難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

地域の要約筆記サークルのリーダーの声

2006年06月07日 03時03分40秒 | 要約筆記事業
「私たちは地域の難聴者のために一所懸命活動しているのに、どうしてその活動の場をなくすような要望をするのか」という要約筆記サークルの人の発言には、一所懸命活動している私たちボランティアの活動を保障して欲しいとも受け取れる。
要約筆記サークルが難聴者の支援ではなく、要約筆記をボランティアで行う人の自己実現の場になっているのではないか。ボランティアは、自発的な意志による活動であるから、自分に満足が得られなければ活動が継続しないし、自分が難聴者に喜んでもらっているかどうかが活動の基準になりがちだ。

協会の組織に入っている、いないに関わらず難聴者は、誰でもコミュニケーションの保障が受けられる権利がある。要約筆記サークルのボランティアが身近にいなくてもコミュニケーション保障が必要だ。身近にいればなおさら要約筆記者による要約筆記が提供されていなければならない。
難聴者の主体性を尊重しつつ、権利擁護の観点から支援をする。難聴という障害は瞬時に消え去るという音、音声によるコミュニケーションの障害であり、人と人との関わりの障害でもあり、そのことが当事者の精神内面的なものも大きいので、障害を機能的な面、社会的な面、精神的な面とかなり専門的な支援が必要である。

自立支援法では、要約筆記は要約筆記者事業になるのは国と地方自治体がコミュニケーション保障に責任を持つということだ。そのことが、社会福祉法の第二種事業にも指定されている公的サービスということだ。

「奉仕員」という言葉には、中途失聴・難聴者の権利擁護の意識は感じにくい。ボランティアはどこまで責任を持つべきか。

ラビット 記