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ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『ちょっとかわいいアイアンメイデン』

2021-04-27 08:30:15 | 日本映画






 
吉田浩太 監督・脚本による2014年公開の日本映画。アイアンメイデンとは中世の拷問具「鉄の処女」のことです。

カトリック系(?)の厳格な女子校を舞台に、学校公認で拷問を研究&実践する「拷問部」の活動、そして恋愛が描かれてます。

恋愛と言っても女子校ですから、女の子どうし。つまり「百合」の世界で、私はそこに惹かれて観る気になりましたw

もちろん「拷問部」というぶっ飛んだ設定にも興味を引かれたけど、痛いのは苦手なもんでSM的な趣味は無く、あのボンテージルックってヤツにも私は萌えません。全裸が一番ですw

主演はグラビアアイドルの木嶋のりこさんで、オールヌードの初披露に加えて拷問シーン、レズシーン、オナニーシーン等を全身全霊で熱演してくれてます。

このテの映画はそこんとこが肝心で、何だかんだ言ってもそれが観たくて観客は映画館に行ったり、DVDを買ったり借りたりするんだと私は思います。

そういう観点で評価すれば、この作品はほとんどパーフェクトじゃないでしょうか? 木嶋のりこさんの本作に賭ける意気込みと覚悟が十二分に伝わって来て、私は感動しちゃいました。素晴らしい!

ただ1つ残念だったのが、相手役の吉住はるなさんが「そ、そこまでして……」って言いたくなるくらい、頑なに乳首を隠してた事です。それ以外は木嶋さんと同じこと(SM、レズ、オナニー)してるのに、乳首だけNGってw

観客の視線を木嶋さんに集中させる為の配慮なんでしょうか? でも、他の映画じゃ全部見せてる間宮夕貴さん(部長役、メガネの子)も今回は乳首死守ですから、乳首次第でギャラの額が違うのかも知れません。

いやしかし、もう1人の部員を演じる矢野未夏さん(太めの子)は豪快に見せてますからw、なんだかよく解りません。見せる子と見せない子が混在するのは不自然ですから、そこは大きなマイナスポイントです。

原作は4コマ漫画なんだそうで、たぶん拷問を笑いのネタにしてるんだろうと思いますが、映画版は百合の要素をメインに結構シリアスなドラマになってます。

だから「拷問」に惹かれて観る人には物足りないかも知れません。痛いのが苦手な私でも眼を背けずに観てられましたから。

逆に、私みたいに「百合」が目当てな人には強くオススメしたいです。儚いラブストーリーとして楽しめるし、本気で感じてるんじゃないか?って思うくらい気持ちの入ったレズシーンが素晴らしくて、私は非常に満足しましたw



憧れの女子校に入学が叶ったヒロイン(木嶋のりこ)ですが、なぜか無理やり「拷問部」に入部させられる羽目になります。実は入学試験に拷問士の適性を測る問題が盛り込まれてたのですw

まずは拷問に耐える訓練を受けるヒロインですが、Mでもない彼女にとっては苦痛でしかない。けど、以前から憧れてた先輩(吉住はるな)と一緒にいる為に、彼女は拷問に耐える訓練に耐え続けるのでした。

やがてヒロインは、先輩が真性のMであることに気づくと同時に、自分自身の中にあるSの血が目覚めて行きます。そして2人は互いを求め合い、ついに結ばれるのですが……

拷問部には、部員どうしの恋愛を禁じる鉄の掟があり、2人の関係に気づいた部長(間宮夕貴)は、ヒロインを究極の拷問具=アイアンメイデンで折檻しようとする。たけど全ての罪を被った先輩が身代わりになり、重傷を負う羽目に……

なぜ、拷問部は部員どうしの恋愛を禁じるのか? たぶん、そこがSMと拷問の違いなんだろうと思います。愛情や快楽を伴うのがSMであり、情報を聞き出す為にひたすら相手を痛めつけるのが拷問。

でも相手に愛情を持ってしまうと、その行為はSMという「プレイ」になっちゃう。それでは訓練にならず、一流の拷問士にはなれないってワケです。

なんで女子高生が一流の拷問士にならなきゃいけないのか?ってのは愚問ですw この作品の世界にはそういう使命と掟があるんだから仕方がない、大霊界はあるんだから仕方がない。

