『ジャッジメント』

　恩田陸さんが『蜜蜂と遠雷』で直木賞受賞。他の候補作は読んでいないが、納得の受賞だと思う。これは、ぜひ読んでほしい作品だ。

『ジャッジメント』　小林由香　双葉社
　大切な人を殺された者は、従来の法律による裁きか、復讐法（被害者と同じやり方で自ら復讐する）を選ぶことができる。復讐法を選んだ者の刑の執行を見届ける応報監察官・鳥谷文乃の目から復讐法選んだ人々を描く。
　復讐法を選んだ者の苦悩が描かれていて、深い内容だった。復讐法を選んだ者が悩み傷つくのは想像できるが、見届け人である応報監察官の精神が壊れないか心配だ。一気に読んだが、後味はあまりよくない。