浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

【演劇】フォーリーズ「ミュージカル 洪水の前」

2024-01-27 22:29:12 | 演劇

 いずみたくの音楽が流れる。いずみたくの音楽は、耳に素直に入ってくる。いずみたくの音楽は、歌詞が大切にされていると思う。歌詞とメロディが手を携えていっしょにこころのなかに入り込む。

 そのいずみたくがつくったミュージカルには、「おれたちは天使じゃない」が有名である。私は、学生時代この初演を渋谷で見て感動した。初演では、有島一郎、西村晃らが出演していた。私はこのミュージカルを何度も見ている。

 そして「洪水の前」初演の「洪水の前」はYouTubeチャンネルで見られる。初演では、財津一郎がでていた

 ライザ・ミネリの「キャバレー」の日本版。いずれもファシズム前夜の状況を、キャバレーとそれにかかわる人々のありようをとおして描く。歌、ダンス、恋、別れ、文士、ダンサー、演奏者・・・・・しかし彼らも、当時の世相に呑み込まれていく。洪水は、すべてを吞みつくす。「洪水の前」は、ファシズム前夜、という意味だ。そして最後には、軍靴の音が鳴り響き、すべてが戦火に消されてゆく。戦争というブルドーザーが、すべてを圧し潰していく。

 そのような流れは、キャバレーの中では表立っては見えてこない。たとえ見えても、それは部分的だ。しかしいずれは、洪水となってすべてを呑みこんてゆく。描かれているのは、そういうことだ。

 ただ私は、「洪水の前」でうたわれた歌にはどうもなじめなかった。いずみたくのミュージカルでもっとも印象に残っているのは、「おれたちは天使じゃない」でうたわれた「今、今、今」という歌だ。

 いずみたくのミュージカルは、何度でも上演してほしいと思う。

 

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