で、部員に重傷を負わせたことで拷問部は廃部の危機に瀕するも、先輩が自分の退学と引き換えに部を守り、遠い地へと引っ越す=愛する後輩と別れなければならない、という切ない結末を迎えます。

けど、先輩のお陰で、自分の中に眠ってたSの血が目覚めたヒロインは、部長をも超える一流の拷問士に成長し、拷問部の未来を支える存在となるのでした。

こういった思春期における「百合」の世界に私が惹かれるのは、勿論スケベ心が第一にありつつも、そこに「儚さ」をすごく感じるからなんですね。

結ばれたとしても、その関係は決して長くは続かない。恐らくほとんどは卒業と同時に終わっちゃう。実際はどうだか知らないけど、私の中じゃそんな切ないイメージがある。だからこそ、愛し合う場面が輝いて見えるワケです。

しかもこの映画の場合、2人がやっと結ばれ至福を味わった直後に、残酷な拷問シーンが待ってる。その痛みがあるからこそ2人の愛は余計に燃え上がり、引き裂かれた後に互いを想ってオナニーする場面や、最後の抱擁シーンがより切なく、感動的なものになるんですよね。

しかも、ちゃんとヒロインの成長ストーリーにもなってるワケで、これは決してただのエロ映画じゃない。なにげに良く出来た青春映画です。

ところが、映画紹介サイトに投稿された観客レビューを見てみると、酷評してる人が結構おられる事に驚きました。

曰わく「何を描きたいのかサッパリ解らない」「監督の演出が下手くそ」「女子のヌードに頼り過ぎ」「SMと拷問の違いが判らない」「恋愛の過程がちゃんと描かれてない」etc……

劇場に足を運び、高い料金を払って観た観客の意見ですから、ハードルが高くなるのはまあ理解出来るんだけど、それにしたって創り手に対する敬意と思いやりが全く感じられない言い草に、私はカチンと来ちゃいました。

作品に対してどんな感想を述べようが自由なのは承知してますが、だったらその感想に対する感想を述べるのも自由ってことで、ちょっと反論させてもらいます。

まず言いたいのは、この種の映画に対してあなた達、そんなハイレベルな内容を本気で求めてらしたの?ってことです。

こんなのは女子のハダカとセックスを見たい人が観る映画であって、演出が上手いとか下手とか論じるもんじゃないでしょう? ヌードに頼り過ぎてるって、その為に創った映画でしょうが!w

そういう意味じゃ木嶋のりこさんの脱ぎっぷりとエロ芝居はパーフェクトです。充分に料金分のサービスは行き届いてます。なぜか乳首NGな人はいるけどw、木嶋さんの頑張りはそれを補って余りあります。

監督の演出が下手くそって、何様ですか? だったらどの場面がどうダメで、どうすれば良かったのか具体的に書きなさいよって話です。小学生の読書感想文じゃないんだから。

低予算=少ない人員と超タイトなスケジュールで、しかも演技に関してはほとんど素人のグラビアアイドル達を主役に、吉田浩太監督は精一杯の仕事をされたと私は思ってます。

何を描きたいのか解らない? SMと拷問の違いが判らない? その答えは上に書いた通りで、しっかり明快に描かれてますよ。自分の理解力の無さを棚に上げて、何でもかんでも創る側のせいにする……そんなの単なるタチの悪いクレーマーですやん。

まずは予告編やチラシ&ポスター、上映館の作品傾向などをよく見て、その映画が何を目的にして、どれくらいの予算規模で創られたのか、事前に予測する想像力と感性を磨きなはれ。

どんな低予算で創られてようが、高い料金を払う以上はハリウッド大作と同じレベルでなきゃ納得出来ないなんて、よもや思ってないでしょうね?

そんなにハードルを上げて、損するのはアナタ自身ですよ。素直に「のりこちゃんのヌード最高!」「本気のレズシーンにボクの身体の一部がHOT! HOT!!」って、喜んだ方が絶対トクなんだから。

というワケでセクシーショットは間宮夕貴さん、吉住はるなさん、そして木嶋のりこさんです。


 

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『過激派オペラ』

2021-04-26 08:00:08 | 日本映画










 
※前回の『カケラ』は、ちょっと前にレビューした『スクールガール・コンプレックス/放送部篇』から続いてる「百合映画」の流れに合わせ、かつて閉鎖した旧ブログから引っ張りだして来た過去記事の再掲載であり、今回の『過激派オペラ』もその1本。

