■戦闘機の数を巡る課題
十年前といいますか小泉政権時代や第一次安倍政権時代に現在の厳しい安全保障情勢を伝える事が出来たとしても、考え過ぎだと一笑されるでしょう。

航空自衛隊の任務は歴史的な転換を迎える、それは要撃任務と対艦戦闘だけを主任務としていた冷戦時代型の防衛力では、現在の脅威に対応出来なくなっているという厳しい認識です。ただ、任務に対応できない中でも、憲法上の制約を再検討しなければ、まず訓練体系から法整備まで基盤を固めることさえ出来ない状況があります。

憲法なんていつでも変えられる、と豪語された自称識者の方や無視できる、と強がられました方を幾人か知っていますが、国民投票の手続きはいうほど簡単ではありません。法整備が憲法上のけんけつを縫うことは出来るでしょうが、装備体系と運用まで踏み込めず、軍事合理性を無視した整備しかできないことは自明でしょう。

政治問題化するリスクを考えた場合、違法の訓練を行っているとの国会での議論となった場合には政治は現場の要望に応えられないわけですし、また装備体系にも法的な整合性が必要となります。ただ、解釈改憲の限界があることも確かであり、もっとも現在の国家安全保障戦略は解釈改憲に無限の可能性を示していますが、分水嶺はある。

憲法改正はいずれ必要となるのかもしれませんが、このあたりは国民の政治への関心度とともに、まず現状をしる為の努力、労働時間と余暇のなかから政治への時間を捻出する努力をおこなわなければなりません。他方で、現行憲法の本土決戦主義、戦後日本は第二次大戦末期戦からのモラトリアム主義という実状は看過できるのか。

こうした認識が必要なのですが、上記の問題をどれだけ棚上げしたとしても、まず日々警戒監視任務とともに対領空侵犯措置任務に当たる航空自衛隊は、こうした準備多寡にかかわらず、緊張の増大を直接受けることになります。さて。課題となるのは航空優勢、いや言い方を変えましょう、日本を爆撃されないための選択肢です。

10年近く前の状況としまして、中国軍のミサイル爆撃機編隊が和歌山沖まで進出、東海10型ミサイルはこの地域から京都はもちろん、東京をミサイル爆撃できる射程を有しますから、このあたりから、中国との有事で沖縄が、という遠い場所が戦地という先の大戦のような認識ではなく安全保障は東京を含め逃げ場がないという単純な事実をつきつけました。

緊急発進の回数が年間2000回をこえてしまったのもこのころなのですが、この際に、防衛力はこのままで大丈夫なのか、という問題を突きつけられたもので、実際問題、この示威的な航空機の運用はしょうこうじょうたいとはなったものの、同じような航空機異常運用は今度は中華民国台湾へむけられることとなっています。

台湾への異常な航空機による示威行動は2020年に顕著となり、これにより飛行時間の異常増大からF-5などの老朽航空機の墜落事故が頻発するようになり、結果的に台湾は防空をホークミサイルなどによる照準に切り替え、異常な航空機接近以外は戦闘機を緊急発進させない運用へと転換してしまいました、いわば、対応不能になった構図だ。

自衛隊の戦闘機は大丈夫なのか、2000回を越えた異常な中国機による示威行動はいまでこそ沈静化していますが、その能力は逆に強化されており、いまは台湾の番、というだけでしてまた今度次に、日本の番、が再来した場合、戦闘機の数は大丈夫なのか、考えてゆかなければ成りません。少なくとも現状では厳しいのですから。

GCAP次期戦闘機のイギリスとの共同開発がすすんでいまして、これにより自衛隊は第六世代戦闘機をF-2戦闘機の後継機として導入することとなり、このF-3戦闘機というべき将来装備は2035年にも実用化されるという展望で開発は進められていますが、問題はこの2035年が今年でまだ2024年、10年以上さきでまだ姿形がない。

F-2再生産、冗談ですねもう工場にラインを再編する余地がありません。F-15EXの導入、これも実質厳しいのはボーイングの生産能力限界から異常な価格高騰にさらされていて変な話もう一つ三菱が工場を増設した方がまだましかもしれない。するとF-35増強いったくとなるのでしょうか、いやF-35も決して安価ではありません。

MQ-9のような無人機、非武装型を監視用に導入するようですが、AIM-9Xを搭載する能力があるMQ-9をある程度戦闘機の補助にもちいるのか、もしくはオーストラリアが開発しているロイヤルウイングマン無人僚機を導入して1機あたりの負担を軽減させるのか。戦闘機を増やす必要性はあるのですが、そのほかの選択肢も考えねばなりません。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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十年前といいますか小泉政権時代や第一次安倍政権時代に現在の厳しい安全保障情勢を伝える事が出来たとしても、考え過ぎだと一笑されるでしょう。

