浜名史学

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【演劇】こまつ座/劇団民藝『ある八重子物語』

2023-12-02 19:01:37 | 演劇

 今日は「ある八重子物語」をみた。休憩も含めて2時間55分という長い芝居である。

 第一幕(40分)、第二幕(70分)はあっという間に終わった。新派劇の台詞や見せ所を舞台上に再現して、速いテンポで、そして井上ひさしらしいユーモラスな台詞や所作で観客を喜ばせてくれた。

 時代背景としては、戦中から戦争直後。舞台は、柳橋にある古橋医院、そこにいる全員が水谷八重子のファンである。

 戦中・戦後であるから、当然戦争は登場人物に大きな影響を及ぼす。といっても、戦争それ自体は背後にあって、空襲や食糧不足、権力を笠に着た警官、「女形の研究」という論文を書きつづけていたために入営を忘れた学生がでてくるくらいである。

 さすが井上ひさしの台本だわいと、喜んでみていた。テンポといい、台詞といい、俳優たちの演技といい、演技者も芸達者な人たち(民藝の俳優ということで安心して見ていられる)で、演劇らしい演劇であった。演劇を演劇として楽しめる舞台であった。

 ただ、三幕目の後半は、どうも失速したような感じを受けた。観客を、ぐっと引き付けていたのに、それがふと切れたような。しかしそれまでぐっと観客を舞台に引き付けていたのだから、まあいいか。

 カーテンコールは、もう一回くらいあってもよかった、それほど観客は喜んでいた。

 

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