文中でコメディ映画『探検隊の栄光』が何度も引き合いに出されてますが、それは旧ブログでその作品の次にレビューしたのが『過激派オペラ』だからであり、悪意は全くありませんw(どちらも同じくらい私は大好きな映画です)

☆☆☆☆☆☆☆

『過激派オペラ』は2016年に公開された、江本純子監督による日本映画。江本監督は劇団「毛皮族」主宰者で、映画はこれが処女作。ご自身の書かれた小説『股間』が原作になってます。

女性ばかりの小劇団「毛布教」の主宰者=ナオコ(早織)が、新作舞台『過激派オペラ』のオーディションで出逢った女優=春(中村有沙)に一目惚れし、彼女を主演に抜擢しつつ口説き倒して恋仲になるも、痴話喧嘩による破局で劇団もガタガタになっちゃう、そりゃそうなるやろ!っていう納得のお話ですw

一見シリアスタッチだけど本質はむしろコメディで、『探検隊の栄光』や『HK/変態仮面』と同じカテゴリーに入るおバカ映画かも知れませんw

とにかくナオコという女がチョー肉食系のレズビアンで、ひたすら「やらせて!」「お願い!」「1回でいいから!」と土下座しながら女の子を押し倒す姿は中学生男子にしか見えませんw

だから、ヌードも濡れ場も頻繁に登場するんだけど、エロいというよりは滑稽でw、我々のオカズには多分なりません。

彼女らが演じる舞台もまた、半裸で踊ったり絡み合ったりする卑猥なものだけど、シュール過ぎて全然意味が解んなくてオカズになりませんw

じゃあどう楽しめばいいのかと言えば、やっぱりこれは笑って楽しむべき映画。大衆ウケを狙ったがゆえにスベっちゃった『変態仮面』のパート2より、よっぽど正しいバカ映画の在り方です。

そして男性観客にとっては、女性という生きものの本質を学ぶ絶好のテキストになるやも知れません。やっぱり女性監督の作品だけあって、我々があまり見たくない女性の姿も容赦なく描いてくれます。

監督ご自身も恐らく内面はかなり男性的で、だけど性別は女だから、周りにいる女性たちは彼女の前で(男にはなかなか見せない)本性をさらけ出しちゃう。それを男性的な目線で見て来られたであろう、江本監督ならではの女性描写が楽しめるって寸法です。

世間の眼から見れば無意味でバカバカしいことに、当人たちはすこぶる真剣に、半ば命懸けで取り組んでる。その愚直で滑稽な姿に感動しちゃう構図は、同じ演劇の世界を描いたももクロの『幕が上がる』よりも、やっぱ『探検隊の栄光』に近いw

ただし、映画としての完成度は『探検隊~』よりこちらの方がずっと高いと思います。主役の早織さんと中村有沙さんも魅力的だし、こちらは安心して皆さんにオススメ出来ますw

共演は趣里、桜井ユキ、森田涼花、範田紗々、増田有華、高田聖子、安藤玉恵etc…と、けっこうメジャーな女優さんも参加されてます。

一見の価値あり。男性でも女性でも楽しめると思います。

ところで『過激派オペラ』に後半から登場し、途端に観客の眼を奪い、役の上でも台風の目となって劇団「毛布教」を引っ掻き回す女優=ユリエを演じたのが、最近よくテレビでお見かけする趣里さん。

設定上でも既に売れてる女優の役で、その圧倒的な存在感と才能で、主役だった筈の春(中村有沙)から居場所を奪ってしまう。それが春とナオコ(早織)の破局に繋がり、劇団がガタガタになっちゃうワケです。

そんな別格の女優を連れて来て、あからさまにチヤホヤするナオコもナオコなんだけど、彼女はたぶん舞台の内容をより良くすることしか考えてない。

なのに主演女優の春を痴話喧嘩で失った挙げ句、ワガママが酷くなって来たユリエをセックスで黙らせようとして彼女にも逃げられちゃうw 劇団の経営も赤字で何百万もの借金を抱えてるのに、演劇も女たらしも一向にやめられない。

バカでしょう?w だけど憎めない。演劇へのほとばしる愛と情熱が、彼女から溢れてるからだろうと思います。

で、趣里さん。一度見たら忘れられないルックスをされてます。私は連ドラの『リバース』『この声をきみに』『トットちゃん!』等で続けてお見かけし、また新しい売れっ子さんが出て来たんやなあって、まぁその程度の認識しか無かったんだけど、今回の趣里さんを見て一気にファンになりました。

ももクロの映画『幕が上がる』では黒木華さんが登場した途端に空気が一変しちゃう女優オーラに驚いたけど、『過激派オペラ』における趣里さんもまさにそう。彼女をキャスティングした江本監督の選択眼は素晴らしい!と思いました。

今回の役ではコメディエンヌとしての才能も発揮されてて、この人はきっと大物になるに違いない!と思ってこの記事を書くことを決め、初めてプロフィールを調べてみたら驚いた!

