hakuunの未来ノート

将来のため、人生やビジネスに関して、考えたこと、感じたことを綴ります。

話し方教室第1回目 その2 メラビアンの法則

2012-09-21 | コミュニケーション

●ご住職とメラビアンの法則

先日、父の冥福を祈るための追善供養の法事を行った。
この法事を行ったお寺で、メラビアンの法則を確認することができた。
法事とメラビアンの法則とは、一般的には結び付かないと思う。
しかし、話し方教室で「挨拶の大切さ」を学ぶことで、メラビアンの法則の重要さが、私の心の中に大きくしめている。
潜在意識の中に、「メラビアンの法則」が存在することで、私にとって非常に重要なテーマになったことは事実である。
そのためと思うが、法事を行ったお寺で、そのことを確認することになった次第である。


本堂に現れたご住職のその姿は、胸を張り、威風堂々とした感がした。
身に着けている衣装も、立派な袈裟姿であった。
その袈裟は夏用で、絹でできている高価なものと感じた。

読経が始まると、ご住職の声は、お堂の中全体に響き渡る声であった。
その声は大きく、少し高音で、しかも透き通るようなすばらしい声であった。
姿勢を正し、腹式呼吸を行うことで、あのような大きな声が出るのだと思う。

読経は20分か30分くらいあったであろうか。
こちらも、話し方教室で勉強したように、背筋を伸ばし、胸を張った姿勢で聴いていた。
その読経の間、ご住職の態度や声の出し方について、観察していた、というのが本音である。
というのは、情けないことにお経の中身がわからないのである。
最後の方に行われた般若心経は理解できたが、それ以外のお経については、何を言っているか理解できないのである。

しかしながら、ご住職の態度や張りのある声を聴いていると、立派な法事であったと思う。

ここで、メラビアンの法則が意識の上に蘇ったのである。
メラビアンの法則は
態 度:55%
話し方:38%
内 容:7%

まさに、読経を行っているご住職の姿は、この数字に当てはまるのである。
態度が55%、話し方が38%で、合計93%である。
残りわずか、7%が内容ということである。
ご住職は、背筋を伸ばし威風堂々として、高価な袈裟姿である。
まさに、これは「態度」であり、55%の効果を示している。
次に、ご住職の張りのある少し高音の通る声は、「話し方」であり、38%の効果を示している。
最後に、お経の中身が、「内容」であり、7%である。
お経の中身がわからなくても、「態度」と「話し方」で93%の効果を上げているため、参列者には、高い評価を与えることになる。

このように、メラビアンの法則は、様々な場面で発揮する。


●予備校でのメラビアンの法則

予備校の先生もメラビアンの法則は当てはまる。
予備校等で教える内容は、学校や先生によってそれほど差がない。
ただ、先生の風貌や態度は、大きな影響を及ぼす。
また、話し方はそれ以上かもしれない。
先日このブログにも書いた漢文の多久先生にも当てはまる。

漢文の内容も素晴らしいが、教える態度や話し方で、生徒の心をわしづかみする。
人気講師の秘訣が、このメラビアンの法則を考えてみると、わかったような気がする。

同じく予備校時代、数学の勝浦捨造先生も特徴のある話し方であった。
少しかすれた声ではあったが、教育熱心で、その人柄が体全体からにじみ出ていた。

多久先生も勝浦先生も、態度から人間性がにじみ出ているのである。
今考えると、お二人とも人格者であったと思う。
これが、両先生の一番の強みであり、
それに加えて、話し方を工夫されることで、より人間味のある講義をされていたのではないだろうか。
まさに、メラニアンの法則でいう、態度55%でり、話し方38%、合計93%ということになる。

今後、人前で話をすることを仕事とするので、このことは肝に銘じておきたいと考える次第である。

続く。

話し方教室 第1回目 その1 挨拶

2012-09-19 | コミュニケーション

昨日、初めて話し方教室に入門した。
人間だれでも、人と話をし、コミュニケーションをとっている。
私も、人並みにコミュニケーションはとっているつもりだ。

一方で、講演をするときなどは、様々な工夫を凝らしているが、自分ではその「良否」がわからない。いろいろ考えた結果、他人にチェックしてもらうのが、効果的である、ということに気付いた。しかも、一般の人でも良いのだが、その道のプロにチェックしてもらうことで、より効果的な話し方ができると思い、話し方教室に入門した次第である。


