ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『愛しの刑事』1992~1993

2019-03-19 00:00:04 | 刑事ドラマ HISTORY









 
1992年10月から翌年3月まで、テレビ朝日系列の日曜夜8時枠で全20話が放映された、今のところ石原プロモーション最後の連続ドラマです。

前作『代表取締役刑事』にはまだ、舘ひろしさんが初めて役職付き(係長)の刑事を演じられた事に新鮮味があったし、市川森一さんの参加(脚本)や豪華ゲストの出演といった見所もありました。

それが今回、舘さんはまたヒラ刑事に逆戻りなんだけど、スタイルも言動も(いつもの事だけど)ちっとも変わってない。役作りはYシャツを色付きに変えた程度w

渡 哲也さんと谷川 竜さんも『ゴリラ』『代表~』とほとんど同じポジションとキャラクターで、前回も前々回もパッとしなかった谷川さんは、今回もやっぱりパッとしませんw

ただし他のメンバーは総入れ替えとなり、舘さんの相棒ポジションに宅麻 伸、紅一点は懐かしの高樹 澪、お茶汲み婦警にボインボヨヨ~ンな細川ふみえ、若手ツッパリ刑事に坂上 忍、コメディーリリーフ役の係長に井上 順、といった布陣。

前作よりちょっと華やかになった気はするけど、やっぱり「舘ひろしとその他の皆さん」っていう構図は変わってないです。つまり今回も、次期社長に就任予定だった舘さんをとにかく全面に押し出し、俳優としての格を上げることを目的とした、あくまで石原プロによる石原プロの為の番組づくり。

オープニング・テーマがエンリオ・モリコーネ作曲による『奴らを高く吊るせ』をカヴァーしたもので渋いんだけど、ドラマの中身はほんとフツーの地味な人情刑事物。

舘さんにフツーの刑事というか、人間らしいキャラクターをやらせる事にこそ意味があったんでしょう。ついでに谷川さんをパッとさせるのとw

だから、刑事物というジャンルに石原プロが特別な愛着を持ってたワケじゃなく、ただ視聴率を取り易いパッケージをチョイスしただけの話なんだろうと思います。前作で使った車両や小道具を使い回せるぶん制作費も削れますからね。

谷川さんはついに最後までパッとしなかったけど、舘さんはやがてアクション以外のフィールドでも活躍されるようになりますから、一応やった甲斐はありました。

もはや「また1発、当ててやろうぜ!」みたいな気概は無く、舘ひろしが普通の人間も演じられる事を世間にアピール出来さえすればOKベイビー、って事なんでしょう。

にしても前作とあんまり一緒じゃマズいから、舘さんに「相棒」を設ける事によって新しさを出そうとした。よもや、性懲りもなく『あぶない刑事』の二番煎じを狙ったワケではなかろうと思います。

しかし宅麻伸さんは……別に悪くは無いんだけど、強烈すぎる個性を持つ舘さんの相棒役としては、どう見ても弱いですよね。フツーじゃない二枚目の横にフツーの二枚目が立っても埋没するしかありません。それなら神田正輝さんの方がまだバランスがとれてました。

舘さんに相棒をつけるのだけは、もうホントやめた方が良いです。やっぱり柴田恭兵さんはタダモンじゃなかったって事です。

後はまぁ、井上順さんが浮きまくってましたねw 自分が笑いを取らなきゃって事で一生懸命やられてるんだけど、いかんせん’60~’70年代の人ですから、舘さんのスタイリッシュさとは水と油だし、渡さんの浪花節とも釣り合わない。

若手刑事を演じた坂上忍さんが、今になってバラエティー番組の世界でブレイクされてるのには驚きました。「毒舌キャラ」がウケてるんだそうで、俳優としては複雑な心境かも知れないけど、まぁどーでもいいですw

高樹澪さんは色っぽかったですね。アミューズ製作でサザンオールスターズが音楽を担当した映画『モーニングムーンは粗雑に』のヒロイン役でデビューされ、『愛しの刑事』の後は『ウルトラマンティガ』でシリーズ初の女性隊長役もやられてました。

だけど顔面麻痺を患って一時期は失踪状態になり、清掃のアルバイトをして暮らした時期もあったそうです。周囲の励ましを受けて一念発起、手術を受け、リハビリを経て近年復帰を果たされました。

そして細川ふみえさんのオッパイにはインパクトがありました。世間で「巨乳」や「爆乳」という形容詞が使われるようになったのは、細川さんの登場がキッカケだったように私は記憶します。『愛しの刑事』とは何の関係もありませんw

なお『代表取締役刑事』と『愛しの刑事』の間には、東宝制作による『真夏の刑事』全20話が同じ枠で放映されました。時任三郎&別所哲也のコンビによる人情系ドラマで、藤田朋子、柳沢慎吾、阿藤 快、矢崎 滋といったメンツが同僚刑事を演じ、課長が中条静夫、署長が布施 博と、他局のヒット作にあやかろうとするキャスティングが裏目に出たのか、これもヒットしませんでした。

'92年は他に、セントラルアーツ制作によるドタバタコメディ『俺たちルーキーコップ』(萩原聖人、鷲尾いさ子、仲村トオルetc)、鎌田敏夫脚本による異色作『眠れない夜をかぞえて』(田中美佐子、三田村邦彦、笑福亭鶴瓶etc) といった刑事ドラマ(いずれもTBS系列)が放映されてました。
 

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