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ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『西部警察SPECIAL』2004

2019-05-21 00:00:06 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2003年、石原裕次郎17回忌&テレビ朝日開局45周年&石原プロモーション設立40周年の記念番組として制作されるも、それに続く連ドラ版撮影中の交通事故により、放映が見送られた曰く付きの2時間スペシャルです。

実際に放映されたのは翌'04年の10月ですが、その時に観た印象は「がっかり」「つまんない」そして「戸田菜穂さんの芝居が熱すぎる」というものでしたw

だけど、それから15年以上の月日が経ってるし、アクションドラマがすっかり絶滅しちゃった今ならこの作品の価値が見いだせるかも知れないと思い、あらためて観直しました。

で、その感想を率直に述べますと、「がっかり」「つまんない」「戸田菜穂さんの芝居が熱すぎる」というものでしたw

まず何が「がっかり」かって、これを言ってもしょうがないのは分かってるんだけど、やっぱりビデオ撮影による映像の安っぽさに尽きます。

ビデオ撮影そのものを否定してるワケじゃないんです。私が言いたいのは、究極のファンタジーとも言える『西部警察』の世界観に、ビデオの生々しい映像は全くそぐわないという事なんです。

パトカーが次から次とクラッシュしたり、建物が爆破され凄まじい炎に包まれたりしても、ビデオ撮影の映像だと「引田天功の脱出マジックショー」みたいに軽く感じて(天功さん、すみませんw)緊迫感が削がれちゃうんですよね。

あと、レイバンのサングラスがすっかり似合わなくなっちゃった大門くぅ~ん(渡 哲也)にもガッカリでした。ていうか、なんでアンタ生きとんねん!?って話ですから。

壮絶かつヒロイックな最期を3時間もかけて描き、木暮課長=石原裕次郎さんに素の涙を流させておきながら、「どっきりカメラ」の看板を持って「うっそぴょ~ん!」って、物陰から出て来てヘラヘラ笑ってるようなもんでしょう?

裕次郎さん亡き今、木暮課長のポジションを引き継げるのは渡さんしかいないって事なんでしょうけど、ファンの気持ちをないがしろにしてまで、それを引き継ぐ必要が果たしてあったんでしょうか?

渡さんはそもそも、刑事アクションを演じること自体に早くからウンザリされてたそうだし、交通事故の件と併せて、元凶は企業存続の使命に取り憑かれた小林専務にあるんだろうと思われます。

そういった「がっかり」な要素は、旧シリーズを楽しんで観てたファンならではのもんだけど、そんな感情を差し引いて客観的に観ても、この復活スペシャルは「つまんない」と言わざるを得ません。オールドファンだから我慢して観てられるようなもんで、初見の時も今回も、観ながら何度も眠りに落ちてしまった程に、ドラマとしては退屈な内容です。

要は国際テロ組織による爆破テロを西部署「鳩村軍団」が阻止する話なんだけど、時代を反映してか中途半端にリアリズムを持ち込んでるのが、かえって嘘臭さに拍車をかけてます。

リアリティを気にし出したら『西部警察』の世界観自体が成立しなくなっちゃうワケで、逆にマンガ(虚構)に徹するべきなんです。だから、これはフィルムで撮らなきゃダメなんです。

そして「戸田菜穂さんの芝居が熱すぎる」件ですが、そのこと自体は素晴らしいんです。この作品で唯一の見所と言っても過言じゃありません。

菜穂さんは警視庁爆弾処理班から何故か所轄の西部署に出向してる設定で、警察幹部であるお父さん(大杉 漣)がテロリスト達の人質にされてるもんだから、終始MAXのテンションなのは無理もないワケです。

で、赤外線ビームのトラップで守られた爆弾を解体する為に、いきなり服を脱いでビームをすり抜けちゃう思い切りの良さがあるんだけど、なぜか隊員服の下にレオタードを着ていた!という用意周到ぶりw

そんな『西部~』らしからぬお色気サービスまで請け負っての大熱演ですから、菜穂さんばかりが印象に残っちゃう。それこそが最大の問題なんじゃないでしょうか?

