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第7師団創設62周年記念東千歳駐屯地祭(2017-06-03)Key Mission80撮影速報

2017-06-03 23:55:50 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■最強!日本唯一の機甲師団祭
 最新鋭10式戦車が第71戦車連隊へ配備開始、東千歳駐屯地創立63周年記念行事へ本日、行ってきました。

 第7師団創設62周年記念東千歳駐屯地祭Key Mission80撮影速報、本日東千歳駐屯地へ展開しまして、千歳空港からつい先ほど戻りましたので、本日掲載予定でした“日本DDH物語”をお休みしまして、第7師団創設62周年記念東千歳駐屯地祭速報記事を紹介します。

 機甲師団、第7師団は日本唯一の機甲師団として1981年に第7師団を機械化師団編成から改編し誕生しました。北海道はソ連本土から指呼の距離にあり、着上陸の蓋然性は必ずしも低いものとは言えません、逆に自衛隊の万全の準備が有事そのものを抑止したといえる。

 北方の脅威は冷戦終結と共に大きく減退したことは確かです。しかし、ソ連崩壊がロシアに平和を齎した結果ではなく経済崩壊に伴い軍事力が維持できなくなっただけであり意志は崩壊しない、故に黒海沿岸や東欧に中東、ロシアは経済再建後に積極姿勢に出ました。

 戦車に機甲火砲に装甲車両が視界を広く埋め尽くす光景は日本にもこれだけの戦車があったのかとの新鮮な驚きと共に、平和国家日本の平和を維持し国民の平和的生存権を護り日本の平和主義を敵対勢力が悪用する事を許さない国家の無言の決意が見て取れるでしょう。

 東千歳駐屯地は新装備の実験場である。これは当方の撮影機材を示します。2012年にCANON-PowershotG-12を一眼レフの支援器材としてレリーズにて同時撮影するというWeblog撮影速報用写真の撮影方法を試験し成功しました。PowershotG-16へと続きました。

 新装備NIKON Key Mission80、今回撮影に用いたのはウェアラブルカメラの新型で自動撮影が可能というものです。ルート撮影機能として一定間隔で記録する機能があり、旅行や冒険探検にて使用者に装着し自動撮影するもので、この実験場に東千歳を選んだわけです。

 撮影機材としてのNIKON Key Mission80は30秒おきに撮影するルート撮影機能は果たして撮影時機を確実に記録できるかは不安要素でしたが、写真を見ての通りある程度の自動撮影は成果を収める事が出来ました。CANON-PowershotG-12程ではありませんが、ね。

 10式戦車の配備が開始されましたが、既に90式戦車で充足した戦車部隊、戦車に随伴し戦闘を支援する近接戦闘部隊と戦闘支援部隊の89式装甲戦闘車に73式装甲車、砲兵火力で敵を叩き潰す99式自走榴弾砲、空からの脅威に備える87式自走高射機関砲等、勢揃い。

 重装備は過去の物、という発想はフランスが全ての師団を旅団化しドイツ軍が猛烈な勢いで戦車を削減した十年前では通じたかもしれませんし、ロシアのウクライナ危機介入やシリア介入と北方領土要塞化の着手前という、五年前でも辛うじて説得力を持ったでしょう。

 しかし、ドイツ軍はロシア脅威へ対抗するべく戦車増強路線を提示し、フランスは2016年に機甲師団を2個再編しました。オランダが全廃した戦車の復活を決定し、戦車廃止計画を撤廃し維持の方針を示したイギリス、重装備維持が必要な国際情勢となってきた訳です。

 師団の編成は、戦車連隊が第71戦車連隊に第72戦車連隊と第73戦車連隊の三個、普通科連隊である第11普通科連隊は完全装甲化、第7特科連隊は自走榴弾砲の最新型を揃える機甲砲兵、防空の傘は第7高射特科連隊の連隊編成、これだけでも圧巻の規模と云えます。

 機動打撃を支える機甲師団は、偵察隊にも90式戦車が装備され本土の旅団戦車中隊に伍する規模です。通信大隊も装甲車で充足され通信搬送も防護、施設部隊も戦車を密接に支援するべく装甲化、後方支援部隊にも支援へ装甲車両が配備されているのだから規模は凄い。

