。
2、そもそも作り手へのリスペクトなしの態度(せっかくの手作り料理に醤油をどばどばかけるとか、偏食で残す、待たせたりとか温かい料理を温かいうちに食べないなどはNG)。
3、おまえはグルメ審査員か!という批評をする。
4、作ってもらって当然という、おまえはマザコンか?という態度。
5、フルコースとまではいかずとも、せっかくいい料理を作ったのに、いい年して牛乳やジュースを飲みながら食事をする(料理に合ったアルコールを選ばないなら水を飲め)。
6、「ごちそうさま」の一言なし。

 おさんどんをしていると色んなことが思い浮かぶわけですが、調理師の母を持ち、かつデンマーク女社会で働く私なので、ちょっと厳しすぎ?

 ああ、それにしても若者男子を食べさせるというのはお金がかかる…。

糖尿病の福祉サポート in DK

2006年10月11日 | なるほどな話
 昨日するべきだった「グループ作業における心理学」という今日の授業の予習本読み150ページはともかく(そんなの初めから読む気になれません!)、明日の看護学理論の本読みもすべて放棄して、今必死に取り組んでいるのが金曜日のデンマーク語の授業で私が担当する、一型糖尿病に関してのプレゼンです。一応は西東京糖尿病療養指導士の認定を受けている私、ここは完璧にプレゼンしてやろうじゃないかと、燃えています。

 と言っても小児科経験がないとはいえクラスメイトもみんな看護師なわけで、だいたいのことはわかってると思うし、それならばと(私の勉強のためにも)デンマークの一型糖尿病に関して資料を集めてみたところ、なかなか面白いことが載っていました。

 特にデンマークの福祉サポートに関してなのですが、スターターキットとしての血糖測定器やインシュリン注射器、そしてその後の自己コントロールに必要なものとして血糖測定器用ディスポのチップや針、尿検査用テープなどはすべて補助の対象であり、無料もしくは格安で提供されます(日本では健康保険適応、たしか)。
 さらに、入院するとき、通院にかかる交通費、糖尿病食の費用(詳しくはわからないけど宅配食のようなものでしょうか)、また生命維持に必須なインシュリンは通常の50~85%の価格で購入できます(でもなぜここまで補助があってインシュリンがタダじゃないのか謎だけど…)。
 そしてなんと、基本補助金として約2240kr(44,800円)を12ヶ月分+1.25ヶ月が年に一回17才まで支給されるのだそうです(とりあえずこれらは18才未満までで、18才以上では子供としてではなく大人としてまた別の手当に切り替わっていく)。すごいすごーい!

 まあ、それでも一型糖尿病の方の一生をこの大病と付き合っていく、そして厳しい自己コントロールを強いられる苦しみは変わらないでしょうが、でも経済的な悩みが取り除かれるだけでもずいぶん違うんじゃないかな、と思います。
 うちの母親(2型糖尿病)も最近ついにインシュリン注射を始めるようになったのですが、2ヶ月毎の診察、検査、薬代(内服&インシュリン)で毎回2万円は軽く飛んでいくと電話口で嘆いているし、病気になった時の治療と暮らしの最低限の保証が得られるというのは、病気で精神的にも参っている人にとって、本当に心強いものなのだろうということはとてもよくわかります。
 そしてこれら補助が国の法律によって細かーく定められ、住むコミューンによって施行されるという安心感、さすが福祉国家、私が惚れ込んだ糖尿病大国の顔も持つデンマークです。(調べてないけど他の病気に関してもサービスは充実しているものと思われる)

 ここ最近「もうやだやだデンマーク」モードだったのですが、デンマークのいいところを再認識でき、たまには真面目に勉強もしてみるもんだな~と思いました。(まあ、でもあまりにこの福祉の違いを見過ぎると日本人として悲しくなるんだけど…)

福祉大国~??

2006年05月31日 | なるほどな話
 今日は学校の後仕事がなかったので、家に帰って昼食後は看護学校試験に向けての準備(デン語作文)、夕飯後はその続き(下書きの日本語と自分のデン語レベルに差がありすぎて、途中死亡寸前になる)、なんとかヨナスにも手伝ってもらえてそれを終えた後は、今日から出された学校の課題「毎日新聞の記事1つ読んでレジュメ作成」へ。そんな長い記事でもないのにずいぶん時間がかかってしまい、もう0時近くです。でも昨日の宣誓通り、ついででもあるので今日読んだ記事についてちょこっと。

