大好き!藁科川

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原初の森の跡

2010年09月23日 | 自然&生き物
不思議な光景を見かけました。
川の中に木が生えています。

これを見つけたのは、藁科川上流の日向地区にあるJA日向を前にした河道。川の中を歩いて調査をしていた時にさしかかって、もちろん最初は岩だと思い、何気なく表面の植物に目をやると、直径60cmほどの切り株で、驚きました。

地元の方に伺うと、「神代杉(じんだいすぎ)」との答えが返ってきました。

神代杉とは、長い間水中や土中に埋もれていた、大昔の杉のことを言いますが、支流の篭沢との出会いにかけたこの辺り一帯は、かつて巨大な杉の木が何本か立ち並ぶ原生林だったようです。その証拠に、むかし大水が出て河床がえぐれた際に、クモの巣のように張り巡らされた木の根っこを実際にこの目で見たと、地域のご年配の方数名から伺いました。

その大きさといったら、この場所から100mほど離れた集落の北側に建つ陽明寺にまで、木の影が届いていたそうで、ある一説では、日向とは標高差400mほどある西側の高台を、木の梢=杉の尾っぽが見えていたことから「杉尾」と名づけたとも。とにかく巨大な杉だったようです。

前の「水底での立ち話」で書いたように、この界隈の地質が砂泥質だったのが幸いして、根の部分が密閉されて、腐ることなく、今にその痕跡が残されてきたと考えられます。

今回見つけた切株はまさに氷山の一角で、この川の底の土壌深くには、今なお木の根のネットワークが張りめぐらされていることを思うと、想像力が刺激されますね。


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