ハリソン君の素晴らしいブログZ

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『ちょっとかわいいアイアンメイデン』

2021-04-27 08:30:15 | 日本映画






 
吉田浩太 監督・脚本による2014年公開の日本映画。アイアンメイデンとは中世の拷問具「鉄の処女」のことです。

カトリック系(?)の厳格な女子校を舞台に、学校公認で拷問を研究&実践する「拷問部」の活動、そして恋愛が描かれてます。

恋愛と言っても女子校ですから、女の子どうし。つまり「百合」の世界で、私はそこに惹かれて観る気になりましたw

もちろん「拷問部」というぶっ飛んだ設定にも興味を引かれたけど、痛いのは苦手なもんでSM的な趣味は無く、あのボンテージルックってヤツにも私は萌えません。全裸が一番ですw

主演はグラビアアイドルの木嶋のりこさんで、オールヌードの初披露に加えて拷問シーン、レズシーン、オナニーシーン等を全身全霊で熱演してくれてます。

このテの映画はそこんとこが肝心で、何だかんだ言ってもそれが観たくて観客は映画館に行ったり、DVDを買ったり借りたりするんだと私は思います。

そういう観点で評価すれば、この作品はほとんどパーフェクトじゃないでしょうか? 木嶋のりこさんの本作に賭ける意気込みと覚悟が十二分に伝わって来て、私は感動しちゃいました。素晴らしい!

ただ1つ残念だったのが、相手役の吉住はるなさんが「そ、そこまでして……」って言いたくなるくらい、頑なに乳首を隠してた事です。それ以外は木嶋さんと同じこと(SM、レズ、オナニー)してるのに、乳首だけNGってw

観客の視線を木嶋さんに集中させる為の配慮なんでしょうか? でも、他の映画じゃ全部見せてる間宮夕貴さん(部長役、メガネの子)も今回は乳首死守ですから、乳首次第でギャラの額が違うのかも知れません。

いやしかし、もう1人の部員を演じる矢野未夏さん(太めの子)は豪快に見せてますからw、なんだかよく解りません。見せる子と見せない子が混在するのは不自然ですから、そこは大きなマイナスポイントです。

原作は4コマ漫画なんだそうで、たぶん拷問を笑いのネタにしてるんだろうと思いますが、映画版は百合の要素をメインに結構シリアスなドラマになってます。

だから「拷問」に惹かれて観る人には物足りないかも知れません。痛いのが苦手な私でも眼を背けずに観てられましたから。

逆に、私みたいに「百合」が目当てな人には強くオススメしたいです。儚いラブストーリーとして楽しめるし、本気で感じてるんじゃないか?って思うくらい気持ちの入ったレズシーンが素晴らしくて、私は非常に満足しましたw



憧れの女子校に入学が叶ったヒロイン(木嶋のりこ)ですが、なぜか無理やり「拷問部」に入部させられる羽目になります。実は入学試験に拷問士の適性を測る問題が盛り込まれてたのですw

まずは拷問に耐える訓練を受けるヒロインですが、Mでもない彼女にとっては苦痛でしかない。けど、以前から憧れてた先輩(吉住はるな)と一緒にいる為に、彼女は拷問に耐える訓練に耐え続けるのでした。

やがてヒロインは、先輩が真性のMであることに気づくと同時に、自分自身の中にあるSの血が目覚めて行きます。そして2人は互いを求め合い、ついに結ばれるのですが……

拷問部には、部員どうしの恋愛を禁じる鉄の掟があり、2人の関係に気づいた部長(間宮夕貴)は、ヒロインを究極の拷問具=アイアンメイデンで折檻しようとする。たけど全ての罪を被った先輩が身代わりになり、重傷を負う羽目に……

なぜ、拷問部は部員どうしの恋愛を禁じるのか? たぶん、そこがSMと拷問の違いなんだろうと思います。愛情や快楽を伴うのがSMであり、情報を聞き出す為にひたすら相手を痛めつけるのが拷問。

でも相手に愛情を持ってしまうと、その行為はSMという「プレイ」になっちゃう。それでは訓練にならず、一流の拷問士にはなれないってワケです。

なんで女子高生が一流の拷問士にならなきゃいけないのか?ってのは愚問ですw この作品の世界にはそういう使命と掟があるんだから仕方がない、大霊界はあるんだから仕方がない。

で、部員に重傷を負わせたことで拷問部は廃部の危機に瀕するも、先輩が自分の退学と引き換えに部を守り、遠い地へと引っ越す=愛する後輩と別れなければならない、という切ない結末を迎えます。

