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ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『新宿鮫』シリーズ '95~'02

2019-03-29 12:00:37 | 刑事ドラマ HISTORY







 
ハードボイルド作家・大沢在昌さんの代表作『新宿鮫』シリーズをNHKがBS2にてドラマ化した作品。

第1シリーズ『新宿鮫/無間人形』は'95年4月、第2シリーズ『新宿鮫/屍蘭』は'96年の5月から6月、単発スペシャル『新宿鮫/毒猿』は'97年の12月、最終シリーズ『新宿鮫/氷舞』は2002年の4月から5月にそれぞれ放映されました。

キャリアでありながら警察上層部との軋轢から、所轄の新宿署防犯課に飛ばされた孤高の主人公=鮫島警部に扮したのは、もうそろそろ刑事役にはウンザリされてたであろう舘ひろしさん。

だけど基本的にオファーは断らないのが石原プロの方針らしいし、NHKでの初仕事となれば心構えもまた違った筈。お気に入りの『刑事貴族』と同じハードボイルド路線だし、この鮫島警部は舘さんご自身も以前から演じたかった役との事で、少なからずやり甲斐はあったんじゃないでしょうか。NHKとしても初の本格刑事ドラマで気合いが入った事でしょう。

ただ、私はよく知らないけど原作小説のイメージには'93年公開の映画版『眠らない街/新宿鮫』の鮫島=真田広之さんの方がずっと近いそうで、何をやっても「舘ひろし」になっちゃうNHK版には賛否両論あったみたいです。

私自身は当時ほとんどTVドラマを観てなくて、舘さんの『新宿鮫』もチラッとしか観てないんだけど、確かに「ああ、いつも通りの舘さんだな」って、妙に安心したような記憶はありますw

それまで舘さんが演じた刑事は軍団の一員だったり相棒がいたりしたけど、警察内で完全に孤立した「一匹狼」というキャラクターはおそらく初めてで、芝居は一緒かも知れないけどw、また違った見所があるでしょうから、機会があればちゃんと腰を据えて観直したい作品です。

後にやはりNHKのBSプレミアムで舘さんが神田正輝さんとダブル主演される『クロスロード』シリーズは、もしかすると鮫島警部のその後をイメージして創られた作品なのかも?っていう思いもあり、興味深いです。

『新宿鮫』シリーズのキャストは舘さんのほか、鮫島の14歳下の恋人=晶に久松史奈、川村かおり、島谷ひとみ。唯一信頼できる上司=桃井課長に河原崎長一郎、寺田 農。鮫島を目の敵にする同期キャリアの香田警視正に永島敏行。

さらに草刈正雄、多岐川裕美、香川照之、勝野 洋、鷲尾いさ子、黒沢年男、津川雅彦、黒木 瞳、、原田芳雄、西田敏行、本上まなみetc…といったゲストが加わる豪華俳優陣。代官署や七曲署で舘さんと絡んだ女優さんがおられるのも私的には見所です。
 
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『古畑任三郎』シリーズ '94~'06

2019-03-22 00:00:08 | 刑事ドラマ HISTORY









 
このタイトルが登場すると一気に現在に近づいた気がしますけど、これもスタートして既に20年以上も経つんですね。

1994年の春シーズン(全12話)、’96年の冬シーズン(全10話)、’99年の春シーズン(全11話)と3つのシリーズが放映された他、5本のスペシャル版に3話連続のファイナル、更に総集編、スピンオフ番組まで創られた超人気シリーズです。制作はフジテレビ&共同テレビ、音楽は本間勇輔。

フジテレビ系列で、1stシーズン(タイトルは『警部補・古畑任三郎』)と2ndシーズンが水曜夜9時、3rdシーズンが火曜夜9時に放映されてました。

説明するまでも無いと思いますが、最初に犯行の一部始終を視聴者に見せて、犯人が誰であるかをハッキリ示した上で、主人公の刑事がどうやってそれを見抜き、自白させるに至るかを見せる「倒叙法」によるミステリーです。

このドラマのヒットで一躍メジャーになった脚本家=三谷幸喜さんが元々『刑事コロンボ』の大ファンで、当時はDVDも発売されておらず『コロンボ』を観るすべが無くて、だけどどうしても観たいから「仕方なく自分で創る事にした」んだそうですw

