井伊影男の植物観察

植物の生き方の不思議さ、彼らのたくましさ、したたかさに触れる。しかし、観察者が井伊加減男だからなあ。

植物の名前の話・イヌの名をもつ木2

2016年02月19日 | 日記
古い時代に名前をつけられたものは何らかの形で有用な植物。後に、有用・無用に関係なく名前をつけるのに、有用なものに似ている場合、「似て非なるもの」ということで「犬」の名が冠せられた。
「役立たず」の意味で「犬」を持ち出すのは犬好きとしては許せない話かもしれない。



イヌコリヤナギ。ヤナギ科ヤナギ属。
コリヤナギは行李を作るのに使われた。行李(こうり)は昔の旅人が荷物などを入れるのに使ったもの。
竹や柳を編み、柳で作ったものは「柳行李」と呼ばれ、後に大型化して家庭用の衣装ケースとして使われるようになる。
イヌコリヤナギの枝は曲がっていて行李を作るのに適していないというので「犬コリヤナギ」と呼ばれる。



イヌコリヤナギの小枝。
ヤナギ属の殆どは葉も冬芽も互生だが、コリヤナギ、イヌコリヤナギは例外的に対生となる。
ただし、必ず対生になるとは限らず、同じ枝でも対生の部分と互生の部分とが生じたりする。



イヌコリヤナギの雌花。
ヤナギの仲間は例外なく雌雄異株で、同定の基本は花と冬芽になるので、ヤナギ属の検索表は雄株と雌株とで別の表となる。
雌花序には子房に白い毛が密生するので毛深く見える。
ヤナギの仲間は種間雑種が出来やすく、花と成葉を同時に観察できないので、見分ける(同定する)のが難しい。
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