なんと水谷豊&伊藤蘭 夫妻の娘さんだったのですね! 私は全然知りませんでした。やっぱり、才能も遺伝するんですね。15歳で足に大怪我を負うまではバレリーナを目指しておられたらしく、演技については特に英才教育を受けてないみたいだから、やっぱり持って生まれた才能なんでしょう。

デビューは2011年放映の『3年B組金八先生スペシャル』で、けっこうキャリアはおありだけど、私が好んで観る作品には最近まで出ておられなかった。

この『過激派オペラ』も、なぜかWikipediaのプロフィールからは除外されてますw 趣里さんご自身にはヌードも濡れ場も無いのに、これだけメジャーになると黒歴史扱いされちゃうんでしょうか。素晴らしい仕事をされたと私は思うので、ちょっと残念。

だけどお人柄も評判良くて、これからますますメジャーになられるのは間違いないでしょう。

そしてセクシーショットは主役の中村有沙さん。井口昇監督による究極のお下劣ホラー『ゾンビアス』('12) でうんちゾンビたちと屁をこきながら激闘した、あのハツラツ美少女もすっかりオトナ。現在はフッくんの息子こと俳優の布川隼汰さんと結婚され、人妻になられてます。


 


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『カケラ』

2021-04-23 23:50:03 | 日本映画










 
2010年春に公開された、安藤モモ子さんの監督・脚本による日本映画。桜沢エリカさんの漫画『LOVE VIBES』を実写化した作品です。

この映画に百合の要素があることは知ってましたが、予告編でコメディっぽい印象を受けたもんで、ちょっとしたネタ程度の描かれ方だろうと勝手に思い込んでました。

観たら違ってました。これは本格的な百合映画ですよ! ただし、我らヘンタイ男が妄想する甘美な百合世界とは全然違います。ヘロデ王こと奥田瑛二さんの長女=安藤モモ子さんの第1回監督作品ってことで、確かにこれは女性にしか撮れない映画です。

満島ひかりファンの方は、ちょっと覚悟して観なければなりません。下着姿や、お尻が見えるシャワーシーン、女性どうしのラブシーンは良い(むしろ大歓迎)として、アパートの和式トイレにお尻をつけて放尿したり、公園のトイレでタンポンを入れたり等、男としてはあまり見たくない生々しい描写が多々あります。

特に衝撃的だったのは、腋毛です。アンダーヘアを見せた女優さんはいっぱいいても、腋毛を大スクリーンに晒した売れっ子女優は数少ないでしょう。男が女性に対して抱く幻想を、ことごとく打ち崩してやろうっていうモモ子さんの狙いがハッキリ判ります。

だーがしかし! 世の中、女性の腋毛に顔をしかめる男ばかりだと思ったら、そりゃ大間違いですぜモモ子さんw

私が性に目覚め始めた中学時代、同級生女子の制服(夏服)の隙間から見えた腋毛に衝撃を受けて以来、女性の脇の下がチラッと見えるシチュエーションに、興奮するとまでは言わないけど、ちょっと萌える体質になってしまったのです。

いや、往年のセクシー女優・黒木香さんみたいにボーボーなのは平気なんです。ちょっと処理をサボってうっすら生えて来た位がちょうどいい。要するに、思春期に初めて見た女性の秘部、その時のドキドキが刷り込みになって今だに残ってるワケです。

例えば夏場、電車の座席に座ってて、目の前に女性が立ち、吊り革を持ったとしましょう。私はつい、彼女の脇の下をチラ見しちゃうのです。で、それが綺麗に処理されてた日にゃあガッカリするワケですよ。

だからモモ子さん。皮肉にもあなたは、私を喜ばせただけに過ぎないんですよ?……って、話が横道に逸れまくってますけど、皆さんどいつもこいつもホントど変態ですね!

