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新年防衛論集二〇二二,再論-広域師団論:五方面隊下機能別旅団基幹の四個師団体制を目指せ!

2022-01-03 14:10:32 | 北大路機関特別企画
■再論-広域師団論
 新年防衛論集について本日は陸上防衛に関する一視点を再論してみたいと思います。

 師団というものを大きく再編すべきではないか。これは広域師団構想として、Weblog北大路機関草創期からの一つの主題ですが、外交防衛と安全保障環境の変容とともに必要な防衛力というものもまた変容していることを、やはり踏まえておかねばなりません。一方で、戦車装甲車始め、地上戦力は戦わずしての抑止力ではもっとも合理的に機能するものです。

 合理的に機能するというのは、陸上戦力が世界一般にもっとも想像しやすい軍事力の具現化であり、これが陸上で待ちかまえているという事実だけでも、軍事科学的にはシーレーン遮断やミサイルという選択肢がある場合であったとしても社会科学的には国民全般の共通認識として、自国防衛は盤石という認識を価値観として共有させやすいものがあります。

 広域師団。もともとは少数の大型師団へ自衛隊師団を再編するという主眼の研究でしたが、欧州各国をみますと1990年代から2010年代前半にかけての陸軍再編による師団の旅団化は2010年代後半より、旅団を基幹とした大型師団への再編という新しい変革を完了しようとしています。フランスとドイツやイギリスにイタリアなどは方向性では2個師団基幹へ。

 日本列島の大きさは、欧州地図にスライドさせますと北方の稚内を北欧のコペンハーゲンに充てるならば日本列島はちょうだいであり、南西の波照間は北アフリカのアルジェあたりに来るという、まさに日本列島は欧州大陸と地中海に匹敵する長さを有しています。すると欧州なみに2個師団では守り得ませんが、現状の9個師団にも規模として無理がある。

 4個広域師団という体制がもっとも合理的ではないか、旭川に北海道を守る第2機甲師団、練馬に首都圏と東日本を守る第1広域師団、千僧に京阪神と四国西日本を守る第3広域師団、福岡に九州と南西諸島を守る第4広域師団、この4個師団が最適で、加えて地域司令部や地域防衛行政拠点として、札幌と仙台に朝霞と伊丹と健軍に方面総監部を置く構図で。

 広域師団は、司令部機能を充実させるために新しい司令部を置くのではなく、第2師団と第1師団及び第3師団と第4師団を司令部機構を残し、師団管内の隊区は隣接する師団や旅団に編入させ、広域師団司令部とする、隊区の移管は方面混成団創設などで実例がありますし、陸上自衛隊は防衛行政面で幹部が不足しており、こうした再編は必要不可欠だ。

 旅団を主体とする。従来過去に議論した広域師団構想では、航空機動旅団と装甲機動旅団という機能別旅団編成を提案していますが、即応機動連隊という自衛隊の新しい試みは、より深層部分で防衛力整備へ自衛隊が大鉈を振るう覚悟を具現化させたものでした。従って、本論でも装甲機動連隊や遠征機動連隊といった改編への覚悟に応える案を提示したい。

 機能別旅団編成として、即応機動連隊を基幹とした即応機動旅団、戦車隊を有する装甲機動連隊を基幹とした装甲機動旅団、また軽量軽快な高機動車と対舟艇対戦車隊を組み合わせた遠征機動連隊を基幹とした遠征機動旅団を置き、現状の一個即応機動連隊に旅団重戦力を総取させる息苦しい編成から、難しいのだが複数の即応機動連隊基幹の旅団へ改める。

 第2機甲師団は隷下に第5装甲機動旅団と第7装甲機動旅団及び第11遠征機動旅団を置き、ヘリコプターは第2ヘリコプター隊に集約運用し特科部隊も第2特科連隊に集約、特科連隊隷下に第5特科隊と第7特科隊及び第11特科隊を置く。旭川と東千歳と真駒内の旅団を隷下に有し、北海道というロシア近傍の立地から戦車部隊を重視する編成とする私案です。

 第1広域師団は隷下に第6即応機動旅団と第9装甲機動旅団及び第12遠征機動旅団を置く、東部方面隊と東北方面隊、そして第1特科連隊隷下に3個特科隊を置く、また第2特科連隊も同様に全般支援大隊として現在は方面隊が装備しているMLRSも広域師団隷下に編入してしまう。MLRSはATACMSと後継の戦術ミサイルを運用可能で、全般支援可能です。

 第3広域師団は隷下に第10装甲機動旅団と第13遠征機動旅団に第14即応機動旅団、一個師団で中部方面隊管内全域を担当し、また現在の第1師団一部管区も引き継ぐ。これにより管内に海上自衛隊の舞鶴基地と呉基地及び横須賀基地、航空自衛隊の輸送機部隊の置かれる美保基地と小牧基地があり、恰も旧軍の広島第五師団並の緊急展開部隊として扱う。

 第4広域師団は隷下に第8装甲機動旅団、第15遠征機動旅団、水陸機動団を置く。水陸機動団には現在第8師団の隷下にある第42即応機動連隊を編入させ、海岸堡確保への重戦力を補完させる。広域師団は管区内での有事に際し初動部隊を果たし、同時に全国の広域師団は隊区警備を即応予備自衛官に移管し、全力で増援へ向かう。こうした理想の案です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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