●二本の柱

話し方教室では、二本の柱がある。
一つ目は、「大勢の前で、話せる力」
二つ目は、「良い人間関係をつくる話し方」
である。
私のイメージでは、「大勢の前で、話せる力」を描いていた。
しかし、重要なことは、二番目の「良い人間関係をつくる話し方」にあることに気付いた。
そのポイントは、躾であり、礼儀作法であるということである。
挨拶やマナーなど基本的な礼儀作法ができているかどうかで、決まるという。


●外見での評価が55%

人の評価は、メラニアンの法則のとおり、
外見で、55%
話し方で、38%
内容で、7%
であるならば、服装や整髪、靴などに最大限注意を注ぐ必要がある。
さらに、笑顔で、大きな声で挨拶することが重要である。


●人の良い所を探そう

今回教室で、笑顔になる良い方法を教えていただいた。
それは、相手の良い点をほめるのである。
例えば、「髪の毛がきれいですね」とか「笑顔が素敵ですね」「聡明な雰囲気がしますね」「常にありがとうございます、という返事には育ちの良さが感じますね」などなどである。

このように人の良いところを見つけようとすると、表情がやさしくなる、ということである。さらに、ほめることで、相手が喜ぶ姿を見ると、こちらもハッピーな気持ちになる、ということである。

逆に、欠点を見つけようとすると、眉間にしわをよせ、お互いに暗い表情になっていく。
であるならば、良い点をお互いに見つけてほめれば、双方でハッピーになるということである。


●挨拶のやり方

生まれてから今までに、何回挨拶をしただろうか。何千回、何万回、挨拶をしたかわからない。自分で言うのもなんだが、挨拶には自信があった。声も大きく、しっかりした挨拶ができていると、内心では思っていた。
しかし、今回、挨拶の基本を学び、「目から鱗」の状態である。

両手を後ろに組み、背を伸ばす。
ここがポイントである。
両手を後ろに組み、背を伸ばすと、顎が引けて胸が張る。
この状態で、両手をズボンの縫い目にあわせて、お尻を突出し、45度倒すのである。
女性の場合は、両手を前で軽く組むことで、気品が備わる。

このようなお辞儀は、姿勢もよく、メリハリがつく。
そして、「おはようございます」と言ってから頭を下げ、約5秒間そのままの姿勢を保つことである。そうすることにより、相手が受ける印象は、格段と違うはずである。

お客様に対して、このような挨拶をしたらどうであろうか?
帰るお客様が、玄関を出て振り向いた時も、あなたが45度に頭を下げていたら、あなたの信用度は格段に上がるだろう。
その効果は、どんな言葉よりも数段上である。

この挨拶の仕方を勉強しただけでも、話し方教室に入門した価値がある。


●「ラの音」

話し方であるが、「ラ」の音の高さがよいそうである。
ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドの「ラ」の音階。
「ド」のように低い音では、暗い。
ラの音階で、「おはようございます」ということにより、明るく爽やかになり、相手の心に響く。
表情は、笑顔で明るく行うのがコツである。
慣れないうちは、毎日、鏡を見て行うことである。
お辞儀も同じように、毎日、鏡を見て行うことで、習慣化することができる。
この笑顔の挨拶も、お辞儀も、スキルであるから、トレーニングをすることで、その質を高めることができる。
であるから、積極的に、笑顔で、大きな声で挨拶をしよう。
言葉を変えることで、人間全体の雰囲気が変わる。
雰囲気が変わることで、相手の印象も変わり、その後の人間関係もよくなる、というわけである。


●先手を打とう!

