■吠える護衛艦衝く潜水艦
ボフォース対潜ロケットの実弾射撃により沸き立つ海面は実弾ならではの迫力です。
潜水艦を制圧する、この威力は非常に大きく、写真は望遠ズームレンズにより撮影しているため、かなり距離があるのですが、ぶーんというロケットモーターの独特の音響の後に遠くあがる水柱そしてその直後突き上げるような衝撃が足下から伝わってくるのですね。
現代の視点からは潜水艦が発射する長魚雷、大型護衛艦も一発でしとめる危険な魚雷への迎撃手段として考えられているようですし、もうひとつ280kgという重量は水陸機動作戦における沿岸へ火力支援に用いられます。5インチ砲弾の37kgよりも遙かに強力ですから。
ゆうばり型護衛艦、沿岸警備用の護衛艦であり、水上打撃力を確保するためにハープーン艦対艦ミサイルを搭載、対潜用にはアスロック対潜ロケットではなく軽量なボフォースロケットを搭載したもの。建造費用はP-3C哨戒機よりも安価、当初は沿岸警備艦と呼ばれる。
護衛艦大型化という趨勢を受け、DEという沿岸護衛艦が建造されなくなりまして今に至ります。ただ、揺れて大変だし居住性も悪いけれど世帯が小さく若手幹部が経験を積むには良い護衛艦であった、DEあぶくま型とともにベテランの方々のお話で聞き、なるほど、と。
潜水艦の運動展示がはじまります。潜水艦そうりゅう所属は第1潜水隊群第5潜水隊、潜水艦わかしお所属は第2潜水隊群第4潜水隊、潜水艦なつしお所属は第1潜水隊群第5潜水隊となっていまして、潜水艦の運動性能特色を潜水艦各型ごとに展示してゆくのですね。
あしがら、ゆうべつ。ボフォースロケットの実弾射撃展示を終えて航行する護衛艦ゆうべつ、そして受閲部隊旗艦あしがら。海上自衛隊では護衛艦定数が冷戦後縮小されたものの、任務は南方警備などで逆に増大した為、同じ一隻ならばより大型のものへ、収斂しました。
くらま、ここから潜水艦わかしお急速潜航する様子を。はるしお型潜水艦である潜水艦わかしお、は水中高速性能を重視した涙滴型船体形状を採用しています。わかしお遠景によくみますとミサイル艇はやぶさ型が次の展示に備え待機している様子が確認できますね。
わかしお。海上自衛隊では水中高速性能を重視した潜水艦を、アメリカのバーベル級に範を採った潜水艦うずしお型、ゆうしお型、はるしお型、と建造しましたが続く潜水艦おやしお型からは葉巻型船体構造となり、速力より水中航続力を重視した設計となっています。
はるしお型潜水艦わかしお急速潜航の様子、涙滴型形状の潜水艦集大成となった本型は冷戦時代、日本本土に着上陸を行いシーレーンを遮断し得るソ連大型巡洋艦を速力を以て確実に日本近海で撃破する事が任務として、高速性、一撃離脱を重視し設計されました。
おやしお型潜水艦以降の海上自衛隊潜水艦は葉巻型形状を採用しまして、これはディーゼルエレクトリック方式潜水艦では標準的な設計なのですが、短距離の高速性能よりも航続距離を重視した形状といわれます、この設計変更の背景には冷戦終結が影響しているとも。
わかしお筆頭に涙滴型船体構造の潜水艦は、ソ連太平洋艦隊という冷戦時代の我が国海上防衛に対する最大の脅威が日本海側にあり、津軽海峡や宗谷海峡と対馬海峡付近で、つまり日本近海での防衛を念頭と出来たのですね、海上自衛隊は近海作戦を求められたという。
ポスト冷戦とともに世界規模の潜水艦脅威の拡散や中国軍事力の台頭、フィリピン島嶼部の不法占拠が在ったのは1990年代初頭であり、日本近海ではなく日本から離れた海域でのシーレーンへの脅威が及ぶようになったために長大な航続距離が求められた、転換がある。
こんごう艦首のさらに奥に潜水艦の艦橋、セイルの頂点が見える。潜水艦そうりゅう所属は第1潜水隊群第5潜水隊、潜水艦わかしお所属は第2潜水隊群第4潜水隊、潜水艦なつしお所属は第1潜水隊群第5潜水隊、各型が性能が違いますのでその特性が独特なのです。
急速浮上。潜水艦と云えばこの迫力の航行展示を思い出される方も多いでしょう、急に浮上してきます。緊急時に海上に浮上する場合などに展開されるのですが。はるしお型までの涙滴型船体を有する潜水艦でなければこの迫力の急速浮上の様子を見る事は出来ません。