航空自衛隊の任務は歴史的な転換を迎える、それは要撃任務と対艦戦闘だけを主任務としていた冷戦時代型の防衛力では、現在の脅威に対応出来なくなっているという厳しい認識です。ただ、任務に対応できない中でも、憲法上の制約を再検討しなければ、まず訓練体系から法整備まで基盤を固めることさえ出来ない状況があります。

憲法なんていつでも変えられる、と豪語された自称識者の方や無視できる、と強がられました方を幾人か知っていますが、国民投票の手続きはいうほど簡単ではありません。法整備が憲法上のけんけつを縫うことは出来るでしょうが、装備体系と運用まで踏み込めず、軍事合理性を無視した整備しかできないことは自明でしょう。

政治問題化するリスクを考えた場合、違法の訓練を行っているとの国会での議論となった場合には政治は現場の要望に応えられないわけですし、また装備体系にも法的な整合性が必要となります。ただ、解釈改憲の限界があることも確かであり、もっとも現在の国家安全保障戦略は解釈改憲に無限の可能性を示していますが、分水嶺はある。

憲法改正はいずれ必要となるのかもしれませんが、このあたりは国民の政治への関心度とともに、まず現状をしる為の努力、労働時間と余暇のなかから政治への時間を捻出する努力をおこなわなければなりません。他方で、現行憲法の本土決戦主義、戦後日本は第二次大戦末期戦からのモラトリアム主義という実状は看過できるのか。

こうした認識が必要なのですが、上記の問題をどれだけ棚上げしたとしても、まず日々警戒監視任務とともに対領空侵犯措置任務に当たる航空自衛隊は、こうした準備多寡にかかわらず、緊張の増大を直接受けることになります。さて。課題となるのは航空優勢、いや言い方を変えましょう、日本を爆撃されないための選択肢です。

10年近く前の状況としまして、中国軍のミサイル爆撃機編隊が和歌山沖まで進出、東海10型ミサイルはこの地域から京都はもちろん、東京をミサイル爆撃できる射程を有しますから、このあたりから、中国との有事で沖縄が、という遠い場所が戦地という先の大戦のような認識ではなく安全保障は東京を含め逃げ場がないという単純な事実をつきつけました。

緊急発進の回数が年間2000回をこえてしまったのもこのころなのですが、この際に、防衛力はこのままで大丈夫なのか、という問題を突きつけられたもので、実際問題、この示威的な航空機の運用はしょうこうじょうたいとはなったものの、同じような航空機異常運用は今度は中華民国台湾へむけられることとなっています。

台湾への異常な航空機による示威行動は2020年に顕著となり、これにより飛行時間の異常増大からF-5などの老朽航空機の墜落事故が頻発するようになり、結果的に台湾は防空をホークミサイルなどによる照準に切り替え、異常な航空機接近以外は戦闘機を緊急発進させない運用へと転換してしまいました、いわば、対応不能になった構図だ。

自衛隊の戦闘機は大丈夫なのか、2000回を越えた異常な中国機による示威行動はいまでこそ沈静化していますが、その能力は逆に強化されており、いまは台湾の番、というだけでしてまた今度次に、日本の番、が再来した場合、戦闘機の数は大丈夫なのか、考えてゆかなければ成りません。少なくとも現状では厳しいのですから。

GCAP次期戦闘機のイギリスとの共同開発がすすんでいまして、これにより自衛隊は第六世代戦闘機をF-2戦闘機の後継機として導入することとなり、このF-3戦闘機というべき将来装備は2035年にも実用化されるという展望で開発は進められていますが、問題はこの2035年が今年でまだ2024年、10年以上さきでまだ姿形がない。

F-2再生産、冗談ですねもう工場にラインを再編する余地がありません。F-15EXの導入、これも実質厳しいのはボーイングの生産能力限界から異常な価格高騰にさらされていて変な話もう一つ三菱が工場を増設した方がまだましかもしれない。するとF-35増強いったくとなるのでしょうか、いやF-35も決して安価ではありません。

MQ-9のような無人機、非武装型を監視用に導入するようですが、AIM-9Xを搭載する能力があるMQ-9をある程度戦闘機の補助にもちいるのか、もしくはオーストラリアが開発しているロイヤルウイングマン無人僚機を導入して1機あたりの負担を軽減させるのか。戦闘機を増やす必要性はあるのですが、そのほかの選択肢も考えねばなりません。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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