Kanaheiのデンマーク生活

糖尿病の勉強をしたくてきたデンマークでの紆余曲折な生活を日記として残しています。

分離不安?

2006年11月03日 | ベビーシッターの話
 実に久しぶりな夜の子守りの今日、いつもだったら私が寝かしつけるのを喜んでくれるヤコブですが、今日はお母さんのヘレさんのもとを離れず、ヘレさんが無理矢理出掛けた後もいつもと違って「お母さんが恋しい~」といって泣くのです。今まで「お母さ~ん!」と言って泣いても、けっこうすぐに諦めて泣き止み、ころっと態度を変えて「じゃあこの本読もう!」なんてゲンキンなくらいなのですが、今日はなにかが違う。
 寝かしつける前に本を読んであげていても、突然「お母さんがいなくなるのが怖い~お父さんも家にいないし(トーマスは今アメリカでコンサート)、怖いよ~」と泣き出すのです。甘えてぐずぐずしているのとは違い、ぼろぼろ涙を流して泣くので、私もびっくりで、一体どうしたのかと。
 なんとかなだめすかしていると、また突然泣き止んでご機嫌になったり、かと思えばまた突然「こわい」と言い出します。いつもなら小さい時から躾けられているので、本を1~2冊読み、音楽をかけてあげて「おやすみ」といって電気を消すとすんなり一人でも寝に入るのですが、結局今日は「ヤコブが眠るまで一緒にいるから」と約束し、次男達の寝る準備を手伝うのを口実に少し離れたのですが、様子をチラチラ見てたのでそれに安心してようやく寝付きました。

 ヘレさん曰く、それは1週間前くらいから突然始まり、今日もヘレさんが長男トビアスの学校へ面談へ行ったとき、「先生とトビアスと一緒にお話してくるから、クリストファー(次男)と一緒に遊んで待ってなさい」と言われ、ヤコブも納得したものの、ヘレさんが歩いて教室に向かうと突然、「行っちゃ嫌だーーーー!!」と号泣しながら走って追いかけて来たのだそうです。そしてヘレさんが「どこにも行かないし、すぐに帰ってくるから」となだめるも聞かず、じゃあ絶対に大人しくしていられるって約束できるなら付いて来てもいいと許すと、普段の彼なら絶対できないのに大人しく邪魔もせず、そばでじっと座って待っていたのだそうです。

 またこれも突然だったのですが、ある日ヤコブがヘレさんに「空き巣ってなに?家に入って来て何するの?何を持っていくの?空き巣にも家族がいるの?」などなど聞いてきたのだそうです。TVで何か観たのか(ヘレさん家の子供は子供番組以外みないけど)、誰かからそんな話を聞いたのか(でも保育園の保母さん達にそんな心当たりはないそう)、なんでそんなことを突然ヤコブが言い出したのか…。

 子供の分離不安というのは、自然な成長発達の過程でみられるものですが、でもそれにしてもヤコブはもう4才4ヶ月なわけで遅過ぎる。でも分離不安の症状・状況にはぴたりと当てはまります。何かショックなものを見たとか、成長に伴って突然なにかをクリアに捉えられるようになったとか(もしものイメージとか)、視野が広がって色んな考えが出て来るようになったとか、色々理由は考えられますが、今のところヤコブがなぜ突然そうなったかの正確な理由はわかっていません。

 元々ヤコブ、保育園へ行くよりはお母さんと一緒に家にいる方が大好きだったのですが、朝送り届ける時も嫌がってずっと離れず、何度もお母さんにキスをして、泣いて嫌がるのをほぼ無理矢理置いていくのだそうです。何がそんなに不安なのかわからないし、いつもと違う嫌がり方、というか怖がり方をするので(でも迎えに行く時には普通にみんなと遊んでる)そばにいて安心させてあげたい、でもそこでと保育園へ通うのを止めてしまったりするのは、せっかくこの1年で築いて来た彼の社会性を振り出しに戻してしまうんじゃないか、さらにこれを機に逃げることに慣れてしまうんじゃないか、という懸念もあってヘレさんは悩んでいます。対策としてとりあえず保育園には行かせる、でも早めに迎えにいくというのをしていこうか、ということになりましたが。

