日々是好日

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霊仙山(西南稜)

2011年09月25日 | 山登り


滋賀県多賀町、河内の風穴から更に奥に車を走らせ、
今は廃村になった落合に着く。
人が去った家々と、お彼岸のお参りの時に供えられた
墓地の花の赤さが対照的だ。

車道を少し戻り、登山道を登って行くと
此処も廃村の今畑だ。
こちらは人が住まなくなってかなりの時が経つ。

猫の額ほどの平らな土地にしがみ付くように建つ
今では朽ちかけた建物と、今も生き生きと流れる集落の水場だけが
人々の暮らしの面影を教えてくれる僅かな手がかりとなった。




昼なお暗い鬱蒼とした杉木立の中を、喘ぎながら登って行く。
1時間ほど登ると、ようやく辺りは明るくなり、笹峠に着く。

以前(と言ってももう10年ほど経つだろうか…)この辺りは
藪の中だったが、下草が刈られたのか、鹿が食べ尽くしたのか
良く解らないけど、とても見通しが良くなった。




カレンフェルトの急斜面を、強風に吹き飛ばされそうになりつつ、
足元に生える草をつかみながら登って行く。
もうトリカブトの花は終わりに近いが、10月になれば見ごろを迎える筈の
リュウノウギクの葉っぱは極端に数が少ない。
その代わりに繁茂しているのは、帰化植物のベニバナボロギクだ。




急斜面を登り切ったら、後は頂上までほぼ標高差の無い
稜線歩き。
快適な稜線歩きと言いたい所だけれど、足元は先が尖がった
カレンフェルトの岩場が続いている。
見通しは良く、特別危険な場所も無いので、天気さえ良ければ
頂上には辿り着けるが、踏み跡を慎重に見極めながら歩かないと、
とても歩き難い。
先を歩く夫が時々踏み跡を見失うので、その度に必死で道を探す。
道標もペンキやテープ印も無いので、ルートを見極めるのに神経を使う。




霊仙山の頂上は見晴らしが良い。
幾つかのピークを繋ぐように登山道が付いていて、
此処までくれば道標はしっかりしているので安心だ。




頂上から一旦下り、経塚山へ登り返す。
右に行けば避難小屋を経て、数年前にヒルと戦った谷山谷、
左はお虎ヶ池から汗ふき峠を経て米原側の欂ヶ畑
と、多賀側の落合に至る。




琵琶湖の形をしたお虎ヶ池の道標の下の方には
『此処はお虎ヶ池ではありません・・下丹生』と書かれた
札が針金で括りつけられていた。

謎だ。




汗ふき峠まで下りてきた。
今畑からの登山道は風が強くカレンフェルト地形むき出しの
地形だったが、米原側は樹林に覆われ、風も無くとても歩きやすい。
頂上へも最短で行けるとあって、一番良く歩かれている。
勿論、尾根道なので、鈴鹿特有のヤマビルは居ない。