潜水艦らしい展示ではあるのですが、実はこれ、海面に飛び出すような急浮上は迫力があるだけで、要するに高速性能を重視しすぎた結果で制御が利いていない航行ともいえまして、きめ細やかな動きが苦手なのですね。葉巻型船体の潜水艦おやしお型ではできない。
あさしお。はるしお型潜水艦で最後まで現役に在りました一隻が除籍されました現代では、海上自衛隊が原子力潜水艦でも建造しない限り速力は大きいがエネルギー消費も大きな涙滴型船体構造の潜水艦建造は考えにくく、実のところもうみられない迫力の情景といえる。
なつしお緊急浮上展示、背景に護衛艦はつゆき型が見えます。涙滴型船体構造の潜水艦と重武装を誇る護衛艦はつゆき型の展示は冷戦時代の名残りであり、平成時代初期に整備されました新しい過渡期の防衛力、その象徴的な取り合わせ、といえるのかもしれませんね。
はるしお型、しかし2020年代の今日から視た場合でも最新鋭とは言い難いものですが、ハープーンミサイルの運用能力があり、実のところ世界を見ますと同世代である1990年代の潜水艦は意外な程に多く、潜水艦は潜航できるというだけで非常に大きな存在意義がある。
我が国には三菱重工神戸造船所と川崎重工神戸造船所が潜水艦を建造しています、潜水艦は建造に二年を要しますので毎年一隻を建造できるのですが、そもそも世界を見ますと潜水艦を国産やライセンス生産出来る造船所を持っている国のほうが少数派、なのですね。
潜水艦造船所を二カ所維持しているのは、日本以外にはアメリカ、中国、そしてロシアくらい。自衛隊はこの当時16隻の作戦潜水艦と2隻の練習潜水艦、現在は22隻の作戦潜水艦と2隻の練習潜水艦がありますが、潜水艦は現在非常に高価であり日本の規模は大きい。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
ボフォース対潜ロケットの実弾射撃により沸き立つ海面は実弾ならではの迫力です。
潜水艦を制圧する、この威力は非常に大きく、写真は望遠ズームレンズにより撮影しているため、かなり距離があるのですが、ぶーんというロケットモーターの独特の音響の後に遠くあがる水柱そしてその直後突き上げるような衝撃が足下から伝わってくるのですね。
現代の視点からは潜水艦が発射する長魚雷、大型護衛艦も一発でしとめる危険な魚雷への迎撃手段として考えられているようですし、もうひとつ280kgという重量は水陸機動作戦における沿岸へ火力支援に用いられます。5インチ砲弾の37kgよりも遙かに強力ですから。
ゆうばり型護衛艦、沿岸警備用の護衛艦であり、水上打撃力を確保するためにハープーン艦対艦ミサイルを搭載、対潜用にはアスロック対潜ロケットではなく軽量なボフォースロケットを搭載したもの。建造費用はP-3C哨戒機よりも安価、当初は沿岸警備艦と呼ばれる。
護衛艦大型化という趨勢を受け、DEという沿岸護衛艦が建造されなくなりまして今に至ります。ただ、揺れて大変だし居住性も悪いけれど世帯が小さく若手幹部が経験を積むには良い護衛艦であった、DEあぶくま型とともにベテランの方々のお話で聞き、なるほど、と。
潜水艦の運動展示がはじまります。潜水艦そうりゅう所属は第1潜水隊群第5潜水隊、潜水艦わかしお所属は第2潜水隊群第4潜水隊、潜水艦なつしお所属は第1潜水隊群第5潜水隊となっていまして、潜水艦の運動性能特色を潜水艦各型ごとに展示してゆくのですね。
あしがら、ゆうべつ。ボフォースロケットの実弾射撃展示を終えて航行する護衛艦ゆうべつ、そして受閲部隊旗艦あしがら。海上自衛隊では護衛艦定数が冷戦後縮小されたものの、任務は南方警備などで逆に増大した為、同じ一隻ならばより大型のものへ、収斂しました。
くらま、ここから潜水艦わかしお急速潜航する様子を。はるしお型潜水艦である潜水艦わかしお、は水中高速性能を重視した涙滴型船体形状を採用しています。わかしお遠景によくみますとミサイル艇はやぶさ型が次の展示に備え待機している様子が確認できますね。
わかしお。海上自衛隊では水中高速性能を重視した潜水艦を、アメリカのバーベル級に範を採った潜水艦うずしお型、ゆうしお型、はるしお型、と建造しましたが続く潜水艦おやしお型からは葉巻型船体構造となり、速力より水中航続力を重視した設計となっています。
