ハリソン君の素晴らしいブログZ

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『さすらい刑事旅情編』1ー#01

2023-02-07 14:57:20 | 刑事ドラマ'80年代

1988年10月12日に放映された、石原武龍 脚本&村川透 監督による『さすらい刑事旅情編』の記念すべき第1シリーズ第1話。

基本設定は先日のレビュー(第4シリーズ第8話)をご参照頂くとして、今回の白眉は何と言っても鉄道警察隊「特捜班」の女性刑事=花井百合子に扮する、若村麻由美さんの初々しさ!



NHKの朝ドラ『はっさい先生』の主役を終えられた直後で、たぶん民放ドラマでは初のレギュラー出演。

当時21歳ですから見かけが若いのは当然だけど、声も現在と違うかなりのハイトーンで、まるで別人みたい。ある時期から(イメチェンのため)発声法を変えられたんでしょうか。

それはともかく、百合子は同僚の香取刑事(三浦洋一)にゾッコンなご様子で、おなじ同僚の神田刑事(渡辺裕之)からアプローチされても完全無視。



百合子の後任としてパート2から登場する西園寺刑事(高木美保)も香取に惚れちゃうらしく、ファンの方には申し訳ないけど、あんなギョロ眼リーゼント男のどこがそんなに素敵なのか、私にはサッパリ解りません。

番組そのものが三浦洋一氏をとにかくプッシュしてる感じで、美味しいとこは全部リーゼントが独り占め。藤田まことさんなら許せるのに、リーゼント男のハーレム設定には著しい違和感があり、ゆえに私はこの番組が『はぐれ刑事純情派』ほど好きになれません。



特捜班の最初期メンバーは他に、ベテランの山さんこと山波刑事(斎藤晴彦)と、大食漢の原刑事(小倉久寛)。

そして勿論、ボスは不動の高杉警部(宇津井 健)。



全身全霊でカッコつける演技スタイルも『ザ・ガードマン』の頃から不変だけど、宇津井さんの場合は別にカッコつけてるワケじゃなくて、本当に普段から常にピシッと決めてるというか、所作がいちいち「折り目正しすぎる」だけなのかも?ってw、最近思えて来ました。



そして居酒屋「路」の女将=令子が柏木由紀子さん。刑事ドラマに必ず居酒屋とか小料理屋のシーンが毎回あるのって、何なんでしょう? タイアップみたいな大人の事情があるんですかね?



ストーリーは、札幌のガラス工芸店で働く若手職人の石岡(三ツ木清隆)が、東京から来た物産会社のイベンターたちに「店を出さないか」とスカウトされ、恋人の舞子(三原じゅん子)と2人で夢を追って上京したものの、一時の話題作りに利用された挙げ句に使い捨てられ、逆恨みした石岡が拳銃を入手、復讐に走るのをリーゼントたちが阻止するという内容。

そのイベンターたちのトップである次長=黒田(中原丈雄)が出張で札幌行きの「北斗星5号」に若い愛人(湯浅けい子)を連れて乗り込み、どうやら石岡も車内に潜んでる。

リーゼントたちも舞子と一緒に乗り込んで、寝台特急を舞台に攻防戦が展開されるのでした。

もちろん、本作のセールスポイントである「鉄道旅行の愉しみ」もタップリと見せてくれます。



いやぁ〜本当に愉しそうで、はらわたが煮えくり返りますw 犯人の石岡には是非とも復讐を遂げて頂きたい!

にしても、夢を踏みにじられて悔しいのは解るけど、それだけで殺人までやらかすもんだろうか? そんな疑問を抱いたリーゼントにギョロ眼で詰問され、舞子が黒田次長のパワハラによりチョメチョメさせられた過去を告白します。

「結局、東京行って何だったんだろ……わざわざ自分たちのこと壊しに行ったみたい……」



「そんなに東京に憧れていたんなら、札幌から一歩一歩、歩いて行きゃ良かったんだよ」

↑っていうようなオイシイ台詞を、全部リーゼントが独り占めしちゃう。もちろん、それまで石岡を逃がそうとしてた舞子が、その言葉で目が覚めるワケです。

結局、黒田の愛人を人質にとった石岡だけど、舞子とリーゼントの説得により、復讐を諦めるのでした。リーゼントめえーっ!!💢



手錠を掛けられた石岡に、お約束として黒田が「馬鹿なマネしやがって」と毒づいて、怒った神田刑事が殴ろうとするんだけど、リーゼントがギョロ眼で止めに入り、またしてもオイシイ台詞を独り占め。

「若い連中の夢を喰って肥るのも結構ですけど、美味いものほど毒はキツいんですよ。今度こういう事があっても、我々が事件を未然に防げるとは限りませんから。用心して下さい」



渡辺裕之さんにも言わしたれやあーっ!! リーゼントのくせによぉぉおおーーっ!!!💢💢💢💨 (髪型を批判してるワケじゃないのでリーゼント頭の皆さんクレームはノーサンクスで)

ちょっとハードボイルドな感じといいハーレム設定といい『はぐれ刑事〜』の藤田さんを継承してるんだろうけど、三浦洋一さん(当時)はいかんせん若いしリーゼントですからね。百年早い気がするワケです。

だけど鉄道マニアにウケたのか番組はヒットし、’95年の第7シリーズまで続くことになります。

なお、若村麻由美さんはグラビアのお仕事をほとんどされてないので、今回のセクシーショットは黒田の愛人を演じられたゲストの、湯浅けい子さん。



『オールナイトフジ』等のTV番組でレポーターをされてた方だけど、詳しいプロフィールは不明。いかにもバブル時代の若いお嬢さんって感じで、割り切って不倫旅行を愉しむ今回の役にハマっておられます。


 


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3 コメント

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Unknown (ひさ)
2023-02-07 21:17:59
こんばんは。
私的な印象ですが、はぐれ刑事純情派はシリーズを重ねるごとに雰囲気が温くなっちゃって、刑事ドラマ独特の緊張感が薄い感じがしてフィルム撮りじゃなくなった辺りで視聴を止めてしまいました。さすらい刑事旅情編のほうがストーリーが後期の特捜最前線っぽさがあり好きでした(実際、プロデューサーや脚本監督が特捜最前線からの人が見受けられましたが)。水曜21枠は鉄道警察隊ものや、はみだし刑事情熱系の秋〜冬期放送のものは欠かさす見ていました。
管理人さんの仰る通り、香取警部補が何故モテるのかは理解出来ませんでした(笑)。早逝されましたが、三浦洋一さんは2時間ドラマの主役など、引っ張りだこでしたね。
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Unknown (harrison2018)
2023-02-07 22:37:35
当時はたまにしか観てなかったけれど、『はぐれ刑事純情派』がビデオ撮影に変わったときはショックでした。確かにそれで観る気も失せましたね。

三浦洋一さんは時代の空気に合ってたんでしょうかね? ほんとに魅力が解りません。演技は上手いと思いますが……
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Unknown (Unknown)
2023-11-21 20:38:06
三浦洋一さんは表情と動きが豊富で割と分かりやすかったので、刑事ドラマを見慣れてない人(ただの鉄道ファンとか)がさわりで見るハードルは低かったのでは?
後、刑事ドラマは当時から設定年齢の割に実年齢が高すぎた(鉄道+警察ものだと同じテレ朝の西村京太郎トラベルミステリーなんて実年齢と設定年齢が20歳近く違う)ので、その点でも需要があったのではないですかね
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