NHKで『コロンボ』が放映されてた当時は、毎回カセットテープに録音して、毎日聴いては台詞を暗記する程のマニアだったらしく、それって私が『太陽にほえろ!』放映当時にやってた事と全く同じなんですよね。

その内容に不満も抱くようになり「自分ならこうするのに」って考えてた事が、後の創作活動に繋がって行く点も同じです。パクリでもオマージュでもなく、自分にとって理想の『刑事コロンボ』なり『太陽にほえろ!』なりを創りたい、と言うより観たかったワケですね。

『刑事コロンボ』は私も大好きでした。なぜなら、あれは謎解きドラマじゃなくて「キャラクタードラマ」だから。そういう意味じゃ『太陽にほえろ!』と同じなんです。

三谷さんはミステリーを書いてる意識がほとんど無くて、あくまで古畑任三郎というキャラクターが織り成すコメディを書いてるつもりだった。だからこそウケたんでしょう。

そして何より、野暮ったいイメージのコロンボを、田村正和というスタイリッシュな俳優さんに置き換えたアイデアが素晴らしいです。野暮ったい俳優さんが今さらコロンボを演じても、ただの二番煎じで面白くなかった事でしょう。

ちなみに三谷さんは『太陽にほえろ!』の山さん(露口 茂)の大ファンである事も公言されてたので、古畑のキャラには多分に山さん成分も含まれてるだろうと思います。

また、今泉慎太郎(西村雅彦)という、コロンボにはいなかった「相棒」が設定された事も『古畑』ならではの魅力になりました。西村さんの怪演により今泉のキャラクターがどんどん膨らんで、スピンオフ番組(『巡査・今泉慎太郎』)まで創られる人気者になりました。

なのに、三谷さんが「今泉をイジることに飽きた」との理由でw、3rdシーズンになると今泉が新キャラの西園寺(石井正則)にポジションを奪われ、徹底的にないがしろにされちゃうのも可笑しかったです。

そして更に大きな見所が、毎回の犯人役ゲストのキャスティングです。とにかく豪華で、バラエティー豊かな顔ぶれでした。普通のミステリー物で豪華ゲストを呼んだら、その人が重要人物だってすぐ読まれちゃうんだけど、倒叙法だと最初から犯人が判ってるからキャスティングで遊べるワケですね。

中森明菜、堺 正章、笑福亭鶴瓶、鹿賀丈史、小堺一機、桃井かおり、菅原文太、明石家さんま、沢口靖子、草刈正雄、木村拓哉、唐沢寿明、山城新伍、松たか子、鈴木保奈美、市川染五郎、真田広之、大地真央、津川雅彦、市村正親、福山雅治、江口洋介、山口智子、緒形 拳、松本幸四郎、藤原竜也、石坂浩二、松嶋菜々子etc……

目もくらむような顔ぶれで、中でもイチロー選手、SMAPらが本人(しかも犯人)役で登場したスペシャル版は印象深いです。

イチローさん、ヘンに芝居が巧かったですねw 実は元々『古畑』マニアで、出演オファーを二つ返事で引き受けたばかりか、最初の読み合わせ(キャストの顔合わせ)の時点で既に、台詞を丸暗記してた程の熱の入りようだったとか。「素人だからこそ、全力で取り組まなきゃプロの共演者に対して失礼だから」なんだそうです。やっぱり、そこまで謙虚になれる人だからこそ一流なんでしょう。

ともあれ、これほどハイクオリティーなミステリーと遊び心を両立させた刑事ドラマはなかなかありません。今あらためて観直しても抜群に面白いし、とても20年前の作品とは思えない新鮮さがあります。

なにしろ刑事部屋や取調室のシーンがいっさい無く、拳銃も手錠も使わない、おまけに主人公がドラマの途中で視聴者に向かって話し掛けてくる等、独自のスタイルがもたらすインパクトは未だ色褪せません。

『刑事コロンボ』や『エラリー・クイーン』等の元ネタがあるにせよ、これほどサプライズに満ちて毎週の放映日が待ち遠しくなる連ドラは、近年ほとんど観られなくなりました。オールスター映画や大河ドラマもいいけど、三谷さんにはまたこういう野心に満ちた連ドラを、是非とも生み出して頂きたいと切に願います。
 