挨拶をするときは、「先手を打つ」ことである。
年齢・性別に関係なく、自分から大きな声で、明るく挨拶をすることである。
今回習った言葉で、一つ紹介する。
良いリズムで、心にしみわたる言葉である。
みんなが、この気持ちで、挨拶をすれば、世の中はきっと明るくなるだろう。

「挨拶は、上から、下から、心から」

それにしても、良い言葉ですね。


●社長のマネをする

中小企業のある社長から、「うちの会社には活気がない。最近の若者は、社長の私にも挨拶をまともにできない」と聞いたことがことある。
しかし、一度、その社長と一緒に工場を歩いた際、社長の方から従業員に声をかけることはなかった。
そこで、「なぜ、社員に声をかけないのですか」と尋ねたところ、「・・・・」であった。
「子は親の背中を見て育つ」というように、「部下も上司の背中を見て育つ」ということをお話ししたところ、さらに「・・・・」となってしまった。
その後、お会いしていないが、挨拶ができるようになったか、心配である。

社長が、若い社員に挨拶をすれば、若い社員もマネをして挨拶をするようになる。
この事例として、「○○ビール」がある。
先日、そこの社長が亡くなられた。
銀行の副頭取から「○○ビール」に移った際、挨拶をするものがなく、驚いたそうである。
そこで、朝のエレベータの中で、社長から率先して、「おはよう!今日も一日頑張ろう!」と挨拶をしたそうである。毎朝、エレベータに20往復乗り、その都度若い社員に対して、挨拶を繰り返したとのことである。
そのうちに、若い社員も挨拶するようになり、次第に会社の業績もアップしたとのことである。
これは、話し方教室で教えていただいた話である。

社長が率先して、明るく大きな声で挨拶する会社は、良い会社ということである。

続く。

「戦う自分」をつくる13の成功戦略 その8 イチロー選手の夢

2012-09-18 | 人生観
ジョン・C・マクスウェル著:渡邉美樹監訳:『「戦う自分」をつくる13の成功戦略』より

成功戦略6「練習」を怠らない
・・・「自己最高記録」は「プラスα」から生まれる!

例のごとく、心を引きつけられた言葉を引用する。


●どんな天才も練習が必要

『成功する人は、常に練習を怠らない。
あなたも人並み以上の成功を収めようと思うなら、人より「ちょっとだけ余分に」練習することだ。「やるべきこと」をすべてやった上で、さらに「プラスα」の努力ができる人が成功をつかむ』

『どんな天才も、本領を発揮できるようになるまでには、気の遠くなるような練習を積み重ねているのだ』


●イチロー選手の夢

イチロー選手の小学校の6年の時に作文を引用する。

http://d.hatena.ne.jp/TERRAZI/20060323/p1


『僕の夢は、一流のプロ野球選手になることです。そのためには、中学、高校と全国大会に出て、活躍しなければなりません。
活躍できるようになるためには、練習が必要です。 僕は3才の時から練習を始めています。
3才から7才までは半年くらいやっていましたが、3年生の時から今までは、365日中、360日は激しい練習をやっています。
だから、1週間中で友達と遊べる時間は、5~6時間です。そんなに練習をやっているのだから、必ずプロ野球の選手になれると思います。
そして、中学、高校と活躍して、高校を卒業してからプロに入団するつもりです。
そして、その球団は、中日ドラゴンズか西武ライオンズです。ドラフト入団で、契約金は1億円以上が目標です。僕が自信のあるのは、投手か打撃です。 
去年の夏、僕たちは全国大会に行きました。
そして、ほとんどの投手を見てきましたが、自分が大会NO1選手と確信でき、打撃では、県大会4試合のうち、ホームラン3本を打ちました。
そして、全体を通した打率は5割8分3厘でした。このように、自分でも納得のいく成績でした。
そして、僕たちは、1年間負け知らずで野球ができました。
だから、この調子でこれからも頑張ります。 そして、僕が一流の選手なって試合に出られるようになったら、 お世話になった人に招待券を配って、応援してもらうのも夢の一つです。とにかく、一番大きな夢は、プロ野球の選手になることです』


小学校6年生のイチロー選手。
素晴らしい考え方である。
まずは、
『一番大きな夢は、プロ野球の選手になること』
と夢が明確である。
具体的な目標として、
『高校を卒業してからプロに入団するつもり』
『その球団は、中日ドラゴンズか西武ライオンズ』
『契約金は1億円以上が目標』
と言い切っている。

また、
『お世話になった人に招待券を配って、応援してもらうのも夢の一つです』
このように、感謝の気持ちをはっきり言えることは、イチロー選手のご両親の指導の賜物と思う。