つまり、本来の主役である石原軍団のホープ達(徳重 聡、木村 昇、池田 努、金児憲史)が、ゲストである菜穂さんに完全に食われちゃってるワケです。

彼らは彼らなりに一生懸命やってるのは分かるんだけど、実力のみならず迫力の面でも菜穂さんの足元にも及んでない! だから彼らの印象が全く残らないんです。

「21世紀の石原裕次郎を探せ!」なる大々的なオーディションで選ばれ、何年かの修行を経て遂にデビューした金の卵たちが、別にアクション女優ってワケでもない戸田菜穂さんの陰に隠れて、まったく輝いてないというシャレにならない事態。

新団長である鳩村=舘ひろしさんも、課長に昇進した大門くぅ~んの幽霊も、彼らに花を持たせる為に今回は一歩も二歩も引いておられるもんだから、ほとんど戸田菜穂さんの一人舞台。お色気レオタードの圧勝ですw

もちろん、菜穂さんはゲスト女優としての責務を懸命に果たされただけで、彼女には何の罪もありません。問題は4人がかりでも彼女に勝てなかった軍団のホープ達にあります。

石原裕次郎&渡哲也が並び立つ前でも対等に輝いて見せた、寺尾 聰、舘ひろし、峰 竜太、苅谷俊介らに比べて、21世紀の裕次郎たちはあまりに凡庸過ぎた。この復活スペシャルがつまんない最大の原因は、間違いなくそこでしょう。

だから別に、あの運命の事故が彼らの未来を奪ったワケでも何でもない。もし連ドラ版が予定通り1クール放映されたとしても、彼らがスターになる事は無かっただろうと私は思います。

やっぱり、時代が変わっちゃった……としか言いようが無い。つくづく現在の若手男優たちは、アクションを演じるよりも繊細な心情を表現する方が輝くんだって事を、昨今の連ドラを観てると実感させられます。

アクション物を今やるなら、主役は若手女優か、かつてアクションを演じたオヤジ達でなければ成立しない。ハリウッド映画界も同じ状況になってますよね。

ちなみに連ドラ版『西部警察/WESTERN POLICE 2003』に戸田菜穂さんは登場せず、代わりに中山 忍さんが鳩村軍団の一員に加わる予定だったそうです。

『西部警察SPECIAL』のキャストは他に、鳩村軍団の「おやっさん」枠に田山涼成、テロリストに神田正輝&西岡徳馬、そして木暮課長との思い出を語るバーのママに高橋惠子。

高橋さんは『太陽にほえろ!2001』でも舘さん(新ボス)と絡んで、裕次郎さん(旧ボス)との思い出を語っておられました。西部署と七曲署はやっぱり、切っても切れない義兄弟って感じがしますね。


PS. 上の記事を書いてから更に月日が経ち、今こうして刑事ドラマの歴史を辿りながら『西部警察SPECIAL』について考えると、あの冬の時代にこんなアクション満載の番組を世に出そうとした石原プロの心意気は、やっぱり凄いです。

私もアクションジャンルの復活を本気で望むなら、しのごの文句ばかり言わず、もっと素直に応援すべきだったのかも?って、今更ながら反省しました。

でも、いずれにせよあの事故は起こってしまうワケで、私が応援しようがしまいが結果は同じ。そして上にも書いた通り、仮に事故が起こらず連ドラ版が無事放映されたとしても、やっぱりヒットはしなかっただろうと思います。

時代がすっかり変わっちゃったんですよね。取り調べでいっさい暴力を振るわない(振るえない)鳩村軍団を見て、今の日本に彼らの居場所はもう無いんだなって、つくづく思いました。
 
コメント (2)
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『警視庁鑑識班2004』2004

2019-05-20 16:20:02 | 刑事ドラマ HISTORY







 
2004年の冬シーズンに日本テレビ系列の水曜夜10時枠で全10話が放映された連続ドラマ。

元々は「火曜サスペンス劇場」枠で1996年から2005年まで全19作が制作された2時間ドラマの人気シリーズで、これは「火サス」から連ドラ化に至った唯一の作品なんだそうです。

主役は警視庁刑事部鑑識課の第一現場鑑識班員=中山淳彦(西村和彦)で、彼を中心に鑑識班の仕事ぶりが詳細に無駄なく描かれ、上層部からの圧力だの他の部署との確執だのといった、余計な対立ドラマは一切ありません。私はそこに好感を抱きました。

