ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

「山下幹子 in 太陽にほえろ!’79~’81」

2022-12-21 23:23:05 | 刑事ドラマ'80年代

不遇の新人刑事と云われるスニーカー(山下真司)だけど、その妹=五代早苗(山下幹子)はもっと不遇でした。

主役の刑事とアパートで同居してる妹なら、たとえば恋人が出来て兄貴をヤキモキさせたり、犯人に捕まって大ピンチ!みたいな見せ場があっても良さそうなもん……っていうか、その為に設定されたキャラクターじゃないの?って話です。

ところが一向に活躍させてもらえないどころか、やっと「海の牧場プロジェクトに参加するから沖縄に帰ります」っていうドラマを与えられた途端、乱射事件に巻き込まれてあっけなく絶命!ですからね。

要するに、言い方は悪いけど、スニーカーの退場編を盛り上げる為の道具に使われただけ。あんまりと言えばあんまり過ぎる!と私は思う。それまで活躍がちゃんと描かれた上でなら、まだ納得出来たかも知れないけど……

『太陽にほえろ!』迷走期における最大の犠牲者は、間違いなく彼女でしょう。



演じた山下幹子さん(真司さんと同姓なのはまったくの偶然)は初登場時、なんと弱冠15歳! どこかの事務員として働いてるシーンがあったから、設定はたぶん20歳前後。

セリフがえらい棒読みやなあって、私は正直思ったけど、その若さでいきなり国民的人気番組のセミレギュラーなら緊張しまくるだろうし、ムリして大人っぽく演じたのが裏目に出たのかも知れません。

それまで何をやってもウマくいってた『太陽〜』なのに、スニーカー期だけは何もかもが裏目に出てる印象です。



そもそも両親を米兵に殺されてる設定で、挙げ句に妹までって話ですから、スニーカーがあまりに不憫。それなら本人が華々しく散りたかった事でしょう。

売出し戦略がバッチリ決まり、瞬く間にスターになった後任のラガー(渡辺 徹)や、放映10周年記念のカナダロケで殉職させてもらえたロッキー(木之元 亮)の優遇されっぷりを思えば、山下真司さんがあまり『太陽〜』のことを語りたがらないのも当然かも知れません。



だから、スニーカーの退場編は実にほろ苦い。とにかく早苗ちゃんもスニーカーも可哀想すぎて、やり切れなくなっちゃう。ホント、つくづく非道い番組ですw


 

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「友直子 in 太陽にほえろ!’81」ー2

2022-12-20 23:10:49 | 刑事ドラマ'80年代

このシーズンにおけるナーコは、演じる友直子さんが学業で忙しかったのか特に目立った活躍がなく、セリフを喋ったりアップで撮ってもらう機会も少なかったように思います。

マスコットガールをどう扱うかは、各エピソードの監督さんによって考えが違うでしょうし、アップで撮られたとしても尺の都合とか、前後の繋がりがしっくり来ない等の理由でやむなくカットされちゃうことも、多分しばしばあったんじゃないかと推察します。

女優を目指して芸能界入りしたワケじゃなく、軽い気持ちで一般公募に応じただけの直子さんだからこそ、それを不満に感じることなく4年間も務めて下さったんでしょう。



しかしホント、どんどん綺麗になられてますよね。不特定多数の人々に見られ続けること、それに勝る美容法は無いかも知れません。



当時、直子さんは講習生として文学座に通っておられたそうで、間もなく、そこで1年後輩にあたるあの人が、げっそり痩せた姿でレギュラー入りされる事になりますw


 

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「七曲署捜査一係’81」ー2

2022-12-19 20:40:54 | 刑事ドラマ'80年代

1981年5月からその年末までの七曲署捜査一係は、番組始まって以来のスクランブル態勢。

ボス(石原裕次郎)の長期離脱により、山さん(露口 茂)が陣頭指揮を執る新たなフォーメーションが生まれ、西山署長(平田昭彦)の出番が増えたほか、本庁の大沢管理官(神山 繁)という新キャラも登場し、チームにプレッシャーをかけて来ます。



