









2003年の春シーズン、フジテレビ系列の火曜夜9時枠で全11話が放映された、フジテレビ&共同テレビの制作による刑事ドラマ。原作は松本清張さん……ではなく、横山秀夫さんの推理小説『D県警シリーズ/顔 FACE』。
神奈川県警本部の鑑識課員=平野瑞穂(仲間由紀恵)が、上層部のゴタゴタに巻き込まれた挙げ句に広報課へ飛ばされるも、同じように本庁から飛ばされて来た捜査一課の西島刑事(オダギリジョー)と共に、特技の似顔絵を武器に事件を解決していくストーリー。
瑞穂と親しい警務課の婦警に京野ことみ、捜査一課長に升毅、刑事に益岡 徹、矢島健一、品川 祐、菅原大吉、河原さぶ、専属カウンセラーに余貴美子が扮するほか、近藤芳正、黒坂真美、立川絵理、田中律子、海東 健、そして後に仲間由紀恵さんと結婚する田中哲司(由紀恵ちゃんを返せ!)etc…といったレギュラーキャスト陣。
基本は1話完結のミステリーだけど、専属カウンセラーが登場して刑事たちの心をケアする描写が目新しく、仲間さんもオダギリさんもトラウマを抱え、それを克服していくサイドストーリーが縦軸になってます。
それまでの刑事物で心理学と言えばサイコパスを扱うのが定番だったけど、本作では心を癒す手段として用いられており、PTSDやセラピーが注目され始めた世相を反映してるようで興味深いです。
仲間さん扮する主人公は、犯人や事件関係者の似顔絵を描くことで相手の気持ちを読み取り、それを糸口に心を解きほぐして事件解決へと導いていく、言わば彼女自身もカウンセラーなんですよね。
彼女と関わることで事件関係者たちが自分自身と向き合い、トラウマを乗り越えて再出発を遂げるという毎回のストーリーは、おそらくセラピーがモチーフになってるんだろうと思います。この時期から、そういった「心の癒し」や「魂の再生」をテーマにした番組が増えていったような気がします。
だから、本作は単なる謎解きゲームだけで終わらない深さがあるし、仲間由紀恵&オダギリジョーが部署や性別の垣根を越えて共闘するバディ物の要素もあり、多面的で面白いです。
なお、2003年は冬シーズンにTBS系列の水曜夜10時枠で加藤晴彦、菊川 怜、津川雅彦らの出演による刑事ドラマ『刑事☆イチロー』(全9話) も放映されました。
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