 90式戦車が横五列に並べば50tの戦車が5両で実に250t、機甲師団の観閲行進は各種車両350両が参加する為に高速で疾走しなければ時間を要するため、しかし、高速で250tの一群が大群で進む様子、富士学校でも東北方記念行事でも北熊本や旭川でも見られません。

 観閲行進に続いて実施される訓練展示模擬戦ですが、北部方面隊の訓練展示は、旭川と東千歳については敵を撃退するのではなく押し潰す、という迫力と戦力の誇示に驚かされます、分りやすく云うならば、これだけの重装備があれば、守りは万全だろう、ということ。

 訓練展示は敵機甲部隊の侵攻に対し、第7師団がこれを撃破する、基本的な枠組みはこの通りです。しかし、戦車部隊を中心とする偵察隊が敵の状況を把握した上で戦車連隊が普通科連隊と協同し、特科部隊の支援と高射特科部隊の掩護を受けつつ、という規模が凄い。

 空包戦、というものではあるのですが特に施設大隊は地雷原処理車がロケットを実射しますし、白燐弾による煙幕の展開は富士総合火力演習を思わせるものです。富士総合火力演習の様に実弾射撃が行われないのですが展開する戦車と装甲車両はこちらの方が多数です。

 北海道は本日雨天の予報が出ていましたが、幸い朝には恵庭岳が千歳駅前から一望できるほどに好天に恵まれ、その後徐々にかわり式典は曇天となりましたものの雨天とはならず、戦車連隊を率いる機甲師団の迫力は悪天候さえ叩き返した、といえるところでしょうか。

 こうしたかたちで、第7師団創設62周年記念東千歳駐屯地祭の撮影を完了しました。今年の東千歳駐屯地祭は、先週千歳市で選挙がありまして、この関係で一週間遅れたとの事でした。駐屯地は思ったほど混雑しておらず、JR北海道の特急等を撮影し帰路に就きました次第です。

北大路機関:はるな くらま
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4 コメント

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Unknown (ドナルド)
2017-06-05 22:15:24
非常に横道コメントですみません。

フランスの戦車旅団は、2こ戦車連隊(各戦車60)、3こ機械化歩兵連隊(VBCI 1250人)を中核とする定員8000名の部隊。(6000名という表記もあるのですが、機械化歩兵連隊の規模から考えると、8000名という以下の英語版wikiを参照しています)

https://en.wikipedia.org/wiki/7th_Armoured_Brigade_(France)

第7師団は、3こ戦車連隊(各戦車74)、1こ機械化歩兵連隊(89式FVと73式APC 1500人)を中核とする6000名の部隊。

戦車は2倍多いですが、機械化歩兵部隊は4割くらいですね。フランスの機甲旅団の方が、日本の第7師団よりも大きな部隊です。

日本の第7師団が際立って戦車重視なことがよくわかる、ということで。。。
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北海道における74式戦車の運用に関して (通りすがりの親爺)
2017-06-06 09:51:55
今回、10式戦車が71TKRへ配属されました。
来年度以降、西部方面戦車隊への配備が落ち着いたら、74式の更新として10式が71TKと2TKに配備される計画と聞いています。
それにより余剰となった71TKの90式が2TKRへ管理替えを受けているそうですが、それに伴い来年度にかけて74式も用途廃止になっていくそうです。
恐らく来年か再来年の上富良野創立記念が3世代の戦車を一辺に見る事の出来る最後の機会の可能性が高いかと。
2TKも5中隊まで10式で揃え、普通科連隊への支援を行う1~3戦車中隊を90式に統一させる計画のようですしね。
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元々フランスは2:2 (はるな)
2017-06-13 23:57:16
ドナルド 様 こんばんは

フランス軍機甲師団はもともと2個戦車連隊に2個機械化歩兵連隊の2:2の編成で3個戦車連隊に1個歩兵連隊という3:1の編成とは異なる編成を伝統的に採っていた印象があります

一方、現在のフランス戦車連隊、視てみますと2個戦車連隊のうち一つは機械化歩兵と戦車中隊の混成編成になっていまして、即応性を重視しているのか、戦車に関する見方の違いなのか、ちょっと関心が深くなります
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旭川行きたかったのですが・・・ (はるな)
2017-06-26 23:58:48
通りすがりの親爺 様 こんばんは

旭川行きたかったのですが、三世代MBT勢揃いには興味があるも、ちょっと二回北海道展開は難しく、東千歳でいっぱいいっぱいでした
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