ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『羊と鋼の森』『利休の茶杓』

2016-02-20 20:03:28 | 
『羊と鋼の森』 宮下奈都 文藝春秋
 調律に魅せられた青年が人として調律師として成長する姿を描く。
 本の冒頭を読んで羊と鋼の意味がわかった。なるほど。ピアノやクラシックに興味がない私にもおもしろく読めた。調律って奥深いのね。静かにこの本を読んでよかったと思う。
 「(才能を)あきらめる口実に使うわけにはいかない。経験や、訓練や、努力や、知恵、機転、根気、そして情熱。才能が足りないなら、そういうもので置き換えよう。」「才能っていうのはさ、ものすごく好きだっていう気持ちなんじゃないか」「努力していると思わずに努力していることに意味があると思った。努力していると思ってする努力は、元を取ろうとするから小さく収まってしまう。」という言葉にいろいろと考えさせられた。
 子供たちがピアノを習っていた時に調律してくれた人はうちのことをなんて思っていたのかなとふと思った。

『利休の茶杓 とびきり屋見立て帖』 山本兼一 文藝春秋
 幕末の京都、真之介とゆずの若夫婦が営む道具屋「とびきり屋」。時代を経てよさが増す道具、それを見極める目を武器に、はんなりと難事をかわしていく二人。著者逝去により図らずも最終巻となってしまった、シリーズ第四弾。
 『利休の茶杓』という題にひかれて読んだ。お茶をかじっている私には、そうなんだと思ったり、そうそうとうなずいたり。真之介とゆずのお互いをいたわる夫婦愛や様々な人との人情味のある関わりがいい。
 シリーズの最初から読もうっと。しかし、作者が亡くなったのが残念でならない。もっともっと続きを読みたいと思う。

 いい本を読むとしみじみとよかったと思う。
コメント
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