
エゾタンポポの頭花。キク科タンポポ属。
小花を集めて頭状花序をつくるのはキク科共通の特徴。その小花の形には筒状花と舌状花の2種類がある。
ヒマワリの仲間は両方のタイプをもつグループで、アザミの仲間は筒状花だけの花、そしてタンポポの仲間は舌状花だけの花となる。
セイヨウタンポポでは小花の集まりを包む総苞片が反り返るが、反り返らないのが「日本タンポポ」で、エゾタンポポはその一つである。

エゾタンポポ。
エゾタンポポは野生種の多くがそうであるように自家受粉を避ける自家不和合性をもつ。
他家受粉期待であるから近場に仲間が存在することと訪花昆虫の存在が必要である。花期が短いこともあって子株を増やすのは容易ではない。
これに対してセイヨウタンポポは「無性結果」「無性生殖」で受粉なしでどんどん種子生産を繰り返して個体数を増やす。
エゾタンポポ、セイヨウタンポポと比べて数は少ないが、自然が豊かに残っているところでは今なお健在である。

エゾタンポポのロゼット葉。
葉だけでエゾタンポポとセイヨウタンポポとを見分けるのは難しい。
ただし蕾を見せ始めれば見分けられるようになる。蕾状態でも総苞片の反り返りの有無がが見えるようになるからである。
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