一方で、現状分析もすばらしい。
『ほとんどの投手を見てきましたが、自分が大会NO1選手と確信でき』
『打撃では、県大会4試合のうち、ホームラン3本を打ちました。そして、全体を通した打率は5割8分3厘でした。このように、自分でも納得のいく成績でした。』
と、データに基づき、自分を評価している。

さらに、そのためには練習が必要であると説いている。
『活躍できるようになるためには、練習が必要です。 僕は3才の時から練習を始めています。
3才から7才までは半年くらいやっていましたが、3年生の時から今までは、365日中、360日は激しい練習をやっています。』

また、その練習を徹底するためには、自己犠牲も自覚していることが、とても小学生とは思えない。
『だから、1週間中で友達と遊べる時間は、5~6時間です。』

世の中で成功するには、イチロー選手のように、「才能をいかんなく発揮したい」という意思を持ち、練習に練習を重ねることが必要であり、初めて才能が世に認められるのだと思う。
才能を発揮する環境を整えるには「準備」が必要。
さらに才能に磨きをかけるには、一にも二にも「練習」を行う必要がある。

イチロー選手の大リーグでの活躍を考えると、「なるほど」と思うとともに、
「練習」の重要性について再認識した次第である。



「戦う自分」をつくる13の成功戦略 その7 準備をして待つ

2012-09-17 | 人生観
ジョン・C・マクスウェル著:渡邉美樹監訳:『「戦う自分」をつくる13の成功戦略』より

成功戦略5「準備」して待つ
・・・「運」を引き込む人は、いつでも用意周到

例のごとく、心を引きつけられた言葉を引用する。


●成功のための絶対条件

『「準備をして待つ」ことは、成功のための絶対条件だ。
事前の準備を怠ればどうなるか、交渉のエキスパートに聞いてみるといい。トレーニングを怠ればどうなるか、スポーツ選手に聞いてみるがいい。
待っているのは失敗か、敗北だ。
周到な準備があれば、持てる力を思いのまま発揮できる。そこが勝負の分かれ目である』

野球のイチロー選手は、試合開始5時間前に球場に入るという。
そこから、試合開始まで、決められたメニューをこなしていく。
準備体操やランニング様々なメニューをこなして、試合に臨む。
彼にとって、この5時間が「日々の準備」なのであろう。
また、試合のない冬場、オフの期間も準備期間である。
冬の間は、しっかり準備を行い、春のシーズン開始を待つ。
プロは、結果がすべてであるから、「準備」というプロセスを大切にする。

我々一般人でも、同じである。
資格試験においても、しっかり勉強したものだけが結果をだすことができる。
「プロセスという準備」、つまり勉強を十分に行った者だけが、
「合格」という称号をもらうことができる。


●平時に汗をかいておけば、戦時に痛い思いをせずにすむ

『華々しい成功の影には、地味な準備の作業がある。
綿密な下準備がなければ、どんなにきらめく才能も活かすことなどできない。
どんな場合も、十分な準備があってこそ、能力を最大限に発揮できるのだ』

『もちろん、準備には時間がかかる。その時間をとられることにイライラしてしまう人も多い。しかし音楽家はたった3分の曲を演奏するのに、練習に何時間も費やす。役者は2時間の芝居のために、何週間も練習にあけくれる。私(著者)が1時間弱の講演の準備をする時も、8~10時間はかかる』

先日、話し方教室のデモを聞いた。
その先生曰く、「30回練習しなさい」
「最初の10回は準備や構成編集、次の10回は暗記、最後の10回は実演」
たとえば、10分間のあいさつでも、30回行えば、300分。5時間の練習をしなさい、ということになる。
では、1時間の講演であれば、30時間である。
この本の著者は10時間と言っているから、その3倍に相当する。
話し方のプロの練習量には、頭が下がる思いがする。

