くまさんの日常

日々の出来事をつれづれなるままに書き連ねています。治療院の裏話や本音がにじみ出るかも

ワークショップに際して

2011-07-01 07:00:45 | 治療院
毎度ご好評を頂いている「話しを聴くこと」のワークショップですが、昨日帰路でお話しを聞かせて頂くことが出来ました。12年来合計5~6回は受けて頂いている方。
「毎回発見があるのよねぇ。それと、こういう講演やワークショップは沢山受けているけど”何か残った”感じがするのはくま先生と、もうひとり○○先生だけなのよねぇ」とありがたいお言葉を頂きました。ありがとうございます。
それこそが僕の目指しているものなので非常に嬉しかったです。

質疑の時に「なぜ、私たちにわかる身近な簡単な言葉で説明出来るんでしょう? どうしてこういう質問にも、わかりやすくお答えいただけるのでしょう?」という質問がありました。えーと、このネタだけで三日間講演出来ますけど(笑)
*ネタの引き出しが多い
*たとえ話を沢山用意している
*相手に伝わりやすい例えをするように心がける
そして最大のポイントが
*事前のリサーチ

これが一番大事。
今回を例にとると、まず「ふれあい見守り事業」とはなんぞやという所から入ります。対象者、目的、方法などですね。これは役所のHPを見れば書いてありますのでそれを参考にいろいろと調べるわけです。
そして訪問担当する民生委員さんの仕事(どうやって任命されるかとかも大事)、保健活動推進委員、友愛グループなどのメンバー特性も理解しておきます。
その上で、基本の「傾聴」テクニックの伝え方を工夫します。相手のスキルに合わせて、ちょっと斜め上あたりを目指すのがポイント。簡単だったら面白くないしね。それからこっそり知り合いの民生委員さんなどに訪問時のポイントとか、困った…などを取材します。
そのうえで「何を伝えるか」「どうすれば伝わるか」を考えます。自分で何度かシミュレーションして、言葉を選びます。誤解なく伝わるためには「ことばえらび」が重要です。
ここでのポイントは「専門用語を使わずに伝える」点です。専門用語は便利なものですが、これは「最低限の基礎が共有出来ている」からこそひとことで沢山の情報が伝わるんです。
ただし、今回はこれが使えません。基礎のレベルがバラバラだからです。
ここまでで既にけっこうな分量の資料になっているのですが、実際に昨日持って行った原稿は3枚です。これまでの資料で3日分のワークショップが出来るのですが、これをぎゅっと凝縮して90分のメニューに入れ込みます。

さてここからは本番の時の工夫です
会場に入って行くと、コーディネーター研修でお会いしたことのある方もちらほら。ちょっと緊張の場面です(この前とおんなじじゃないと、思われない進行が求められます)
あとは進めながら全体の雰囲気を掴んで、臨機応変にプログラムを進めて行きます。並び方とか、話し方とか、観察のポイントなどを適宜ちりばめつつ、固くならないように笑いも取り入れながら。
残り時間を計算しながらワークを作って行きます。

それぞれのワーク前後で「なんのためにやるのか」「具体的にどういう場面で役に立つのか」などをきちんとわかりやすくお伝えするようにします。単に研修を受けただけではなくて、その日のうちに仕事に行かせるヒントを一つでも掴んで頂けると「受けて良かったな」と感じて頂けるだろうからです。そして最後に二つぐらい「お土産」を用意します。これは参加者の構成やバックグラウンドを掴んで、いくつか持っているネタの中から選びます。
今回は「話しの長い人の止め方」「事前に早めに帰れるようにするには」の2点。
そしてワークショップなのでほとんどノートを取る時間がありませんし、メモ程度だと「わかったつもり」になって身に付かないので、要点をまとめたレジュメを一枚プレゼントします。
実は心理的効果を狙ったものなのですが(書いちゃっていいのかな(^▽^;))
長時間の話しなどの場合、ひとって大抵「最後の印象」しか残らないものなんですよ。だから最後にきちんと「わかりやすいまとめ」を受けとると、それまでにやってきたワークががっつりと長期記憶に刷り込まれる仕組みな訳です。
はい、実はこれだけが「なにか残るのよねぇ」の秘訣です。

あーあ、ついにばらしちゃった(笑)
そんな感じでやってます、僕の場合。