難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

1年半後の人工内耳の聴力検査

2009年06月10日 21時21分35秒 | 人工内耳
090610-082336.jpg今日の夕方から人工内耳の装用後1年半後の聞き取り検査を行った。
右側にデジタル補聴器を装用し、左は人工内耳を自動感度調整とADOROの設定をした。S(感度)が5、V(ボリュウム)が6。

「あ」+「あ行のオン」(アハ、アマ、アサなど)2音節の聞き取りは、1年後の45%が1年半後は53.6%に、「ら」や「ぬ」などの単音節が35%が41.7%に、「ねこ」や「かむ」など単語は84%で変わらず、文や章は95%が93.3%にという結果だった。
単語や文章は変わらなかったが、子音の聞き分けが少し向上したと言えるだろう。もっとも、防音室内で聞くのだから「試験データ」でしかない。

実際の生活場面では今までは聞こえなかったマスク越しの声とか、字幕のないニュースの音声とか聞こえるようになっている。勤務先の会議は依然として難しいが。

検査後、低音域をもっと強調し、環境音などを35~60dBだったのを45~70dBが入るように(お意味がよく分からないが、小さな音は聞こえなくなり、やや大きい音も入ってくるようになるとのことだった)マップを調整したので、また違って聞こえる。

自分の声がよりリアルに分かるなった気がするのでゾクゾクする。自分の声がどのように発せられているかを自覚出来るので、発音だけでなく声の強弱や早さも気を付けることが出来る。

次回は7月23日。


ラビット 記




今後の難聴者支援と要約筆記のあり方

2009年06月10日 15時30分30秒 | エンパワメント
090608-164400ピンクトラオムラント.jpg難聴者は聞こえない、話されている言葉が分からない、書いて欲しい、書いて伝える人、要約筆記が必要という理解はこれでいいのか?

難聴者は普通に社会の中で生活している。難聴者は、多くのニーズと様々な課題を持っている。
これを解決するには、要約筆記さえあれば良いとは言えない。

要約筆記は派遣事業が制度化されてから25年以上の歴史を持つが生活の中で要約筆記が身近に利用されているとは言えない。特に、まだ個人利用が多いとは言えない。
これは、要約筆記自体の社会的認知の遅れ、市町村で派遣制度が身近になかったということも技術が実用レベルになかったということもあるだろう。しかし、難聴者の意識もあるのではないか。

優れた要約筆記者がいれば自分はどの生活の場面でも社会のどんな分野にも対応出来る自信を持って、「使い倒す」人は少ない。
難聴者がやはり、難聴者が要約筆記を使うようになるには、それだけの理解と自覚が必要だ。とどのつまりはそうした意識に達していないということではないか。
聞きにくいのもあるが、難聴者は聞こえなくなると難聴者になるのではない。難聴という機能障害を持った人が、いろいろなことを経験したり学んで難聴者になる。

難聴者は、いろいろな支援を必要とする。情報バリアフリーの環境、相手とのコミュニケーションの取り方、補聴器機の使い方、福祉制度、セルフ・エスティームなどについて学ぶ中で、自立する力を身につける。

難聴者と関わる社会資源の人々、介護福祉士、ケアマネージャー、民生委員、保健師、学校教員、PTA役員、スーパーやデパート、電気店の店員などに難聴と難聴者の問題を理解してもらい、耳鼻科医、行政、情報提供施設、難聴者協会、補聴器専門店など専門機関につなげる役割を持つ人々が必要ではないか。

全国要約筆記問題研究会のホームページに、「報告書「要約筆記奉仕員の今後のあり方について」」が発表されている。
http://www.normanet.ne.jp/~zenyoken/katudo/reportarikata.pdf
http://www.normanet.ne.jp/~zenyoken/katudo/reportarikata2.pdf


ラビット 記