難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

また鉄道の遅延事故が 電光掲示板は難聴者、聴者に効果的

2008年09月28日 18時53分36秒 | 生活
080928-174327.jpg080928-174447.jpg今日は二つ目の電車遅延事故に出会った。

改札を入ったところの行き先案内とホームの案内に、事故の情報が表示されていた。

難聴者には文字で示されていると安心だ。
一般の乗客もそれを見て入ったり、きびすを返したりしている。情報には、原因や現在の状況、復旧の見通しが表示されているので、見るものは安心する。

あの表示が新交通バリアフリー法によるものとは知っている人は少ないのではないか。


ラビット 記




新幹線のトラブルに巻き込まれた難聴者

2008年09月28日 18時47分51秒 | 生活
080928-122505.jpg080928-福島122220.jpg新幹線の信号トラブルによる遅延事故に巻き込まれた。

難聴だとこうした事故に対応するのにいろいろ苦労が多い。
(1)事故の発生情報の入手
改札口に置かれた事故情報のかかれららたホワイトボードがなければ気付かなかった。

(2)事故情報の内容の確認
事故の状況は刻々変わり、発信される情報、公示される情報も変わる。公表する媒体も音声や文字などさまざまだ。文字も電光表示や手書きなどで内容も更新頻度も変わる。
難聴者は音声で伝達されるとわからない。

(3)事故情報による窓口業務の対応。
事故情報を元に切符の払い戻しや変更を窓口で行うがどういう経路が一番良いかはこちらの条件や希望を言わないといけない。
難聴者が窓口で音声のコミュニケーションが難しいのは返ってくる言葉が予期しない言葉が出てくる場合だ。
普通の指定席、禁煙席、満席、乗り継ぎまでは口を見ていたりこちらから言えばよいが、今回のように
「何時に入線するかわかりません」
「指定席は販売ありません,自由席だけですがよいですか」
「払い戻しはここではなく、降車駅でお願いします。」
と言われると、えっえっと聞き返すことになる。
聞こえないので書いてくださいとお願いしてもペンを持っているのに書こうとしない。

(4)駅や車内の情報入手が難しい。
どのホームに行けばよいのか、改札を通ってホームまで経路、電車が待機していること、発車までの時間、自由席の方向の情報などが放送されている。
その他、他社線の運行状況、振り替え輸送の情報などが放送される。

駅の放送は分からないのは声が反響して聞き分けにくいことと早口になることだ。

(5)家族や職場への連絡が困難
携帯のメールは確実だが大規模な災害発生時には遅延や発信規制がかかる。声の電話は相手の電話に出たことや返事や問いかけが分からない。

難聴者は、かくも電車の事故になると様々な困難に遭う。
それぞれ、自衛的に対応する必要がある。
窓口対応には難聴であることを耳マークを示すか書いて示す。
窓口に筆談ボードやメモを持ち込み、筆談を迫る。筆談ボードで目の前で聞こえないので書いて下さいと書くのは効果がある。

ホームでも放送が分からなければ近くの人に聞く。ただし「どうしたんですか」「事故ですか」と聞いてはいけない。
「遅れているんですか」「何時間遅れですか」「1時間ですか」と具体的に聞く。返事が具体的に返ってくるからだ。

乗車したら。隣の人に聞こえないので何かありましたらこれに書いて下さいと他の人にも聞こえるように言う。

恥ずかしいことはない。これだけ高齢化社会になったのだから皆家族や親戚に耳の遠い難聴者が一人や二人いる。浜崎あゆみだって難聴だ。


ラビット 記




難聴のジャズシンガー 斉藤ひさこ

2008年09月28日 14時56分12秒 | エンパワメント
080927-185629.jpg080927-斉藤ひさこ190735.jpgジャズシンガー斉藤ひさこは突発性難聴で左耳はほとんど聴力がない。

美空ひばりの足と浜崎あゆみの左耳と二人の歌姫と同じ障害を持った私は二人と同じように歌うことに挑戦したいと言っていた。

11月3日、第3回グルーヴィジャズボーカルフェスティバルのコンテストに出場する。


ラビット 記




ダイバーシティ2008と難聴者

2008年09月28日 13時49分32秒 | エンパワメント
080927-183239.jpgハワイの風さんから、障害者のイベントに参加した感想が届いた。
実は、昨晩補聴器をして手話も堪能な難聴のピアニストや突発性難聴と大腿に人工関節を埋め込んだジャズシンガーに出会って、そのパワフルさに感動していたばかりだった。
その前に講演をしたのは難聴の大学教授だ。心理学の博士号を持つ。

難聴者はみな大きな力や個性を花開かせる可能性を持っている。それを引き出すのが運やたまたま巡り会った人ではなく、誰しもが可能性を発揮できるような体制、制度が必要だと痛感していた。
それが「中途失聴・難聴者エンパワメント事業」の障害者自立支援法による制度化だ。難聴者の苦しみの元を話す大学准教授の話を聞いたばかりの県の障害者福祉課長にこの考えを話したところ、顔がぱっと変わった。脈があるに違いない。


ラビット 記
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久しぶりに帰国した翌日、たまたま開いた新聞のページに興味深いイベントの案内があった。「ダイバシティ2008―障がい者と共に生きる」、キャリア戦略研究機構主催とある。お台場で障がい者のイベント?と思ったが、会場は神田とある。勇壮な主催者の名称にも心引かれたので出かけてみた。

