
他の樹木を攀じ登るツルアジサイ。ユキノシタ科アジサイ属。
植物の生き方の基本は光合成、出来るだけ多くの光を受けようと植物は競いあって葉を拡げる。
葉を多くつけるだけでなく、その葉でしっかり太陽光を受けるためには、葉をより高いところにつけようと幹・枝を高くする。それには多くの時間・エネルギーを必要とする。
その時間・エネルギーを節約しようとするのが「つる植物」、幹を太く丈夫にして丈を高くする代わりに長く伸ばして他の樹木等に絡みつき利用する。
つる植物は草でも木でもない「第3のもの」とする考え方もあったというが、つる植物にも草本のものと木本のものとがある。他の植物への絡みつきかたに若干の違いがあるが、他の植物を利用し、茎を丈夫にする代わりに伸ばすことに専念する点は共通する。
陸上植物の進化と言う点で基本となるのは木で、草は木の入り込めない生態的位置を見つけて進化してきたと考えられている。そういう植物の進化の視点で「つる植物」を考えると、既にある植物を利用している点から、つる植物は木や草から二次的に進化してきたことになる。
シダ植物や裸子植物にもつる性のものがあり、被子植物でも多くの科につる植物があることなどが、その証拠になるとも言われる。
ウリ科のように科全体がつる植物というものもあるが、これは少数派で、多くの場合、普通の草や木とつる植物とが混在している。
ツルアジサイは普通のアジサイに混じるつる植物である。
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