●ご住職とメラビアンの法則
先日、父の冥福を祈るための追善供養の法事を行った。
この法事を行ったお寺で、メラビアンの法則を確認することができた。
法事とメラビアンの法則とは、一般的には結び付かないと思う。
しかし、話し方教室で「挨拶の大切さ」を学ぶことで、メラビアンの法則の重要さが、私の心の中に大きくしめている。
潜在意識の中に、「メラビアンの法則」が存在することで、私にとって非常に重要なテーマになったことは事実である。
そのためと思うが、法事を行ったお寺で、そのことを確認することになった次第である。
本堂に現れたご住職のその姿は、胸を張り、威風堂々とした感がした。
身に着けている衣装も、立派な袈裟姿であった。
その袈裟は夏用で、絹でできている高価なものと感じた。
読経が始まると、ご住職の声は、お堂の中全体に響き渡る声であった。
その声は大きく、少し高音で、しかも透き通るようなすばらしい声であった。
姿勢を正し、腹式呼吸を行うことで、あのような大きな声が出るのだと思う。
読経は20分か30分くらいあったであろうか。
こちらも、話し方教室で勉強したように、背筋を伸ばし、胸を張った姿勢で聴いていた。
その読経の間、ご住職の態度や声の出し方について、観察していた、というのが本音である。
というのは、情けないことにお経の中身がわからないのである。
最後の方に行われた般若心経は理解できたが、それ以外のお経については、何を言っているか理解できないのである。
しかしながら、ご住職の態度や張りのある声を聴いていると、立派な法事であったと思う。
ここで、メラビアンの法則が意識の上に蘇ったのである。
メラビアンの法則は
態 度:55%
話し方:38%
内 容:7%
まさに、読経を行っているご住職の姿は、この数字に当てはまるのである。
態度が55%、話し方が38%で、合計93%である。
残りわずか、7%が内容ということである。
ご住職は、背筋を伸ばし威風堂々として、高価な袈裟姿である。
まさに、これは「態度」であり、55%の効果を示している。
次に、ご住職の張りのある少し高音の通る声は、「話し方」であり、38%の効果を示している。
最後に、お経の中身が、「内容」であり、7%である。
お経の中身がわからなくても、「態度」と「話し方」で93%の効果を上げているため、参列者には、高い評価を与えることになる。
このように、メラビアンの法則は、様々な場面で発揮する。
●予備校でのメラビアンの法則
予備校の先生もメラビアンの法則は当てはまる。
予備校等で教える内容は、学校や先生によってそれほど差がない。
ただ、先生の風貌や態度は、大きな影響を及ぼす。
また、話し方はそれ以上かもしれない。
先日このブログにも書いた漢文の多久先生にも当てはまる。
漢文の内容も素晴らしいが、教える態度や話し方で、生徒の心をわしづかみする。
人気講師の秘訣が、このメラビアンの法則を考えてみると、わかったような気がする。
同じく予備校時代、数学の勝浦捨造先生も特徴のある話し方であった。
少しかすれた声ではあったが、教育熱心で、その人柄が体全体からにじみ出ていた。
多久先生も勝浦先生も、態度から人間性がにじみ出ているのである。
今考えると、お二人とも人格者であったと思う。
これが、両先生の一番の強みであり、
それに加えて、話し方を工夫されることで、より人間味のある講義をされていたのではないだろうか。
まさに、メラニアンの法則でいう、態度55%でり、話し方38%、合計93%ということになる。
今後、人前で話をすることを仕事とするので、このことは肝に銘じておきたいと考える次第である。
続く。