■防衛フォーラム
最新情報としまして各国の全通飛行甲板型艦艇最新情報を集めてみました。

アメリカ海軍はアメリカ級強襲揚陸艦三番艦のブーゲンビル進水式を挙行しました。アメリカ級強襲揚陸艦としてはウェルドックをもつ改良型フライト1の一番艦となります。アメリカ級強襲揚陸艦は先行するワスプ級強襲揚陸艦の先進設計を採用した8番艦マキンアイランドの設計を基にウェルドックを廃止した新しい設計の強襲揚陸艦です。

ワスプ級とその前のタラワ級強襲揚陸艦はウェルドックを採用しており、もともとエセックス級空母やカサブランカ級護衛空母を海兵隊のヘリコプター部隊の母艦として運用する構想の延長線上にイオージマ級強襲揚陸艦を設計したものの、やはり重装備の揚陸にはドック機能も必要であるとしてタラワ級にウェルドックが設置されていました。

アメリカ級強襲揚陸艦は、F-35B戦闘機など海兵隊の航空機部隊強化を背景にウェルドック区画を航空機用区画に転用したほうが航空作戦全般に有利であるとの視座からウェルドックを廃止しましたが、海兵隊からの強い運用上の不具合が寄せられ、アメリカと二番艦トリポリはそのまま建造し、ブーゲンビルからウェルドックを復活させた構図です。
■インドIAC-2新空母
最終的に3隻体制を目指しているということですが。

インド国防省は国産空母ヴィクラントに続く航空母艦二番艦IAC-2の建造を承認しました。インド国防省によれば今後具体的な建造費についてインド政府の承認を受け建造を開始するとのこと。インド海軍は各方面艦隊へ1隻の航空母艦を配備する構想があり、この為には航空母艦は3隻、中古空母ヴィクラマディーチャの老朽化も進んでいます。

IAC-2航空母艦について、ヴィクラントは建造が長期化しましたが、現在インド海軍は空母艦載機としてラファール戦闘機を選定していますが、その調達予定数は26機とヴィクラントの艦載機分だけであり、これを増強するのか、若しくはインド空軍用に開発が進められているテジャス戦闘機の空母艦載機型を開発するのかについても未定となっています。

インド海軍は国産空母ヴィクラントを既に就役させていますが、艦載機はMiG-29戦闘機を採用しており、これはロシアの中古空母ヴィクラマディーチャと同じですが、将来艦載機としてラファールを採用しています。しかし、その課題は現在の空母におけるラファールの性能発揮が未知数という点で、今後の評価試験も必要になってくることでしょう。
■アナドルにTB-3艦載機
海上戦闘においてTB-3が特に脅威度の高い海域においてどの程度用途があるのかが非常に興味深い要素です。

トルコ海軍が強襲揚陸艦アナドル艦載機として導入するTB-3無人機がまもなく初飛行を迎える見込み。バイラクタルTB-3はトルコのチョルル市に搬入されており、ここから試験に臨む。バイラクタルTB-3はロシアウクライナ戦争の緒戦で活躍したバイラクタルTB-2の後継機であり、特筆すべきは行動半径の大きさと発着方法の改良となっています。

バイラクタルTB-3はTB-2の基本型が指令ビーム方式を採用していたのに対して衛星管制方式を採用し、指令ビームの圏外においても管制が可能となった事で航続距離は1900㎞まで延伸しており、また短距離離着陸能力を重視したことでトルコ海軍初の全通飛行甲板型艦艇である強襲揚陸艦アナドル艦上からの運用も可能となる見込みです。

アナドル艦上での運用について、バイラクタル社はこのバイラクタルTB-3へ限定的な空対空戦闘能力を付与することで艦対空ミサイルの射程外における防空戦闘をある程度意識しているとのこと。この技術を受け、アメリカのジェネラルアトミクス社は同社のMQ-9リーパーへ艦上型開発を設計するなど、着眼点はアメリカも注目しています。
■トリエステ緊急入港
イタリアはカブールでF-35B運用能力を確保し日本よりも一歩進んだ地中海と大西洋の海洋防衛委版を構築しつつある。

イタリア海軍の強襲揚陸艦トリエステは公試中に推進装置の問題が確認されトリエステ港に緊急入港した。強襲揚陸艦トリエステはイタリア海軍最大の艦艇として建造されているもので、1982年に就役した空母ジュゼッペガリバルディの後継艦となっています。ジュゼッペガリバルディは同種の艦艇と比較し小型でしたが、トリエステは大きい。

トリエステの満載排水量は38000tとされ、アメリカ海軍のワスプ級強襲揚陸艦とアメリカ級強襲揚陸艦に続く世界第二位の排水量を誇り、中国海軍の075型強襲揚陸艦にも並ぶ規模とされていますが、当初計画では2023年6月に竣工予定であったものの、10月まで公試を延長している最中で推進系統の問題が確認されたかたち、長引きそうです。

