
オトギリソウの葉。オトギリソウ科オトギリソウ属。
オトギリソウは「弟切草」と書く。「弟を切る」など大変物騒な名前だが、弟を切ることになった鷹匠の故事に由来するという。
平安時代、薬草を用いて鷹の傷を治すことで有名になった鷹匠が、その薬草のことは秘密にして決して口外しなかった。
ある日、弟がその薬草の秘密ヲ他人に漏らしてしまう。これに激怒して兄は弟を斬り捨ててしまう。
その時、庭に栽培していた薬草に弟の血潮がかかり、その跡が葉などに残ったとされる。
オトギリソウの葉には、写真のように黒点が散在する。この黒点にはヒペリシンと呼ぶ薬効成分が含まれる。秋に全草を乾燥させたものは「小連翹(しょうれんぎょう)」と呼ぶ生薬で、擦り傷、切り傷などに効くという。
オトギリソウの仲間、全縁(鋸歯がない)葉が対生し、黒色または半透明の腺点をもつ、という共通点がある。そういう特徴を持っているものはオトギリソウ科と考えてよいとされる。
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