けど、先輩のお陰で、自分の中に眠ってたSの血が目覚めたヒロインは、部長をも超える一流の拷問士に成長し、拷問部の未来を支える存在となるのでした。

こういった思春期における「百合」の世界に私が惹かれるのは、勿論スケベ心が第一にありつつも、そこに「儚さ」をすごく感じるからなんですね。

結ばれたとしても、その関係は決して長くは続かない。恐らくほとんどは卒業と同時に終わっちゃう。実際はどうだか知らないけど、私の中じゃそんな切ないイメージがある。だからこそ、愛し合う場面が輝いて見えるワケです。

しかもこの映画の場合、2人がやっと結ばれ至福を味わった直後に、残酷な拷問シーンが待ってる。その痛みがあるからこそ2人の愛は余計に燃え上がり、引き裂かれた後に互いを想ってオナニーする場面や、最後の抱擁シーンがより切なく、感動的なものになるんですよね。

しかも、ちゃんとヒロインの成長ストーリーにもなってるワケで、これは決してただのエロ映画じゃない。なにげに良く出来た青春映画です。

ところが、映画紹介サイトに投稿された観客レビューを見てみると、酷評してる人が結構おられる事に驚きました。

曰わく「何を描きたいのかサッパリ解らない」「監督の演出が下手くそ」「女子のヌードに頼り過ぎ」「SMと拷問の違いが判らない」「恋愛の過程がちゃんと描かれてない」etc……

劇場に足を運び、高い料金を払って観た観客の意見ですから、ハードルが高くなるのはまあ理解出来るんだけど、それにしたって創り手に対する敬意と思いやりが全く感じられない言い草に、私はカチンと来ちゃいました。

作品に対してどんな感想を述べようが自由なのは承知してますが、だったらその感想に対する感想を述べるのも自由ってことで、ちょっと反論させてもらいます。

まず言いたいのは、この種の映画に対してあなた達、そんなハイレベルな内容を本気で求めてらしたの?ってことです。

こんなのは女子のハダカとセックスを見たい人が観る映画であって、演出が上手いとか下手とか論じるもんじゃないでしょう? ヌードに頼り過ぎてるって、その為に創った映画でしょうが!w

そういう意味じゃ木嶋のりこさんの脱ぎっぷりとエロ芝居はパーフェクトです。充分に料金分のサービスは行き届いてます。なぜか乳首NGな人はいるけどw、木嶋さんの頑張りはそれを補って余りあります。

監督の演出が下手くそって、何様ですか? だったらどの場面がどうダメで、どうすれば良かったのか具体的に書きなさいよって話です。小学生の読書感想文じゃないんだから。

低予算=少ない人員と超タイトなスケジュールで、しかも演技に関してはほとんど素人のグラビアアイドル達を主役に、吉田浩太監督は精一杯の仕事をされたと私は思ってます。

何を描きたいのか解らない? SMと拷問の違いが判らない? その答えは上に書いた通りで、しっかり明快に描かれてますよ。自分の理解力の無さを棚に上げて、何でもかんでも創る側のせいにする……そんなの単なるタチの悪いクレーマーですやん。

まずは予告編やチラシ&ポスター、上映館の作品傾向などをよく見て、その映画が何を目的にして、どれくらいの予算規模で創られたのか、事前に予測する想像力と感性を磨きなはれ。

どんな低予算で創られてようが、高い料金を払う以上はハリウッド大作と同じレベルでなきゃ納得出来ないなんて、よもや思ってないでしょうね?

そんなにハードルを上げて、損するのはアナタ自身ですよ。素直に「のりこちゃんのヌード最高!」「本気のレズシーンにボクの身体の一部がHOT! HOT!!」って、喜んだ方が絶対トクなんだから。

というワケでセクシーショットは間宮夕貴さん、吉住はるなさん、そして木嶋のりこさんです。


 


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2 コメント

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Unknown (キアヌ)
2021-04-27 22:45:49
この映画好きです!!!!
はじめは○○目的でしたが、
早送りなしでもOK!というか
映画としてもすごく良くできています!!!
たしか泣いたかもです!!!

とくに!!
ネタバレになりますが、
ラストのホワイトバックでのあのシーンが
とてもきれいで幻想的ではかなくて
大好きです!!!

乳首NGのあの人も、ちゃんとお尻は
見せてくれるので大満足です!!!
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Unknown (harrison2018)
2021-04-27 23:39:38
そうですよね! なにげに良い映画だし、よく出来た作品でした。オカズとしての役目と青春映画としての役目を両立して見せた、稀有なアイドル映画。

もっと広く評価されて欲しい作品なので、事務局の妨害にもめげず、何度でもこのレビューは復活させていこうと思います。
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