「在宅看護でミス多発」
 国内2つのエリアで調査をしたある報告書によると、在宅看護を受けている高齢者の1/3が、訪問看護師やヘルパーのミスによって軽症~重症度の被害を受けているという事がわかった。
 一番多いミスとして投薬ミス、忘れ(ある患者は1週間心臓の内服薬を投薬されずにおり、心不全による肺水腫を発症)で36%、次に看護師などの環境整備が足らずに起こった転倒、転落で30%、患者宅への訪問忘れ15%であった。
 これらミスは「故意ではなかった事件」として福祉現場ではとらえられており、その結果の症状に関わらず州や市などへの報告もミスを引き起こした看護師およびヘルパーには義務づけられてはいない。またこれら在宅看護・介護での監視監督制度もない。
 ちなみにこの報告書は生存者のみを調査対象とされているので、ミスによって死亡したケースはカウントされていません。

 えええ、福祉大国デンマーク!これはどうなの?!特に最近、老人ホームのひどい現状ををすっぱ抜いた記事がよく掲載されており、私が見た記事だけでも「(たしかコペン)最大規模の老人ホームではオムツ交換は14時間ごと」や「栄養学的に老人ホームの食事よりマクドナルドの方が良い」などがあり、高校時代から植え込まれて来た「北欧=ゆりかごから墓場まで安心な福祉」がガラガラと崩れて来ています。
 が、失望はしていません。だってそんなのたった1年半でもこの国に住んで、デンマーク人を見ていれば「ああ、彼らならやりかねない」とわかるもの…。

 そんなわけで、まあ今回はちょっと批判的な内容でしたが、今度はもちょっと明るく面白いネタを仕入れて来ようと思います。

子供に嘘をついちゃいけない時。

2006年03月04日 | なるほどな話
 学校で「正直/嘘」「誠実/不誠実」「丁寧/乱暴」な振る舞いをテーマに話し合いました。

 ベネズエラ人のマリアは一人娘の学校で、先生の考え方に賛成できなかったので、ずばりそれをストレートに先生に伝えたところ、マリアの彼氏(デン人)に「ええええ!?そんなこと言っちゃったの?!だめだよ!もっとソフトに遠回しに言わなきゃ~」と怒られたそうです。それに対し「悪いけど私ラテン人だから!思ってること言わないと気が済まないもの!」と大主張(Mette先生曰く「世界一の言い訳」)。ラティーノな彼女にとって、デンマーク人は歯がゆくて仕方ないそうです。

 で、意見を求められた私は「日本人は、特にアメリカ人から、”日本人は白黒はっきりしない、YesかNoかも言えないで何を言いたいのかわからない”と言われているので、欧米に行ったら大胆ストレートに発言せねばと気を付けていたら、ここデンマークでは”発言がきつい”と言われてしまいました。日本人として、西洋ではいつ建前を言っていいのか難しい時があります。」と言うと、隣でちょっと不思議系中国人のメイさんが(単語全てにStoedというデン語アクセントをつけながら)「そうなんです、日本人は”今度いつでもお茶に来て下さい。ケーキを焼いて、おいしいお茶を用意して待ってますから”などと言うけど、本当に訪ねていくと彼らはすごくびっくりしちゃいます」と日本の建前?文化を説明してくれました。
 それを聞いてみんなずざーーーっとおののき、「日本人わけわかんねーーー!!」大会に発展。Mette先生まで「今まで何人もの日本人に授業をしてきたけど、みんな”わかってる?”と聞くとものすごいうんうんうんうんとうなずくの。で、”わかってない?”って聞くとみんなしーんとなっちゃうのよ」と言うので、「あー確かに、Yesは難しくないけど、Noと言うのが難しいんですよ、日本人は。何より和を大事にする文化なもので」と説明すると、突然遠くからピノ(伊)が「かなえ、今夜一緒に飲みに行こうか?なんなら君の部屋ででもいいけど?」と言い出し、他のクラスメイトが「Noって言いなさい!日本人!」と爆笑。それ以来ピノはニヤニヤしつつ同じような質問を投げかけてきて、しかも激しく「Ne~~j!!」と返すと嬉しそうに、そして満足そうに去っていきます。ピノよ…。

 そんなわけで色々みんなの発言もおもしろかったのですが、Mette先生が最後に言った「大人が子供に嘘をついちゃいけない時」というのが、かなりデンマークっぽいというかなるほどというものでした。
 それはもしも自分(親や大人)が何かとても落ち込んだり悩んだりしている時、子供がそれに気付いて「どうしたの?大丈夫?」と気遣ってきても「大丈夫、大丈夫!何でもないわよ!」という風にごまかしてはいけない、それはそうしてしまうことで子供は自分の感受性、気付いたことに自信を失ってしまうから、だそうです。子供の感受性からのおもいやりや優しさを、嘘で消してはいけない、もしそれに対して「実はね、ちょっと悩みがあって疲れてるの。でもありがとう、気付いてくれて。あなたが優しくしてくれて嬉しいわ」と言ってあげれば、子供はもっともっと自信を持てて自分の感性を信じられるようになるわ、とMette先生は言っていました。