満島さん扮するヒロインがつき合ってる彼氏ってのがまた、ロクでもない乳首チョメチョメ野郎で、ただ会って泊まってセックスするだけの、惰性かつ空疎な日々。

心の隙間を埋める何かが欲しい……そんな時に彼女が出逢うのが、中村映里子さん扮するメディカル・アーティスト。義手とかシリコンおっぱいを造ったりする、言わば人の欠けたパーツを補う仕事をしてる女性です。

男か女かなんて関係ない。自分は「人」を見て好きになるだけで、世間からどう思われようが知ったことじゃない。そんな中村さんは実にカッコいいです。レズだ変態だとバカにする乳首チョメチョメ野郎にキンテキを食らわし「キンタマ付いてりゃ偉いのか!? グローバルな世の中について来れないだけだろバーカ!」なんて啖呵を切る場面には拍手喝采です。

だから満島さんも彼女に惹かれ、男も女も関係ない心の繋がりに、隙間を埋めてくれる何かを見いだすんだけど……

いざ同棲生活を始めると、自由奔放に見えた中村さんが、満島さんを束縛するようになる。「男だの女だのと考えるから苦しくなるんだよ」って言ってた中村さんなのに、満島さんがちょっとでも男と関わると嫉妬する様になっちゃう。自分の方がよっぽど性別にこだわってるやん!っていう矛盾w カッコいい彼女にもやっぱり「欠けてる」パーツがあるんですよね。

幸せを感じたのは束の間だけで、2人の心はすれ違い、再び孤独で息苦しい毎日が始まる。で、2人はこれからどうなっていくの?っていう観客の気持ちを置き去りにしたまま、突き放すように映画は終わっちゃいます。

「満月は綺麗だけど、それは1日だけで後はずっと欠けてるんだよ。でも、欠けてる月だって綺麗かも」

「好きなものは、いっぱい食べちゃ駄目だよ、気持ち悪くなっちゃうから。少しずつ食べた方が幸せだよ」

↑うろ覚えですが、作者のメッセージはこれらの台詞にこめられてるかと思います。

心が満たされず、息苦しい毎日……それって誰でも同じで、普通のことなんだよと。たまにしか満たされないからこそ、その瞬間が幸せに感じられるんだよと。

人は不完全な生きもので、常に何かのパーツが抜け落ちてる。そのカケラを拾い集め、パズルを埋めていくのが人生ってこと……なのかも知れない。なかなか全部は埋まらないけど、1つ埋めるたびに歓びがあるんだから、また頑張って次のカケラを探そうよって、そういうことを言ってるんだと私は解釈しました。

それにしても満島さん、名作『悪人』や『川の底からこんにちは』でもそうだったけど、心が満たされずに苦しむ「中の下」の女を、実に自然に演じておられます。

特に『川の底から~』の前半と、本作の満島さんはよく似てます。優柔不断で流され易く、ダメ男に振り回されちゃうダメ女。これがまた妙にハマってるw

ところで、ずっと前にタベリスト仲間のgonbeさんが本作をレビューされた時の疑問点=棒アイスを妙にいやらしいしゃぶり方で食べる、中村映里子さんの場面ですが……

私は中村さんが男に全く興味が無いからこそ、ああいうしゃぶり方を(そういうしゃぶり方だとは知らずに)平気でしちゃうんだろう……と、数年前に本作を観た時は思いました。

けど、今回あらためて観直すと、むしろ彼女の隣にいる満島さんが、わざわざウインナー・ソーセージを食べてるのが気になるんですよね!w いわゆるジェンダーレスっぽい満島さんは、それを普通に噛って食べてるワケです。

だから、つまりセックスの問題に関して、満島さんはもう飽きるほど満たされてるのに対して、中村さんは著しく「欠けてる」からこそ、無意識に渇望してるっていう暗喩なのかも知れません。そう考えると、満島さんがいつもパンツルックなのに対して、中村さんはスカートを好んでることにも意味がありそうです。

まあ、アイスは普通しゃぶるもんだし、ウインナーは噛って食うもんだろと言われりゃその通りなんだけどw 

いずれにせよ、男なんて所詮ただの「肉棒」に過ぎないってことですよ! それが結論w


 

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『LOVE MY LIFE』

2021-03-30 00:00:03 | 日本映画







2006年秋に公開された、川野浩司 監督・金杉弘子 脚本による日本映画。「やまじえびね」さんの連載漫画を実写化した作品です。

翻訳家を目指して語学学校に通う18歳の女の子=いちこ(吉井 怜)には、弁護士を目指す大学生=エリー(今宿麻美)というカッコいい同性の恋人がいて、ある日、有名な翻訳家である父親(石田衣良)にそのことを打ち明けたら「実はパパもママもゲイなんだよ」と逆カミングアウトして来るもんだから驚いた!