だれでも、30回の練習をすれば、一流になれる。
一方で、下手な人は、一言、それだけの準備(=練習)をしていないということになる。

結果を出すには、それだけ「準備」が大切であることがよくわかる。

これだけの準備ができるかどうかは、「自己鍛練」が必要である。
どのような才能があっても、自分の頭で考え、人一倍努力しなければ、成功を手に入れることはできない。


●準備万端の人に「チャンス」が集まる

『チャンスがめぐってきた時、すかさずそれを捕まえられる人は、いつも準備万端、ぬかりがない。チャンスが来てから、あたふたするのでは遅すぎるのだ。
精力的に活躍している人は、チャンスがめぐってきた時に、例外なく準備ができている』

『リンカーン大統領は
「準備ができていれば、必ずチャンスはめぐってくる」』

『英国の首相は
「人生で成功する秘訣は、チャンスがめぐってきた時に、準備ができているかどうかだ」

『準備万端なひとにチャンスが訪れることを「幸運」と呼ぶ』

「準備を整える」ことを数字で現わしてみよう。
例えば、「中小企業診断士の試験」のことを考えてみよう。
勉強という準備をしないで試験を受ければ、20点か30点であろう。
合格ラインである60点にははるか及ばない。
一生懸命に勉強、つまり準備して試験に臨めば、60点という合格点に達する。
2次試験も同様である。
中小企業診断士の場合、試験に合格しても何も変わらない。
ただ、そのチャンスをつかむスタートラインにつくことができるだけである。
何も資格を持たない人に比べて、何十倍も様々なビジネスにチャレンジすることができる。


『なにはともあれ、チャンスがめぐってきた時に、それをつかむために、常に準備を整えておくこと』

『「一生に一度のチャンス」はそうそうやってこないのだから』

最初は、誰でも「0(ゼロ)」からスタートするが、準備をすることで、ビジネスチャンスは無限大に広がる。
このように準備をしていれば、必ず「成功」をつかむことができると確信している。


「戦う自分」をつくる13の成功戦略 その6 正しい勉強方法

2012-09-14 | 人生観
ジョン・C・マクスウェル著:渡邉美樹監訳:『「戦う自分」をつくる13の成功戦略』より

成功戦略4「集中力」をつける
・・・たった一つのことに、集中してみる!

例のごとく、心を引きつけられた言葉を引用する。


●一点へ集中すること 

『能力を最大限に活用しようと願う人にとって、集中力は絶対に欠くことができないものだ』
『力を一つの方向に集中すれば、どんどん前進できる』

これは力学的にも言えることである。
仮に、電車の中で、体重50kgの女性に足を踏まれたとしよう。
ハイヒールで踏まれたことがあるが、その痛さは悲鳴をあげて飛び上るほど痛い。
一方、運動靴で踏まれた場合は、痛いことは痛いが、我慢することはできる。
これを数式で表すと次のようになる。

・ハイヒールの場合(ヒールの面積を1cm2とすると)
50kg/1cm2=50kg/cm2

・運動靴の場合(靴底の面積を125cm2とすると)
50kg/125cm2=0.4kg/cm2

50/0.4=125倍

つまり、同じ50kgの女性に踏まれた場合、
ハイヒールで踏まれた場合と運動靴で踏まれた場合では125倍違うのである。
それだけ、一点に集中することは、大きなパワーを発揮するということである。

人の能力も「力」である。
「力」であれば、靴の場合と同じことが言える。

つまり、いろんな分野のことをやるより、
一点に集中することで、100倍以上の力を発揮することが可能となる。
単純なことであるが、非常に重要なことである。

「集中」という言葉は、誰でも知っていることであるが、
数字的に現してみると、驚くべき数字である。
このことを意識してやるのと、やらないのでは雲泥の差がつく。

世間には、「一芸に秀でる人」がいる。
絵画でも、ピアノでも、ゴルフでも、将棋でも、何でも集中すれば、その道のプロになれる。
アマチュアは運動靴で踏まれる場合、プロはハイヒールで踏まれる場合、とでも考えるとよくわかる。
仕事も同じである。
一点に集中すれば、100倍の成果を得ることができる。


●ハイヒール理論とは 

中小企業診断士の業務でも様々ある。
広く浅くやっている人もいるが、その成果はどうであろうか?
よく言われるのが「なんでもできます」という診断士が多々いる。
しかし、ベテラン診断士が言うには、「このパターンが一番悪い」
つまり、「運動靴理論」では、力が分散しており、何もできないのと同じである。