かつては自由気ままな一匹狼だった山さんが、ボスの出番が減るにつれ副指揮官のポジションにシフトし、いよいよ望んでもなかった中間管理職に祭り上げられ、失敗すれば自分じゃなくボスのクビが飛ぶかも?っていうプレッシャーまで背負わされちゃった。

それは『太陽にほえろ!』という大看板をいきなり背負わされた、露口茂さんご自身の重責とまんまシンクロし、この時まさに、山さんっていう架空のキャラが露口さんと一体化したように思います。番組スタート時からずっと一緒に働いて来た、ゴリさん(竜 雷太)と長さん(下川辰平)にも同じことが言えるかも知れません。


そして、この時期にますます存在感を増したと言えば、この人もそうでしょう。

アクティブな活躍が増えて来た、我らがドック刑事(神田正輝)! スコッチ先輩(沖 雅也)の出番が激減したお陰もあり、登場から僅か1年足らずで若手のリーダー格にジャンプアップ!

#469と#470の鹿児島ロケ編では、九州のスコッチとも呼べそうなロンリー暴走デカ=相馬警部(倉田保昭)と共闘し、Gメン流のハードボイルドを伝授されます。



さらに#472では一番見習っちゃいけない元暴走デカ=鮫やん(藤岡琢也)から関西流のユーモアまで伝授され、まさに硬軟「二刀流」の無敵キャラへと急成長! 後半の『太陽にほえろ!』を支える存在にまでなっちゃいます。



そんなドックと入れ替わるように出番が減り、間もなく再び欠場となるスコッチ。そこに居てくれるだけで画面が締まり、作品のクオリティーが数段上がりますから、損失は計り知れません。



そしてこの人、亡きボン(宮内 淳)のスピリットを受け継いで2年間走り抜けた、スニーカー(山下真司)も#475をもって番組を卒業します。



故郷=沖縄の自然を守るべく、仲間と一緒に「海の牧場」を作るという壮大な夢を、叶えられずに逝った妹=早苗(山下幹子)の遺志を継ぎ、スニーカーは刑事を辞めて沖縄へと帰還します。

ボンや殿下(小野寺 昭)の殉職、スコッチ復帰、ドック登場といったイベントに話題をさらわれ、殉職という花道も与えられず、ボスの留守中に退場を余儀なくされた、不遇のキャラクター。

チョメチョメした筈のナーコ(友 直子)とも結局ナニもなし。ただヒゲだけで生き延びてる相棒=ロッキー(木之元 亮)ですら、令子さん(長谷直美)との結婚=ホームドラマ担当に昇格というボーナスを貰えたのに!



けど、山下真司さんがこのあと3年ほどの地道な活動を経て、あの『スクールウォーズ』主演で大ブレイクを果たされたのは、決して奇跡じゃないでしょう。スニーカー刑事はちゃんと魅力に溢れてました。

番組自体が迷走してる時期にデビューしたのがとにかく不運で、山下さんには何の落ち度も無かった。いま振り返って、つくづくそう思います。

さらば、スニーカー!


 

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「オタクは尊敬に値するか」

2022-12-18 17:25:16 | 日記

自分がオタクだからこそ堂々と言えます。オタクは尊敬に値するような人種じゃありませんw

だからと言って軽蔑したり見下したりする存在でもなく、ただ「微笑ましく傍観する」のが最も適切な対処だと私は思います。

さかなクンは誰が見たって微笑ましいし尊敬にも値するけど、べつにオタクでなくたって彼は微笑ましくて尊敬されるでしょう、あのお人柄なら。

そう、尊敬に値するかどうかは、結局のところ人柄次第。オタクは性格の歪んだヤツ、狂ったヤツ、腐ったヤツの見本市ですから!