優秀な仕事をし、素晴らしい結果を出してるのに「お荷物部署」と言われたり、やれ「所轄が」「ノンキャリアが」「女が」「新米が」「乳首が」「足の裏が」って、いちいち差別されたりバカにされたりする描写って、本当に必要なの?っていつも思いますから。

主人公が見事に事件を解決させ、最後にそいつらの鼻を明かすような描写があるならまだしも、特にそんな場面も無く終わっちゃう番組も結構あったりする。そんなの視聴者を不快にすること以外、何の効果も無いですよね。

ヒットした番組にそういう描写があったからって、ただ真似すりゃいいってもんじゃない。必要なければバッサリ削って、そのぶん美女の着替えや入浴シーンなど真に重要な描写に全力を注ぎなはれ!って話です。

とは言え、ただ捜査&謎解きを描くだけじゃドラマになりませんから、初回は八丈島で起きた殺人事件の捜査がきっかけで、15年前に主人公=中山の父親を射殺した強盗犯=日野(杉本哲太)が島に潜伏してることが判明します。

その事件は時効寸前で、どうやら日野を匿ってるらしい妻(南 果歩)は「15年も静かに過ごして来た夫はもう更正してる」って言うんだけど、中山は夫妻の幼い息子をオトリに使ったり等、手段を選ばず日野の発見に執念を燃やします。

中山は鑑識課員であり、しかも事件被害者の遺族なもんで捜査から外されており、逮捕権もありません。にも関わらず、休暇を取って独りで日野を追ってる。彼の目的は復讐なのか?

執念の捜査が実り、中山が日野を追い詰めた時、彼の本当の目的が明かされます。日野に殺された中山の父親は、捜査課の刑事でした。日野たちが現金輸送車を襲撃する現場に1人で現れ、射殺されたのでした。

警察内部では、中山の父が強盗計画を事前に察知しながら、1人で手柄を立てるために誰にも言わなかったと噂され、その真意を知るのは彼を射殺した日野だけ。

そう、中山はただ、父が1人で強盗現場に現れた本当の理由が知りたかっただけ。日野に復讐するどころか、逮捕する気も無かったのでした。

で、中山の父は以前から日野に眼をかけており、犯行をやめさせたくて1人で現場へ出向いたこと、そして日野は相手が誰だか判らず反射的に撃ってしまい、殺す気など無かったことが判り、物語は幕を下ろします。

その後、日野が逃げたのか自首したのかは判りません。第2話以降でそれが描かれるのかも知れないけど、少なくとも第1話のテーマはそこじゃないワケです。

かように、徹底して無駄がないドラマなんですよね。今回の場合は事件うんぬんよりも、父親への想いを丹念に描くことで、主人公=中山淳彦の人物像を掘り下げることに注力したんだろうと思います。鑑識の仕事とは直接関係ないけど、それは2時間シリーズでさんざん見せて来たからって事でしょう。

それにしても、主人公が幼い子供をオトリに使っちゃう描写は、なかなかリスキーな賭けですよね。視聴者がそこで彼に共感出来なくなり、チャンネルを変えちゃう恐れがある。保守に凝り固まった現在の民放ドラマじゃ出来ない芸当かも知れません。

レギュラーキャストは、鑑識班メンバーに雛形あきこ、千原靖史、小林すすむ、松永久仁彦、主任にベンガル、係長に角野卓造、管理官に清水章吾、捜査一課刑事に森口瑶子、伊東貴明、三浦浩一、科捜研技官に本田博太郎、中山の母に草笛光子、妹に中山エミリが扮するほか、根岸季衣、柴田理恵、増田未亜といった布陣でした。
 

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『顔』2003

2019-05-20 00:00:07 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2003年の春シーズン、フジテレビ系列の火曜夜9時枠で全11話が放映された、フジテレビ&共同テレビの制作による刑事ドラマ。原作は松本清張さん……ではなく、横山秀夫さんの推理小説『D県警シリーズ/顔 FACE』。

