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浜松基地航空祭2012詳報⑤ F-2支援戦闘機機動飛行と浜松救難隊の救難飛行展示

2013-09-26 23:16:00 | 航空自衛隊 装備名鑑

◆撮影位置変更へ滑走路南北大回り

 飛行展示と飛行展示の合間を縫って、いよいよ滑走路の南側へ撮影位置の機動展開へ移動を開始しました。

Himg_2951 F-2支援戦闘機が轟音と共に浜松基地の上空へ飛来します、飛行展示は次の航空機、岐阜基地のF-2支援戦闘機へと展開しました。機体は雲を曳いていますが、これは機動飛行の急激な変動に空気中の水蒸気が水滴となって機体に沿いくっきり雲を曳いたもの、F-2の機動飛行は凄い。

Himg_2948 岐阜基地の飛行開発実験団に所属するF-2は増槽一本を搭載し、浜松基地まで展開しました。このF-2支援戦闘機の航続距離は大きく、岐阜基地から浜松基地までは挨拶のようなものなのですが、なんとこのF-2,今年の富士総合火力演習へは福岡県の築城基地から東富士演習場まで無着陸往復飛行しています。

Himg_2968 対艦攻撃を主任務とするF-2支援戦闘機は四発の対艦ミサイルを搭載し、東北地方の基地から北海道北端以遠の艦隊を攻撃する任務に当たる航空機、戦闘行動半径は元々大きいのですが、九州から本州中部へ飛行し、近接飛行展示まで悪天候の中を駿河湾上空で待機、その後対地攻撃展示を行い、そのまま九州へ帰投、中々の戦闘行動半径と言えるでしょう。

Himg_2982 さて、このF-2飛行展示ですが、先ほど、前回掲載したT-7練習機の飛行展示終了から10分後に開始されました。当方は前回紹介した通り、逆光となる撮影条件のメイン会場地区から、順光の滑走路南側の航空自衛隊広報館方面へタクシーで向かいましたが、流石に10分では移動できません。

Himg_2983 滑走路の反対側へ、とはいっても横断歩道等ありませんし、地下鉄もありません、そこでタクシーですが、運悪く、ではないですか、当然のように、というべきでしょう、タクシーは大渋滞に巻き込まれました。そう、南側には一般駐車場があり、とうの昔は開門時間から数十分で満車状態となたのですが、車は押し寄せるばかり、即ち動かない渋滞のど真ん中にタクシーで突き出してしまった、かたち。

Himg_2985 そこで、なんとF-2支援戦闘機の機動飛行はタクシーの運転手さんにお願いして車内から移動しつつ撮影をしたわけなのですが、流石国産デジタル一眼レフの性能でなんとか上記の通りの写真を時として動く車内から、遮蔽物と地形障害を躱して撮影することができたというわけ。

Himg_2986 これ以上タクシーで移動しても、渋滞の中でしかし、基地から離れる経路を選べばタクシーは離脱できる、何より徒歩の方が早そうという事もありましたので、Uターンできるところでタクシーを停車させ、会計を済ませて残り1kmを徒歩で踏破しました。戻るルートは駐車場と逆方向なので空いているのですよ。

Himg_2997 さあ、広報館へ徒歩だ、と思うのですが、歩けどもあるけども、それとは無関係にどんどん以降展示が進んでゆくもので、F-2支援戦闘機の機動飛行、E-767空中早期警戒管制機の離陸に続いて、今度はプログラム通りに浜松救難隊の救難飛行展示が開始されるに至りました。

Himg_3003 ちなみに、救難飛行展示ですが、滑走路の南側の広報館ではなく北側の航空祭メイン会場からいちばん良く見える位置で捜索と救難員の展開に救助までの流れを展示するので、このあたりからは後塵を拝するといいますか、流石にここまでローターが引き起こすダウンウォッシュの後塵は飛んでこないのですが、後ろ姿しか見えない。

Himg_3005 しかし、救難ヘリコプターUH-60Jは後ろ姿だけなのですが、旋回半径の大きいU-125A救難機は頭上を大きく旋回飛行していますので、この機会を逃さずに撮影します。U-125は高速度を以て迅速に遭難海域へ展開し、要救助者の位置を素早く確認、救援物資を落下傘で投下しつつ救難ヘリコプターを誘導するのが任務です。

Himg_3008 U-125A救難機は1994年から配備が開始されており、2008年には旧式化したMU-2捜索救難機を完全に置き換えるに至っています。最高速度がMU-2の倍にあたる950km/hで、このほか飛行点検機として運用されていたMU-2Jの後継機としてもU-125Aが採用されています。ただ、運用開始から来年で20年、そろそろ延命か後継機選定かを行う必要が出てくるでしょう。

Himg_3016 広報館の方を眺めると、おお、富士山が見えてきました。浜松基地航空祭のこの日は2012年11月18日、もう雪化粧という季節なのですが、ここ浜松から御殿場までは在来線で三時間半という遠い距離、しかし天候条件が良ければこのようにくっきりと見えてくるのですね。

Himg_3040 救難飛行展示を終えたUH-60Jがメイン会場のエプロン地区から広報館方面まで飛行、迷彩塗装が増えるなか今では基調となった救難塗装の機体を見せてくれました、この広報館も撮影地として有名で、航空祭の大混雑を避ける家族連れには人気ということもあり、こちらまで飛行してくれたのでしょうか。

Himg_3048 なお、1988年より導入開始となったUH-60Jは後継機としてUH-60J改が開発されることとなり、40機のUH-60J改と20年間の維持費を含めたプロジェクトコストを1900億円として、三菱重工と防衛省が合意に至っています。

Himg_3058 UH-60J改は機体コストは大きいですが、飛行能力とフェリー航続距離2200kmと長距離飛行が可能ですので、陸上自衛隊も方面航空隊用に100機ほど維持費込4750億円で導入できないか、と思うところ。そんなことを思う当方の頭上をU-125が飛び抜けてゆきました。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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