特定のジャンルに関して物凄い知識を持ったところで、それが世の中の役に立たなきゃ尊敬される理由にはならない。そこがオタクと呼ばれるか博士と呼ばれるかの分岐点。

年間何百本もの映画を観てることを自慢したり、やたら古い映画やマニアックな映画のタイトルを羅列してマウントを取ってくる映画マニアがたまにいるけど、こっちは「そんなにヒマなんかい?」って思うだけで尊敬などしやしません。

ガンショップへ行くと、銃に関する知識の浅い客を冷たくあしらったり、嘲笑しかねない態度の店員がよくいるけど、お前ら、この国に住んでて銃の知識がいったい何の役に立つねん!?って話です。

知識だけやたら身につけたって、社会の役に立たなきゃ自慢する理由にはならんでしょう。同じオタクとして、そういうヤツを見るとホント恥ずかしくなる。

我々が尊敬するのは、その映画を創った人たち、銃器やモデルガンを開発した人たちであり、その恩恵を勝手に受けてるだけのお前らじゃないんだよ!と言いたい。



同じマニア(自主映画や刑事ドラマ)の集いに参加して、「是非この人と友達になりたい!」って感じるオタクと出逢えたことも、私の場合は一度もありません。私自身がそういう仲間を欲してないせいもあるけど、それにしたって人間としての魅力があまりに乏しい。それがオタク。無論、私もその1人です。

さかなクンなんてレア中のレアですよ! だからタレントになって冠番組まで持てるワケで。(超ギョギョッとサカナ★スター、観てますw)

知識量が凄いからオタクに憧れるとか、ゆえに映画やドラマを早送りでたくさん観るんだとか、そんなアホな考えは一刻も早く捨てて下さい。マジでこの国の未来が不安になっちゃいます。まぁ、とっくに手遅れで破滅なんだけど。

大事なのは「量」じゃなくて「質」でしょう? いくらたくさん観たところで、本当に好きでなきゃ何にも身につかない。そんな当たり前のことをわざわざ書かなきゃいけないとは! おいちょ待てよ!?


 

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「オタクが尊敬される時代?」

2022-12-18 00:15:25 | 日記

新書『映画を早送りで観る人たち』を読んでると、ホント驚くことばかり。

昭和の頃は明らかに蔑称として使われ、他者から言われて最も傷つく呼び名だった筈の「オタク」が、今の若い人たち(いわゆるZ世代)にとってはむしろ「憧れ」の対象って、マジですかっ!?

私はブログでいつも、自虐の意味で自分を「オタク」だと書いてるけど、それは逆に自慢してる事になっちゃうの?

「ゆとり世代」の頃から世間で「個性的であること」がやたら重要視され、半ば洗脳みたいに「ナンバーワンよりオンリーワン」ってな価値観を植え付けられて来た結果、今や特定のジャンルについて人並み外れた知識を持つオタクが「カッコいい」とさえ言われるようになってるとか。

なぜもっと早くそうならなかった!?w

だからZ世代は、とにかく数多くの作品を観て知識を得るため、早送りしちゃうワケです。



そう言えば、こないだの記事で回想した当時30歳位の若い同僚も、私が『太陽にほえろ!』やハリソン・フォードを盲目的に推してることを「羨ましい」みたいに言ってました。

それほど夢中になれるものが自分に無いことを、なんだかコンプレックスに感じてたようで、それが変な対抗意識に繋がったのかも知れません。

バカにされなくて済むならそりゃ有難いけど、う〜む……やっぱり違う気がする。オタクが個性なら、オタクでないのも個性だからそれでええんちゃうの? なんで世間の価値観に合わせて自分を変えなきゃいかんの?



そもそも世間の価値観なんか、そうやって無責任に180度変わったりするんだから。私自身、寡黙だったり真面目だったりする男の評価が、女性から見て「カッコいい」から「つまんない」に180度変わったとき(1980年前後)の衝撃が未だトラウマになってますw

それは今にして思えば、女性の価値観が変わったんじゃなくて、時代の空気が(女性が本音を言えるように)変わっただけかも知れないけど。

だから、そんなもんに振り回されるのはホントにアホらしい。あまりにも世間の価値観に縛られてる、今の若い子らが気の毒になって来ました。


 

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