難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

要約筆記の「団体派遣」は団体への支援ではない!

2008年10月31日 11時33分57秒 | 要約筆記
081030-083858.jpg東京都は、来年度から要約筆記グループ派遣事業を止めようとしている。

東京都は多くの区市からの難聴者等が集う場でのコミュニケーション支援は必要と考えつつも、要約筆記者派遣事業の区市による按分方式にこだわるのは、自立支援法施行後は団体に対する派遣はなくなり、個人への派遣に変わったと考えているからだ。
つまり都事業の要約筆記者派遣は団体に対してサービスや何らかの給付をしてきたと考えている。

しかし、これは大きな間違いだ。なぜならば団体の会議等の場に要約筆記者が派遣されるが要約筆記を利用するのは会議に参加している人だ。東京都のコミュニケーション支援サービスをその会議に出席している難聴者が利用する。
これは東京都中途失聴・難聴者協会が都の施設である東京都障害者会館の部屋を利用しているのと同じ。これを団体への支援とは言わない。
団体が何か知らの代価なり報酬が入ることもない。
それは協会の絵手紙や各種の会の活動を見ても、同じ障害を持つ難聴者が趣味を通じて交流し活きいきとした生活を送ることが目的であり、その場のコミュニケーション支援を必要としているだけだ。

団体はある目的をもった市民、国民の集団であり、自由な活動を憲法で保障されているものです。団体は人の自律的な活動の結節です。障害を理由にその活動に差別が持ち込まれてはならない。特に障害者団体は社会の理解が不十分な状況にあって、自主的に問題を解決したり、自立した生活を送ろうとしているもので、琵琶湖ミレニアム宣言でもこれを保障、推進させる必要があるとされている。

東京都の間違った解釈のために私たちは個人としての団体活動にも大きな支障を受けている。

障害者自立支援法は私たちの自立した生活、活動を保障するものであったはず。しかも厚生労働大臣は現行サービス水準を後退させないと国会答弁しており、厚生労働省もそのことを通知している。
東京都は支援法で市町村が実施できないときは都道府県が行うと定めてあるとおりに実施すべきだろう。

これらのことを都議会各党派にも他の障害者団体にも説明していこう。


ラビット 記