難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

NHK ETV特集「”手の言葉”」を見て

2008年09月25日 21時07分06秒 | 権利

子供と手話.jpg9月21日(日)午後10時からのNHK教育テレビ「ETV特集・“手の言葉”で生きる8歳の小さな手が紡ぐ手話の世界▽聞こえてほしい親の葛藤▽語り大竹しのぶ」を見た。

言語としての手話とろう教育における手話の導入と課題、ろう者自身による教育方法、ろう児における人工内耳の是非、ろうコミュニティ、学校教育と家庭教育の連携、家族の役割など内容が盛りだくさんだった。

しかし、これらのことを伝えようとした意欲は買えるが結果的にはみな中途半端で、主題がぼけてしまったと思う。

ろう児の教育問題に「手話」を前面に出すので、逆に視点が曖昧になっているのではないか。
子どものコミュニケーションする権利、ひとりひとりに合った教育をうける権利があることを視点にしたら、聞こえる子どもも難聴の子ども、ろうの子どもも等しく、自分に最適の環境で教育を受けることが保障されなくてはならないことが浮かび上がり、番組の構成もしっかりしたものになっただろう。

とくに、手話ありき、ろう者イコール手話だけの視点はいただけない。
手話によるコミュニケーションと聴覚を「対立」させたり、聴覚機能を音声言語のコミュニケーションにのみに限定するのは、昨今の世界の聴覚障害児教育でも受け入れられないだろう。
最近の補聴器や人工内耳の発達はめざましいものがあり、ろう学校でも補聴器や人工内耳をした子どもが増えているはずだ。ろう者でも使用している人は増えている。


高木医師.jpg聴覚は風の音などの自然音、楽器音などの情操醸成また現在の社会では交通における危険予知や災害警報、各種の生活の信号音を感じるために重要な感覚情報だ。
このことを親も教師も医師すらも説明できていないのは解せない。
編集段階でこうしたコメントが削除されていることはあるだろうけれど。

人工内耳がうるさく感じるのは、脳が慣れていないためだ。胎内にいる時から音や声を聞いている子どもに比べて、初めて外界から入る音に衝撃があるのは当然だ。それをきちんと説明して、適切なマッピングと少しづつ馴らしていくリハビリテーション、ハビリテーションをしなかったのが問題であって、人工内耳のせいではないだろう。

特に自分でも理由の分からないのに人工内耳を取りたいとろう児に繰り返させるのは、なんの意図があるのだろう。人工内耳と人工内耳をしているものに対する偏見と差別をもたらしかねない。

番組には、父親の姿がないこと、ろう学校にいるはずの多様な他の子どもたちの姿が見えないこと、専門性を持つ教師集団の姿もない、地域との関わりも見えない。


ラビット 記


学習障害者にもパソコン要約筆記。

2008年09月25日 20時45分08秒 | PHSから
080915-155024.jpg日本障害者リハビリテーション協会から、ディスクレシア(学習障害)を理解するための講演会とデモを行う企画を紹介された。

この企画の情報保障はパソコン要約筆記が最初から付いている。
手話通訳や点字資料などは希望者にのみ提供される。要約筆記がスクリーンに長く表示されているので、学習障害者にも音声がアクセシブルになるのか。
パソコン要約筆記者は、通訳としての役割を意識していない場合には、機械的に聞こえたまま入力しようとする。
しかし、学習障害者にとって理解しやすいのだろうか。話し言葉をそのまま文字で表示された時、読み下すのは骨が折れる。オンで聞くのと知能を使って「読む」のでは脳のストレスが違う。
聞こえているとは言え、学習障害者も読むのは大変だと思うが、どうなのだろう。

当事者の受け止め方を聞き、「コミュニケーション支援者」としての役割を期待したいが。


ラビット 記

--ここからご案内--
http://www.normanet.ne.jp/info/seminar081101.html

イベントのご案内
「ディスレクシアの子どもたちへの読みの支援‐DAISYを使ってみよう」

●日時:2008年11月1日(土)10時00分~17時00分まで

○主催:(財)日本障害者リハビリテーション協会
○協力:NPO法人エッジ・(社)日本国際児童図書評議会・ゲートシティ大崎
○助成:独立行政法人 福祉医療機構「長寿・子育て・障害者基金」
●参加費:無料
○定員:400名

●会場:ゲートシティホール ゲートシティ大崎 地下1階(品川区大崎)
*JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン・りんかい線「大崎駅」
 下車、南口改札(新東口)より徒歩約1分
 東急バス(渋41)「大崎駅」下車
http://www.gatecity.jp/access/index.html


趣旨
日本ではあまり知られていませんが、字を読むことに困難な人たち(ディスレクシア)がたくさんいると考えられています。
 怠けていると思われることがしばしばありますが、早期から自分にあった情報や教育支援を受け、学習方法を見出すことができれば、自尊心を失うこともなく、その才能を伸ばしていくことができます。
 そのような子どもたちへの読みを補助し、読みやすい学習教材や図書を作成するために、DAISY等の情報技術が有効だと考えられます。
 ディスレクシアへの理解とその支援としてDAISYを知ってもらうために講演会や体験会などのイベントを開催します。