はるしお型潜水艦わかしお急速潜航の様子、涙滴型形状の潜水艦集大成となった本型は冷戦時代、日本本土に着上陸を行いシーレーンを遮断し得るソ連大型巡洋艦を速力を以て確実に日本近海で撃破する事が任務として、高速性、一撃離脱を重視し設計されました。
おやしお型潜水艦以降の海上自衛隊潜水艦は葉巻型形状を採用しまして、これはディーゼルエレクトリック方式潜水艦では標準的な設計なのですが、短距離の高速性能よりも航続距離を重視した形状といわれます、この設計変更の背景には冷戦終結が影響しているとも。
わかしお筆頭に涙滴型船体構造の潜水艦は、ソ連太平洋艦隊という冷戦時代の我が国海上防衛に対する最大の脅威が日本海側にあり、津軽海峡や宗谷海峡と対馬海峡付近で、つまり日本近海での防衛を念頭と出来たのですね、海上自衛隊は近海作戦を求められたという。
ポスト冷戦とともに世界規模の潜水艦脅威の拡散や中国軍事力の台頭、フィリピン島嶼部の不法占拠が在ったのは1990年代初頭であり、日本近海ではなく日本から離れた海域でのシーレーンへの脅威が及ぶようになったために長大な航続距離が求められた、転換がある。
こんごう艦首のさらに奥に潜水艦の艦橋、セイルの頂点が見える。潜水艦そうりゅう所属は第1潜水隊群第5潜水隊、潜水艦わかしお所属は第2潜水隊群第4潜水隊、潜水艦なつしお所属は第1潜水隊群第5潜水隊、各型が性能が違いますのでその特性が独特なのです。
急速浮上。潜水艦と云えばこの迫力の航行展示を思い出される方も多いでしょう、急に浮上してきます。緊急時に海上に浮上する場合などに展開されるのですが。はるしお型までの涙滴型船体を有する潜水艦でなければこの迫力の急速浮上の様子を見る事は出来ません。
潜水艦らしい展示ではあるのですが、実はこれ、海面に飛び出すような急浮上は迫力があるだけで、要するに高速性能を重視しすぎた結果で制御が利いていない航行ともいえまして、きめ細やかな動きが苦手なのですね。葉巻型船体の潜水艦おやしお型ではできない。
あさしお。はるしお型潜水艦で最後まで現役に在りました一隻が除籍されました現代では、海上自衛隊が原子力潜水艦でも建造しない限り速力は大きいがエネルギー消費も大きな涙滴型船体構造の潜水艦建造は考えにくく、実のところもうみられない迫力の情景といえる。
なつしお緊急浮上展示、背景に護衛艦はつゆき型が見えます。涙滴型船体構造の潜水艦と重武装を誇る護衛艦はつゆき型の展示は冷戦時代の名残りであり、平成時代初期に整備されました新しい過渡期の防衛力、その象徴的な取り合わせ、といえるのかもしれませんね。
はるしお型、しかし2020年代の今日から視た場合でも最新鋭とは言い難いものですが、ハープーンミサイルの運用能力があり、実のところ世界を見ますと同世代である1990年代の潜水艦は意外な程に多く、潜水艦は潜航できるというだけで非常に大きな存在意義がある。
我が国には三菱重工神戸造船所と川崎重工神戸造船所が潜水艦を建造しています、潜水艦は建造に二年を要しますので毎年一隻を建造できるのですが、そもそも世界を見ますと潜水艦を国産やライセンス生産出来る造船所を持っている国のほうが少数派、なのですね。
潜水艦造船所を二カ所維持しているのは、日本以外にはアメリカ、中国、そしてロシアくらい。自衛隊はこの当時16隻の作戦潜水艦と2隻の練習潜水艦、現在は22隻の作戦潜水艦と2隻の練習潜水艦がありますが、潜水艦は現在非常に高価であり日本の規模は大きい。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
今の1隻づづ毎年交互に2つの造船所に発注している現在の体制では無理。
ドッグはあるとして、熟練工を育てないと年間1隻が限度。
どちらかの造船所の人員と設備や機械を倍増させて年間1.5隻竣工させれば30年使用で45隻か!
ドイツの潜水艦は30年以上は使うから、
海自でも同じくらい使うのなら、30隻(練習艦や実験艦を含む)は運用できるとは思うのだが、
現実は22隻+練習艦2隻⁺実験艦1隻の25隻の配備計画だから、25年間の利用計画ということだね。