難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

補聴器普及に必要なこと(1)

2006年06月17日 19時20分07秒 | 機器について
補聴器は、補聴器工業会というメーカーの業界団体でも、普及委員会を設けて力を注いでいる。
補聴器の普及には、聞こえという障害に対する理解をもっと広めなければならない。
1)聞こえが落ちると、社会生活から取り残されること。
音や音声でコミュニケーションしている社会では、聞こえの障害は重い障害であることを理解してもらいたい。
厚生労働省の施策でも、コミュニケーション支援という事業は重点事業となっているのもそういう意味がある。

2)補聴器のみで、コミュニケーションが出来る場面は少ない。補聴援助システムで目的の音を明瞭にしたり、周囲を静かにするなどの聞くための環境整備をすすめることとゆっくり話すとか顔が見えるように話すとか、難聴者への適切な対応方法の普及の両方が必要だ。
聞こえの保障にも、ハードとソフトの両方があるということだ。

3)難聴者でも、要約筆記や手話通訳は大変有効である。聞こえの環境はその場で違うし、常に話す人がきちんと話してくれるとも限らず、聞こえにくい時は通訳を利用して、補い、そのことにより話題がつかめれば読話や聞き取りのキーになるからだ。聞き取れない時は通訳で理解することが出来るという環境は心理的にも落ち着く。
これは、先日の騒がしい懇親会で要約筆記を依頼して参加して、特に感じたことだ。

4)難聴という障害に、マイナスイメージをなくす。
核家族化しているだけに、高齢の祖父祖母との接触も少なくなっているので、難聴者に出会ったり、コミュニケーションする機会がない。
聞こえないことはどういう障害なのか、幼少時からの教育、啓発が重要だ。

ラビット

近所の酒屋に並んでいた沖縄の泡盛の各種。2730円と安くはない。彩色が南国らしいラベルだ。
泡もり 記



要約筆記事業の法定化の意味

2006年06月17日 14時15分23秒 | 要約筆記事業
要約筆記者が奉仕員ではなく、要約筆記「者」でなければならない意味を確認したい。

今回の要約筆記者は、「者」なので「士」でも「師」でもない。何かをする力を持った人。何かというのが専門性。
この「専門」とは医療、司法の現場や大学レベルの講義という内容が高度という専門性もあるが、ここで「専門性」という場合、要約筆記をする知識、技術を持っていること。きちんと書ける、的確に要約出来ることそのものだ。
専門性のもう一つが、社会福祉サービスの一員としての自覚を持っていることだ。社会福祉サービスというのは人の幸せになる権利、障害などで差別を受けない権利、コミュニケーションをする権利など基本的人権を保障するために国と自治体が提供するサービスのことだ。
それを実施する根拠となるのが法律などの制度で、それに基づいて社会福祉サービスが提供される。

今回の支援法で要約筆記者は権利擁護の担い手になるというのはこういう意味があり、ここが奉仕員とは位置付けそのものがまったく違う。技術、意識というより、責任が違っている。
これまで要約筆記者(奉仕員)が要約筆記をしてきたというのはそのとおりだが、よってたつ根拠が今後は法律によるサービスということが全く違う点だ。

障害者自立支援法の地域生活支援事業として、要約筆記者事業が実施される場合、これまでとは立場が違うということが理解されなければならない。
だから、実施要項に要約筆記者に要約筆記奉仕員が含まれるとされても、立場が違うのでそのままあたることではありえない。
その立場に合わせるために補習研修と認定が必要になる。

ラビット 記

本日の会社の田植え後
田植え後