浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

『再訪・戦場の村』

2023-11-10 11:05:38 | 

 昨日、『週刊金曜日』の本田雅和の文を紹介した。べーさんについて、本多勝一が書いたものは、「今では使えそうもない」ことばで讃えている、とあった。

 そこで書庫に行って、本多勝一の『再訪・戦場の村』を取り出し、該当部分を読んでみた。

 「35歳のムォイ・べーさんは、写真のように理知的でかつかなりの美人といえよう。たいていの魅力ある人物がそうであるように、彼女もまた写真より実物の方がずっと美しい。独身である。」(97頁)

 なんだ、本田が指摘するような「今では使えそうもない」表現とはいえないほどに、短い文なのだ。

 本田雅和が、現在のべーさんとともに掲げた写真も、本多が『再訪・戦場の村』に掲げた写真も、いずれも理知的で美しい。本多勝一は、すなおに見たままをかいたのではないかと思う。

 私は本多勝一の本を、大量の『貧困なる精神』を処分したほかは、今ももっている。

 『週刊金曜日』の今週号に、朝日新聞を最近辞めた諸永裕司が語ったことが書かれていた。諸永が退職したのは、朝日新聞が、本の出版などを認めないことが理由だとあった。要するに他の媒体に書いたりするなということなのだろう。今なら、本多勝一も朝日新聞にはいられない。

 朝日新聞は、ほんとうにもう終わったな、と思う。

 

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1 コメント

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発端となったのは (能天気)
2023-11-10 13:12:44
朝日新聞が、本の出版などを認めないようになったのは、箱島信一社長の頃からです。経済部出身(経済部内でジャーナリストというよりもむしろ内部調整型の官僚)上司には、ゴマすりが凄かったといいます。
多分発端となったのは、「ドキュメント金融破綻」(岩波書店 1998年)。・・・私も雑誌で読んでいました。
みずほ銀行(朝日新聞の取引主銀行)からクレームが来て、大騒ぎになったそうです。それ以降、内部統制が強化され、自由が無くなったと言われます。
最終的に日本に残る全国紙の新聞社は2社。日経新聞と読売新聞(ジャイアンツを持っているから)と言われています。
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