ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

感謝

2016-11-28 22:52:30 | 日記
 母が、胆管に石が詰まって手術をすることになった。父が脳梗塞で入院し、退院したばかり。ストレスからか、35年ぶりに再発した病である。
 たまたま、職場で勤続感謝休として6連休がもらえるので帰省しようと考える。母が退院した時に、動けない母の代わりをしようと帰省を考える。しかし、母は父が心配なので、入院中、父の面倒をみてほしいと言う。自分が手術するのに父の心配をするなんて、昔の女は損な性分だ。
 職場の同僚に感謝休を取りたいと話すと、「仕事のことは心配しなくていいよ。お父さんのそばにいてあげて」と温かい言葉をもらう。
 次の日に電話をすると、父は母の入院がショックなのか、ちょっと痴呆がでたような状況になったと言う。母は、父を脳梗塞で入院した病院へ再入院を考えているらしい。毎日、電話をする度に状況が変わり、何がなんだかわからない。とにかく、帰る算段をする。しかし、こんな時に限って奥歯が痛む。化膿しているのか、帰省前に歯医者に行っておくべきか。
 結局、父はリハビリの続きということで再入院できた。私は、母の入院の前日に帰るように切符の手配をする。職場に感謝休を取り、土曜日に出勤するように話すと、同僚が「土曜日も休んだら」「遠いから、そうしてあげて」「仕事はみんなで何とかする」と口々に言ってくれる。
 ボランティアのメンバーも私の担当を快く交代してくれるなど気遣ってくれる。「こういう時に助け合わなくてどうするのよ!」という温かい言葉をかけてくれる。私の回りは、なんていい人ばかりなんだろう。
 父の再入院を聞いた次の日、歯の痛みが消える。私もストレスで歯をかみしめていたのか?この4.5日、バタバタしていて何をしていたのか記憶が定かではない。
 日曜日に神戸を出発し、昼過ぎに大分の実家へ。駅まで母といとこが迎えにきてくれていた。母は、痛みがないと元気いっぱいである。「痛みがないと普通にしていられる。痛みがないから、手術しなくてもいいかな」と言い出す始末である。
 月曜日に入院し、火曜日に手術。病院には、叔母夫婦、いとこ夫婦2組付き添ってくれる。手術室に入り、1時間半くらいで手術室から出てくる。母が、看護師さんと話しながらストレッチャーで運ばれて来る。えっ、手術したばかりなのに話していいのか?看護師さんに尋ねると「話してかまいませんよ」と言う。「大丈夫?」と母に聞くと「大丈夫よ」と言う。
 先生から手術の話をうかがう。画像では、胆管にぎっしりと石がつまっていた。さやえんどうの豆みたいだ。口から内視鏡を入れ、胆管の石を取り出したらしい。4つの石のうち一個は。1.4cmと大きいので割って取り出したという。カラー画像では、ブラウンシュガーの角砂糖のような石が見えた。角ばっているので、石が動いたらさぞかし痛かっただろうと思う。私は、勝手に腹腔鏡手術だと思っていたが、口から胃カメラを入れたような状態で石を取り出したので、おなかは切っていない。体に傷はないし、部分麻酔なので、手術後すぐに話すことができたのか。いやあ、医療の進歩にビックリである。
 実家に戻り、ゴミを捨てに行ったり、玄関を掃いていると、次々とご近所の方がやってきて、気遣ってくださる。「わからないことは聞いてください」と言ってくださる方。母にいろいろ助けられたので容態が心配だという方。母は、地域の方に愛されているのだなとしみじみと思う。
 母は、順調に回復している。いい年になっている私の食事も心配する。ありがたいことだ。
 父は、少しボケたような状態だったが、リハビリを始めるとどんどん具合がよくなっていった。父にとって母の入院が相当ショックだったのかと、いとこたちと話しあう。いとこたちと「男は弱い」ということで一致する。リハビリ室から私がやってくるのが見えたからとリハビリを中止して病室に戻ってきたりしていたが、時々滑舌が悪く何を言っているのかわからないときがある。理学療法士さんが、リハビリ計画を説明するときに希望を聞かれたので、言語の訓練をお願いする。
 ある日、父の病室に行くと荷造りをしている。「病室を変わるんや」と言う。おかしいと思って看護師さんに聞くと母の病院へ転院すると言っているらしい。「娘さん、説得してくださいよ」と言われる。母の入院先には脳外科がないので、転院はできないと言っても「何科でもいいから変わる」と言う。以前、お茶の姉弟子にお年寄りには、「ダメ」とか怒ったりしてはいけないと言われたことを思い出す。プライドを傷つけないように、下手に出ないといけないと。
 「ごめんね」と謝り、「申し訳ないが母が退院するまで、病院でリハビリをがんばってください」とお願いする。一週間後くらいには、必ず母が迎えに行くと話すと、「一週間も」と不満そうだが、何とか納得して荷物を元に戻してもらう。
 しかし、それからは、リハビリの効果が表れたか「今日は日曜なのでリハビリはなかった」とか「カストロが死んで驚いた」とか話す。「相撲は誰が優勝したの?」と聞くと「鶴竜や」と答え、ホッとする。
 とにかく、いろいろな人にお世話になった。職場の同僚、ボランティアのメンバー。病院への送り迎えをしてくれたいとこ夫婦や叔母夫婦。(実家は辺鄙な場所にある)実家のご近所の方々。多くの方の親切や温かい心遣いをしみじみと感じた。私の回りは、いい人ばかりだ。私は、本当に幸せだと思う。皆さん、本当にありがとうございました。本当に感謝の一言しかない。ありがとうございました。
  
コメント
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