北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

協同転地演習自衛隊貨物輸送 第10師団、東海道本線を北方へ!

2009-06-28 23:18:00 | 防衛・安全保障

◆JR貨物による自衛隊車両の輸送

 陸上自衛隊協同転地演習、旧称北方機動演習が実施中である。本日は、JR貨物の協力を得て第10師団の車両を搭載した貨物列車が東海道本線を行く様子を紹介したい。

Img_9230  EF-65電気機関車の牽引で東海道本線を北海道に向かう自衛隊貨物輸送。傍目にはEF-65が牽引するJR貨物による普通の貨物列車なのだが、よくみると、その牽引する車両は、無蓋貨車に載せられた第10師団の各種車両である。清州駅にて撮影で、昨日停車していたのが新快速から見えた編成、稲沢貨物ターミナルより出発した貨物列車だ。

Img_9253  本来であれば撮影ポイントは、いつもお世話になる方々のご指南を仰ぐのだが、まきなみ、しきなみ、あやなみ、イラストリアスなどの関係の所用があるとのことで、今回、地理に疎い小生一行二名で展開。まきなみ、しきなみ、あやなみ、イラストリアス、海上自衛隊護衛艦と海上保安庁巡視船と英海軍空母の合同海賊対処演習でもあったのだろうか(違)。

Img_9256  78式戦車回収車。無蓋貨車に載せられているが、カバーが被せられ、履帯が取り外されている。一瞬73式装甲車かとおもったのだが、発煙弾発射器の位置が違い、しかも駆動転輪の位置が違う。特大トラックでも運搬可能な73式装甲車ならば別として、74式戦車の車体を改修した78式戦車改修車は重量があり、しかも幅が広い。

Img_9263  74式戦車は、日本の在来線軌間1067㍉では、鉄道輸送は不可能といわれていたのだが、履帯とそのカバーを取り外したならば、写真のように鉄道貨物輸送に対応するようだ。74式戦車の場合はどうなのか、ちょっと興味が湧く次第。他方、よく部品などを取り外し、創意工夫で搭載したものだ、と後方支援連隊の奮闘には驚かされた。

Img_9276  資材運搬車。今回の貨物輸送でいちばん数が多かったのは、この資材運搬車。野戦築城などの機材や資材を運搬するための車両で、各普通科連隊の本部管理中隊施設作業小隊などに配備されている。こうした鉄道貨物輸送では、戦車大隊本部などに配備されている73式装甲車などが輸送される事例が多かった。

Img_9356  これは装軌式、つまり一般にキャタピラ式と呼ばれる車両が長距離での自走移動に向いていない、もしくは多くの後方支援を必要とすることから貨物輸送を行っており、61式戦車も1067㍉軌間での輸送が可能なよう設計されていた。しかし、近年、高速道路などを高速で自走出来る96式装輪装甲車などが配備されており、鉄道輸送されることが少なくなったのだろうか。

Img_9337  電気機関車を先頭に、78式戦車回収車、資材運搬車、そして写真の小型ドーザという編成。無蓋貨車、特に写真の小型ドーザを搭載している貨車の“コトラ”は珍しいらしいのだが,本来、鉄鉱石や石炭などを運搬する無蓋貨車に、施設車両、つまり車両が載せられているのも珍しいといえよう。

Img_9330  自衛隊貨物輸送の編成。ブルートレインを撮影するときのように、電気機関車を中心に撮っていたのだが、考えてみれば、後ろからのアングルの方が、他の貨物列車との差異が端的に出ているといえるかもしれない。清州駅通過後、しばらく停車したのち、東海道本線を東京方面へ、移動していった。

HARUNA

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コメント (10)
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