 日本だったら疲れてる親に大丈夫?なんて声をかけたら「親の心配はいいから、自分の心配をしなさい!」とか言われたり、親も「子供の前で弱々しい姿など見せてはいけない」と思うでしょう。(疲れてる?と声をかけて「あんたのせいでしょ!」と怒られていた私は、バファリンのCMみたいな親がいたらちょっと気持ち悪い、とすら思ってました…。)
 しかしデンマーク、さすが大人と子供が対等に話しができる国(生徒と教師もファーストネームで呼び合い、敬語とかはないけど話し合っている姿も日本のタメ口ほどラフな雰囲気)、ほめて伸ばす教育観で、そういうところは日本人も見習っていいのかなーなんて思いました。

失読症について

2006年03月03日 | なるほどな話
 語学学校で失読症について話し合う機会がありました。

 失読症とは知的障害はないのに読み書きに支障があることで、欧米などでは国民の10%(つまり10人に1人)は失読症だったり、過去にそういった症状を持っている人なのだそうです。
 知的障害はないので、周りと変わらずにおしゃべりできたりするのですが、読み書きに時間がかかり、文字のつづりを何度練習しても間違えたりするのだそうです。

 私は小児科でも働いていたのですが、そういった失読症という子供(もしくは大人でも)に出会ったことがなく、何となく失読症という名前から察するに「文字がただの絵のように見えて文字として読めないんだろう」と考えていました(後天的に脳梗塞などで失語失読になる例はみてきましたが)。そしてそういう子供は養護学校のようなところに通ってるんだろうと漠然と思ったり。

 とにかく先天的な失読症の知識があまりになくて、クラスメイトがディスカッションしているのをただ聞いてただけなのですが、びっくりしたのが知り合いやパートナーなどで「失読症でした」という人が実に多かったことです。欧米の数値的に国民の10%というのだからそりゃ多いのでしょうが、日本ではまず「失読症です」という人に会わなかったし、それどころか「昔失読症でした(=改善した)」というのも聞いたことがなかったので、とても驚きました。

 アメリカやイギリスでは失読症の研究、治療というのが日本よりはるかに進んでいるらしく、失読症と他の障害との分類分けやトレーニング方法がしっかり確立しているようです。日本では失読症の人は国民の5%くらいと一応報告されていますが、それは「民族による差異と言うよりはきちんと見極められる機関や教師、意思が少ないことに起因すると思われる。」だからだそうです。(LD kids & teenさんのHPより抜粋)

 ヨナスに失読症のことを聞いてみても「あー、お父さんはそうだよ。読み書きができるけどたぶん時間がかかったり、間違いも多いと思う。友達の○○もそうだし…」と身近に失読症の人がいて、しかも日本人がハンディキャップを持つ人について語る時のような、ちょっと遠慮がちになるというか、言っちゃいけないことを言っている気まずい感じでの話し方ではありません(クラスで話し合ってるときもそうだった)。つまり失読症に対して誤った認識(読み書きができない、行動が遅い、左右がわからない=知能障害)がなく、しかるべきトレーニングをうければ改善されるということをみんなが知っているということなのでしょう。

 さらに驚いたのは、文字を読むことが遅い、もしくは読めないというデメリットよりも、手作業や芸術的才能が失読症でない人よりも抜きん出ているというメリットの方に注目しているということです。それは失読症の人の中にはそんなハンディをものともせず有名になった人が多いからのようです。

 ちなみにそんな有名人とはアルバート・アインシュタイン、レオナルド・ダ・ヴィンチ、トマス・エジソン、ルイス・キャロル、ウィンストン・チャーチル、J.C.マックスウェル、マイケル・ファラデー、ニコラ・テスラ、トム・クルーズ、ロビン・ウィリアムスなどなど…。しかもデンマーク1の有名人、H.C.アンデルセンも失読症だったということです。
 ヨナスのお父さんも画家、彫刻家だし、ヨナスのお友達の人もイラストレーターで人気急上昇中です。

 日本では失読症というカテゴリーすら曖昧で世間にまだ広く認知されていないようですが、世界中にはこれだけ失読症の人がいて、日本の5%という数字だってけっこうなものだし、しかもこの最小5%の失読症の人が、失読症認識の低い日本の学歴偏重競争社会で暮らしているのかと思うと、「こらあかん!!!」と思うのです。

 差別、誤解というのはだいたい「無知」からくるものですが、少し知ればがばっと開ける道もあるわけで。今回改めて知を求めていくことは大切だなあと思いました。外国に、ヨーロッパというフィールドにいるからこそ得られる経験、知識というのもあるので、それをこうしてブログという現代の便利もので少しでも多くの人にお伝えしていければいいなあと思うのです。もちろん自分自身も今後何ができるのか、考えていきたいと思いますが。
 とかこんなに長々書いといて、みなさんとっくに知ってて「そんなこと知ってるよ、じょーしきだよ、君」だったらごめんなさい。エセ看護師kanahei?!