【講演会】
■開会の挨拶

■基調講演
 DAISYを利用したディスレクシア支援
 河村宏(国立身体障害者リハビリテーションセンター特別研究員)

■ディスレクシアを知ったときの驚き・親の立場から
 末盛千枝子(日本国際児童図書評議会副会長)

■ディスレクシアに対する支援-当事者の立場から
 藤堂高直(建築家)

■ワークショップ報告ビデオ上映

 --昼食--

■ディスレクシアとマルチメディアDAISY
 -当事者そして教育者の立場から 神山忠(岐阜県立関特別支援学校 教諭)

■ディスレクシアへのDAISYの有効性-発表1
 山中加奈(兵庫県LD親の会 たつの子 副代表)

■ディスレクシアへのDAISYの有効性-発表2
 田中和美(公立中学校コーディネーター)

 --休憩--
■意見交換会「DAISY図書はどうやったら手に入るのか?」
 指定討論者:井上芳郎 (LD親の会・公立高校教諭)
       樋口 一宗(文部科学省 初等中等教育局 特別支援教育課 特別支援教育調査官 発達障害教育担当)

--閉会--
(発表者、順序等は予告なく変更になる場合もあります)


★同時開催★
●DAISYワークショップのビデオ上映、作品展示
 ディスレクシアの子どもたちにDAISYの楽しさを知ってもらうワークショップを事前に開催し、その様子を撮影したビデオを上映。同時に子どもたちが自由に描いた絵をDAISY化した作品の展示を行います。

●DAISY体験・相談コーナー
 実際にDAISY図書を体験したり、ディスレクシア児を対象とした教材や図書作成について相談にのるコーナーを設けます。


●DAISYに関わる機器展示
 ハードウェア、ソフトウェアの展示

●ディスレクシアの画家マッケンジー・ソープ氏絵画展
 ご自身がディスレクシア(文字の読み書きが困難な症状)でありながらも成功した画家マッケンジー・ソープさんの絵画展を開催します。

■パソコン要約筆記あり。
 手話通訳・点字資料・磁気ループが必要な方は申込みの際にご記入ください。

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■講演会&イベント
(2008年11月1日 ディスレクシアの子どもたちへの読みの支援-DAISYを使ってみよう-)お申込み

■下記にご記入の上、FAX(03-5273-0615)またはメールdinf-j@dinf.ne.jpまでお申込み下さい。

□お名前(ふりがな)
□ご所属
□ご連絡先
□〒
□住所
□Tel
□FAX
□e-mailアドレス

下記に該当します(該当するものに○を付けてください。)
1)車イス使用
2)手話通訳が必要
3)点字プログラムが必要
4)磁気ループが必要
5)その他

※ ご提供いただいた個人情報は、日本障害者リハビリテーション協会の個人情報保護方針に従い、厳重に管理いたします。また、この情報に基づきシンポジウム、講習会等のイベントの開催案内、書籍のご案内その他当協会が有益であると判断する情報をご案内させていただくことがあります。
ご案内を希望されない場合はその旨お知らせください。

■申込先・問合せ:(財)日本障害者リハビリテーション協会 情報センター内
TEL:03-5273-0796 / FAX:03-5273-0615 /e-mail: dinf-j@dinf.ne.jp
URL:http://www.normanet.ne.jp/info/seminar081101.html
担当:有田・太田・吉広・野村





歯の噛み合わせの音が聞こえるのは?

2008年09月25日 18時55分40秒 | PHSから
080923-083141.jpg今日の午後から、人工内耳の聞こえ方ががらっと変わってしまった。なんだか詰まっていた栓がパカッととれたような聞こえ方だ。

何しろ、歯の噛み合わせの音がカチカチ頭に響くように聞こえる。変だ。人工内耳を切って、補聴器だけにして口をぱくぱくさせるとそれも聞こえる。人工内耳を入れて、補聴器を切っても聞こえる。

なんじゃ、こら。両方切るとそんなには聞こえない。単純に噛み合わせ音が頭蓋骨を伝わっているのか、補聴器と人工内耳が音を拾っているのか。その両方か。

なんだか分からないが、帰宅したらトレーニング用の音声を入れてItuneアイチューンを聞いてみよう。アイチューンはアップル社製の音楽データ管理ソフトだ。ニュースなどの朗読テープをデータ変換した。
このWS011SHのPHSにも取り込めるのかしら。そうしたら通勤中も聞ける?

人工内耳も日々聞こえが変化している。人工内耳との併用で効果を高めようとしている補聴器もそれに併せて調整するので普通よりも調整の頻度が高く、かつ長期にわたる。
常に変化する聞こえの状態を確認するには一定の音源が必要だ。いわば基準線にあたる朗読データだ。


ラビット 記
自分で作った酢豚風炒めもの