ダイバシティはダイバーシティ(diversity=多様性)のことだった。そして、すばらしいイベントだった。
まず会場。従来、障がい者のイベント会場いえば、○○障害者福祉センターとか△△会館など公けの地味な(内輪向きの)場所が多いように思うが、今回はビジネス街の大通りにある洒落た貸しイベントホールだった。次に講師陣の多彩な顔ぶれ。前宮城県知事・現慶応大教授の浅野史郎氏、故国スーダンの障がい児教育のため尽力する全盲のサッカー選手、聴覚障がい者のプロボディボーダー、それに障がい者の雇用を積極的に推進するモデル企業の雇用担当者2名。

トップバッターの浅野氏は、「障がい者の地域参加、就労促進の鍵は、障がい者と接点のない一般市民の非専門家を、いかにこちら側(障がい福祉専門家・関係者)の側へ無理なく引き込むか、というテクニックにかかっている」と力説。厚生省障害福祉課と宮城県知事時代に得た豊富な実例を多数引用し聴衆を引きつけた。

全盲のアブディン氏は「見えないことで、損したことと得したことは?」という直截な質問に対し、「100人の人にすれ違っても彼らの表情がわからないことは損かな。でも、外見で人を判断できないからいつも深い会話ができる」と、完璧な日本語で『建前と本音』を使い分ける日本民族をチクリ。

重度聴覚障害(110dB)の甲地由美恵氏は「障がいのあるなしにかかわらず、海の波はだれにでも差別なく押しよせる。聞こえなかったからこそ海と出会い、ボディボードと出会えた」という。打ち込めるものが見つけられない障がい者には、「夢はあなたの手の中にある。あきらめないで」。手話は使わず口(読)話で育ち、波や風などの環境音を聞くために補聴器を使っている氏だが、「手話だろうと口話だろうと、コミュニケーションの方法を多く持っていれば世界が広がる」。自身、サーフィンの大会で初めてろうのサーファーたちと手話でコミュニケーションをとったときの喜びをシェアしてくれた。人工内耳については、「聞こえていたらボディボードとの出会いはなかった。聞こえないからこそ波に挑戦し続けてこられた。だから聞こえるようになりたいとは思わない」。
甲地氏は面前の口話通訳者(会場の質問をはっきりとした口形で講師に伝える)を読み取っての質疑応答で、会場には手話通訳もパソコン文字通訳もあり、難聴者もろう者も来場していた。聴覚障がい者の多様なコミュニケーション手段を目の当たりにした参加者個人の胸中はどうだっだったろうか。

ITベンチャー企業アイエスエフで障がい者雇用にかかわってきた白砂祐幸氏は「(障がい者雇用の)経験がない、仕事がない、知識がない、金がない、人がいないという5つの「ない」は創意工夫で克服できる。障がい者雇用は長期的にみて、全社員の残業や無駄の削減、生産率と企業への信頼感のアップなど、プラスの効果をもたらす」という。同社はうつ病や産休・病欠からの復帰者、ニート・フリーター、ひきこもり者などの雇用も推進しており、メンタルヘルス不全が社会問題化している今日、さまざまなマスコミ(例:「30代のうつ―会社で何が起きているのか」NHKスペシャル)にも取り上げられている。

広い会場はほぼ満杯で、ぱっと見にも障がい者当事者、福祉関係者、大学生、高齢者、こどもたちが見うけられた。ボランティア100人を使って運営するなど、イベント主催・企画者の手腕を見せつけ、まさに障がい者のキャリア戦略を、文字通り多様な視点から掘り下げたイベントであった。今後も2回3回と続けていく方向にあるそうで、益々の発展を祈りたい。




山形新幹線ストップ。駅情報提供の不備に難聴者は不安。

2008年09月28日 10時54分30秒 | 生活
080928-095727.jpg080928-山形095822.jpg山形駅から新幹線に乗ろうとしたら、上野ー大宮間の信号の故障で止まっている。午前中いっぱい動かないと改札口のホワイトボードに書いてある。

聞こえないものには文字で情報が掲示してあれば、見てわかるので大変助かる。放送の場合には繰り返し言わなくてはならない。

駅の情報掲示モニターを見ていたら案内が表示されているがものの数秒でCM画面になってしまう。何分間もCMが終わるのを待たないと見られない。
状況を確認しなければ、切符のキャンセルをするのか、他の経路を探すのか、家族に連絡するなど、次の行動がとれない。

こういう情報掲示が必要な非常時はその画面に固定して欲しい。窓口に行って、その旨を言ったが変わらなかった。帰られないシステムならば欠陥だし、変更できるのに変更しなければ情報が伝わらないという体制不備だ。
カウンターの中もばたばたしていたがきちっと情報管理ができているのか不安になった。

改札口のホワイトボードには人だかりがして駅員が質問ぜめにあっている。

仙台に出て、常磐線経由で帰ろうとしたが夜の帰京になってしまう。友人がまもなく入ってくる新幹線に乗って待っている方が良いというので窓口で確認してくれた。
聞こえないので書いて下さいというのに、目の前にメモ用紙はあったが時刻表を指さして言う。聞こえない人に書くということをしたことがない感じだ。
これは筆談しますの標示版も耳マークも筆談ボードもない駅だからか。地元の難聴者協会のアプローチが不足している。

結局1時間遅れの新幹線の自由席に乗ったら、動き始めた。やれやれだ。

情報発信のうまくいっていない見本のような場面だった。


ラビット 記