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『はだかの刑事』1993

2019-03-19 12:00:05 | 刑事ドラマ HISTORY




 
1988年の春にスタートしたテレビ朝日系列の『はぐれ刑事純情派』がヒット&ロングランした事により、刑事ドラマ業界はにわかに人情路線へと傾いて行きました。

それまでの主流だったアクション路線が視聴者に飽きられてしまった事と、バブル崩壊による製作費の削減が、その傾向に拍車をかけたものと思われます。

だけど、結局はどれも成功しませんでした。石原プロが『ゴリラ/警視庁捜査第8班』をアクションから人情へと路線変更し、続けて『代表取締役刑事』『愛しの刑事』と押し進めても、視聴者を呼び戻す事は出来ませんでした。

そもそも『はぐれ刑事純情派』が当たった理由は、主演=藤田まことの魅力と実力、そしてターゲットを年輩層に絞った戦略の勝利であって、別に世間が人情路線の刑事ドラマを求めてたワケじゃ無いんですよね。

当時の舘ひろしファン(若い世代)は人情ドラマなんか観たくないし、人情ドラマのファン(年輩層)は舘ひろしに興味が持てない。皆がそうとは限らないにせよ、企画としては見当外れだったと言わざるを得ません。

じゃあ、松方弘樹さんならどうだろう? 好評だった『刑事貴族』シリーズの視聴者(若い世代)と、時代劇や任侠映画ファン(年輩層)の両方を呼び込めるんじゃないか?

……っていう発想から生まれたのかどうか分からないけど、日本テレビ系列・金曜夜8時『刑事貴族3』の後番組は、松方弘樹の連続主演による人情刑事ドラマになりました。東映の制作で1993年4月から9月までの放映、全30回でした。

先に結果を言えば、やっぱりコケたみたいですw 視聴率は振るわず、テコ入れとして今度はアクション路線に戻って行くという、前述の『ゴリラ』とは真逆の経過を辿る事になりました。それなら最初から『刑事貴族4』にすれば良かったのに!

松方さんはともかくとして、もう1人の主役が世良公則さんですからね。舘さんと同様、世良さんの人情刑事なんか誰も見たくない。だけど舘ひろし→郷ひろみ→水谷 豊→世良公則っていう『刑事貴族』の流れなら、少なくとも私は食いつきました。

まぁしかし、アクション路線に戻ったとは言え『刑事貴族』レベルで銃を撃ちまくったり、カーアクションを見せたりするだけの予算は、残念ながら無かったのでしょう。だから『刑事貴族3』は予定より早く終わっちゃったワケだし。

とにかく人情路線としてスタートした『はだかの刑事』に私は興味が持てず、当時は完全にスルーしてました。観たのは近年CATVで放映されたのを、ほんの2~3話だけ。

私が観たのはちょうど1クールが過ぎてアクション路線にシフトしつつあった、中期のエピソード。これより前はもっと地味な人情路線で、これより後は爆破シーンもある派手めのアクションになるんだそうです。だから言わば過渡期なんだけど、私にとってはちょうど良いバランスだったかも知れません。

率直に言って、石原プロの『代表取締役刑事』『愛しの刑事』より、この『はだかの刑事』の方がずっと楽しめました。

理由は明白です。人情路線の刑事物なんて、設定の違いは多少あれども、やる事はどの番組も一緒ですから、何が見所になるかと言えば「キャストの魅力」に尽きると私は思います。

『はだかの刑事』のレギュラー陣は、松方弘樹&世良公則を筆頭に、橋爪 功、室井 滋、七瀬なつみ、勝村政信、野々村真、そして樹木希林と、地味ではあるけど以後も息長く活躍される実力派揃いです。

一方、石原プロの2作品は、確かな演技力を持ったレギュラーキャストが(言っちゃ悪いけど)ほとんどいませんでした。この差はやっぱり大きい。めちゃくちゃ大きいですよ。

やってる事はだいたい同じでも、『はだかの刑事』の場合はキャスト陣の演技を観てるだけで惹き込まれます。ほんと当たり前の事だけど、ドラマは良い芝居があってナンボなんやなあって、あらためて認識させられます。

石原プロは「演技力なんか無い方がスターは大成する」なんていう昭和の都市伝説を、本気で信じてたんでしょうか? 意図的に演技力の弱い人ばかりキャスティングしてましたよね。ひたすらドンパチやってる内はそれで通用しても、人情ドラマとなるとそうはいきません。