しかも「死んだママには女性の恋人がいたし、パパには今も付き合ってる男性がいるんだ」とか「子供が欲しいから仕方なく結婚したけど、いちこが生まれてくれて嬉しかったよ」とか言うもんだからどうリアクションして良いやら分からない!

……と、そんな序盤の展開が一番面白くて、あとはカップルがすれ違いや衝突を乗り越えて絆を深めていく、これが男女の話だったら平凡極まりない筋立て、と言うほかありません。

だからストーリーはどうでもいいんですよね。現在まさにトレンドと言えるLGBTの問題を、いかにして重くならずオシャレに描けるか、その工夫に全神経を集中させて創ったような印象を私は受けました。

オシャレ系(?)の作家である石田衣良さんが父親役だったり、人気ガールズポップバンドの音楽が随所に流れたりするし、セリフもやたら気取った文学調だし、ヌードや濡れ場はあっても全然エロチックじゃないし。原作はいわゆるレディース・コミックですから、明らかにこれは女性向けの百合映画。なのに下世話なオッサンがうっかり観てしまいましたw

いちこの親友=タケちゃん(高橋一生)もゲイで、周囲にカミングアウトするかしないかで悩んでたり、いちこがバイト先で知り合ったモヒカン女子(川合千春)と浮気しちゃったり、ママ(小泉今日子、写真のみ)の元カノ(秋本奈緒美)と偶然再会したら新しい恋人(浅田美代子)を連れてたり等して、どんだけぇ~!ってくらい世の中が同性愛で溢れてるw 身近にこれだけゲイがいるなら、もはやマイノリティじゃないですよね。

実際はどうなんでしょう? 私はこれまで50年以上生きて来て、1人だけニューハーフの人がいたぐらいで、ゲイらしき人はほとんど身近にいなかったけど、実は隠してるだけで結構いたりしたのかなあ……?

とにかく、日本じゃ珍しい女性が観て楽しめる百合映画として、そういうのをお探しの方にはオススメ出来そうです。ブレイク前の高橋一生くんや平岩紙さんも大学生役で出てたりするし、キャスティングも総じてオシャレ。

そんなワケでセクシーショットは、ファッションモデル出身の今宿麻美さんと川合千春さん、そしてグラビアアイドル出身の吉井怜さん。吉井さんと今宿さんはこの映画がヌード初披露作となりました。


 

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『スクールガール・コンプレックス/放送部篇』

2021-03-28 21:40:24 | 日本映画










 
可愛くて演技力のある若手女優を10人挙げるとしたら、森川葵さんと門脇麦さんの名前は確実に入って来るんじゃないでしょうか?

そのお2人が女子高を舞台に「百合」を演じる映画と聞けば、そりゃ観ないワケにはいきません! 百合っていうのはつまり、女性どうしの恋愛を意味し、キスしたり、運が良ければチョメチョメしたりするかも知れないんだから!

森川さんも門脇さんもすっかり売れっ子でキャリアを積んでおられますから、もはや若手とは言えないんじゃないの?って声も聞こえそうだけど、この映画は2013年に公開されてますから、当時は紛れもなく若手。そんなお2人がもしかしたらキスしたり、運が良けりゃチョメチョメですよ!? チョメチョメ! チョメチョメ! チョメチョメ!

しかし、先に結果を言えば、残念ながらチョメチョメはおろか、キスもちゃんと見せてくれない(したのかしてないのか、あえて想像に委ねるような)淡白演出でした。

まぁチョメチョメはともかくとして、私は百合映画を観るとき、主役の2人が初めてキスする瞬間を何より楽しみにしてるもんだから、それを見せてくれないのは非常に残念です。

レズビアン映画の金字塔『アデル、ブルーは熱い色』や、ドラマ『Lの世界』なんかはキスシーンだけでもドキドキさせてくれたもんです。これが男女の恋愛なら「ええからはよ脱げ!」って思うだけなのに、女どうしだとキスだけで私は興奮できます。(男どうしに関してはノーコメント)

今回の映画は写真家・青山裕企さんのベストセラー写真集『スクールガール・コンプレックス』が原案ってことで、監督の小沼雄一さんはその「見えそうで見えない」世界観を尊重されたんでしょう。だから仕方ないとは思うけど、キスぐらいええじゃないスかねえ?w ムツゴロウさんなんかゴールデンタイムのテレビで動物とディープキスしてましたよ?