神奈川県警本部の鑑識課員=平野瑞穂(仲間由紀恵)が、上層部のゴタゴタに巻き込まれた挙げ句に広報課へ飛ばされるも、同じように本庁から飛ばされて来た捜査一課の西島刑事(オダギリジョー)と共に、特技の似顔絵を武器に事件を解決していくストーリー。

瑞穂と親しい警務課の婦警に京野ことみ、捜査一課長に升毅、刑事に益岡 徹、矢島健一、品川 祐、菅原大吉、河原さぶ、専属カウンセラーに余貴美子が扮するほか、近藤芳正、黒坂真美、立川絵理、田中律子、海東 健、そして後に仲間由紀恵さんと結婚する田中哲司(由紀恵ちゃんを返せ!)etc…といったレギュラーキャスト陣。

基本は1話完結のミステリーだけど、専属カウンセラーが登場して刑事たちの心をケアする描写が目新しく、仲間さんもオダギリさんもトラウマを抱え、それを克服していくサイドストーリーが縦軸になってます。

それまでの刑事物で心理学と言えばサイコパスを扱うのが定番だったけど、本作では心を癒す手段として用いられており、PTSDやセラピーが注目され始めた世相を反映してるようで興味深いです。

仲間さん扮する主人公は、犯人や事件関係者の似顔絵を描くことで相手の気持ちを読み取り、それを糸口に心を解きほぐして事件解決へと導いていく、言わば彼女自身もカウンセラーなんですよね。

彼女と関わることで事件関係者たちが自分自身と向き合い、トラウマを乗り越えて再出発を遂げるという毎回のストーリーは、おそらくセラピーがモチーフになってるんだろうと思います。この時期から、そういった「心の癒し」や「魂の再生」をテーマにした番組が増えていったような気がします。

だから、本作は単なる謎解きゲームだけで終わらない深さがあるし、仲間由紀恵&オダギリジョーが部署や性別の垣根を越えて共闘するバディ物の要素もあり、多面的で面白いです。

なお、2003年は冬シーズンにTBS系列の水曜夜10時枠で加藤晴彦、菊川 怜、津川雅彦らの出演による刑事ドラマ『刑事☆イチロー』(全9話) も放映されました。
 

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『相棒』シリーズ '02~

2019-05-15 00:00:08 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2002年秋シーズン、いよいよこのシリーズが登場してしまいます。

刑事物のジャンルそのものがマンネリを通り越して化石となり、定型を打ち破った『踊る大捜査線』や『ケイゾク』等のヒットでにわかに活気づいても後が続かず、長らく冬の時代にあった中で比較的ひっそりと登場した『相棒』は、その大ヒットにより刑事ドラマを絶滅の危機から救った救世主であると同時に、以降の番組を「天才(たいてい変人)の主人公がただ突っ立って殺人事件の謎を解くドラマ」一色に塗り替えてしまった大罪人でもあると私は思ってます。

元はテレビ朝日系列の2時間ドラマ「土曜ワイド劇場」枠で水谷 豊 主演『探偵事務所』シリーズを制作してきたプロデューサーが、原作を消化してしまった同作に代わるミステリーの新シリーズを模索してた時期に、日テレの『刑事貴族』シリーズで共演した寺脇康文と二人でまた何かやりたいという水谷さん側の意向を取り入れて企画されたのが『相棒』で、言わば探偵物の延長線上に生まれたワケだから、これが謎解きメインの作品になるのは必然でした。

そして2000年から2001年にかけて単発スペシャル3作品が放映され、好評につき2002年10月から水曜夜9時の1時間枠でいよいよ連続ドラマがスタート。

合間に他の番組を挟みながら2019年現在まで続く人気シリーズとなり、2008年に公開された劇場版第1弾の大ヒットが更に高視聴率を招いて、今や国民的人気の刑事ドラマと言っても過言じゃない存在となりました。(2019年現在まで計17シーズン、劇場版4本+スピンオフが2本)

過去にも謎解きメインの刑事ドラマは勿論あったワケだけど、三谷幸喜さんの作家性を売りにした『古畑任三郎』シリーズ等を除けば比較的地味な存在で、決してメインストリームじゃなかった筈です。