なんだか最近、石原プロの悪口ばっかり書いてる気がするけどw、これも愛着があればこそ。無視出来ないから色々言いたくなっちゃうワケです。今さら言っても仕方がないんだけど。

一方、東映制作の『はだかの刑事』は、女性刑事コンビ=室井さん&七瀬さんの掛け合いや、勝村さん&野々村さんのヘタレぶり、そして松方さんがうだつの上がらないヒラ刑事役というミスマッチぶりが実に楽しいです。それも演じる俳優さん達の力量があればこそ。

あと、なんといっても世良さんの銃さばき(みんなニューナンブを使ってるのに世良さんだけガバメントw)がやっぱり絶品で、しつこいようだけど『刑事貴族4』として観たかったなあ……

私は見逃しましたが、日本の刑事ドラマとしては極めて珍しい「女性刑事の殉職」が描かれた事もトピックかと思います。第20話で室井滋さんが刺殺されました。

代わって翌週から登場するのが布施 博さんでw、ますます「だったら最初から『刑事貴族4』にしてよ!」って思わずにはいられません。

この『はだかの刑事』終了をもって、1972年スタートの『太陽にほえろ!』から実に21年間続いて来た、日テレ金曜夜8時の刑事ドラマ枠も消滅する運びとなりました。同時にアクション路線の刑事ドラマも、引いてはフィルム撮影によるTVドラマ自体も、いよいよ絶滅の時が近づきます。

日本のテレビ業界は熱い青春期を終え、良く言えば円熟、悪く言えば老化の一途を突き進む事になるのでした。
 
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『愛しの刑事』1992~1993

2019-03-19 00:00:04 | 刑事ドラマ HISTORY









 
1992年10月から翌年3月まで、テレビ朝日系列の日曜夜8時枠で全20話が放映された、今のところ石原プロモーション最後の連続ドラマです。

前作『代表取締役刑事』にはまだ、舘ひろしさんが初めて役職付き(係長)の刑事を演じられた事に新鮮味があったし、市川森一さんの参加(脚本)や豪華ゲストの出演といった見所もありました。

それが今回、舘さんはまたヒラ刑事に逆戻りなんだけど、スタイルも言動も(いつもの事だけど)ちっとも変わってない。役作りはYシャツを色付きに変えた程度w

渡 哲也さんと谷川 竜さんも『ゴリラ』『代表~』とほとんど同じポジションとキャラクターで、前回も前々回もパッとしなかった谷川さんは、今回もやっぱりパッとしませんw

ただし他のメンバーは総入れ替えとなり、舘さんの相棒ポジションに宅麻 伸、紅一点は懐かしの高樹 澪、お茶汲み婦警にボインボヨヨ~ンな細川ふみえ、若手ツッパリ刑事に坂上 忍、コメディーリリーフ役の係長に井上 順、といった布陣。

前作よりちょっと華やかになった気はするけど、やっぱり「舘ひろしとその他の皆さん」っていう構図は変わってないです。つまり今回も、次期社長に就任予定だった舘さんをとにかく全面に押し出し、俳優としての格を上げることを目的とした、あくまで石原プロによる石原プロの為の番組づくり。

オープニング・テーマがエンリオ・モリコーネ作曲による『奴らを高く吊るせ』をカヴァーしたもので渋いんだけど、ドラマの中身はほんとフツーの地味な人情刑事物。

舘さんにフツーの刑事というか、人間らしいキャラクターをやらせる事にこそ意味があったんでしょう。ついでに谷川さんをパッとさせるのとw

だから、刑事物というジャンルに石原プロが特別な愛着を持ってたワケじゃなく、ただ視聴率を取り易いパッケージをチョイスしただけの話なんだろうと思います。前作で使った車両や小道具を使い回せるぶん制作費も削れますからね。

谷川さんはついに最後までパッとしなかったけど、舘さんはやがてアクション以外のフィールドでも活躍されるようになりますから、一応やった甲斐はありました。

もはや「また1発、当ててやろうぜ!」みたいな気概は無く、舘ひろしが普通の人間も演じられる事を世間にアピール出来さえすればOKベイビー、って事なんでしょう。

にしても前作とあんまり一緒じゃマズいから、舘さんに「相棒」を設ける事によって新しさを出そうとした。よもや、性懲りもなく『あぶない刑事』の二番煎じを狙ったワケではなかろうと思います。

