生涯いちエンジニアを目指して、ついに半老人になってしまいました。

その場考学研究所:ボーイング777のエンジンの国際開発のチーフエンジニアの眼をとおして技術のあり方の疑問を解きます

メタエンジニアリングで考える日本文化の文明化(13) 番外1

2015年07月28日 10時52分12秒 | メタエンジニアリングと文化の文明化
優れた日本文化の文明化のプロセス(番外1)

鰹節
和食文化が海外進出を続けているが、まだ独特の文化に留まっている。既に世界文明の地位を得ている、中華、フレンチ、イタリアンなどと較べると、どのようなところに不合理なことが潜んでいるかを考えざるを得ない。食材の新鮮さや、特殊な盛り付け、器との相性など数々あると思われるが、最近のニュースで注目をされたのが、「鰹節」だった。
懐石料理はともかく、ポピュラーな一般の和定食には味噌汁がつきものなのだが、ヨーロッパの味噌汁は全く出汁の味がしないそうだ。原因は簡単で、EU全域で鰹節が輸入禁止になっていることのようだ。その理由は定かではないのだが、安部首相の談話では、「カビ」と言われ、ニュース解説では「焦げ」だそうだ。どちらもありそうなことなのだが、鰹節が、日本と原産地のモルジブの二か国でしか一般的な食材になっていないことに真の原因がありそうだ。鰹節は、味噌や納豆などと較べると、欧米人には受け入れやすいと思うのだが、現実は全く違っている。そこで、文明化のプロセスが必要になる。
先日のTV番組は、「フランスに鰹節製造工場をつくる」というもので、日本の老舗(枕崎)が開業を決意したとあった。1日1トンの鰹節製造が当面の目標だそうで、UE全体で約5000店舗の日本料理店が当面のマーケットだと報じていた。EU域内での生産物であれば、輸出入の問題はないわけで、さらに関税もかからず、流通でも有利になる。輸出に拘らずに、思い切って製造工場を建ててしまうことは、米国内での日本酒や醤油の経験があるわけで、色々な基本食材にこのプロセスを発展させることが、文化の文明化へのプロセスの一つになると考える。
輸入禁止製品を、その地域内で生産するための工場を建設するということは、相当なリスクが伴うが、将来性については、国内生産の一部を変更して輸出に拘るよりは、現地生産の方が格段に大きくなるし、安定したマーケットも得ることができる。

フランス産かつお節誕生へ 来夏、枕崎から出資で新工場
www.asahi.com/articles/ASG7K52K1G7KUHBI01H.html



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