 あともう一つ彼が最近おかしいのは、父トーマスが家に一緒にいる時は普通なのに、今のように彼が海外で仕事をしていて電話などしてくるとき、一言もしゃべらないのです。元々シャイではあるのですが、でも何か質問したりすると答えるし、そこから話し始めるのですが、今日もトーマスが電話して来たとき彼は一言もしゃべらず、1分くらいで「お母さ~ん」と逃げてしまいました。

 もしかしたらトーマスが不在がちなことには慣れていたけど、”じゃあもし”お母さんもいなくなったらどうするのか?と心配し始めたのでしょうか?こう言ってはなんですが、父は居ないのがほぼ当たり前、でもお母さんというのは唯一の存在だということに今更気付いたのか…。兄弟たちも当てにはならないし、と。

 ヘレさんも初めてのヤコブのこういった精神面でも問題(発達過程でのものだと思うけど)に悩みつつ、でもどうやって彼のそういうことに取り組んでいくか、かなり積極的に考えています(むしろちょっと楽しんでるかのようにもみえるほど。さすが3人目だし)。
 でも私は、自分がもし子供が出来てこんな風に変化があったとき、それをヘレさんのようにしっかり捉えてあげられるか、もしくはみつけてあげられるか。もし見つけられたとしてもしっかり向き合う時間があるか。こう言ってはなんだけど、やっぱりヘレさんは専業主婦なのでそこまでしっかり向き合えるのだろうな、とも思います。だってそうじゃなきゃ熱も無いのに保育園を早くお迎えに行ってあげよう、なんてできないだろうし…。
 この変化の時期をどう向き合うかでどこがどう変わるかもわからないし(時間があればあったでかまい過ぎちゃうかもしれないし)、もしかしたら放っておいても自然に消えるかもしれない、発達上でのことならむしろあまりかまい過ぎない方がいいのかもしれないし、でもそれは本当にその子にもよるし何が正解なのかわからない。将来間違いなく共働きな我々は、こういうときどうするのがいいんだろう、とちょっと不安にもなります。

 

結局どこにあったの?

2006年11月03日 | デンマーク人って
 私が電話しても書類の行方が「わからない」、担当者とも「あなたとは話せません」だったのに、翌日ヨナスが電話したら書類がみつかっていました。私が電話で話した人が電話の後探し当てくれたのか、それともただ単にPCに取り込まれるのが遅かっただけなのか(にしては時間かかり過ぎ)、よくわかりませんが、とにかくまた無くされたわけではなかったのでよかったです。
  

 そんな経過をヘレさんに話していたとき「でもなんで私だと担当者と話させてくれないのか!ムカつく!」と話していて、ヘレさんは「わかるわ…女であるとか年下だとかだけで、そういう理不尽な対応を受けることはあるし、とにかく差別とかむこうの偏見で悔しい思いっていうのはたくさんするわ、特に女性は。でも気にしちゃだめよ、ぐっと抑えるのよ。そういう時こそ相手が不気味に思うくらいニッコリ余裕って感じで笑ってやるのよ。そういうのを相手にするのは無駄だから」と。自分が女だから、外人だからと卑屈にネガティブに捉えてはいけない、そういうことをいう人はたとえ私が外人で女でなくても、同じように人に対して失礼に振る舞うものだから、とのこと。なるほど、そう言い聞かせるのは確かに大切かも。

 そんなこんなで書類も一応揃ってしっかりデータ入力されたわけですが、しかし、これであのバカ担当者がすぐに取りかかるかどうかはまた別問題なわけで。あとはひたすらプッシュです。