しかし宅麻伸さんは……別に悪くは無いんだけど、強烈すぎる個性を持つ舘さんの相棒役としては、どう見ても弱いですよね。フツーじゃない二枚目の横にフツーの二枚目が立っても埋没するしかありません。それなら神田正輝さんの方がまだバランスがとれてました。

舘さんに相棒をつけるのだけは、もうホントやめた方が良いです。やっぱり柴田恭兵さんはタダモンじゃなかったって事です。

後はまぁ、井上順さんが浮きまくってましたねw 自分が笑いを取らなきゃって事で一生懸命やられてるんだけど、いかんせん’60~’70年代の人ですから、舘さんのスタイリッシュさとは水と油だし、渡さんの浪花節とも釣り合わない。

若手刑事を演じた坂上忍さんが、今になってバラエティー番組の世界でブレイクされてるのには驚きました。「毒舌キャラ」がウケてるんだそうで、俳優としては複雑な心境かも知れないけど、まぁどーでもいいですw

高樹澪さんは色っぽかったですね。アミューズ製作でサザンオールスターズが音楽を担当した映画『モーニングムーンは粗雑に』のヒロイン役でデビューされ、『愛しの刑事』の後は『ウルトラマンティガ』でシリーズ初の女性隊長役もやられてました。

だけど顔面麻痺を患って一時期は失踪状態になり、清掃のアルバイトをして暮らした時期もあったそうです。周囲の励ましを受けて一念発起、手術を受け、リハビリを経て近年復帰を果たされました。

そして細川ふみえさんのオッパイにはインパクトがありました。世間で「巨乳」や「爆乳」という形容詞が使われるようになったのは、細川さんの登場がキッカケだったように私は記憶します。『愛しの刑事』とは何の関係もありませんw

なお『代表取締役刑事』と『愛しの刑事』の間には、東宝制作による『真夏の刑事』全20話が同じ枠で放映されました。時任三郎&別所哲也のコンビによる人情系ドラマで、藤田朋子、柳沢慎吾、阿藤 快、矢崎 滋といったメンツが同僚刑事を演じ、課長が中条静夫、署長が布施 博と、他局のヒット作にあやかろうとするキャスティングが裏目に出たのか、これもヒットしませんでした。

'92年は他に、セントラルアーツ制作によるドタバタコメディ『俺たちルーキーコップ』(萩原聖人、鷲尾いさ子、仲村トオルetc)、鎌田敏夫脚本による異色作『眠れない夜をかぞえて』(田中美佐子、三田村邦彦、笑福亭鶴瓶etc) といった刑事ドラマ(いずれもTBS系列)が放映されてました。
 

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『刑事貴族3』1992

2019-03-17 12:00:04 | 刑事ドラマ HISTORY









 
1992年の4月から12月まで、日本テレビ系列の金曜夜8時枠で全26話が放映されました。本当はもっと続ける予定だったのが、人情系に流されて行く刑事ドラマ業界の波に、とうとう『刑事貴族』シリーズも呑み込まれ、あえなく打ち切りとなった次第です。

私みたいな好き者でさえ、この『3』あたりになるとほとんど観てなかったですから、もはやアクション系に需要無しと判断されても、まぁしょうがなかったかも知れません。

だって、これを最後にアクション系の連ドラが絶滅しちゃうなんて、夢にも思ってなかったんです。こんな事になるなら、もっとちゃんと観て応援すれば良かったって、今となっては悔やまれます。私が応援したからって何も変わりはしないんだけど。

シリーズ3作目で私が『刑事貴族』から引いちゃったのは、キャストがあまりに若い人ばかりになったから。もはや「刑事物ごっこ」にしか見えなくなっちゃったんですね。

前作の団優太さんを見た時点で既に、もう「勘弁してくれ」って私は思ってました。年齢的には『太陽にほえろ!』に出た頃のショーケンさんや優作さんと変わらない筈なのに、比較にならないぐらい幼く見えちゃうんですね。

で、この『3』から参入する新メンバーが、中山 忍さんと彦摩呂さん。もうホント子供にしか見えない! 彦摩呂さんも今や立派なデブのオジサンだけどw、当時はまだグルメ番組をやる前で可愛かったんです。

今なら寛大に観てられるけど、当時は私自身も若かったもので、刑事部屋が高校の部室みたいになっちゃうのが凄いイヤだったんです。かえって親近感が湧いて良いんじゃないの?って思われるかも知れないけど、そんなことは無いのです。