ただ、そこはすこぶる残念でも、作品そのものを否定するつもりは毛頭ありません。たとえ行為は描かれなくとも、百合の世界には、特に思春期の女の子どうしの恋には、我々オジサンをキュンとさせる何かがあるんですよね。

10年以上前、私は百合の要素を絡めたアクション映画の製作に携わり、その参考にと監督さんから薦められたアニメ『マリア様がみてる』を観て、百合世界の虜になっちゃいました。(2010年にブレイク前の波瑠さん&未来穂香さん主演で実写映画化もされてます)

今野緒雪さんの人気ライトノベルを原作としたそのアニメは、厳格なカトリック系の女子高を舞台にした青春ドラマで、女の子どうしの恋愛を絡めながらも、それはあくまで純愛。キスシーンは無いしチョメチョメなどもってのほかでしたw

なのに、この私が、そんな目的でしか作品を観ない私が強烈にハマったんだから、百合モノには他のジャンルに無い大きな魅力があるワケです。

その魅力の正体はいったい何なのか、考えに考えて出した私の結論は、思春期の百合はおおよそ実らぬ「儚い恋」だから、というもの。

それは男女でも同じかも知れないけど、同性どうしとなると周囲の偏見もあるし、結婚にはまず結びつかないし、学校を卒業すれば自然消滅しちゃうイメージがあるから、熱くなればなるほど儚くて、切ない……と私は思うワケです。

今回の映画『スクールガール・コンプレックス』でも、描かれた恋はことごとく成就せずに終わってます。だから美しいんですよね。女子高の放送部が舞台ってことで、演劇部が舞台の『マリア様がみてる』と雰囲気もよく似てます。

ただし! 『マリア様~』では決してあり得ないであろう、男の介入によって関係が崩れちゃうというバッドエンドは、とても後味悪かったです。百合の世界に男が立ち入るのはマジ最悪!(友情より男を選んだ彼女の人生も、先行きは暗いことでしょう)

現実世界じゃよくある事だろうけど、百合映画にそんなリアリティーは要りません! 『マリア様~』みたくファンタジーに徹して欲しかったです。『放送部篇』だけで終わっちゃったのは、そこに原因があるのかも?

けど、百合じゃなく青春映画として考えると、そういう醜い現実も描かなきゃいけない。それは解るんだけど、結局どっちつかずだったのがイマイチな印象を与えた気がします。

とは言っても、やっぱり森川葵&門脇麦の百合ですから、それだけで見応えは充分。つくづく、このお2人はホントに上手い!

加えて、近藤真彩、吉倉あおい、今野鮎莉、高井つき奈、そしてまだ無名だった新木優子、といった若手キャスト陣の瑞々しさ! もうそれだけで心が洗われ、萌えますw

特に、森川さんに片想いする近藤真彩さんが凄くイイ! 言っちゃ悪いけど主役の2人ほど美少女じゃないところに切なさがあり、私は彼女に泣かされちゃいました。もちろん演技も素晴らしくて、彼女の存在が無ければ作品の評価はもっと低かったと思います。

あと、これは明らかに原案の写真集に添った演出だけど、足フェチにはたまらん映像が満載です。冒頭、いきなり門脇さんのナマ足(足の裏もバッチリですよ、ムーミンさん!w)を舐めるように見つめる森川さん、という場面から始まりますから、エッチな展開も期待させてホント罪な映画ですw

そんなウワベだけのフェチじゃなく、もうちょいエロの領域に踏み込んでくれてたら、私は手放しで絶賛したと思います。チョメチョメが無くてもエロは描ける!

やっぱりねぇ、カッコつけちゃダメですよ。男目線で百合の世界を描くなら、そこは正直にいくべきでした。実に惜しい! けど、とにかくキャスティングが素晴らしいですから、一見の価値は十二分にアリです。


 

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