なのに『相棒』が大ヒットしてしまったお陰で、屋内セット中心で安上がりな(お金も手間もかかる屋外アクションを撮らなくて済む)謎解き物が商売になると実証されてしまい、深刻な不景気も相まってほとんどの番組がそっち方向へと流れて行き、その本数も爆発的に増加し、いつの間にか刑事ドラマ=謎解きゲームの図式が当たり前になっちゃった。

決して『相棒』が悪いんじゃなくて時代のせい、もっと言えばラクな方法を取る怠慢なテレビ製作者たちが悪いんだけど、図らずもそのキッカケを作った『相棒』をつい恨めしく思ってしまうワケです。

謎解きメインのストーリーだけでなく、警視庁に警察庁、官僚たちまで絡んで来る小難しい(そして薄汚い)人間関係がやたら描かれるようになったのも『相棒』からで、そこまでリアルになっちゃうともう刑事ドラマでは理想の世界が描けない。所轄の刑事がショットガンで悪党をぶっ殺しまくるような楽しい夢も見られないワケです。

ドラマがどんどんリアルになるということは、イコール表現がどんどん窮屈になるということです。刑事ドラマから痛快さがすっかり消え失せ、残ったのは謎解きと組織内のゴタゴタと上から目線の説教と、あとはお涙頂戴の人情話だけ。

その傾向は '97年の『踊る大捜査線』からあったワケだけど、二度と引き返せない状況を作ってしまったのはこの『相棒』。それだけ凄い番組であるという事です。

警視庁の窓際部署「特命係」の2人が主役ってことになってますが、実質的には係長の杉下右京(水谷 豊)が1人で、その人間離れした洞察力と推理力でほとんどの事件を解決しており、相棒刑事はサポート役あるいは解説役。

どうやら名探偵ホームズ&助手のワトソン君がモチーフになってるようで、右京さんがかつてイギリスに住んでて紅茶が大好きっていう設定も、原典がホームズである事を示してるんだろうと思います。

相棒役はシーズン1~7(第9話まで) が亀山 薫=寺脇康文、シーズン7(第19話から) ~シーズン10が神戸 尊=及川光博、シーズン11~13が甲斐 亨=成宮寛貴、シーズン14以降が冠城 亘=反町隆史と変遷しており、私としてはマニア臭のする及川ミッチーが一番好きだけど、右京さんとのバランス(対比)を考えればやっぱり初代の寺脇さんがベストな組み合わせなんだろうと思います。

ほか、右京の元妻にして小料理屋「花の里」の女将=たまきに益戸育江、その後継者=幸子に鈴木杏樹、薫の妻となる美和子に鈴木砂羽、亨の恋人=悦子に真飛聖、雑誌記者の楓子に芦名星、警視庁刑事部長に片桐竜次、刑事部参事官に小野了、捜査一課刑事に川原和久、山中崇史、捜査二課刑事に原田龍二、第5課長に山西惇、副総監に大杉漣、杉本哲太、警務部首席監察官に神保悟志、総務部広報課長に仲間由紀恵、亨の父親である警察庁長官に石坂浩二、法務大臣に津川雅彦、事務次官に榎本孝明、官房副長官に木村佳乃、そしてサイバーセキュリティー対策本部から特命係に配属される青木に浅利陽介、鑑識係の米沢に六角精児、シーズン9で刺殺される警察庁の小野田官房室長に岸部一徳、といった歴代レギュラー&セミレギュラー陣。

現在主役を張れるようなキャストは仲間由紀恵さんぐらいしか見当たらず、『太陽にほえろ!』以降オールスターが原則だった刑事役のキャスティングがすっかり地味に(そのぶんゲストを豪華にするように)なったのも多分『相棒』からの傾向。

あらゆる部分で、それ以降の刑事ドラマのフォーマットを決定づけてしまった『相棒』は、30年前に登場した『太陽にほえろ!』以来のビッグバンだと言って間違いないと思います。

それは勿論、ハイクオリティーな脚本や演出、演技による素晴らしい作品を次々と生み出したからに他ならず、私とてなんだかんだ文句は言っても、観れば確実に楽しめる刑事ドラマとしてリスペクトしてやみません。