子供の頃、特撮ヒーローやロボットアニメの番組に、自分と同世代の子供が出てきて大活躍する場面を観て、嬉しかったかと言えば全然でしたからね。逆に「ウザい!」って感じてました。

理由はその時は分からなかったけど、自分が決して立ち入る事の出来ない憧れの場所に、自分と変わんないガキンチョがズケズケ入り込んでるのが、きっと悔しかったんでしょう。多分それと同じで、私にとって刑事ドラマの刑事部屋は聖域なんです。手が届いちゃダメな場所なんですね。

今になって観てみると、中山忍さんはめっぽう可愛いし、スリムな彦摩呂さんは軽快かつ軽妙で、良い味を出されてると思います。だからお二人のお陰で、代官署の捜査課がますます楽しくて、親しみ易い場所になってますねw

それこそが、この水谷さんのシリーズに根強いファンが多い、最大の理由なのかも知れません。でも私としてはやっぱり、七曲署や西部署の程良い緊張感が好ましいのです。もし自分が勤めるなら代官署の方が良いですけどw

そんなワケで、私は第18話から(降板した宍戸開さんと鳥越マリさんに代わって)高樹沙耶(現・益戸育江)さんが復帰し、前田耕陽さんが新登場した事は全く知りませんでした。この頃になると、TVドラマ自体ほとんど観なくなってましたから。

だけど近年CATVで第1話を観直したら、アクティブで楽しくて「やっぱ面白いなぁ、これ」って思いました。あらためて水谷豊シリーズの魅力について、これから観て検証しようかと、今は思ってます。

最後に『刑事貴族』シリーズで使われた銃器について。刑事ドラマがリアル志向になり、実際の警察拳銃に近い短銃身のリボルバーで統一されつつある中、このシリーズだけはバラエティーに富んだ拳銃を、各刑事のキャラに合わせてキャスティングしてくれてました。

舘ひろしさんは、オートマチック拳銃の代表格とも言えるコルト・ガバメントを使用。それまでの刑事ドラマじゃずっとリボルバー派だったのに、これ以降はすっかりオートマチック派……と言うよりガバメント派になられましたね。

布施 博さんは最初スタームルガーのセキュリティシックスなるリボルバーを使ってたけど、舘さん降板後はコルト・ガバメントを受け継ぎ、さらに布施さん降板後は宍戸 開さんが使ってました。

郷ひろみさんはベレッタM92SB。『ゴリラ/警視庁捜査第8班』で神田正輝さんが使ってたのと同じ銃だけど、リアルな取り扱いにこだわった神田さんと違って、ヒロミGo!は如何にも「持たされてる感じ」が丸出しで、銃なんかにゃまるで興味が無さそうに見えました。

そして水谷豊さんが愛用されてたのが、ガバメントを目一杯コンパクトに切り詰めたカスタム拳銃=デトニクス.45オート。如何にも命中率が低そうな拳銃ですw 愛車もコンパクトなら愛銃もコンパクトで、可愛いのがお好きなんですね。

ほか、地井武男さんがS&W・M10(ミリタリー&ポリス)の3インチ、布川敏和さんがコルト・ローマンMkーIIIの2インチ旧タイプ、田中 実さんがローマンの4インチ(『ジャングル』の時から愛用)、団 優太さんがS&W・M586の4インチ(『あぶない刑事』の舘さんと同じ)、寺脇康文さんがコルト・ナショナルマッチのステンレス(シルバー)モデル、彦摩呂さんがニューナンブM60。

女性陣は黒木 瞳さんと鳥越マリさんがS&W・M36(チーフスペシャル)2インチ、高樹沙耶さんはチーフスペシャルの他、日本のドラマじゃ珍しいワルサーPPK(ジェームズ・ボンドの愛用銃として有名)も使っておられました。

銃に……と言うよりガンアクションに興味がある方なら、このラインナップを眺めてるだけで楽しくなるんじゃないでしょうか? 昨今のドラマに登場する警察拳銃は、現実通りにニューナンブかSIG・P230ばかりで、リアルなのは良いけど無個性で面白みがありません。

そういう意味でも、この『刑事貴族』シリーズは日本で最後の「アクション刑事ドラマ」だったように思います。

1992年末……ついに、絶滅の時がやって来たのでした。
 

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