難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

厚生労働省の障害保健福祉関係主管課長会議資料公開された。

2006年06月27日 21時36分01秒 | 福祉サービス
6月26日、厚生労働省が開催した障害保健福祉関係主管課長会議資料が、WAMNETで公開されている。
http://www.wam.go.jp/wamappl/bb15GS60.nsf/vAdmPBigcategory50/6F2EDA2437ADBE374925719A000BE847?OpenDocument
このページの行政資料からもアクセスできる。
http://www.wam.go.jp/wamappl/bb15GS60.nsf/aCategoryList?OpenAgent&CT=50&MT=020&ST=010

厚生労働省のHPの障害者福祉のページからもリンクが張ってある。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/index.html

新たに、Q&Aの資料及び地域生活支援事業の「基本的な指針」(厚生労働省告示第百二十三号)が公表された。
Q&Aの中の要約筆記事業に関する記述がある。

Q:コミュニケーション支援事業について、実施要綱の留意事項において、「要約筆記者」には「要約筆記奉仕員」を含むとあるが、現在は奉仕員のみ養成されている。要約筆記者の養成についてはどのように考えているのか。
A:要約筆記者の養成については、養成カリキュラム等について自治体及び関係団体等からのご意見も踏まえ、検討を進める予定である。

手話通訳も奉仕員派遣事業がなくなり、手話通訳者派遣事業となり、それと同列の位置づけである要約筆記者派遣事業が実施されることから、要約筆記者は、奉仕員と違う位置付けで養成されることになると見られる。

ラビット 記



難聴は何故理解されにくいか。

2006年06月27日 12時58分29秒 | 日記(つぶやき)
「難聴」という障害はなかなか理解されにくく、難聴者の地域生活、就労などの大きな障害になっている。なぜ、難聴は理解されにくいか。これを、難聴当事者も行政も支援サービスに関わる人が良く理解して欲しい。
(1) 外見で障害を持っていることが分からないこと。
 補聴器を装用しているのが見えたり、手話などを使ったり、しないと難聴であることが他の人は気づかない。
(2) 障害の状態が見えないこと。
 聞こえているのか、聞こえていないのか、他人から見て分からない。
(3) 意思の疎通、情報の受発信というコミュニケーションの障害であること。
 一人でいるときは、障害にならない。外界から情報が入ってこない時は障害になっていない。
(4) 音声や音がどのように聞こえているかを説明しにくいこと。
 「まったり」とか「ふくよかな」とか味を説明する言葉はあっても、「キンキン」、「ガーガー」とか聞こえを説明する言葉は豊かではない。
(5) 聞くという感覚の障害のため、障害の状態を説明しにくいこと。
 一つの指標として聴力レベルという周波数ごとの音圧dBで示されている。よく難聴者が大体70%は聞こえているというが、多分に本人の希望が込められている。実際には何%の聞き取りが出来ているかは分からない。意味理解が出来なければ90%聞こえても意味がない。
(6) 聞こえが周囲や体調、心神状態の影響を受けやすいこと。
 うるさい所や多人数が同時に話した場合、風邪を引いているとき、ショックなことが起きた時など環境に影響を受ける。ある時は聞こえて、ある時は聞こえないということも理解を妨げている。
(7) 一人一人、難聴の度合い、聞こえ方、コミュニケーション障害の現れ方が異なること。
(8) 社会に、難聴を理解するための情報源が少ないこと。
 新聞等に、難聴治療や相談会が掲載されると問い合わせが殺到することからも、難聴になった時どうするか、難聴の治療方法、難聴者とのコミュニケーション方法など、基礎的知識が社会にないこと。
(9) 社会に、無理解と偏見があること。
聞こえないと話せないと思っていること、聞こえないことが理解能力のないことと誤解していること、聞こえない人は皆手話が使えると思っていること、補聴器は着ければ聞こえると思っていることなど、非常に多い。

まだまだ、いろいろな理由があるが、聞こえないという障害をもっと掘り下げて、理解する必要がある。
そのことが、難聴者の権利を保障する支援サービスの拡充やユニバーサル社会を構築する力になる。

ラビット 記