素晴らしいからこそ、その絶大なる影響力が恨めしい『相棒』は、水谷豊さんが辞めると言わない限り永遠に続きそうな勢いです。(すでに実年齢は刑事の定年を越えてる筈)

なお、第1シーズンがスタートした2002年秋シーズンには他に、反町隆史&押尾 学の主演による『ダブルスコア』(フジテレビ系列火曜夜9時・全11話)というバディ物も放映されてました。
 

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『ケータイ刑事』シリーズ '02~'10

2019-05-11 00:00:21 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2002年から2010年まで制作され、BS-iを中心に地上波 (TBS) の深夜枠やCS等でも放映された、30分枠のドラマシリーズ。

警視総監を祖父に持つIQ180の女子高生が、特命刑事として携帯電話を武器に難事件を解決していく、一応ミステリー仕立ての刑事ドラマ。(スポンサーがdocomo社なんですねw)

私にとってこのドラマが素晴らしいのは、過去に我々世代が観てきた刑事ドラマのキャラクター達が、ヒロインの相棒役として登場してくれるから。

『太陽にほえろ!』の五代 潤(山下真司)に『華麗なる刑事』の高村一平(草刈正雄)、そして『噂の刑事トミーとマツ』の岡野富夫(国広富之)と松山 進(松崎しげる)らが、その後の姿を『ケータイ刑事』シリーズで見せてくれました。

特に最初の『銭形愛』では、第1話の冒頭で下川辰平さん扮する老警官が、五代刑事に新品のスニーカーをプレゼントするという、ファンなら涙なくして観られないオマージュ演出までありました。(下川さんは『太陽~』の長さん役であり、五代刑事のニックネームはスニーカーでした)

また、主演に抜擢された若手女優たちが、本作を機に次々とブレイクを果たした事から、『ケータイ刑事』シリーズは『太陽にほえろ!』と同様「新人の登竜門」みたいに云われるようにもなりました。

しかも初代ケータイ刑事=銭形愛を演じた宮崎あおいさんと、2代目=銭形舞を演じた堀北真希さんの2人が突出して出世した上、両者がライバル視されて不仲説も囁かれたりしたのが、まるで『太陽~』の初代新人刑事=マカロニを演じた萩原健一さんと2代目=ジーパンを演じた松田優作さんの関係とソックリなんですよねw

そして「謎は解けたよ、ワトソン君」の決め台詞で犯人の正体やトリックを見破ったヒロインが、水戸黄門の印籠よろしくケータイを掲げ、口上を述べながらストラップをびよ~ん!って武器にするw、明らかに『スケバン刑事』を意識した演出も定番でした。

シリーズが進むにつれパロディ的なお遊びがエスカレートし、ミュージカルや時代劇、サイレント、公開収録といった大胆な実験作まで飛び出して、劇場版も3作公開されるほどの人気シリーズとなりました。

私がよく観てたのは、やっぱり宮崎あおいバージョンと堀北真希バージョンで、どちらにも大いに萌えましたw 現在の彼女らにも萌えるけど、やっぱりハイティーン期の女子の輝きというのは、つくづく無敵だと思います。ロリコンと言われようが変態扱いされようが、これからも私は萌え続けるでしょうw

以下、TVシリーズ全作のタイトル&主要キャストを列挙します。この中に多部未華子さんの名前が含まれないのが残念……っていうか不思議なんだけど、ホントに錚々たるメンバーです。

『ケータイ刑事 銭形愛』(宮崎あおい、山下真司)

『ケータイ刑事 銭形舞』(堀北真希、山下真司)

『ケータイ刑事 銭形泪』(黒川芽似、山下真司、草刈正雄)

『ケータイ刑事 銭形零』(夏帆、草刈正雄、山下真司)

『ケータイ刑事 銭形雷』(小出早織、国広富之、草刈正雄)

『ケータイ刑事 銭形海』(大政 絢、草刈正雄、山下真司、松崎しげる)

『ケータイ刑事 銭形命』(岡本あずさ、松崎しげる)

『ケータイ刑事 銭形結』(岡本杏里、辰巳琢郎)

……以上、ヒロインは全員、同じ祖父を持つ姉妹だったり従兄弟だったりするんだけど、さすがにこれだけの人数になると設定に無理がありますねw
 

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