ジュゼッペガリバルディは空母カブールのF-35B戦闘機運用能力付与を以て実質的に強襲揚陸艦運用となっています。トリエステについてはその飛行甲板からF-35B戦闘機を空母カブール以上に余裕をもって運用できる可能性を示しましたが、この為にはイタリアは30機を空軍と海軍が分けて運用するF-35Bの更なる調達を検討するのでしょう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
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アメリカ海軍はアメリカ級強襲揚陸艦三番艦のブーゲンビル進水式を挙行しました。アメリカ級強襲揚陸艦としてはウェルドックをもつ改良型フライト1の一番艦となります。アメリカ級強襲揚陸艦は先行するワスプ級強襲揚陸艦の先進設計を採用した8番艦マキンアイランドの設計を基にウェルドックを廃止した新しい設計の強襲揚陸艦です。

ワスプ級とその前のタラワ級強襲揚陸艦はウェルドックを採用しており、もともとエセックス級空母やカサブランカ級護衛空母を海兵隊のヘリコプター部隊の母艦として運用する構想の延長線上にイオージマ級強襲揚陸艦を設計したものの、やはり重装備の揚陸にはドック機能も必要であるとしてタラワ級にウェルドックが設置されていました。

アメリカ級強襲揚陸艦は、F-35B戦闘機など海兵隊の航空機部隊強化を背景にウェルドック区画を航空機用区画に転用したほうが航空作戦全般に有利であるとの視座からウェルドックを廃止しましたが、海兵隊からの強い運用上の不具合が寄せられ、アメリカと二番艦トリポリはそのまま建造し、ブーゲンビルからウェルドックを復活させた構図です。
■インドIAC-2新空母
最終的に3隻体制を目指しているということですが。

インド国防省は国産空母ヴィクラントに続く航空母艦二番艦IAC-2の建造を承認しました。インド国防省によれば今後具体的な建造費についてインド政府の承認を受け建造を開始するとのこと。インド海軍は各方面艦隊へ1隻の航空母艦を配備する構想があり、この為には航空母艦は3隻、中古空母ヴィクラマディーチャの老朽化も進んでいます。

IAC-2航空母艦について、ヴィクラントは建造が長期化しましたが、現在インド海軍は空母艦載機としてラファール戦闘機を選定していますが、その調達予定数は26機とヴィクラントの艦載機分だけであり、これを増強するのか、若しくはインド空軍用に開発が進められているテジャス戦闘機の空母艦載機型を開発するのかについても未定となっています。

インド海軍は国産空母ヴィクラントを既に就役させていますが、艦載機はMiG-29戦闘機を採用しており、これはロシアの中古空母ヴィクラマディーチャと同じですが、将来艦載機としてラファールを採用しています。しかし、その課題は現在の空母におけるラファールの性能発揮が未知数という点で、今後の評価試験も必要になってくることでしょう。
■アナドルにTB-3艦載機
海上戦闘においてTB-3が特に脅威度の高い海域においてどの程度用途があるのかが非常に興味深い要素です。

トルコ海軍が強襲揚陸艦アナドル艦載機として導入するTB-3無人機がまもなく初飛行を迎える見込み。バイラクタルTB-3はトルコのチョルル市に搬入されており、ここから試験に臨む。バイラクタルTB-3はロシアウクライナ戦争の緒戦で活躍したバイラクタルTB-2の後継機であり、特筆すべきは行動半径の大きさと発着方法の改良となっています。

バイラクタルTB-3はTB-2の基本型が指令ビーム方式を採用していたのに対して衛星管制方式を採用し、指令ビームの圏外においても管制が可能となった事で航続距離は1900㎞まで延伸しており、また短距離離着陸能力を重視したことでトルコ海軍初の全通飛行甲板型艦艇である強襲揚陸艦アナドル艦上からの運用も可能となる見込みです。

アナドル艦上での運用について、バイラクタル社はこのバイラクタルTB-3へ限定的な空対空戦闘能力を付与することで艦対空ミサイルの射程外における防空戦闘をある程度意識しているとのこと。この技術を受け、アメリカのジェネラルアトミクス社は同社のMQ-9リーパーへ艦上型開発を設計するなど、着眼点はアメリカも注目しています。
■トリエステ緊急入港
イタリアはカブールでF-35B運用能力を確保し日本よりも一歩進んだ地中海と大西洋の海洋防衛委版を構築しつつある。

イタリア海軍の強襲揚陸艦トリエステは公試中に推進装置の問題が確認されトリエステ港に緊急入港した。強襲揚陸艦トリエステはイタリア海軍最大の艦艇として建造されているもので、1982年に就役した空母ジュゼッペガリバルディの後継艦となっています。ジュゼッペガリバルディは同種の艦艇と比較し小型でしたが、トリエステは大きい。

トリエステの満載排水量は38000tとされ、アメリカ海軍のワスプ級強襲揚陸艦とアメリカ級強襲揚陸艦に続く世界第二位の排水量を誇り、中国海軍の075型強襲揚陸艦にも並ぶ規模とされていますが、当初計画では2023年6月に竣工予定であったものの、10月まで公試を延長している最中で推進系統の問題が確認されたかたち、長引きそうです。

ジュゼッペガリバルディは空母カブールのF-35B戦闘機運用能力付与を以て実質的に強襲揚陸艦運用となっています。トリエステについてはその飛行甲板からF-35B戦闘機を空母カブール以上に余裕をもって運用できる可能性を示しましたが、この為にはイタリアは30機を空軍と海軍が分けて運用するF-35Bの更なる調達を検討するのでしょう。
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