ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『シャドウ・イン・クラウド』

2022-10-02 00:00:05 | 外国映画

2021年に製作された、ロザンヌ・リャン監督によるニュージーランド&アメリカの合作映画をレンタルDVDで観ました。

’10年の『キック・アス』以来、その成長を見守らせてもらってるクロエ・グレース・モレッツちゃんが空軍の女性ソルジャーを演じ、男どものセクハラを受けまくるらしい!との噂を聞けば私が観ないワケありません。

が、その内容は想像してたのと全然違ってましたw だからこそ面白い! もし興味がある方は、何も知らずに観た方が楽しいからこの先は読まないで下さい。

決してコメディーじゃないけど深刻にもならず、男性優位社会を徹底的にコケにしたチョー痛快「おバカ映画」なので、むしろ女性にこそオススメしたい作品です。



1943年、すなわち第二次世界大戦の真っ只中、ニュージーランドからサモアへと向かう爆撃機に、クロエちゃん扮する女性大尉が急きょ乗り込んで来ます。

クロエ大尉は軍の「最高機密」が入った鞄をサモアへ届ける密命を負ってるらしいんだけど、乗組員の男どもは「たかが女」とハナから見下し、定員オーバーだからと彼女を銃座に閉じ込め、無線を通して「今夜、泊まってけよ」とか「死ぬほど抱いてやる!」とか「チュバチュッチュしてチョメチョメしたい!」などと聞くに耐えないセクハラ・ワードを浴びせ続けるのでしたw(実際はもっと下品なワードです)

前半はほぼ、銃座に閉じ込められたクロエちゃんのひとり芝居。無線越しの会話でクロエ大尉がかなり優秀なソルジャーであること、そして鞄の中身が軍にとって……ではなく、実は彼女自身にとって命より大事なものらしいことが、徐々に分かって来ます。

以下、ネタバレになります。



実はクロエ大尉、DV夫から逃れて空軍のイケメン兵士とチョメチョメな仲になり、子供を宿したんだけど、そのイケメンは怖気づいて父親になることを拒否。

誰にも頼れない状況下でクロエちゃんは、軍の指令書を密かに偽造し、DV夫から避難すべく爆撃機に乗り込んだのでした。そう、鞄の中身は生まれて間もない赤ちゃんだった!

で、その爆撃機が嵐に見舞われるは、日本軍の零戦に襲撃されるは、挙句の果てに伝説のグレムリン(凶暴な未確認生物)に破壊されそうになるわで大変なことに!



さんざんデカい口をきいてた男どもはギャーギャー騒ぐだけで何の役にも立たず、クロエちゃんは赤ちゃんを護るために1人で零戦とグレムリンを撃ち落とし、閉じ込められた銃座から空中アクロバットで操縦席へと移動し、制御不能となった爆撃機をなんとか不時着させ……



そして最後はグレムリンを素手でフルボッコしてぶっ殺す!w 母は強しどころの話じゃない!(なにせ元ヒットガールです)

その直前、実は乗組員の1人だったイケメン兵士(赤ちゃんの父親)がクロエちゃんに惚れ直し、ひざまずいてプロポーズするんだけど、そのスキに鞄をグレムリンに奪われて「だから眼ぇ離すな言うたやろボケっ!!」ってw、クロエちゃんに一喝されちゃう。

かくも男どもは徹底的にマヌケな役立たずとして描かれ、最後の最後までクロエちゃんの一人舞台。共同で脚本も手掛けられたロザンヌ・リャン監督は女性ですから、恐らくまだまだ男性優位の映画業界で溜まりに溜まった鬱憤を、ここで思い切り晴らしたる!ってなコンセプトで創られたんでしょう。

いや、男からしたってパワハラやセクハラは不愉快の極みですから、誰が観てもきっとスカッとします。

グレムリンの存在意義がいまいち解んないけどw、これはあくまで寓話だから真に受けて怒んないでねっていう、たぶんエクスキューズなんでしょう。



とにかくひたすらカッコいいクロエちゃんの『キック・アス』以来となる大暴れが観られるだけで価値あり! 「おバカ映画」でもよろしければっていう前提つきで、一応オススメしておきます。


 


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2 コメント

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Unknown (gonbe5515)
2022-10-10 08:47:32
おはようございます!おバカ映画おもしろかったです!

このレビューもアップされた日に読みたかったのですが、なにしろクロエグレースモリッツさんの作品ですから、記事冒頭のハリソン君の言いつけに従いぐっと我慢。読まずにおいてようやく今朝、DISCASから届いたものを鑑賞しました。

クロエさんの圧倒的なひとり舞台でしたね。男どもの侮蔑会話だの、グレムリン登場だの、高空を跳ぶボーイングの機体をつたって鞄を取り戻すの、機体に開いた穴から墜落したのに、撃墜した零戦の爆風で戻ってくるの、いやいやそれは・・・というところを臆面もなく堂々とやってるところが実に痛快。

銃座に閉じ込められたまま話が進む前半部分が特に面白かったです。クロエさん演ずるモード大尉は何者なのか、鞄の中身は、突然現れたグレムリンはなど、ハラハラドキドキワクワクさせてもらいました。

ハリソン君のアドバイスがなければ、レビューを先に読んでしまってたでしょう。そしたら鞄の中身も、モード大尉の過去と現在もわかった状態で観てしまっており、ハラハラドキドキワクワクもないまま終わってしまっていたにちがいありません。我慢してよかったです。

銃座のシーン、ボーイングを力技で不時着させるシーン、グレムリンをぶちのめすシーンがサイコーでした。あ、それから授乳シーンも(あれは吹替かもしれないのですが)。

楽しく観させてもらいました。ありがとうございます!
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Unknown (harrison2018)
2022-10-10 10:53:04
マジメに観る映画じゃないですよねw 割とシリアスなムードで始まりながら、グレムリンの登場からなんだか妙な感じになり、クロエ大尉が爆風で戻って来たところで「あ、笑う映画なんだ」と気づくというw

これより前にレビューした2本のホラー映画もそうですが、1つのジャンルでは括れない、異種総合格闘技みたいな映画がハリウッドで増えて来た気がします。女性の強さもどんどんエスカレートしてるような……

とにかく、久々に「そんなバカな!」と言わしめるクロエちゃんの暴れっぷりが観られて嬉しかったです。おかえりなさい!って感じですね。
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