「ハイヒール理論」(今命名しました)に従い、一点集中主義の人の方が、その道のプロとして活躍できるのは明らかである。

さらに、企業においてでも同じことが言える。
中小企業などでは、経営資源が少ないので、特に言える。
顧客のニーズがある部門に、特化することがこれからの生きる道である。

ポイントは、
一つ目は、顧客ニーズを嗅ぎ分けること
二つ目は、柔軟な対応ができること

世にいう100年企業は、この二つに対して経営者が敏感であり、
その結果、永続的な成長を歩んでいると思う。


●運動靴理論が勝つ場合は

では、「運動靴理論」が有効な場合は、あるのだろうか?

総合力が発揮できる場合である。
建設業であれば、スーパーゼネコンなどは、「運動靴理論」が成り立つと思う。
中小企業などでは、50kgの体重かもしれないが、
ゼネコンなどは、5t、50t、いや500t位のパワーがある。

先ほどの数式を利用すると
運動靴の場合(靴底の面積を125cm2とすると)
5t/125cm2=40kg/cm2

これでは、ハイヒール理論の「50kg/cm2」に負けている。
この5tは、ゼネコンでも小さい部類であろう。

50tクラスのゼネコンであれば
50t/125cm2=400kg/cm2
であり、
その力は、中小企業のハイヒール理論の「50kg/cm2」を大きく上回り、打ち勝つことができる。
さらに、500tクラスの大型ゼネコンであれば、脅威そのものであり、これだけのパワーがあれば、「ハイヒール理論」を蹴散らすこととなろう。


●集中する方向性 

『集中力には、とてつもないパワーがある。集中力に欠けると力が抜けたようになり、大きなことは達成できない。
集中力があれば、才能を伸ばすべき方向も定まり、成果をより速く確実に生み出せるようになる』


これも数式で表すと面白い。
方向性が全く同じ場合を「1」とする。
仮に、30度ずれていた場合はどうなるか。
1@cos30°=約0.64
つまり、2/3のパワーになってしまうことになる。
一生懸命努力しても、その成果は6割しか出ないのである。


●正しい勉強方法とは

試験の場合を考えてみよう。
正しい試験勉強すれば、100点とれる方法を「1」としよう。
最近分かったことだが、正しい勉強方法とは、「アウトプット中心の勉強方法」だと思う。
つまり、「アウトプット法」で勉強すれば、100点取れるのである。
一方で、テキストを一生懸命に読み、サブノートをつける勉強方法もあろう。
この「インプット法」は、「アウトプット法」から方向性が少しズレている。
そのズレを30度としよう。
その成果は、上の計算式と同じである。
1@cos30°=約0.64

つまり、「アウトプット法」で勉強したAさんは100点である。
一方、「インプット法」でAさんと同じだけ努力し勉強したBさんは64点ということになる。
同じ努力しても、結果はこれだけ違うのである。

自分で、仮説をたて検証した結果、一番愕然としているのは、私本人である。
今まで人並み以上に勉強はしてきた。
しかし、過去の勉強方法は「インプット法」が中心だったと思う。
そのためか、大学受験をはじめ、多くの試験にチャレンジし、煮え汁を飲まされた経験が多々ある。
今振り返ると、そのやり方は「インプット法」が多い。
同じ努力をしても、成果は6割強である。これでは試験に合格しないのも当然かもしれない。


一方で、「アウトプット法」を採用して合格した試験もある。
その代表は、技術士の試験である。
旧制度であったため、800字詰め原稿用紙15枚書く試験であった。
そのため、様々なパターンを作り、ひたすら手書きを行ったことを覚えている。
つまり、徹底的に「アウトプット法」を採用したわけである。

宅建は択一試験であるので、徹底的に一つの問題集を行った。
10回以上はやったと思う。
問題集をやり、わからないことは、テキストで確認する。
この場合も「アウトプット法」中心の勉強であった。

このブログを書きながら、以前、茂木健一郎氏著書の本にも同じようなことが書かれていたことを思い出した。
読んだときには、深く考えなかったが、今回数式で表すことでその意味を理解することができた。